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元スレ男「なんだこれ?」卵「......」
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ボスに連れられて部屋を出て通路を歩いていく、
言われるがままに黙ってついて来る幼馴染達を横目で確認しつつ
言葉を口にする。
その内容は幼馴染達が思いもよらない内容だった。
ボス「君達はこの地球と言う惑星がどれ程の奇跡の上に
なりっていているか、理解しているかね?」
幼馴染「奇跡って?」
妹「太陽からの距離、地球を包む磁場と重力
生命を育むのに都合の良い水、海と大地の割合、
塩分濃度、その潮の満ち引きを作り出す月と言う衛星
これだけの好条件の奇跡が揃っていると言う事ですか?」
友「…おめぇ、よくそんな事知っているな」
意外にも妹がすらすらと答えると、友が驚いたように口を挟む。
妹「たまたまネットで見ただけだよ」
妹の答えにボスは足を止めて少し意外そうな表情をした後に
再び歩みを進める。
ボス「では、それに加え
我々人類がこの世界で繁栄し、文明を築きあげるのに
どれ程の奇跡の上に成り立っているのかと思うかね?」
妹「人間の天敵は人間以外が存在しなかった事、
そして人間だけが、火や道具を使うような独自な進化を遂げた事、
巨大な肉食獣である恐竜が絶滅した事……かな?」
ボス「そう、他にも色々あるが、
我々が文明を築き上げた事は、数多くの奇跡と微妙なバランスの上に
成り立っていると考えて良い」
幼馴染「けど、それは人間がこの世界で生きる為に
最適化してきた事もあるんじゃないですか?
気温とかも寒かったらそれに適応したと思いますが」
実際、今よりもやや寒い気温の星だったとしたら寒い環境に適応して
進化しただろうし、暑い星だったらそういう環境適応しただろう。
それでも限度はあるが。
言われるがままに黙ってついて来る幼馴染達を横目で確認しつつ
言葉を口にする。
その内容は幼馴染達が思いもよらない内容だった。
ボス「君達はこの地球と言う惑星がどれ程の奇跡の上に
なりっていているか、理解しているかね?」
幼馴染「奇跡って?」
妹「太陽からの距離、地球を包む磁場と重力
生命を育むのに都合の良い水、海と大地の割合、
塩分濃度、その潮の満ち引きを作り出す月と言う衛星
これだけの好条件の奇跡が揃っていると言う事ですか?」
友「…おめぇ、よくそんな事知っているな」
意外にも妹がすらすらと答えると、友が驚いたように口を挟む。
妹「たまたまネットで見ただけだよ」
妹の答えにボスは足を止めて少し意外そうな表情をした後に
再び歩みを進める。
ボス「では、それに加え
我々人類がこの世界で繁栄し、文明を築きあげるのに
どれ程の奇跡の上に成り立っているのかと思うかね?」
妹「人間の天敵は人間以外が存在しなかった事、
そして人間だけが、火や道具を使うような独自な進化を遂げた事、
巨大な肉食獣である恐竜が絶滅した事……かな?」
ボス「そう、他にも色々あるが、
我々が文明を築き上げた事は、数多くの奇跡と微妙なバランスの上に
成り立っていると考えて良い」
幼馴染「けど、それは人間がこの世界で生きる為に
最適化してきた事もあるんじゃないですか?
気温とかも寒かったらそれに適応したと思いますが」
実際、今よりもやや寒い気温の星だったとしたら寒い環境に適応して
進化しただろうし、暑い星だったらそういう環境適応しただろう。
それでも限度はあるが。
ボス「そういう面もあるだろうがね、これだけの好条件
ただの偶然で揃うと思うかね?」
友「そりゃ、宇宙は広いですし
無数の銀河や無数の星系があれば、たまたま都合の良い星が
一つか二つぐらいはあるんじゃないですかい?」
ボス「確かに…そういう事もあるだろう…
では、たまたまこの地球上と同じような生命を持った
星がどこかに転がっていると思うかね?」
一同『え?』
ボス「たとえば、そうだな
外に居るゴブリンやオークなんかは、どう考えても
この地球上の生命ではありえない…、しかし
この地球上で実際に活動出来ているし、地球型の生命と
類似点が多数存在する」
ただの偶然で揃うと思うかね?」
友「そりゃ、宇宙は広いですし
無数の銀河や無数の星系があれば、たまたま都合の良い星が
一つか二つぐらいはあるんじゃないですかい?」
ボス「確かに…そういう事もあるだろう…
では、たまたまこの地球上と同じような生命を持った
星がどこかに転がっていると思うかね?」
一同『え?』
ボス「たとえば、そうだな
外に居るゴブリンやオークなんかは、どう考えても
この地球上の生命ではありえない…、しかし
この地球上で実際に活動出来ているし、地球型の生命と
類似点が多数存在する」
妹「確かに、目鼻口の数…それに道具を使う事
さらに手の指の本数まで、一致するものは一致していましたけど」
まさか、外に居る魔物達は他の星から来たとでも
言うつもりなのだろうか?
口には出さずにそんな事を考えていると、ボスはそんな幼馴染の表情を
読み取ったのか、苦笑した表情を見せる。
ボス「外に居る魔物はこの地球で生まれたものばかりだよ」
幼馴染「は、はぁ?」
ボス「少し話が跳んだな…話を戻そう…
この世界に住まう数百万種の生物の中で、猿だけが
人間に進化した」
幼馴染「ダーウィンの進化論ね」
ボス「一番有力とされる論だな、他にも宗教的な話もあるが
ひとまず除外させてもらおう」
さらに手の指の本数まで、一致するものは一致していましたけど」
まさか、外に居る魔物達は他の星から来たとでも
言うつもりなのだろうか?
口には出さずにそんな事を考えていると、ボスはそんな幼馴染の表情を
読み取ったのか、苦笑した表情を見せる。
ボス「外に居る魔物はこの地球で生まれたものばかりだよ」
幼馴染「は、はぁ?」
ボス「少し話が跳んだな…話を戻そう…
この世界に住まう数百万種の生物の中で、猿だけが
人間に進化した」
幼馴染「ダーウィンの進化論ね」
ボス「一番有力とされる論だな、他にも宗教的な話もあるが
ひとまず除外させてもらおう」
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とりあえず、今日はこの辺で、
また、書き溜めておかないと。
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妹「けど、実際そういう化石や骨が世界各地で見つかっていますけど」
友「ある所にゃ、博物館とかにも置いてありますぜ?」
ボス「さて、猿から人に進化する過程で
見つかっていない繋がり、ミッシングリンクが
あるのは知っているかね?」
聞いた事はある気がする、進化の過程で見つからない繋がり
それをミッシングリンクと言うとか。
それが見つからない限り、猿から人への進化の繋がりは
証明されないと聞いた事がある。
ボスは重々しい巨大な金属の扉の前で足を止め、
ドアの横にある電子コンソールに長い桁数のパスキーを入力していく。
どうやら話の合間に目的地へと到着したらしい。
ボス「それが見つからない理由、そしてこの地球でのみ
多数の偶然が重なる理由…………。」
電子コンソールが認証されて扉が重々しい音を立てて開く、
扉の中から光が差し込み、眩しさに目を細める、
ややあって目が順応し部屋の中の様子が見えてくる。
とりあえず、今日はこの辺で、
また、書き溜めておかないと。
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妹「けど、実際そういう化石や骨が世界各地で見つかっていますけど」
友「ある所にゃ、博物館とかにも置いてありますぜ?」
ボス「さて、猿から人に進化する過程で
見つかっていない繋がり、ミッシングリンクが
あるのは知っているかね?」
聞いた事はある気がする、進化の過程で見つからない繋がり
それをミッシングリンクと言うとか。
それが見つからない限り、猿から人への進化の繋がりは
証明されないと聞いた事がある。
ボスは重々しい巨大な金属の扉の前で足を止め、
ドアの横にある電子コンソールに長い桁数のパスキーを入力していく。
どうやら話の合間に目的地へと到着したらしい。
ボス「それが見つからない理由、そしてこの地球でのみ
多数の偶然が重なる理由…………。」
電子コンソールが認証されて扉が重々しい音を立てて開く、
扉の中から光が差し込み、眩しさに目を細める、
ややあって目が順応し部屋の中の様子が見えてくる。
部屋の中で目を引いたのは巨大なガラス管の羅列だった、
ガラス管の中には液体が満たされており、液体の中に浮かんでいたのは
様々な魔物達の亡骸だった。
見覚えのあるものから、全く見た事の無い異形の怪物まで
様々な種類が苦悶の表情を浮かべて絶命していた。
友「うっ………。」
思わず吐きそうな友のうめき声に、ボスは苦笑しつつも
こんな所で吐かないでくれよと言い放つ。
妹「お姉、あれ…。」
羅列したガラス管達に囲まれるようにして、一つの巨大なガラス管が
さも特別扱いされるかのように置かれていた。
ガラス管の中には液体が満たされており、液体の中に浮かんでいたのは
様々な魔物達の亡骸だった。
見覚えのあるものから、全く見た事の無い異形の怪物まで
様々な種類が苦悶の表情を浮かべて絶命していた。
友「うっ………。」
思わず吐きそうな友のうめき声に、ボスは苦笑しつつも
こんな所で吐かないでくれよと言い放つ。
妹「お姉、あれ…。」
羅列したガラス管達に囲まれるようにして、一つの巨大なガラス管が
さも特別扱いされるかのように置かれていた。
頭からは二対の巨大な捻じれた角が生えており、背中からは巨大な
ドラゴンのような漆黒の翼が生えている。
体躯は巨大で十数メートル程だろうか、全身に膨れ上がった筋肉を
身にまとい、口は大きく開き牙がのぞいている。
ボス「魔王、と我々は呼んでいる」
幼馴染「………魔王。」
ボス「安心したまえ、こいつはもう死んでいる
培養液に漬けられていて、細胞組織は生かされているがね」
ボスの言うとおり、魔王なるこの巨大な骸は体中に無数の傷が
付けられており、特に致命的なのは額に深く突き刺されている
金色の長い剣だ。
ドラゴンのような漆黒の翼が生えている。
体躯は巨大で十数メートル程だろうか、全身に膨れ上がった筋肉を
身にまとい、口は大きく開き牙がのぞいている。
ボス「魔王、と我々は呼んでいる」
幼馴染「………魔王。」
ボス「安心したまえ、こいつはもう死んでいる
培養液に漬けられていて、細胞組織は生かされているがね」
ボスの言うとおり、魔王なるこの巨大な骸は体中に無数の傷が
付けられており、特に致命的なのは額に深く突き刺されている
金色の長い剣だ。
妹「魔王って、あの魔王?」
RPGゲームで出てくるラスボスか、中ボス的な存在
ラストダンジョンの玉座でふんぞり返っていて、雑魚モンスターに
勇者やら英雄やらの主人公の相手をさせるのが仕事だ。
友「こんな奴、いったい何処に居たんだよ。」
ボス「察しが付いているのではないかね?
こことは異なる世界『異世界』だ」
幼馴染「………そんな。」
────馬鹿な。
と言う言葉を幼馴染は飲み込んだ、実際に目の前に証拠がある上に
こんな巨大な化け物の作り物を作って自分達を騙す意味もメリットも
何もない。
RPGゲームで出てくるラスボスか、中ボス的な存在
ラストダンジョンの玉座でふんぞり返っていて、雑魚モンスターに
勇者やら英雄やらの主人公の相手をさせるのが仕事だ。
友「こんな奴、いったい何処に居たんだよ。」
ボス「察しが付いているのではないかね?
こことは異なる世界『異世界』だ」
幼馴染「………そんな。」
────馬鹿な。
と言う言葉を幼馴染は飲み込んだ、実際に目の前に証拠がある上に
こんな巨大な化け物の作り物を作って自分達を騙す意味もメリットも
何もない。
ボス「こいつは『異世界』では人間に対する脅威だった、
なにせ無尽蔵に魔物を作り出し、こいつ自身の戦闘力も
計り知れない、一撃で島をも吹き飛ばす魔術さえ軽々と行使する」
ボス「作りの中ではよくある話でね、
魔王の脅威にさらされた『異世界』の人間達が
我々に協力を要請して来た」
ボス「彼らの戦争に協力する事を条件に
我々はこの『魔王』の亡骸を頂くことにした、彼らも
喜んで『魔王』を引き渡してくれたよ」
幼馴染「………そして、その『魔王』の死体を使って
あの化け物達を作り出す実験をしていた…って事ね。」
その『魔王』から作り出した魔物達を使って、
この山奥で何かをしていた。
妹「けど、何のために。」
なにせ無尽蔵に魔物を作り出し、こいつ自身の戦闘力も
計り知れない、一撃で島をも吹き飛ばす魔術さえ軽々と行使する」
ボス「作りの中ではよくある話でね、
魔王の脅威にさらされた『異世界』の人間達が
我々に協力を要請して来た」
ボス「彼らの戦争に協力する事を条件に
我々はこの『魔王』の亡骸を頂くことにした、彼らも
喜んで『魔王』を引き渡してくれたよ」
幼馴染「………そして、その『魔王』の死体を使って
あの化け物達を作り出す実験をしていた…って事ね。」
その『魔王』から作り出した魔物達を使って、
この山奥で何かをしていた。
妹「けど、何のために。」
ボス「そこで最初の話に戻る、この世界は都合の良い事象に
恵まれすぎている…とな。」
ボス「そう、我々の住むこの世界は、『異世界』の連中に作り出された世界
万一魔物達に人類が絶滅させられた時の為の、
『異世界』のバックアップシステムなのだよ。」
友「そんな馬鹿な」
ボス「厳密には『異世界』に住む人々から遥か昔の
古代人達の仕業らしいがね。」
恵まれすぎている…とな。」
ボス「そう、我々の住むこの世界は、『異世界』の連中に作り出された世界
万一魔物達に人類が絶滅させられた時の為の、
『異世界』のバックアップシステムなのだよ。」
友「そんな馬鹿な」
ボス「厳密には『異世界』に住む人々から遥か昔の
古代人達の仕業らしいがね。」
ボス曰く…
『異世界』に住む古代人達が万一に『魔王』に負けた時に備えて
驚異から逃れる為の移住の地、いわゆるノアの箱舟を作り出した。
───中略──。
なんだかんだで古代人達の最後の戦いにより『魔王』を倒すまでもなく、
封印する事に成功したので逃げる必要が無くなったし平和になったので、
移住は取りやめました。
───さらに中略──。
古代人達の技術が平和ボケし過ぎて失われた頃に、魔王が復活したので
さぁ大変、別世界から救世主を呼ぼうと言う話になって、ここのボスが呼ばれ
思惑はどうあれ、魔王が倒されて『異世界』の人達に再び平和が戻りました
めでたし、めでたし…という事らしい。
らしいのだが…。
『異世界』に住む古代人達が万一に『魔王』に負けた時に備えて
驚異から逃れる為の移住の地、いわゆるノアの箱舟を作り出した。
───中略──。
なんだかんだで古代人達の最後の戦いにより『魔王』を倒すまでもなく、
封印する事に成功したので逃げる必要が無くなったし平和になったので、
移住は取りやめました。
───さらに中略──。
古代人達の技術が平和ボケし過ぎて失われた頃に、魔王が復活したので
さぁ大変、別世界から救世主を呼ぼうと言う話になって、ここのボスが呼ばれ
思惑はどうあれ、魔王が倒されて『異世界』の人達に再び平和が戻りました
めでたし、めでたし…という事らしい。
らしいのだが…。
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なんか、自分でやってて無駄に話が難しくなって来た
上手く回せるかな、と言った所で今日はここまで。
----------------------------------------------------------------------
幼馴染「答えになっていないわね、
回りくどい事はもうたくさんだわ、私達に何をさせたいのか
聞いているのよ。」
ボス「我々は異世界からの侵攻に備えている、
君達に協力をお願いしたい。
自らの力だけで、強化スーツも無しに魔物と戦い続ける事が出来るほどの
素晴らしい素質を持った君達にな」
友「この魔物の研究も、そのためだって言うのかよ」
ボス「魔王を失ったとは言え、その眷属である魔物達の脅威はまだ異世界で続いている
その魔物達を確実にコントロールできるようになりさえすれば、
『異世界』の平和が保障されると同時に、我々の世界に侵攻する理由もまた無くなる」
妹「その代りに、秘密を知った私達を家まで送り届けてくれると?」
ボス「約束しよう…、それに口止め料と言う訳でもないが
協力してくれれば心ばかりの謝礼も用意させてもらおう」
ボスから提示された金額は、学生である身分を差し引いても
有り余るぐらいのとんでもな金額だった。
友「ま…マジかよ…、桁数が億まで言ってやがるぜ」
ボス「どうかな、我々に協力してくれるかな?」
幼馴染「もう一つだけ、私達からもお願いがあるわ。」
なんか、自分でやってて無駄に話が難しくなって来た
上手く回せるかな、と言った所で今日はここまで。
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幼馴染「答えになっていないわね、
回りくどい事はもうたくさんだわ、私達に何をさせたいのか
聞いているのよ。」
ボス「我々は異世界からの侵攻に備えている、
君達に協力をお願いしたい。
自らの力だけで、強化スーツも無しに魔物と戦い続ける事が出来るほどの
素晴らしい素質を持った君達にな」
友「この魔物の研究も、そのためだって言うのかよ」
ボス「魔王を失ったとは言え、その眷属である魔物達の脅威はまだ異世界で続いている
その魔物達を確実にコントロールできるようになりさえすれば、
『異世界』の平和が保障されると同時に、我々の世界に侵攻する理由もまた無くなる」
妹「その代りに、秘密を知った私達を家まで送り届けてくれると?」
ボス「約束しよう…、それに口止め料と言う訳でもないが
協力してくれれば心ばかりの謝礼も用意させてもらおう」
ボスから提示された金額は、学生である身分を差し引いても
有り余るぐらいのとんでもな金額だった。
友「ま…マジかよ…、桁数が億まで言ってやがるぜ」
ボス「どうかな、我々に協力してくれるかな?」
幼馴染「もう一つだけ、私達からもお願いがあるわ。」
あー・・一時期スレが無くなっていたから
整頓されたかとおもって、書き溜めてたテキスト消してもうたわ。
まぁ、いいか。
整頓されたかとおもって、書き溜めてたテキスト消してもうたわ。
まぁ、いいか。
あなたもネットで告発しませんか?
ビッ苦カメラ札幌店 佐藤伸弦 暴行事件
ビッ苦カメラ札幌店 佐藤伸弦 暴行事件
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>>163 >>164
サンクス
続きが消滅してしまったし、投げるつもりだったけど
別視点で書き直してみるわ。
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─────2日前────ミノタウロスから逃げ切った男。
男「腹へった。」
ミノタウロスのタゲを取って、なんとか幼馴染や妹達から
引き離す事には成功した、幸いな事ながらも自分の命も何とか無事だ。
しかし、なんせ突発的だった事だから
残念な事ながら、手持ちの装備は非常に少ない。
いつも身に着けている山歩きツールがあったのは不幸中の幸いだが。
ふと、自生していた食べられそうな山菜を手に取ってみる。
細い棒のような先に捻じれたような新芽みたいなものが付いている特徴のある山菜。
男「ぜんまい…かぁ、さすがにコイツはナマでは食えないよなぁ」
ちなみにその近くにワラビもあったりしたのだが、同じ事。
しかし、この空腹はいかんともしがたい。
あくが強い山菜の代名詞だが…この際、飢え死にするよりはマシかもしれない。👀
>>163 >>164
サンクス
続きが消滅してしまったし、投げるつもりだったけど
別視点で書き直してみるわ。
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─────2日前────ミノタウロスから逃げ切った男。
男「腹へった。」
ミノタウロスのタゲを取って、なんとか幼馴染や妹達から
引き離す事には成功した、幸いな事ながらも自分の命も何とか無事だ。
しかし、なんせ突発的だった事だから
残念な事ながら、手持ちの装備は非常に少ない。
いつも身に着けている山歩きツールがあったのは不幸中の幸いだが。
ふと、自生していた食べられそうな山菜を手に取ってみる。
細い棒のような先に捻じれたような新芽みたいなものが付いている特徴のある山菜。
男「ぜんまい…かぁ、さすがにコイツはナマでは食えないよなぁ」
ちなみにその近くにワラビもあったりしたのだが、同じ事。
しかし、この空腹はいかんともしがたい。
あくが強い山菜の代名詞だが…この際、飢え死にするよりはマシかもしれない。👀
───などと、考えていると。
?「ぴぃぃぃぃ!ぴぃぃぃぃ!」
親鳥に助けを求めるかのような雛の鳴き声、良いよなぁ
雛は親鳥が勝手にご飯を持って来てくれて。
かといって、ミミズやら芋虫やらは食いたくないけども。
男「ん?」
しかし、鳥ってものは木の上に巣を作っているはずだが、
何故か地面から聞こえた気がする。
男「巣から落ちた…のか?」
不運な事だが、それは良くあると言えばよくある事
しかし、人が雛を戻してやっても、人の匂いがついてしまい
親鳥は巣を放棄してしまう事もあるとか何とか聞いた事がある気もする。
形は大きさは鶏のヒヨコのような感じに見える、ただし色は緑の蛍光色だったりしたが。
男「動物性蛋白質だけど、あの色はなんか嫌だな
食う所なさそうだしなぁ、あん?」
その僅かな動物性蛋白質を求めて、雛の背後から大き目のヤマカガシ(毒蛇)が
迫ってくる。
雛「ぴぃぃ!?」
身に降りかかる危険に気が付いたのか、雛は泣き止むがヤマカガシは
既に攻撃体勢に入っていた、
咄嗟にヤマカガシを捕えるべく、近くに落ちていた棒を拾い上げる男。
?「ぴぃぃぃぃ!ぴぃぃぃぃ!」
親鳥に助けを求めるかのような雛の鳴き声、良いよなぁ
雛は親鳥が勝手にご飯を持って来てくれて。
かといって、ミミズやら芋虫やらは食いたくないけども。
男「ん?」
しかし、鳥ってものは木の上に巣を作っているはずだが、
何故か地面から聞こえた気がする。
男「巣から落ちた…のか?」
不運な事だが、それは良くあると言えばよくある事
しかし、人が雛を戻してやっても、人の匂いがついてしまい
親鳥は巣を放棄してしまう事もあるとか何とか聞いた事がある気もする。
形は大きさは鶏のヒヨコのような感じに見える、ただし色は緑の蛍光色だったりしたが。
男「動物性蛋白質だけど、あの色はなんか嫌だな
食う所なさそうだしなぁ、あん?」
その僅かな動物性蛋白質を求めて、雛の背後から大き目のヤマカガシ(毒蛇)が
迫ってくる。
雛「ぴぃぃ!?」
身に降りかかる危険に気が付いたのか、雛は泣き止むがヤマカガシは
既に攻撃体勢に入っていた、
咄嗟にヤマカガシを捕えるべく、近くに落ちていた棒を拾い上げる男。
別に雛を助けるつもりがあった訳でもない。
毒蛇ではあるものの、ヤマカガシは鳥の雛よりは食べられそうだと思っただけだった。
雛を食べている隙にヤマカガシを棒で抑えつけて頭を切り捨てる
────つもりだったが。
雛「ぴぃぃぃぃ!!」
一瞬の赤い閃光、閃光が収まった瞬間に、ヤマカガシが石の彫像になっていた。
男「こいつ、モンスターの雛なのか!?」
モンスターで、相手を石にする奴は有名どころでメデューサ、コカトリス
バジリスクと言った所だろうか。
その中で鳥形のモンスターはコカトリスかバジリスクだった気がする。
当の本人(鳥)は攻撃を放った反動で死んだのか、ピクリとも動かない。
男「鳥は鳥…だよな、食えるのかな
でも、さすがに未知の生物は食いたくないよなぁ
あーあ…折角の動物性蛋白質を石にしちまいやがってからに」
棒の先でヤマカガシを突いてみるも、どこからどう見ても石の蛇像だ
綺麗な蛇の形の石だから、売れるかもしれない…などとも思ってみる。
毒蛇ではあるものの、ヤマカガシは鳥の雛よりは食べられそうだと思っただけだった。
雛を食べている隙にヤマカガシを棒で抑えつけて頭を切り捨てる
────つもりだったが。
雛「ぴぃぃぃぃ!!」
一瞬の赤い閃光、閃光が収まった瞬間に、ヤマカガシが石の彫像になっていた。
男「こいつ、モンスターの雛なのか!?」
モンスターで、相手を石にする奴は有名どころでメデューサ、コカトリス
バジリスクと言った所だろうか。
その中で鳥形のモンスターはコカトリスかバジリスクだった気がする。
当の本人(鳥)は攻撃を放った反動で死んだのか、ピクリとも動かない。
男「鳥は鳥…だよな、食えるのかな
でも、さすがに未知の生物は食いたくないよなぁ
あーあ…折角の動物性蛋白質を石にしちまいやがってからに」
棒の先でヤマカガシを突いてみるも、どこからどう見ても石の蛇像だ
綺麗な蛇の形の石だから、売れるかもしれない…などとも思ってみる。
まじまじと、石蛇を観察していると…蛇が僅かに動いた気がした。
男「うぉ!?動いた」
僅かに動きを見せた後は、全身の灰色が元の蛇の色に戻り
蛇は何事も無かったかのように死んでいる雛を捕食しようとする。
男「おっと!」
男は手にした棒でヤマカガシを取り押さえ、腰から抜き放ったナイフで
一気に止めを刺す。
男「悪いな、食われるのはお前の方なんだ
美味しく食べてやるから勘弁してくれな」
蛇が動きを止めた事を確認し、毒のある頭に気を付けながら
上顎と下顎を持ち、一気に蛇の体の皮を内蔵諸共綺麗に剥ぎ取る。
川の水で洗い流して、木の棒に差して軽く干してみる、
などと、やっていると。
男「うぉ!?動いた」
僅かに動きを見せた後は、全身の灰色が元の蛇の色に戻り
蛇は何事も無かったかのように死んでいる雛を捕食しようとする。
男「おっと!」
男は手にした棒でヤマカガシを取り押さえ、腰から抜き放ったナイフで
一気に止めを刺す。
男「悪いな、食われるのはお前の方なんだ
美味しく食べてやるから勘弁してくれな」
蛇が動きを止めた事を確認し、毒のある頭に気を付けながら
上顎と下顎を持ち、一気に蛇の体の皮を内蔵諸共綺麗に剥ぎ取る。
川の水で洗い流して、木の棒に差して軽く干してみる、
などと、やっていると。
雛「ぴぃぃぃぃ!ぴぃぃぃぃ!」
男「あー…もぉ、生きていたのかよ!
うるせぇなぁ」
どうやら、死んでいたのではなく単に気絶していただけらしく
再び雛が大騒ぎし始める。
とは言え、雛相手に癇癪を起すのも大人げないし、
すぐに戻るとはいえ、石にされたらたまった物ではないので、
先ほど引っぺがしたヤマカガシの内臓を与えてみる。
雛「ぴぃ♪」
満足気に一声鳴くと、バジリスク(orコカトリス)の雛は
満足げに蛇の内臓にかぶりつく。
男「こうしてみると、魔物なんだなお前
そいつはいらないからやるけど、ウチには大食らいがすでに
居るから面倒みてやれないからな、強く生きろよ」
人の言葉を理解できているのやら、出来ていないのやら。
男「あー…もぉ、生きていたのかよ!
うるせぇなぁ」
どうやら、死んでいたのではなく単に気絶していただけらしく
再び雛が大騒ぎし始める。
とは言え、雛相手に癇癪を起すのも大人げないし、
すぐに戻るとはいえ、石にされたらたまった物ではないので、
先ほど引っぺがしたヤマカガシの内臓を与えてみる。
雛「ぴぃ♪」
満足気に一声鳴くと、バジリスク(orコカトリス)の雛は
満足げに蛇の内臓にかぶりつく。
男「こうしてみると、魔物なんだなお前
そいつはいらないからやるけど、ウチには大食らいがすでに
居るから面倒みてやれないからな、強く生きろよ」
人の言葉を理解できているのやら、出来ていないのやら。
----------------------------------------------------------------------
とりあえず、今日はこの辺で。
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雛が蛇の内臓を食べている所を見ていると腹が減って来たので
まだ、乾いていないが蛇の肉を軽くあぶって、食べる事にする。
ライターで火を起こして、蛇の肉を炙ると香ばしい臭いが
辺りに漂い始める。
雛「ぴぃぃぃぃ!ぴぃぃぃぃ!」
男「お前…さっき内臓食っただろうが
これは俺のだっての」
美味しそうな匂いにつられて、雛が再び騒ぎ始めるが
こっちも腹を減っているので心を鬼にして食べる事にする。
結局、つぶらな瞳で訴えかけられたので、
尻尾の一部と、蛇の頭を軽くあぶって与える事になったが。
ちなみに、味は結構美味しかった、
塩ぐらいあれば文句無かったが。👀
とりあえず、今日はこの辺で。
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雛が蛇の内臓を食べている所を見ていると腹が減って来たので
まだ、乾いていないが蛇の肉を軽くあぶって、食べる事にする。
ライターで火を起こして、蛇の肉を炙ると香ばしい臭いが
辺りに漂い始める。
雛「ぴぃぃぃぃ!ぴぃぃぃぃ!」
男「お前…さっき内臓食っただろうが
これは俺のだっての」
美味しそうな匂いにつられて、雛が再び騒ぎ始めるが
こっちも腹を減っているので心を鬼にして食べる事にする。
結局、つぶらな瞳で訴えかけられたので、
尻尾の一部と、蛇の頭を軽くあぶって与える事になったが。
ちなみに、味は結構美味しかった、
塩ぐらいあれば文句無かったが。👀
諦めかけてたが再開ありがとー!
頑張って続きを書いてくれ
頑張って続きを書いてくれ
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>>172 >>173
コメありがとう、色々あるから相変わらず不定期にはなるけども。
----------------------------------------------------------------------
エネルギーが頭に回って来た所で、自分がどうするべきか考えを纏めてみる
目的はただ一つ。
仲間達となんとか合流して、山から生きて脱出する事。
ファンタジーな化け物が出てくるこの山で一体何が起こっているのか、
非常に気になるが、謎の究明は義務でもなんでもない、ただの好奇心なだけ。
この際当初の目的であったシンディをこの山に帰す云々はもうどうでも良くなって来た
とは言わないが、優先順位の低い話だ。
男「まずは、あいつらと何とかして合流しないと」
自分の位置は山のどこに居るのかもわからない、言わば遭難したような状態だ、
つまりは、連中に自分を探し出して貰わなければいけない。
男「………火事でも起こしてみるか」
雛「ぴぃ?」👀
>>172 >>173
コメありがとう、色々あるから相変わらず不定期にはなるけども。
----------------------------------------------------------------------
エネルギーが頭に回って来た所で、自分がどうするべきか考えを纏めてみる
目的はただ一つ。
仲間達となんとか合流して、山から生きて脱出する事。
ファンタジーな化け物が出てくるこの山で一体何が起こっているのか、
非常に気になるが、謎の究明は義務でもなんでもない、ただの好奇心なだけ。
この際当初の目的であったシンディをこの山に帰す云々はもうどうでも良くなって来た
とは言わないが、優先順位の低い話だ。
男「まずは、あいつらと何とかして合流しないと」
自分の位置は山のどこに居るのかもわからない、言わば遭難したような状態だ、
つまりは、連中に自分を探し出して貰わなければいけない。
男「………火事でも起こしてみるか」
雛「ぴぃ?」👀
火事は言い過ぎだとしても、狼煙を上げれば仲間達からも見えるかもしれないし
上手くすれば、助けを呼ぶ事が出来るかもしれない。
幸いにして、手元にライターはある。
狼煙を上げるなら、高台に移動しなければいけない。
男「考えるより、まずは実践せよ…だな」
荷物(然程荷物がある訳でもないが)を纏めて、腰を上げる
とにかくどこかの高台を探すべく歩き始める─────と。
雛「ぴぃぃぃぃ!ぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
男「………………何だよ…」
置いて行かれたはなるものかと、雛が大騒ぎし始める
どうやら、懐かれてしまったらしい。
男「…あのな?俺は人間な訳よ
いろんな小説とかゲームとかだと、お前は魔物で人間襲う立場な訳よ?
言わば敵同士よ?わかるか?」
雛「ぴぃ!」
上手くすれば、助けを呼ぶ事が出来るかもしれない。
幸いにして、手元にライターはある。
狼煙を上げるなら、高台に移動しなければいけない。
男「考えるより、まずは実践せよ…だな」
荷物(然程荷物がある訳でもないが)を纏めて、腰を上げる
とにかくどこかの高台を探すべく歩き始める─────と。
雛「ぴぃぃぃぃ!ぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
男「………………何だよ…」
置いて行かれたはなるものかと、雛が大騒ぎし始める
どうやら、懐かれてしまったらしい。
男「…あのな?俺は人間な訳よ
いろんな小説とかゲームとかだと、お前は魔物で人間襲う立場な訳よ?
言わば敵同士よ?わかるか?」
雛「ぴぃ!」
男「俺とお前とは同じ蛇を食った者同士って縁があるから、お前は殺さん訳だけど
お前だって、大きくなったら他の魔物みたいに人間襲うわけだろ?」
つぶらな瞳で見られるが、生き物は無責任に飼ってはいけないものである、
だからこそ、最初にシンディを山へ帰すためにここに来た訳で。
男「よし、分かったな、じゃあな」
雛「ぴぃぃぃぃ!ぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
魔物の雛の攻撃、特技:つぶらな瞳。
……………う"。
こうかはばつぐんだ!
男「あーもー!そんな目で人を見るなよ
分かった!分かったよ!俺の負けだよ」
実際、自分の仲間と別れて一人な訳で
話し相手は欲しかったのかもしれない(相手は話せないが)
雛をとりあえず肩の上に乗せて、魔物に警戒しながら高台を目指して歩き出す。
男「俺がこの山に居る時だけだからな、
ここから帰る時には、いくらなんでも置いていくからな!」
雛「ぴぃ!」
バジリスクだかコカトリスだかの雛は一先ずは言葉に反応して元気に鳴く、
本当…わかっているんだか。
お前だって、大きくなったら他の魔物みたいに人間襲うわけだろ?」
つぶらな瞳で見られるが、生き物は無責任に飼ってはいけないものである、
だからこそ、最初にシンディを山へ帰すためにここに来た訳で。
男「よし、分かったな、じゃあな」
雛「ぴぃぃぃぃ!ぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
魔物の雛の攻撃、特技:つぶらな瞳。
……………う"。
こうかはばつぐんだ!
男「あーもー!そんな目で人を見るなよ
分かった!分かったよ!俺の負けだよ」
実際、自分の仲間と別れて一人な訳で
話し相手は欲しかったのかもしれない(相手は話せないが)
雛をとりあえず肩の上に乗せて、魔物に警戒しながら高台を目指して歩き出す。
男「俺がこの山に居る時だけだからな、
ここから帰る時には、いくらなんでも置いていくからな!」
雛「ぴぃ!」
バジリスクだかコカトリスだかの雛は一先ずは言葉に反応して元気に鳴く、
本当…わかっているんだか。
ともあれ、この妙な同行人をいつまでも『雛』だの『お前』だの呼ぶのも何なので
とりあえず暫定で『バジ子』と呼ぶ事にした。
バジリスクだから…バジ子。
もしかしたら、実はコカトリスかもしれないけど、その時はその時。
男「よし、お前の名前は今日からバジ子だ」
バジ子「ぴぃー…。」
バジ子は微妙に嫌そうな表情(ヒヨコなんだけど)で返事を返す。
どうやら、とても気に入ってくれたらしい。
男「しかし、シンディもバジ子も
魔物ってのは人の言葉を理解できる程頭良いもんなのかね」
それにもう一つ、タマゴから孵ったシンディは当然としてだが、
このバジ子にもゴブリンと同じような、謎のシリアルナンバーは刻まれていない。
追い回してきたミノタウロスには二の腕にシリアルナンバーらしきものが
記されていたように見受けられたが。
男「…管理されている魔物と、監理しきれていない魔物が存在するって事か?」
大体、こんな魔物を作り出す連中が居ると仮定して(自然発生ではあるまい)
作り出した魔物は檻に入れるか、何かするかして管理するだろう。
そうなっていない理由は二つ、何か事故でもあって管理していた魔物が逃亡したか
あるいはあえて放し飼いにしているか。
男「…おっと!」
バジ子「ぴぃ?」
男が足を止めると、バジ子が首をかしげて男を見上げて来る
静かにするようにと目線でバジ子を注意する。
足を止めて木を背にして、進もうとしていた方向を覗き見る、
気配を消して待つ事数秒、巨体が歩く足音が遠くから響いてくる。
全身青い肌の筋肉質の巨人、頭の上に大きな単眼の瞳が光を放ち、頭には一本角
手には地獄の鬼が持つかのような巨大な錆びた金棒が握られている。
とりあえず暫定で『バジ子』と呼ぶ事にした。
バジリスクだから…バジ子。
もしかしたら、実はコカトリスかもしれないけど、その時はその時。
男「よし、お前の名前は今日からバジ子だ」
バジ子「ぴぃー…。」
バジ子は微妙に嫌そうな表情(ヒヨコなんだけど)で返事を返す。
どうやら、とても気に入ってくれたらしい。
男「しかし、シンディもバジ子も
魔物ってのは人の言葉を理解できる程頭良いもんなのかね」
それにもう一つ、タマゴから孵ったシンディは当然としてだが、
このバジ子にもゴブリンと同じような、謎のシリアルナンバーは刻まれていない。
追い回してきたミノタウロスには二の腕にシリアルナンバーらしきものが
記されていたように見受けられたが。
男「…管理されている魔物と、監理しきれていない魔物が存在するって事か?」
大体、こんな魔物を作り出す連中が居ると仮定して(自然発生ではあるまい)
作り出した魔物は檻に入れるか、何かするかして管理するだろう。
そうなっていない理由は二つ、何か事故でもあって管理していた魔物が逃亡したか
あるいはあえて放し飼いにしているか。
男「…おっと!」
バジ子「ぴぃ?」
男が足を止めると、バジ子が首をかしげて男を見上げて来る
静かにするようにと目線でバジ子を注意する。
足を止めて木を背にして、進もうとしていた方向を覗き見る、
気配を消して待つ事数秒、巨体が歩く足音が遠くから響いてくる。
全身青い肌の筋肉質の巨人、頭の上に大きな単眼の瞳が光を放ち、頭には一本角
手には地獄の鬼が持つかのような巨大な錆びた金棒が握られている。
身長は6メートルだか、7メートルぐらいはあるかもしれない、
息を立てず、声を上げないままじっと隠れていると、
幸いにして巨人は男には気が付かずにそのまま足音を立てつつ去ってくれる。
男「おっかねぇ、おっかねぇ
サイクロップスだか、オーガだかって所か
あんなのに見つかったら命がいくつあっても足りないな」
ゲームで言えばラストダンジョンやら、その手前やらで出てくるような
敵だろう、こっちは普通の学生だと言うのにあんなの相手にできるはずもない。
なんて言ったら、幼馴染辺りが『普通の学生が蛇を裂いて炙って食べる訳無いでしょ』
とか返してくるだろうが。
漫画とかで良くあるパターンだと、小枝を踏んづけてサイクロップスに気が付かれて
逃げ回るパターンになるだろうが、山歩きには慣れているのでそんなヘマはしない。
しかし、男以外の三人は山歩きスキルを身に着けている訳でもない
一応は武器に精通している友が居るから大丈夫だとは思うが、先ほどみたいな巨大な化け物に
遭遇したら、怪しいものだ。
男「あいつら、無事だと良いんだけどな」
弱気を口に出しかけた所で頭を振って追い出す、
ふと…自分に影が差している事に気が付く、これは木の陰ではなく、後ろに大きなものが
立っているかのような影。
ゆっくりと、振り向いてみると。
ミノ「ブフー…」
男「よ…よぉ…また会ったな」
息を立てず、声を上げないままじっと隠れていると、
幸いにして巨人は男には気が付かずにそのまま足音を立てつつ去ってくれる。
男「おっかねぇ、おっかねぇ
サイクロップスだか、オーガだかって所か
あんなのに見つかったら命がいくつあっても足りないな」
ゲームで言えばラストダンジョンやら、その手前やらで出てくるような
敵だろう、こっちは普通の学生だと言うのにあんなの相手にできるはずもない。
なんて言ったら、幼馴染辺りが『普通の学生が蛇を裂いて炙って食べる訳無いでしょ』
とか返してくるだろうが。
漫画とかで良くあるパターンだと、小枝を踏んづけてサイクロップスに気が付かれて
逃げ回るパターンになるだろうが、山歩きには慣れているのでそんなヘマはしない。
しかし、男以外の三人は山歩きスキルを身に着けている訳でもない
一応は武器に精通している友が居るから大丈夫だとは思うが、先ほどみたいな巨大な化け物に
遭遇したら、怪しいものだ。
男「あいつら、無事だと良いんだけどな」
弱気を口に出しかけた所で頭を振って追い出す、
ふと…自分に影が差している事に気が付く、これは木の陰ではなく、後ろに大きなものが
立っているかのような影。
ゆっくりと、振り向いてみると。
ミノ「ブフー…」
男「よ…よぉ…また会ったな」
忘れもしない牛人間、しかもご丁寧にさっき逃げ切った奴と同じ奴だ
向かう先のサイクロップスに気を取られて、背後のミノタウロスに気が付いていなかったらしい。
しかも、先ほどおちょくったのが効いていると見えて
随分と怒っていらっしゃるご様子。
ミノ「…ヴォァァアアアアアアァァァァ!!!」
ミノタウロスの咆哮と同時に手にしたハルバードを一閃する、
間一髪で男は飛び退くと、先ほどまで男が隠れていた大木を一撃で薙ぎ払う。
男「バジ子…頼みがあるんだが
さっき蛇にやったあのビーム、アイツに撃ってくれないか?」
バジ子「ぴぃいいぃい!ぴぃいいぃい!」
無理と言わんばかりに首を横に振るバジ子、やはり言葉は通じているらしい。
男「無理でも何でも、やってくれって!
俺が喰われたら漏れなくお前も食われるんだぞ!」
バジ子「ぴ…ぴぃい。」
向かう先のサイクロップスに気を取られて、背後のミノタウロスに気が付いていなかったらしい。
しかも、先ほどおちょくったのが効いていると見えて
随分と怒っていらっしゃるご様子。
ミノ「…ヴォァァアアアアアアァァァァ!!!」
ミノタウロスの咆哮と同時に手にしたハルバードを一閃する、
間一髪で男は飛び退くと、先ほどまで男が隠れていた大木を一撃で薙ぎ払う。
男「バジ子…頼みがあるんだが
さっき蛇にやったあのビーム、アイツに撃ってくれないか?」
バジ子「ぴぃいいぃい!ぴぃいいぃい!」
無理と言わんばかりに首を横に振るバジ子、やはり言葉は通じているらしい。
男「無理でも何でも、やってくれって!
俺が喰われたら漏れなくお前も食われるんだぞ!」
バジ子「ぴ…ぴぃい。」
仕方なしに覚悟を決めてくれるバジ子、どうやら運命共同体だと
認識してくれたらしい、意外に話の分かる奴だ。
男「隙を見つけたら合図する、いいな!」
ハルバードをぶん回しながら突進してくるミノタウロスから
必死に逃げながら隙を伺う。
枯れ葉が積もった森の中、必死に逃げ惑うと
ミノタウロスが足を取られたのか僅かにバランスを崩す。
男「今だ!!バジ子ビーム!!」
バジ子「ぴぃいいいいいぃいっ!」
合図(?)すると、ポケットから顔を出したバジ子が赤い閃光を放つ
赤い粒子がミノタウロスを包み、一瞬動きが止まった
─────ような気がしたが
石になる事は無くただそれだけだった。
同時にポケットの中のバジ子が力尽きて気絶する。
ミノ「…ヴォァァアアアアアアァァァァ!!!」
男「ああっ!やっぱり無理か!
おい、こらバジ子!もう一発だ!寝てるんじゃねーよ!」
期待しなかった訳ではないが所詮は雛である、
一瞬でも動きを止めてくれただけ頑張ってくれた方かもしれない。
認識してくれたらしい、意外に話の分かる奴だ。
男「隙を見つけたら合図する、いいな!」
ハルバードをぶん回しながら突進してくるミノタウロスから
必死に逃げながら隙を伺う。
枯れ葉が積もった森の中、必死に逃げ惑うと
ミノタウロスが足を取られたのか僅かにバランスを崩す。
男「今だ!!バジ子ビーム!!」
バジ子「ぴぃいいいいいぃいっ!」
合図(?)すると、ポケットから顔を出したバジ子が赤い閃光を放つ
赤い粒子がミノタウロスを包み、一瞬動きが止まった
─────ような気がしたが
石になる事は無くただそれだけだった。
同時にポケットの中のバジ子が力尽きて気絶する。
ミノ「…ヴォァァアアアアアアァァァァ!!!」
男「ああっ!やっぱり無理か!
おい、こらバジ子!もう一発だ!寝てるんじゃねーよ!」
期待しなかった訳ではないが所詮は雛である、
一瞬でも動きを止めてくれただけ頑張ってくれた方かもしれない。
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とりあえず、これで8投のはずなので
今日はこの辺で。
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ミノタウロスとは若干距離が開いたものの、逃げ切ったなどとは
到底言えない距離だ、牛人間のミノタウロスの足で難なく詰められてしまう。
男「えぇい!仕方が無い
リスキーだが、プランBだ!」
走りながら足元に落ちていた拳大の石を拾う、ただ出鱈目にミノタウロスから
逃げていた訳では無い、一応考えがあっての事だ。
走る進行方向の先に目標物を発見し、遠慮なく拾った石を投げつける。
幸いにも石は目標物の後頭部に直撃する。
人間、必死になればなんとかなるものだ。
サイクロップス「ヌガ!?」
後頭部に石の直撃を受けて振り向いたサイクロップスに
ミノタウロスを指さしつつ一言。
─────必殺!!
男「アイツがやりました」👀
とりあえず、これで8投のはずなので
今日はこの辺で。
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ミノタウロスとは若干距離が開いたものの、逃げ切ったなどとは
到底言えない距離だ、牛人間のミノタウロスの足で難なく詰められてしまう。
男「えぇい!仕方が無い
リスキーだが、プランBだ!」
走りながら足元に落ちていた拳大の石を拾う、ただ出鱈目にミノタウロスから
逃げていた訳では無い、一応考えがあっての事だ。
走る進行方向の先に目標物を発見し、遠慮なく拾った石を投げつける。
幸いにも石は目標物の後頭部に直撃する。
人間、必死になればなんとかなるものだ。
サイクロップス「ヌガ!?」
後頭部に石の直撃を受けて振り向いたサイクロップスに
ミノタウロスを指さしつつ一言。
─────必殺!!
男「アイツがやりました」👀
サイクロップスの瞳に殺意の光が灯る
サイクロップス「グォァアアアアアアァァァァ!!」
金棒を振り回して激しく雄叫びを上げ、自らより一回りか
二回り大きいサイクロップスの怒りの咆哮に、ミノタウロスはたじろぐ。
巨大な体躯のサイクロップスだから、石一つ投げられたぐらいでは怒らないかもしれないと
思ったが、そんな事は無かったらしい。
まぁ、後頭部に直撃して鈍い音がしたから
ミノタウロス「ブモォオオオオォッ!!!」
一瞬たじろいだのもミノタウロスも負けじと威嚇し返す、サイクロップス VS ミノタウロスの
怪獣対決の流れになるかと思いきや。
サイクロップスがじっと男を見る。
サイクロップス「グオ?」
どうやら『お前がやったのか?』と言っているらしい、
言葉は全く分からないけど、なんとなくそんな空気を感じた。
男「いや、違うって…そっちの牛人間の仕業だって」
男の言葉が通じているのか、ミノタウロスが首を振りながらサイクロップスに応える。
ミノタウロス「ブモモモモモモ!」
ミノタウロスの言葉(?)にサイクロップスがほんの一瞬だけ悩む素振りを見せる
しかし、答えは直ぐに出たようだ。
サイクロップス「グォァアアアアアアァァァァ!!」
金棒を振り回して激しく雄叫びを上げ、自らより一回りか
二回り大きいサイクロップスの怒りの咆哮に、ミノタウロスはたじろぐ。
巨大な体躯のサイクロップスだから、石一つ投げられたぐらいでは怒らないかもしれないと
思ったが、そんな事は無かったらしい。
まぁ、後頭部に直撃して鈍い音がしたから
ミノタウロス「ブモォオオオオォッ!!!」
一瞬たじろいだのもミノタウロスも負けじと威嚇し返す、サイクロップス VS ミノタウロスの
怪獣対決の流れになるかと思いきや。
サイクロップスがじっと男を見る。
サイクロップス「グオ?」
どうやら『お前がやったのか?』と言っているらしい、
言葉は全く分からないけど、なんとなくそんな空気を感じた。
男「いや、違うって…そっちの牛人間の仕業だって」
男の言葉が通じているのか、ミノタウロスが首を振りながらサイクロップスに応える。
ミノタウロス「ブモモモモモモ!」
ミノタウロスの言葉(?)にサイクロップスがほんの一瞬だけ悩む素振りを見せる
しかし、答えは直ぐに出たようだ。
サイクロップス「グォァアアアアアアァァァァ!!」
考える事を早々に放棄したサイクロップスが金棒を振り回して手当たり次第に暴れ出す、
どうやら、考えるのが面倒になったのかどっちもぶっ飛ばす気になったらしい、
ジャイアンか!このモンスターは。
人の言葉を理解するように思えて、その実見た目通りの脳筋らしく賢さが低いようだ。
プランB、失敗。
棍棒振り回して暴れまわるサイクロップスを尻目に男とついでにミノタウロスも
一目散に逃げ出す。
森の茂みを掻き分け、木を盾にしながら男は逃げ回り、
やがて森が開けた広場に出てしまう。
広場は崖の下となっており、目の前にはほぼ垂直に切り取った崖が立ちふさがっている
今度は崖の上ではなく崖の下、前回のようにフック付ロープを投げて飛び降りる訳にもいかない。
考える事を早々に放棄したサイクロップスが金棒を振り回して手当たり次第に暴れ出す、
どうやら、考えるのが面倒になったのかどっちもぶっ飛ばす気になったらしい、
ジャイアンか!このモンスターは。
人の言葉を理解するように思えて、その実見た目通りの脳筋らしく賢さが低いようだ。
プランB、失敗。
棍棒振り回して暴れまわるサイクロップスを尻目に男とついでにミノタウロスも
一目散に逃げ出す。
森の茂みを掻き分け、木を盾にしながら男は逃げ回り、
やがて森が開けた広場に出てしまう。
広場は崖の下となっており、目の前にはほぼ垂直に切り取った崖が立ちふさがっている
今度は崖の上ではなく崖の下、前回のようにフック付ロープを投げて飛び降りる訳にもいかない。
時間を掛けてクライミングすれば登れるかもしれないが、のんびり登っている所を
ミノタウロスのハルルバードで串刺しにされるか、サイクロップスの棍棒で叩き落されるかの
どちらかの未来しか見えない。
男「ジーザス!!
また、このパターンかよ!?」
神に祈ってみるも、特に状況が改善される訳でも無かった。
サイクロップス「グオ!」
ミノタウロス「ブモ!」
今度は二体の大型の魔物に完全に逃げ道が塞がれてしまっている、
胸ポケットの中のバジ子に隙を作ってもらって逃げようにも、バジ子は未だに気絶中。
どうやら、今度こそ覚悟を決めなくてはいけないらしい。
ミノタウロスのハルルバードで串刺しにされるか、サイクロップスの棍棒で叩き落されるかの
どちらかの未来しか見えない。
男「ジーザス!!
また、このパターンかよ!?」
神に祈ってみるも、特に状況が改善される訳でも無かった。
サイクロップス「グオ!」
ミノタウロス「ブモ!」
今度は二体の大型の魔物に完全に逃げ道が塞がれてしまっている、
胸ポケットの中のバジ子に隙を作ってもらって逃げようにも、バジ子は未だに気絶中。
どうやら、今度こそ覚悟を決めなくてはいけないらしい。
久々に腰からスタンソードを引き抜きスイッチを投入する、低い振動音と共に
スタンソードが起動し、インジケータに記されたバッテリー残量は50%を示す。
ゴブリンを相手にする時とは違って相手は大型の魔物だ、
熊でも気絶するとか友は言っていたが、象を一撃で昏倒させるぐらいでないと
勝てる気がしない。
人間、素手で勝てる相手は中型の犬が精々だとどこかで聞いた事がある気がする、
いくら武器があると言っても、隙を付いて逃げ出す事すら難しいだろう。
いつだか見た、スティーブン氏の胴体が二分された亡骸が脳裏にフラッシュバックする。
男「苦しんで死ぬよりゃ、即死っぽかったから
そこだけは救いかね」
勝てない相手であっても弱気になってはいけない、飲まれてしまえば例え格下の相手であっても
勝つ事は出来なくなる、相手が格上ならなおさらだ。
ハッタリを利かせて、ヤケにならず常に状況を冷静に判断し、どんな相手であっても
勝てると自分に言い聞かせる─────山歩きの原点たる、祖父の教えだった。
スタンソードが起動し、インジケータに記されたバッテリー残量は50%を示す。
ゴブリンを相手にする時とは違って相手は大型の魔物だ、
熊でも気絶するとか友は言っていたが、象を一撃で昏倒させるぐらいでないと
勝てる気がしない。
人間、素手で勝てる相手は中型の犬が精々だとどこかで聞いた事がある気がする、
いくら武器があると言っても、隙を付いて逃げ出す事すら難しいだろう。
いつだか見た、スティーブン氏の胴体が二分された亡骸が脳裏にフラッシュバックする。
男「苦しんで死ぬよりゃ、即死っぽかったから
そこだけは救いかね」
勝てない相手であっても弱気になってはいけない、飲まれてしまえば例え格下の相手であっても
勝つ事は出来なくなる、相手が格上ならなおさらだ。
ハッタリを利かせて、ヤケにならず常に状況を冷静に判断し、どんな相手であっても
勝てると自分に言い聞かせる─────山歩きの原点たる、祖父の教えだった。
男「でもさぁ、爺ちゃん…物事にゃ限度ってモノがあると思うなぁ」
目の前のミノタウロスとサイクロップスを他人事のように眺めつつ、ため息を付く
いくらなんでも祖父はこんな化け物は相手にした事は無いと思う。
もっとも、戦争に行っただの熊を倒した事があるだのは言っていたが。
───覚悟、完了。
男「さぁ…かかって来いやぁ!!」
ミノタウロス「ブモォォオオオォォ!」
ハウルバードをに構え、ミノタウロスが先に突進してくる
スタンソードで狙うは頭、頭に直接高圧電流を流せば上手くすれば
気絶してくれるかもしれない。
相手は所詮は獣、型もフォームもあったもんではない…。
だからこそ、先ほどからミノタウロスやらサイクロップスの攻撃を躱して
なんとか逃げ切れている。
男「ゴルアァァァアアアアァァァァ!!!」
男は己を鼓舞しつつ雄叫びを上げ、冷静にミノタウロスの攻撃の軌道を読もうとするが
視界の端でサイクロップスの振り上げられた金棒が見えた気がした。
男(あー………こりゃ…死んだな。)
さすがに二体同時は捌ききれないと、男の瞳に諦め色が浮かび上がる
人間、事故に遭う時にスローモーションに見える事があると、どこかで聞いた事がある。
目の前のミノタウロスとサイクロップスを他人事のように眺めつつ、ため息を付く
いくらなんでも祖父はこんな化け物は相手にした事は無いと思う。
もっとも、戦争に行っただの熊を倒した事があるだのは言っていたが。
───覚悟、完了。
男「さぁ…かかって来いやぁ!!」
ミノタウロス「ブモォォオオオォォ!」
ハウルバードをに構え、ミノタウロスが先に突進してくる
スタンソードで狙うは頭、頭に直接高圧電流を流せば上手くすれば
気絶してくれるかもしれない。
相手は所詮は獣、型もフォームもあったもんではない…。
だからこそ、先ほどからミノタウロスやらサイクロップスの攻撃を躱して
なんとか逃げ切れている。
男「ゴルアァァァアアアアァァァァ!!!」
男は己を鼓舞しつつ雄叫びを上げ、冷静にミノタウロスの攻撃の軌道を読もうとするが
視界の端でサイクロップスの振り上げられた金棒が見えた気がした。
男(あー………こりゃ…死んだな。)
さすがに二体同時は捌ききれないと、男の瞳に諦め色が浮かび上がる
人間、事故に遭う時にスローモーションに見える事があると、どこかで聞いた事がある。
しかし、次に男を襲った衝撃は正面のハウルバードの一撃でもなく、
また、サイクロップスの金棒でも無く、背後からのものだった。
風を切り裂くような音が聞こえたかと思ったら、激しい衝撃に突き飛ばされるような感覚
男「うぉあぁぁああああぁぁ!?」
男は自分に何が起こったのか理解できなかった、何かに突き飛ばされたと思ったら
全身を襲う浮遊感。
突然に景色がスライドし、男は数十メートル上空にはじき飛ばされた。
次の瞬間に我に返ると眼下にはに広い森が広がり、目の前に山々が見える。
?「クェェェェエエエエエェェ!!」
肩を何者かの爪に捕まれて、自分は空を飛んでいるのだと自覚する。
見覚えのある体の色、そして翼を羽ばたかせる音と鳴き声。
顔を上げて自分を捕えた者を確認すると、やはり見知ったドラゴンの姿が。
男「シンディ!」
シンディ「クェェェェ!」
見知ったドラゴンの名を呼ぶと、満足気に一声鳴く、
どうやら、ずっと男を探してくれていたらしい。
また、サイクロップスの金棒でも無く、背後からのものだった。
風を切り裂くような音が聞こえたかと思ったら、激しい衝撃に突き飛ばされるような感覚
男「うぉあぁぁああああぁぁ!?」
男は自分に何が起こったのか理解できなかった、何かに突き飛ばされたと思ったら
全身を襲う浮遊感。
突然に景色がスライドし、男は数十メートル上空にはじき飛ばされた。
次の瞬間に我に返ると眼下にはに広い森が広がり、目の前に山々が見える。
?「クェェェェエエエエエェェ!!」
肩を何者かの爪に捕まれて、自分は空を飛んでいるのだと自覚する。
見覚えのある体の色、そして翼を羽ばたかせる音と鳴き声。
顔を上げて自分を捕えた者を確認すると、やはり見知ったドラゴンの姿が。
男「シンディ!」
シンディ「クェェェェ!」
見知ったドラゴンの名を呼ぶと、満足気に一声鳴く、
どうやら、ずっと男を探してくれていたらしい。
男「助かった!
美味しいタイミングで助けてくれやがって」
先ほどまで居た所を見下ろすと、男を連れ去らわれたミノタウロスとサイクロップスは
今度は互いに争っているらしい、全く…やり合うつもりだったのなら
最初から互いにやり合って欲しいものだ。
だが、もう男にとっては関係ない事
それよりもどこか安全な所に下ろしてもらう事が先決だ。
このまま麓の自宅まで帰って助けを呼ぶべきか、一瞬迷うが
皆を置いて自分だけ先に帰る訳にもいかない。
シンディ「クェェ……」
突如、男を掴んだまま飛んでいたシンディがバランスを崩しかける
男「おわっ!?」
墜落する程でも無かったが、ふらふらと左右によろめくように飛行し高度が徐々に落ちて来ている
相当疲れているのかもしれない、随分無理をして男を探してくれていたのだろうか?
そうなると、麓まで飛んでもらう案は難しいだろう。
美味しいタイミングで助けてくれやがって」
先ほどまで居た所を見下ろすと、男を連れ去らわれたミノタウロスとサイクロップスは
今度は互いに争っているらしい、全く…やり合うつもりだったのなら
最初から互いにやり合って欲しいものだ。
だが、もう男にとっては関係ない事
それよりもどこか安全な所に下ろしてもらう事が先決だ。
このまま麓の自宅まで帰って助けを呼ぶべきか、一瞬迷うが
皆を置いて自分だけ先に帰る訳にもいかない。
シンディ「クェェ……」
突如、男を掴んだまま飛んでいたシンディがバランスを崩しかける
男「おわっ!?」
墜落する程でも無かったが、ふらふらと左右によろめくように飛行し高度が徐々に落ちて来ている
相当疲れているのかもしれない、随分無理をして男を探してくれていたのだろうか?
そうなると、麓まで飛んでもらう案は難しいだろう。
男「シンディあそこだ!
昨日の洞窟!」
視界の端に昨日キャンプした洞窟を見つけ、シンディに降りるように促す。
徐々に高度を落としながらも、なんとか洞窟の上空にたどり着き
男「うがぁぁああああぁっ!」
半ば墜落するかのように全身を地面にこすり付けながら、
二人と一匹は洞窟の入り口に着地する。
男「痛ひ。」
が、幸いにも体は擦り傷で済んだようだ。
シンディ「クェェエエ……」
こちらも、体に目立った傷は無い…、
飛竜が最大の武器である翼を骨折したりでもしたら目も当てられない。
力なく洞窟へと歩みを進めて洞窟の中央で座り込む。
男「アイツら、色々もたせてくれていたのか。」
シンディの足に括りつけられたバックパック(こんなのが括りつけられていたから
疲れが出たのかもしれない)を取り外すと、丸くなって寝息を立て始める。
男「ありがとうよ、助かった」
ボロボロになっているが、まだ何とか使えそうなバックパックの中を
確認し、洞窟の中に残してあるテントや諸々の資材の中から使えそうなものを
並べていく。
昨日の洞窟!」
視界の端に昨日キャンプした洞窟を見つけ、シンディに降りるように促す。
徐々に高度を落としながらも、なんとか洞窟の上空にたどり着き
男「うがぁぁああああぁっ!」
半ば墜落するかのように全身を地面にこすり付けながら、
二人と一匹は洞窟の入り口に着地する。
男「痛ひ。」
が、幸いにも体は擦り傷で済んだようだ。
シンディ「クェェエエ……」
こちらも、体に目立った傷は無い…、
飛竜が最大の武器である翼を骨折したりでもしたら目も当てられない。
力なく洞窟へと歩みを進めて洞窟の中央で座り込む。
男「アイツら、色々もたせてくれていたのか。」
シンディの足に括りつけられたバックパック(こんなのが括りつけられていたから
疲れが出たのかもしれない)を取り外すと、丸くなって寝息を立て始める。
男「ありがとうよ、助かった」
ボロボロになっているが、まだ何とか使えそうなバックパックの中を
確認し、洞窟の中に残してあるテントや諸々の資材の中から使えそうなものを
並べていく。
幸いと言うべきかなんというべきか、今朝は脱出最優先で最低限の物だけ持ち出して
出たから食料をはじめとして色々と残されても居る。
特に洞窟の中には湧水もあるし、少し歩くが魚を捕まえる事も出来る。
が、それを逆に言えば
妹や幼馴染達に与えられた持ち物が少ないと言う事にもなる、こうしてシンディに
持ち物を持たせてくれたからには、若干の余裕があるとは思うが。
車を失ってしまったために、持ち歩けるものも限られてしまう。
男「何とか、合流してこの洞窟に来れれば良いが」
そんな不安を何度感じた事か。
しかし…今から外に出て探しに行くのは自殺行為だ、洞窟から見る外の景色は
既に日が落ち始め、薄暗くなって来ている。
昼でも凶暴な魔物に遭遇する訳だから、夜になったらどうなるか分かった物ではない、
夜行性のさらに凶暴な魔物に襲われるかもしれない。
出たから食料をはじめとして色々と残されても居る。
特に洞窟の中には湧水もあるし、少し歩くが魚を捕まえる事も出来る。
が、それを逆に言えば
妹や幼馴染達に与えられた持ち物が少ないと言う事にもなる、こうしてシンディに
持ち物を持たせてくれたからには、若干の余裕があるとは思うが。
車を失ってしまったために、持ち歩けるものも限られてしまう。
男「何とか、合流してこの洞窟に来れれば良いが」
そんな不安を何度感じた事か。
しかし…今から外に出て探しに行くのは自殺行為だ、洞窟から見る外の景色は
既に日が落ち始め、薄暗くなって来ている。
昼でも凶暴な魔物に遭遇する訳だから、夜になったらどうなるか分かった物ではない、
夜行性のさらに凶暴な魔物に襲われるかもしれない。
男「ん?」
バックパックの外ポケットに入れられた紙の地図を取り出し、そこに付け加えられた文字を
見つける。
見覚えのある汚い癖字、どう考えても妹が書いた文字だった
それによると、スティーブン氏の端末に記載された座標と画像によると
その座標には何らかの施設・建築物が存在するらしい。
車を失い麓まで自力で降りる事はほぼ不可能であるため、その施設に
退避するらしい。
無事にたどり着けたか分からないが、こうなったら皆を信じて自分のなるべく早く
合流するのが最善だろう。
男「何をするにせよ…もう動けない
体力を……回復させないと…。」
一日中魔物から逃げ回ったり戦ったりしたのだ、緊張感もあって体も精神も
疲労が溜まっている…。
男はバジ子をシンディの上に置くと、洞窟の中に放置されていたテントの入り口を開けて潜り込む。
火を焚いて置くべきかとも考えたが、そんな体力の余裕もなく…潜り込むや否や猛烈な睡魔が
襲いかかってくる。
バックパックの外ポケットに入れられた紙の地図を取り出し、そこに付け加えられた文字を
見つける。
見覚えのある汚い癖字、どう考えても妹が書いた文字だった
それによると、スティーブン氏の端末に記載された座標と画像によると
その座標には何らかの施設・建築物が存在するらしい。
車を失い麓まで自力で降りる事はほぼ不可能であるため、その施設に
退避するらしい。
無事にたどり着けたか分からないが、こうなったら皆を信じて自分のなるべく早く
合流するのが最善だろう。
男「何をするにせよ…もう動けない
体力を……回復させないと…。」
一日中魔物から逃げ回ったり戦ったりしたのだ、緊張感もあって体も精神も
疲労が溜まっている…。
男はバジ子をシンディの上に置くと、洞窟の中に放置されていたテントの入り口を開けて潜り込む。
火を焚いて置くべきかとも考えたが、そんな体力の余裕もなく…潜り込むや否や猛烈な睡魔が
襲いかかってくる。
翌朝、男はテントの外から聞こえる雨音で目を覚ました。
時間にして8時、昨日最後に時計を見たのは20時だったはずだから、12時間丸々寝ていたことになる。
我ながら随分と疲れが溜まっていたらしい。
テントから顔を出すと案の定、洞窟の外は激しい豪雨が降り注いでいた
この洞窟の作り上、洞窟の中に雨水が流れ込んで来る事は無いようだが、この雨では外に出る事は出来ない。
何より男の手元にある主武器は友の作ったスタンソードなのだ、
雨の中で振り回したら自分自身が即感電する事間違いなしだ。
バジ子「ぴぃ?」
男「よぅ、バジ子。」
バジリスクの雛ことバジ子に朝の挨拶をし、体の状態を軽く確認する
怪我は若干あるが、許容範囲内…しかし。
昨日一日魔物から逃げ回っていた事もあってか、酷い筋肉痛だ。
男「どのみち、この雨じゃ外で何も出来ないだろうけどな」
ふと、視界の端で昨日から丸く蹲ったままの飛竜ことシンディが目に入る。
夜行性だろうから寝ているのだろうか?
僅かに顔を上げて男を見て再び丸くなる、どうやら動くのも億劫なようだ、
それに、元々青色の体をしていたのだが。昨日に比べて体が
白っぽくなっているような感じがする。
時間にして8時、昨日最後に時計を見たのは20時だったはずだから、12時間丸々寝ていたことになる。
我ながら随分と疲れが溜まっていたらしい。
テントから顔を出すと案の定、洞窟の外は激しい豪雨が降り注いでいた
この洞窟の作り上、洞窟の中に雨水が流れ込んで来る事は無いようだが、この雨では外に出る事は出来ない。
何より男の手元にある主武器は友の作ったスタンソードなのだ、
雨の中で振り回したら自分自身が即感電する事間違いなしだ。
バジ子「ぴぃ?」
男「よぅ、バジ子。」
バジリスクの雛ことバジ子に朝の挨拶をし、体の状態を軽く確認する
怪我は若干あるが、許容範囲内…しかし。
昨日一日魔物から逃げ回っていた事もあってか、酷い筋肉痛だ。
男「どのみち、この雨じゃ外で何も出来ないだろうけどな」
ふと、視界の端で昨日から丸く蹲ったままの飛竜ことシンディが目に入る。
夜行性だろうから寝ているのだろうか?
僅かに顔を上げて男を見て再び丸くなる、どうやら動くのも億劫なようだ、
それに、元々青色の体をしていたのだが。昨日に比べて体が
白っぽくなっているような感じがする。
男「………シンディ?」
どうにも、昨日から様子がおかしい。
まさか、病気だろうか?
しかし病気だからと言ってどうする事も出来ない。
まず、男は獣医でも無ければ応急手当程度の知識しかない、
次にここは山奥なので医者は居ない、最後にこの世界中のどの獣医だとしても
竜の面倒を見た事ある医者は居ないだろうと思う。
病気だとして、どんな生き物だとしても共通の対処方法は
おそらく栄養を付ける事だと思う、体力が無ければ免疫力が低下するし
病気は悪化するだけだろう。
男「………食えるか?」
外は豪雨で出る事すらできず、食料を探しにも行けないので、
男は手元の食料から缶詰を開けて、シンディの口元も運んでみる。
魚の缶詰なのだが、食欲が無いのか、軽く匂いを嗅いだだけで
再び丸くなって動かなくなる。
男「参ったな」
どうにも、昨日から様子がおかしい。
まさか、病気だろうか?
しかし病気だからと言ってどうする事も出来ない。
まず、男は獣医でも無ければ応急手当程度の知識しかない、
次にここは山奥なので医者は居ない、最後にこの世界中のどの獣医だとしても
竜の面倒を見た事ある医者は居ないだろうと思う。
病気だとして、どんな生き物だとしても共通の対処方法は
おそらく栄養を付ける事だと思う、体力が無ければ免疫力が低下するし
病気は悪化するだけだろう。
男「………食えるか?」
外は豪雨で出る事すらできず、食料を探しにも行けないので、
男は手元の食料から缶詰を開けて、シンディの口元も運んでみる。
魚の缶詰なのだが、食欲が無いのか、軽く匂いを嗅いだだけで
再び丸くなって動かなくなる。
男「参ったな」
しかし、これ以上はどうしようもないので、一先ず缶詰は自分の朝飯にして
様子を見る事にする。
持ち物を整理整頓して、そして早々にやる事が無くなったので
仕方なしに友が置いて行った荷物の中から、ポータブルDVDプレイヤーを
再生する。
雨だとやれることが少ない、どの道…筋肉痛が酷くて動けないが。
男「戦争モノかよ…」
よくあるマッチョなアメリカンな上半身裸の白人が、マシンガンを乱射しながら
一人で基地を潜入・襲撃して、仲間を助ける。
良くあると言えばよくある展開。
男「フィクションの中は気楽なものだな」
特に映画を見る訳でもなく、ただ音が無いのが寂しいだけでプレイヤーを動かしつつ
荷物に挟まれていた地図を広げる。
今居る洞窟から妹が付けた印まで線を引き、地形からルートを引くと大体8キロ程度の
距離となる。
シンディが空を飛べれば一瞬でたどり着ける距離ではあるが、あの様だ
上手く雨をやり過ごしてくれてれば良いのだが。
────あるいは、魔物に喰われてしまっているのかもしれない。
ふと頭をよぎったその考えを男は即座に否定した。
男「…せめて、雨止めよ」
様子を見る事にする。
持ち物を整理整頓して、そして早々にやる事が無くなったので
仕方なしに友が置いて行った荷物の中から、ポータブルDVDプレイヤーを
再生する。
雨だとやれることが少ない、どの道…筋肉痛が酷くて動けないが。
男「戦争モノかよ…」
よくあるマッチョなアメリカンな上半身裸の白人が、マシンガンを乱射しながら
一人で基地を潜入・襲撃して、仲間を助ける。
良くあると言えばよくある展開。
男「フィクションの中は気楽なものだな」
特に映画を見る訳でもなく、ただ音が無いのが寂しいだけでプレイヤーを動かしつつ
荷物に挟まれていた地図を広げる。
今居る洞窟から妹が付けた印まで線を引き、地形からルートを引くと大体8キロ程度の
距離となる。
シンディが空を飛べれば一瞬でたどり着ける距離ではあるが、あの様だ
上手く雨をやり過ごしてくれてれば良いのだが。
────あるいは、魔物に喰われてしまっているのかもしれない。
ふと頭をよぎったその考えを男は即座に否定した。
男「…せめて、雨止めよ」
そして、さらに翌日…仲間達と別れてから二回目の朝、
男はテントから外に出ると、昨日のスコールから一転、晴れ渡った空が広がっていた。
しかし、シンディの状態は思わしくなく
うっすら白みがかっていた体は完全に白く染まっていた。
男「死んでいない…よな?」
体の表面を触るとまるで卵の殻のように硬くなっており、その体の表面は
熱帯びていた。
つまりは、死んではいないだろう…と思う…が。
男「竜って、温血生物なのか?」
バジ子「?」
ふとした疑問を口にするが、バジ子以外は誰も答えるものは居なかった
掛けっぱなしにしてあった、DVDプレイヤーはバッテリーが尽きて既に止まっている。
昨日一日体を休めたおかげで、随分と体力と気力が回復している、
筋肉痛は依然として酷いままだったが、気にしている場合ではない。
男は友が洞窟に残した怪しいライフルを手に取り、弾倉に赤くマークされた
弾丸を装填する。
弾丸に書かれた文字は『信号弾』、万が一に備えて友はこの洞窟に
ライフルと信号弾だけ残しておいたらしい。
バジ子「ぴぃ?」
男「顔…ひっこめておけよ、バジ子」
男はテントから外に出ると、昨日のスコールから一転、晴れ渡った空が広がっていた。
しかし、シンディの状態は思わしくなく
うっすら白みがかっていた体は完全に白く染まっていた。
男「死んでいない…よな?」
体の表面を触るとまるで卵の殻のように硬くなっており、その体の表面は
熱帯びていた。
つまりは、死んではいないだろう…と思う…が。
男「竜って、温血生物なのか?」
バジ子「?」
ふとした疑問を口にするが、バジ子以外は誰も答えるものは居なかった
掛けっぱなしにしてあった、DVDプレイヤーはバッテリーが尽きて既に止まっている。
昨日一日体を休めたおかげで、随分と体力と気力が回復している、
筋肉痛は依然として酷いままだったが、気にしている場合ではない。
男は友が洞窟に残した怪しいライフルを手に取り、弾倉に赤くマークされた
弾丸を装填する。
弾丸に書かれた文字は『信号弾』、万が一に備えて友はこの洞窟に
ライフルと信号弾だけ残しておいたらしい。
バジ子「ぴぃ?」
男「顔…ひっこめておけよ、バジ子」
雛に一言告げると洞窟から外に出て、地図で記された方向の空に向けて
狙いを付ける。
狙うのが空なので、銃の腕も必要とはしないだろう。
男「応えてくれよ」
祈りを託して、男がライフルのトリガーを引くと
予想にしなかった轟音と衝撃が男の肩を襲いかかる。
バジ子「ぴぎゃ!?」
男「…くっ…。」
ライフルの射撃音が山にこだまを残しつつ、ライフルから撃った弾丸が
一条の赤い煙の尾を引きつつ、笛の音のような音を立てながら空を切り裂いていく。
風は然程強くは無いが、暫く待つと赤い煙の線が上空の風にかき消されて
消えてゆく。
時計で5分程経過するのを待ってから、次弾を装填し
同じ方向に狙いを付ける。
そんな作業を3回程繰り返し、初弾を発射してから30分程待ってみるも
特に反応は無かった。
男「…………ダメか。」
弾丸は後6発残っていたが、ここで全てを使い切るのは得策ではないと思い、
ポケットの中に放り込む。
弾丸の扱いとしては正しく無いような気もするが、気にしてはいられない。
狙いを付ける。
狙うのが空なので、銃の腕も必要とはしないだろう。
男「応えてくれよ」
祈りを託して、男がライフルのトリガーを引くと
予想にしなかった轟音と衝撃が男の肩を襲いかかる。
バジ子「ぴぎゃ!?」
男「…くっ…。」
ライフルの射撃音が山にこだまを残しつつ、ライフルから撃った弾丸が
一条の赤い煙の尾を引きつつ、笛の音のような音を立てながら空を切り裂いていく。
風は然程強くは無いが、暫く待つと赤い煙の線が上空の風にかき消されて
消えてゆく。
時計で5分程経過するのを待ってから、次弾を装填し
同じ方向に狙いを付ける。
そんな作業を3回程繰り返し、初弾を発射してから30分程待ってみるも
特に反応は無かった。
男「…………ダメか。」
弾丸は後6発残っていたが、ここで全てを使い切るのは得策ではないと思い、
ポケットの中に放り込む。
弾丸の扱いとしては正しく無いような気もするが、気にしてはいられない。
さて…
男「………腹減った。」
一応缶詰がいくつか手元にあるが、保存食は温存すべきだと思う、
先にも言ったとおりこの盗掘は湧水が湧いているので水の心配は無い。
生水だから大量に飲んだらイカンけど。
男「まるで、ロビンソンクルーソーだな」
15少年漂流記でも良いが、今は自分一人だから
ロビンソンクルーソーな気がする。
どうでも良い事を考えながら、山歩きの小道具の中から
ナイフと釣り道具セットを取り出す。
男「ちょっと、待っていてな」
洞窟の中で丸くなっているシンディに声を掛けつつ、バジ子を
胸ポケットに放り込んで警戒しながら洞窟から外に出る。
無論、スタンソードも忘れずに持っていく。
シンディを残す事が不安は不安だけと、ここ二日程魔物の襲撃が
無かったので、大丈夫だろう────と、思いたい。
男「………腹減った。」
一応缶詰がいくつか手元にあるが、保存食は温存すべきだと思う、
先にも言ったとおりこの盗掘は湧水が湧いているので水の心配は無い。
生水だから大量に飲んだらイカンけど。
男「まるで、ロビンソンクルーソーだな」
15少年漂流記でも良いが、今は自分一人だから
ロビンソンクルーソーな気がする。
どうでも良い事を考えながら、山歩きの小道具の中から
ナイフと釣り道具セットを取り出す。
男「ちょっと、待っていてな」
洞窟の中で丸くなっているシンディに声を掛けつつ、バジ子を
胸ポケットに放り込んで警戒しながら洞窟から外に出る。
無論、スタンソードも忘れずに持っていく。
シンディを残す事が不安は不安だけと、ここ二日程魔物の襲撃が
無かったので、大丈夫だろう────と、思いたい。
ともあれ、外は危険だがいつまでも引きこもっている訳でも行かないし、
何より昨日休んでいて思ったのだが、何かしていないと余計な事ばかり思いついて
気が滅入ってくる。
男「それに、引きこもって助けを期待しても期待できねーしな」
バジ子「ぴぃ?」
…開き直り…ともいう、少しは成長したって事だろうか。
食料を確保すべく近くの泉まで森を歩いていると、直立歩行した犬人間のような
魔物を見つける、確か…。
男「コボルト…って奴か?」
相手は視認できる範囲内で3体、体長は1.5メートル程度でどこから手に入れたのか
あるいは自分で作ったのか、土木工事で使うマトックのようなものを担いでいる。
昔読んだラノベとかだと、あの連中がモンスターの住んで居るダンジョンを手入れしたり
作ったりしていたとかあったが、そんな事は無いだろう。
ゴブリンと同じく、勇者にスライスされるのがお役目ともいえる、序盤中の序盤の敵
先日のサイクロップスやらミノタウロスやらに比べれば、可愛い相手にすら見えてくるが
それでも、一般人の男にとっては脅威であるのは間違いない。
3体ぐらいもしかしたら、勝てなくは無いかもしれないが、
見つかって、仲間でも呼ばれたら厄介だ…。
余計なトラブルを起こす事もないだろうと、男はコボルト達に気づかれないように
迂回して泉へと向かう。
何より昨日休んでいて思ったのだが、何かしていないと余計な事ばかり思いついて
気が滅入ってくる。
男「それに、引きこもって助けを期待しても期待できねーしな」
バジ子「ぴぃ?」
…開き直り…ともいう、少しは成長したって事だろうか。
食料を確保すべく近くの泉まで森を歩いていると、直立歩行した犬人間のような
魔物を見つける、確か…。
男「コボルト…って奴か?」
相手は視認できる範囲内で3体、体長は1.5メートル程度でどこから手に入れたのか
あるいは自分で作ったのか、土木工事で使うマトックのようなものを担いでいる。
昔読んだラノベとかだと、あの連中がモンスターの住んで居るダンジョンを手入れしたり
作ったりしていたとかあったが、そんな事は無いだろう。
ゴブリンと同じく、勇者にスライスされるのがお役目ともいえる、序盤中の序盤の敵
先日のサイクロップスやらミノタウロスやらに比べれば、可愛い相手にすら見えてくるが
それでも、一般人の男にとっては脅威であるのは間違いない。
3体ぐらいもしかしたら、勝てなくは無いかもしれないが、
見つかって、仲間でも呼ばれたら厄介だ…。
余計なトラブルを起こす事もないだろうと、男はコボルト達に気づかれないように
迂回して泉へと向かう。
ややあって、清流の流れる音が聞こえ泉に到着する、
周りが崖になっており、滝が落ちた下が泉となっている。
岩場に隠れつつ水を覗いてみると、どうやら魚は居るらしい…が。
男「渓流釣りって、超上級者じゃなかったかな」
正直言って自信が無いが、とりあえず自分用の魚だけ確保すれば良いから
数は気にしなくてよい。
適当な竹で作った竿に岩をひっくり返して捕まえた虫を付けた釣り針と糸を
装着して、水面に垂らす。
───────待つ事、1時間。
男「よし、止めよう」
自分に釣りのセンスが無い事は良くわかった…、
素人が渓流釣りなんぞやって釣れる訳が無い事は良ーくわかった。
分かったのだが、食料はどうにかして確保しなければいけない
水面下に見える魚に馬鹿にされているような気がしてならない。
木の棒で突くか、はたまた潜って捕まえるか。
どちらも現実的な策ではない気がする。
男「……仕方が無い…諦めるか…。」
周りが崖になっており、滝が落ちた下が泉となっている。
岩場に隠れつつ水を覗いてみると、どうやら魚は居るらしい…が。
男「渓流釣りって、超上級者じゃなかったかな」
正直言って自信が無いが、とりあえず自分用の魚だけ確保すれば良いから
数は気にしなくてよい。
適当な竹で作った竿に岩をひっくり返して捕まえた虫を付けた釣り針と糸を
装着して、水面に垂らす。
───────待つ事、1時間。
男「よし、止めよう」
自分に釣りのセンスが無い事は良くわかった…、
素人が渓流釣りなんぞやって釣れる訳が無い事は良ーくわかった。
分かったのだが、食料はどうにかして確保しなければいけない
水面下に見える魚に馬鹿にされているような気がしてならない。
木の棒で突くか、はたまた潜って捕まえるか。
どちらも現実的な策ではない気がする。
男「……仕方が無い…諦めるか…。」
男「あ。」
ふと、自分の腰に備え付けられていたスタンソードが目に留まる
そういえば、以前ネットで車のバッテリーを水中に放り投げて魚を取る方法が
あるとか聞いた事がある。
さすがに車のバッテリーは無し、硫酸が封入された鉛バッテリーを
こんな綺麗な清流に放り込むのは迷惑極まりない話だが、幸いにして
スタンブレードがここにある。
水に放り込んだら一発でぶっ壊れそうだし、大事な武器でもあるから
失う訳にはいかないが…。
男はスタンブレードを抜き放ち、剣先を僅かに水面に付ける。
スイッチを入れると、青白い閃光が程走り…予想以上の閃光に男は慌てて
スタンブレードのスイッチを切る。
男「…………おほー!大漁、大漁!」
ややあって、ショックで気絶した魚達が水面に浮かびあがり
男は釣竿を使って魚達を手繰り寄せていく。
男「全部で…あー、16匹か!
すげぇ、期待以上の成果じゃねぇか」
ふと、自分の腰に備え付けられていたスタンソードが目に留まる
そういえば、以前ネットで車のバッテリーを水中に放り投げて魚を取る方法が
あるとか聞いた事がある。
さすがに車のバッテリーは無し、硫酸が封入された鉛バッテリーを
こんな綺麗な清流に放り込むのは迷惑極まりない話だが、幸いにして
スタンブレードがここにある。
水に放り込んだら一発でぶっ壊れそうだし、大事な武器でもあるから
失う訳にはいかないが…。
男はスタンブレードを抜き放ち、剣先を僅かに水面に付ける。
スイッチを入れると、青白い閃光が程走り…予想以上の閃光に男は慌てて
スタンブレードのスイッチを切る。
男「…………おほー!大漁、大漁!」
ややあって、ショックで気絶した魚達が水面に浮かびあがり
男は釣竿を使って魚達を手繰り寄せていく。
男「全部で…あー、16匹か!
すげぇ、期待以上の成果じゃねぇか」
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