私的良スレ書庫
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元スレほむら「思い出せない…私は何者だ?」3
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>>197
偽りの依頼、失礼しました
偽りの依頼、失礼しました
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おぼろげな自室にて、空想の缶コーヒーを一口飲む。味は無い。
向かいの席の私は虚ろな目で呟く。
『あと3日ね』
ほむら『そうだな、あっという間だ』
『どうかしら、私の記憶を持って生き続けるのは、苦痛でしかないかしら』
自嘲げに薄ら笑む暁美ほむらが、私にぽつりと零す。
『全てを知らずに生きていければ、きっと貴女なら幸せになれていたわ』
ほむら『ふむ』
悩んだように頬を掻いてみる。
だが自分の中での答えは既に出ている。
ほむら『後悔なんてあるわけないよ、暁美ほむら』
『……』
ほむら『知らずに生きていても、そう遠くないうちに折に触れて……どの道、私の記憶は戻っていただろう、それが早くなっただけだ』
ほむら『むしろね、暁美ほむら。私は、ワルプルギスの夜が来る前に君の記憶を持つことができて、本当に良かったと思っているよ』
『……』
ほむら『たとえ少ない時間の中で足掻くことしかできなくとも、動ける私に後悔は無いさ』
『……やっぱり、貴女は強いのね』
暁美ほむらは寂しげに言った。
ほむら『私は君の中にあるひとつの部分だよ』
私は微笑んで彼女に言った。
運命の時が、着実に近づいている。
―――――――――――――――――
君は怨霊だ。
どこかで目的を見失いかけた、暴走する怨霊。
恨まずにはその魂を保ちきれない、心細い怨霊。
君は世を恨みすぎて、自らその魂を封印した。
ほむら「やあ、おはよう」
まどか「おはよー、ほむらちゃん」
私は亡霊だ。
自らを封印した君の代わりに生まれた、空虚な亡霊。
目的などは全て忘れ、虚ろに楽しく、勝手に動き回る馬鹿な亡霊。
全てを忘れた君は、私として世に生まれ落ちたのだ。
ほむら「おはよう仁美」
仁美「おはようございます!ほむらさん」
ほむら「ふふ」
仁美「うふふ」
さやか「?」
けれど私は思い出した。
私はもう亡霊ではない。亡霊は、怨霊である君の意志を知ったのだ。
君の意志は私の中に再び生まれた。
君は私だ。生きる意味の無かった私は、大きな目的を得た。だから私は君のためなら、なんだってやってやる。
魔法少女は条理を覆す存在だ。
あまりにも高く、堅すぎる条理の壁でも、その前で佇み絶望する必要などない。
一緒に次へ進もう、暁美ほむら。
私がその手を引いてやる。
雲が薄く引き延ばされた青めの空の下で。
私とマミは弁当を広げて、ランチを始めていた。
まどかとさやかは仁美と一緒に食べているらしい。今日は来ないようだ。
マミ「美味しいかしら?」
ほむら「うん、悪くない」
マミ「ふふ、それは良かったわ」
手を添えて、端で食べ物を口へ運ぶ。マミはどの作法を取っても行儀の良い女性だ。
マミ自身の意識の問題もあるだろうけど、しつけた両親は素晴らしい人達だったに違いないと、私は思う。
ほむら「良い景色だな」
屋上から見下ろせる柵越しの見滝原。
マミは今まで、たった一人でこの街を守ってきた。
親を失い、友と決別し、誰から認められるわけでもないのに、彼女は正義の為に魔女と戦い続けてきた。
私ならば出来ただろうか?無理だ。私ではきっと、そう長くは耐えられない。
マミ「ええ、良い景色でしょう?」
ほむら「ああ、本当に、良い景色」
遠くで工事が進んでいる。
上から見下ろすことではじめてわかる、異常な急ピッチ作業。
ほむら「良い街だ」
この街も無事では済まない。
そう思うと、少しだけ胸がちくりと痛んだ。
マミ「ねえ暁美さん」
ほむら「ん?」
マミ「私、暁美さんが居なかったら、もしかしたらもう、ここには居なかったのかもしれないわ」
弱音か?珍しい。
マミ「暁美さんが一緒に居てくれたから、そう言ってくれたから、私は折れずにここまでこれた」
ほむら「どうしたんだマミ、急に」
マミ「ふふ、なんだか感謝したくなっちゃった」
ほむら「恥ずかしいな?」
マミ「私の本当の気持ちなのよ」
食べ終わった弁当を片づける。
マミ「そんな暁美さんだからこそ、私は信じるわ」
ほむら「……」
マミ「ワルプルギスの夜、私は別の所から戦うことにする…暁美さんの邪魔にならないように、それはちょっと悔しいけれど、自分にできることをするわ」
ほむら「…ありがとう、マミ」
マミ「だからお願いね?暁美さん……見滝原を、お願いね」
その言葉には、さすがの私も胸をズドンとやられた。
ほむら「ああ、任せろ」
それでも笑顔はさらっと作れた。
「さようならー」
「はい、さようなら、気をつけて帰るんだよ」
広い廊下を足早に歩く。
今日も早めの行動を心がけ、適当に魔女退治した後に準備を進めなければ。
タブレットも目を離せない速度で流れている。私が動かなくてはならない時期に差し掛かっているといえよう。
さやか「ほむら!」
ほむら「お?さやか」
さやか「魔女退治、私にも手伝わせてよ!」
ほむら「……ふむ」
さやか「ほむらの足を引っ張らないようにするから!お願い!特訓だと思って!」
ほむら「……」
仁美と話したこともある。
さやかは恋を捨て、正義を選んだ。
その正義を貫くためには、力とそれを運用するための経験が必要だ。
ほむら「わかった、一体だけね」
さやか「やった!ありがとう!」
ほむら「今日はスケジュールがおしてるからね、早く行くよ」
さやか「うん!」
二人で街へ出る。
工場地帯までやってきて、ようやく魔女の結界を見つけた。
魔法少女4人を支えるためのグリーフシードを供給するためには、見滝原ではもう手狭なのだ。
多少の遠征は覚悟しなければならない時期に差し掛かっているのかもしれない。
さやか「……ここ」
ほむら「ん?」
さやかの手のひらの中の青いソウルジェムが煌めいている。
ほむら「魔女か」
さやか「ううん、そうじゃなくて、ここって…」
ほむら「……ああ」
いつの日だったか、さやかとまどかを連れてやってきた場所だ。
魔女の口づけによって飛び降り自殺を遂げてしまったOLの遺体があったビルの真下に、私達は立っていた。
さやか「……」
血だまりが広がっていたであろう場所を、さやかは覚えていた。
そこをじっと見つめていた。
さやか「…すぐ近くから反応があるね、行こう」
ほむら「そうだな」
私から彼女に言えることはないだろう。
彼女の中で完成されている意志に、私の色を付け加える必要はない。
ほむら「5.二列縦隊カットラス」
魔女「!」
ほむら「今だ!」
一列につき10本のカットラスが魔女の左右を連続的に掠め、動き封じた。
そこへすかさず飛び込む、剣を携えたさやか。
さやか「だりゃぁああああッ!」
地を駆け、跳び、魔女が反応するよりも早く突きを叩きこむ。
彗星のように尾を引く一撃は、魔女を大きく吹き飛ばし。壁へ叩きつけた。
ほむら「素晴らしい」
魔女が衝突してひび割れた壁から、結界が崩壊してゆく。
はらりはらりと舞い落ちる破片の中に、さやかの姿が映る。
さやか「へ」
満足げな笑顔で、私に親指を突き立てていた。
ほむら「ふ」
私も親指で応える。
さやかに教えたい戦闘技術は多い。
だが、私は彼女に全てを教えることはできない。
さやかが一人で、苦戦せずに魔女を倒せるようになるまでには、まだもう少し時間がかかるだろう。
どうかそれまでは、杏子やマミの手助けの下、自己の素質を恨まずに努力を重ねていってほしいものだ。
夜の街をふらりふらりと歩く。
自転車はつい一時間ほど前の夕時に、つい癇癪を起して蹴り壊してしまった。もう二度とあれに乗ることは無いだろう。
:手筈通り、期日までに
ほむら「……」
タブレットを片手に、増築中の建物の外観を遠目から窺う。
無骨な見た目だが気にする事は無い。
観客席は実用性さえ備わってあればいいのだ。
ほむら「さて、大体見終わったかな」
指でスクロールする。受信したメッセージのうち、興味のある場所はだいたい全てこの目で確認した。
少々時間に余裕が出てきた。
ほむら「……息抜きに、久々にあそこに行ってみるか」
ワルプルギスの夜の事だけを考えていても仕方ない。
見滝原の形があるうちに、楽しむべき場所を楽しんでおこう。
私にとってもこれが最後と決めているのだから。
ほむら「や、奇遇」
杏子「あれ?」
なんとかディウスの前の椅子に座る杏子にコーラを差し出すと、彼女はポッキーを口から落として驚いた。
私はパーカーの上に落ちたポッキーを拾い上げて、コーラの代わりとそれを口の中に入れた。
杏子「今のアタシが言える事じゃないけど、悠長だなあ」
ほむら「おあいこって事だな」
コーラを受け取って笑顔に変わった杏子が、どういう怪力か片手の親指だけでキャップを弾き開けた。
私もどどんなんとかの機械の前に座って、自前のコーラを一口飲む。
杏子「そうだ、ほむらのためにグリーフシードを2個手に入れておいたんだ」
ほむら「へっ?」
杏子「あはは、なんだその声!まぁ受け取れよ」
そう言う彼女は、私の座る台の上に2個のグリーフシードを転がした。
しっかり針で立っている。本物だ。それも未使用。
ほむら「……良いのか?こんなに、大変だっただろう」
杏子「うちの方じゃ結構魔女もいるからね、ほむらのために狩っておいたんだ」
ほむら「……」
グリーフシードを握りしめる。
これを、突き返すことも良い。私に受け取る資格はない。
けれど、それでも私は握りしめる。
ほむら「ありがとう、助かるよ……大事に使う」
杏子「へへ、気にすんな!ちょっとした贖罪でもあるしさ」
彼女の笑顔を見るのも、少し辛かった。
乙
普段のほーむずが見た目しっかり者だからたまに間の抜けた表情を見ると…そうかこれがギャップ萌(ry
普段のほーむずが見た目しっかり者だからたまに間の抜けた表情を見ると…そうかこれがギャップ萌(ry
>>216
ハイスクール(に入学するという運命に)ララバイ?
ハイスクール(に入学するという運命に)ララバイ?
『無駄ぁ!無駄ぁ!』
レバーとボタンを素早く操作して、一撃一撃を確実に当ててゆく。
以前の私とは一味も二味も違う。そこらへんのヤワなキャラ相手では、今の私に太刀打ちすることはできないだろう。
杏子「うお、そう来っか、ぬぬぬ」
ほむら「ぬぅん」
どうやら、以前の暁美ほむらもこのゲームをやっていたらしい。
なるほど、私の身体もなんとなく操作を覚えているわけだ。
杏子「なあ、ほむら」
ほむら「ん?」
杏子「勝てるのか?」
ほむら「勝てるさ」
杏子「ワルプルギスの夜にさ」
ほむら「そっちか」
杏子「そっちだろ」
『無駄無駄無駄無駄無駄無駄』
ほむら「…なんとかなるよ」
杏子「それ、信じていいんだよな?」
ほむら「……」
『お前の欲しいものは何だ…?』
杏子「あっ、てめ」
ほむら「むだぁ」
杏子「あー!くっそー!もう一回だ!」
ほむら「ふ」
なんかホームズが、神様パワー吸収したピッコロさんに見えてきたww
格闘ゲームに飽き、コーラも空き、ついにやることも無くなり、座り心地が良くも悪くもない椅子に並んで座る。
二人でぼんやりと、明るすぎる照明の天井を眺める。
ここ最近ずっと動きっぱなしだったので、杏子とのゲームは久々に良い息抜きとなった。
杏子「…なあ、ほむら、聞いてよ」
ほむら「んー…?なんだい、杏子」
杏子「アタシ、元々はマミみたいな、普通の魔法少女だったんだ」
ほむら「……」
知っている。
彼女がさやかに告白した過去の事も、私は全て知っている。
しかし、意を決して私に打ち明けている最中の杏子を止めることはない。
惨劇とも呼べる過去を一通り喋った後、杏子は一息ついて、空になったコーラに口を付けた後、ペットボトルを投げ捨てた。
杏子「……魔法は全て自分の為に使う、あれからアタシは、そういう風に生きてきた」
ほむら「……」
杏子「けど、もうやめようと思う」
ほむら「!」
杏子「また昔みたいに、何かのために戦っていけるなら……ちょっと傷付いたり、早死にするくらい、別に良いかなって思ったんだ」
薄く微笑んだ杏子の表情は穏やかで、未だ私も見たことがないものだった。
杏子「だからさほむら、アタシにはワルプルギスの夜に戦う力は無いけどさ……」
するりと髪留めを外し、胸の前に当てて握り込んだ。
流れるような長い髪は背中に下りて、シスターのベールのように杏子の背を包む。
杏子「せめて皆の為に戦うほむらを、祈らせてくれよ」
ほむら「……ありがとう」
杏子「……頑張れよ、ほむら」
視界の隅に転がるペットボトルについ目がいったが、彼女の祈りはきっと神の下へ届いただろう。
誰もいない、暗黒の地下。
軍用の明るい懐中電灯を片手に、広い地下を進む。
ほむら「……」
物資はきっちり、そこに大量に積まれていた。
光を天井に向けると、照明の配線もなされていた。この分ならば、発電機もきっと問題はないだろう。
ほむら「さあワトソン、しばらくの間、お別れだ」
「にゃ」
黒猫を闇の中に離してやる。
すぐにどこかへ歩いて行ってしまうかと思いきや、暗がりの中で猫の目が発光しており、こちらに向いたまま離れる気配は無い。
ほむら「ワトソン、すまないが大事な公演を控えているんだ」
「にゃぁ」
ほむら「うん、今までも二人の息はぴったりだったさ……けどこれは大事なソロ公演、ワトソンといえど、共演はできない」
「にゃぁ……」
ほむら「泣くな、すぐに復帰できるさ」
猫の頭をなでてやる。
1カ月で、ワトソンも随分成長した。
相変わらずの仔猫だが、それでも身体は大きくなっている。
私が与えた食べ物が良かったのだろう。
ほむら「じゃあね、ワトソン……また会いに来るからね」
ほむら「その時はきっと、レストラードも…どうだろう、いや、レストラードともきっと会えるだろう」
ほむら「みんな集まったら、またマジックショーを……」
ほむら「……ワトソン?」
ほむら「……最後の大事な別れの時にだけ消える?普通……」
ともあれ、これで準備は万全に整った。
あとは嵐が来るのを待つだけである。
軍用の明るい懐中電灯を片手に、広い地下を進む。
ほむら「……」
物資はきっちり、そこに大量に積まれていた。
光を天井に向けると、照明の配線もなされていた。この分ならば、発電機もきっと問題はないだろう。
ほむら「さあワトソン、しばらくの間、お別れだ」
「にゃ」
黒猫を闇の中に離してやる。
すぐにどこかへ歩いて行ってしまうかと思いきや、暗がりの中で猫の目が発光しており、こちらに向いたまま離れる気配は無い。
ほむら「ワトソン、すまないが大事な公演を控えているんだ」
「にゃぁ」
ほむら「うん、今までも二人の息はぴったりだったさ……けどこれは大事なソロ公演、ワトソンといえど、共演はできない」
「にゃぁ……」
ほむら「泣くな、すぐに復帰できるさ」
猫の頭をなでてやる。
1カ月で、ワトソンも随分成長した。
相変わらずの仔猫だが、それでも身体は大きくなっている。
私が与えた食べ物が良かったのだろう。
ほむら「じゃあね、ワトソン……また会いに来るからね」
ほむら「その時はきっと、レストラードも…どうだろう、いや、レストラードともきっと会えるだろう」
ほむら「みんな集まったら、またマジックショーを……」
ほむら「……ワトソン?」
ほむら「……最後の大事な別れの時にだけ消える?普通……」
ともあれ、これで準備は万全に整った。
あとは嵐が来るのを待つだけである。
――――――――――――――――
『ついに、明日ね』
ほむら『ああ、明日だ』
いつものように対面して座る。
無感情な暁美ほむらの表情も、今この時ばかりは強張っているように見えた。
ほむら『怖いかい?暁美ほむら』
『……私が訊くべきことよ』
ほむら『はは、それもそうだね』
味の無いコーヒーを一口啜る。
ほむら『すごく怖い』
『……』
ほむら『腹痛の最中にやったマジックショーと同じくらい緊張するよ』
『馬鹿にしているの?』
ほむら『まさか、馬鹿になんてしていないさ』
ほむら『ただ、私のやるべきことは随分と楽ではあるからね』
『……』
ほむら『気持ちに多少の余裕はある、っていうこと』
嘘だった。
本心では失敗するんじゃなかろうか、と、非常に波立った思いでいる。
それでも暁美ほむらに心配はかけさせたくない。
弱い私の前では、絶対に私は、強い私でなくてはならないから。
ほむら『……さて、せっかくのパレードだ、早起きすることにしよう、じゃあね』
準備の確認もしておきたい。
私は席を立とうとしたが、
『……待って!』
暁美ほむらがそれを止めた。
『……勝手だとわかってる、けど…!』
ほむら『……』
『まどかを、お願い…!』
ほむら『大切な友達なんだ、当然だろ』
私は親指を立て、最高の笑顔で部屋から出た。
――――――――――――――――
「くるっぽー」
ほむら「……」
レストラードの鳴き声で、仮眠から醒める。
風の吹く、どこか高い塔の上。
カーキのブランケット一枚を羽織ったままで、眠りに落ちていた。
朝と呼ぶには暗すぎる空模様に、これから起こされる大災害の予兆を見てとれなくもない。
ほむら「……ワルプルギスの夜が来る」
別に言わなくてもやって来る。
恐怖のパレードが来る。
公演の時間を確認してないが、あと数時間後には始まりそうだ。
遅れてしまってはいけない。早めに準備をしておかなくてはならない。
ほむら「……いただきます」
「ぽー」
いつの日か食べそびれたカロリーメイトを朝食に、最終準備が始まる。
もぐりもぐりと、口の中の水分を奪う朝食。
ただでさえ渇いた口内には、あまりよくないチョイスだったのかもしれない。
「くるっぽー」
ほむら「……さあ、レストラード、しばらくの間……君の場合は、もしかしたらずっとかもしれないけど、」
「くるっぽー」
全部を言い切る前に、白い鳩はどこかへ飛び去ってしまった。
ワトソンといい、最後だけ随分薄情じゃないか?
時折空を見上げて、タブレットをいじる。
ほむら「おいらはほ~むら~」
ほむら「やんちゃなほ~むら~」
ほむら「おいら~が生きてりゃ嵐を呼ぶぜ~……」
もう一度、曇天を見上げる。
まだまだワルプルギスの夜が来るほどのものではない。
スーパーセルの兆候と断定するにも難しい空模様だ。
だがこのままいけば、必ず嵐はやってくる。
ほむら「喧嘩混じりにボタンを叩きゃ~……」
タブレットに映し出される複数のストリーム映像を見る。人影は無い。
万全だ。
ほむら「日頃の憂さも~」
ほむら「吹っ飛ぶぜ」
タブレット上の赤いボタンを押す。
―――ドドン
―――ズドン
―――ドゴン
塔から見下ろされる見滝原の景色に、いくらかの爆炎が上がる。
その全てが見滝原市により指定されている緊急避難場所であることは、現時点では私しか知らない。
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