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    元スレ上条「俺がジャッジメント?」初春「2です!」

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    タグ : - エースコンバット + - 上条 + - 上条当麻 + - 初春 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    401 = 1 :


    ぎゃーぎゃー騒ぎ出すテーブル。
    女の子四人というだけでもかしましいものであるのだが、やってきた二人がその騒がしさを増長させていく。

    と、いうのも気にかける精神的な余裕などなく、初春はタジタジとたじろぐ事しか出来ないでいた。


    佐天「聞いたって、何をー?」

    御坂「はい。昨日ミサカがアルバイトしている洋食のレストランにあの人とふt「い、妹さんっ!///////」」

    黒子「昨日のあれ、と申しますと?」

    打ち止め「んーとね、公園でね、ヒーローさんとお姉ちゃんがぶty「わああああああああぁぁぁぁっっ!?///////」」


     大声を上げ、初春の横で立っていた打ち止めの口を手でガバッと塞ぐ。
    肝心の部分が途中まで出かかっていたのだが大丈夫だろうか。
    んー!んー!とジタバタする打ち止めを余所に佐天、黒子、美琴の方へと視線を送る。
    三人は目を丸くしており、一体何が起きているのかわからないという表情をしていた。

    ………………若干、黒子は睨み気味だが。

    バレてはないだろうか。
    気付かれてはないのだろうか。


    「お客様方、店内ではお静かにお願いします」

    初春「あっ、あう、す、すみません………………」ペコリ


    そこでまあ当然の如く店員さんからの注意が飛んでくる。
    ペコリと頭を下げて店員さんに非礼を詫びると、打ち止めと御坂妹もさすがにやりすぎたかと初春に続けて頭を下げていた。

    402 = 1 :


     あれから何とか落ち着きを取り戻した初春と、佐天、黒子に御坂妹を交え談笑しているのを眺める。
    ダージリンがまだ半分ほど残っているティーカップとソーサーのぶつかる音に気を使いながらカチャリとそれを置くと、美琴は一息ついていた。

    いまだ自分の中で妹達の事は完全に決着がついている訳ではない。
    唐突に場に現れた二人に美琴はなかなかに声をかけられず、あれから言葉は少なくなっていた。

     まだまだ自分は子供かな、と思う。
    あの時、彼の話をしっかりと聞く耳も持たず、己の感情のままに振り回されていた。

    あの時の事は、あまりよく覚えてはいない。
    第一位を見て、妹達に囲まれていて。
    親友三人が仲よさ気に話し掛けてて。
    それだけじゃない、彼までもが第一位を気遣う様な言葉を口にしていた。

    逃げて、彼が追い掛けてきて、電撃を撃って気を失って。
    一方通行が自分と彼を助けた、らしいのだが。


    打ち止め「お姉様、お紅茶美味しい?」

    美琴「うん? ああ、うん、美味しいよ」

    打ち止め「そっか。こうしてお姉様とお話するのって、初めてだねってミサカはミサカはお姉様をまじまじと見てみる」

    美琴「アンタも妹、でいいのよね?」

    打ち止め「うん、ミサカは妹達の司令塔、最終信号の打ち止めって言うんだよってミサカはミサカは自己紹介してみる」

    美琴「司令塔って………………。アンタが?」

    打ち止め「訳あって培養途中から引きずり出されて、それでこんなちっこい姿なんだけどねってミサカはミサカはもうちょっと成長させてほしかったなって願望を思ってみたり」

    美琴「……………………」


     自分の横に座るこの小さな少女は、確かに幼い頃の自分の顔。
    ホットミルクに砂糖を大量に入れ、ふーふーと息を吹き掛けて冷ましているその姿はまさに幼い子供の姿まんまだ。

    403 = 1 :


    一万人弱の妹達を束ねていると、この小さな少女は言う。
    絵空事の様な話ではあるが、自分も目にしていた紛れも無い事実。


    美琴「っていうか。何でアンタ達はここに?」

    打ち止め「今日はね、調整の日なのってミサカはミサカは質問に答えてみる」

    美琴「調整………………」

    打ち止め「でも時間までまだあるから、あの人がこれで飯でも食ってこいって」


    打ち止めはそう言いながらポケットから一枚の紙幣を取り出す。
    美琴はそれを見ると怪訝な表情を浮かべた。


    美琴「あの人って………………もしかして」

    打ち止め「うん、お姉様の予想で合ってると思う」

    美琴「………………、度々会ってるの?」

    打ち止め「へ? っていうか一緒に暮らしてるんだよってミサカはミサカは教えてあげる!」

    美琴「へー、そうなんだ。一緒にね………………………………は?」

    打ち止め「でもあの人ったらやれこれは危ないからダメだ、これは危ないからダメだばっかりであれこれダメ教育なの。ミサカの事心配してくれてるのは分かるけど、もうちょっとミサカを信じてほしいなってミサカはミサカはちょっと不満に思ってみたり」プクー

    美琴「ごめん、ちょっと待って」


     今この妹はなんて言った。
    一緒に、暮らしてる? あの第一位と?
    妹の事を心配してる?

    404 = 1 :


    ………………いやいや、あの第一位に限ってそんな事は。


    打ち止め「お姉様、どうしたの? ってミサカはミサカは急に黙り込んだお姉様を心配してみる」

    美琴「ねえ、アンタの言うあの人ってさ………………やっぱり、一方通行、で合ってるんだよね?」

    打ち止め「うん! ってミサカはミサカは元気よく頷いてみたり!」

    美琴「………………一緒に、暮らしてる、の?」

    打ち止め「うん」

    美琴「………………………………」


    想像がし辛い。
    というか、出来なかった。
    美琴の中で第一位といえば、あの時の実験の姿しか知らない。
    美琴の目線から見るに、喜々として妹達と自分を絶望の底に叩き落としていたあの姿だけが美琴の頭の中に残っていた。


    打ち止め「………………お姉様の、言いたい事はわかるよ。ミサカだって、あの事は忘れもしないし許してもいない」

    美琴「……………………」

    打ち止め「でも、あの人はミサカを守ってくれたから。ミサカがさらわれたり、襲われたりしても、ロシアにまで飛んでくれて。どんなに危ない目にあっても、自分が傷付いても、あの人はミサカを助けてくれたから」

    美琴「え────────」

    打ち止め「あの人、毎晩うなされてるの。譫言で、もうやめろ、殺すな、止まれって」

    美琴「……………………」

    打ち止め「あの実験の事に一番苦しんでいるのは、あの人なのってミサカはミサカは告げてみる…………」

    美琴「………………っ」

    打ち止め「この呪縛からは一生逃れられない。苦しみ、悲しみの負の連鎖が今になって襲い掛かってきても、あの人はそれでもミサカを、妹達を身体を張って守ってくれてるの」


     真っすぐと打ち止めの視線が美琴を捉える。
    言葉足らずとも言える打ち止めのその言葉だが、何の偽りも後ろめたさもない、第一位を無条件で信じているその目は何よりもの説得力があった。

    405 = 1 :


    許す、許さないとか今はもうそう葛藤している段階ではなかったのかもしれない。
    あの事を胸に、妹達も第一位も前を向いている。

    彼も、恐らく──────この事を知っていたのだろう。
    そして過去を清算して、前とは違う第一位と今は接しているのか。


    美琴「……………………」

    打ち止め「だから。許して、とはミサカは言えないけど。それだけは、お姉様にはわかってほしかったってミサカはミサカは言いたい事を言えてちょっぴりすっきりしてみたり」

    美琴「………………そっか」


    打ち止めを見る。
    今の生活ぶりが幸せなのか、豊かな表情をしていて。
    この打ち止めが今こんな顔をしていられるのは、一方通行によって築かれたものかどうかはわからない。
    いや、きっとそうなのだろう。
    自分にとって彼が特別であるように、打ち止めにとって一方通行が特別であるのかもしれない。


    美琴「それで。今一方通行は何してるの?」

    打ち止め「うん、何かカエル顔のお医者さんと話があるって病院にいるよってミサカはミサカは答えてみたり!」

    美琴「そうなんだ」


     今度、第一位と会う機会があるのならば話をした方がいいのだろう。
    まだまだ疑念は残る。
    しかし、自分も前を向かない訳にはいかないのだ。


    美琴「……………………」


    打ち止めを見る。
    今の暮らしが本当に楽しいという風な雰囲気であった。

    406 = 1 :



    打ち止め「どうしたのお姉様? ってミサカはミサカは首を傾げてみる」

    美琴「ううん、何でもない」クス

    打ち止め「病院に戻るまでまだまだ時間あるからそれまで暇かもってミサカはミサカは退屈してみたり」

    美琴「そうなの? じゃあね、皆で雑貨屋さんに行こうよ」

    打ち止め「えっ、いいの!? ってミサカはミサカははしゃいでみたり!」

    美琴「うん、いいわよ」

    打ち止め「やったー! ってミサカはミサカは感激!」

    美琴「ふふ」


    美琴の中で、何かが一つふっと重いものが取れた様な、そんな気がした。











    「…………………………見つけた」



     レストランの外で、そんな彼女達を目にした怪しい姿が二つ。
    それを見た瞬間凶悪に片一方のその顔が歪んでいた。
    その横では、相変わらず何の表情の変化もない、どこを見ているのかもわからない第二位の姿があった。


    407 = 1 :

    ちょいと短いけど生存報告がてら投下
    ダメだ何か全然書けない……

    クロノトリガーと聖剣伝説3にハマっている場合じゃないのにな

    また次回!

    408 :

    乙!
    アニメ派の俺はていとくんの雄姿をいち早く見れるわけだ

    409 :

    おつ

    410 :

    今更ながら聖剣3となwww
    遅れるのも納得だわ

    412 :

    これで、美琴も一方通行と和解かな?

    しかし、かなりピンチだな。

    この展開だと、一方通行くるな。超電磁砲(オリジナル)と、妹達を救うヒーローとして。(上条もくる可能性は、無きにもあらず)

    413 :

    >>412
    この香ばしいレス……またお前か

    415 :

    >>412
    またお前か

    >>414
    sageろ

    417 :

    冥土帰し「君も(オタンコ)ナース属性なのかね?」

    418 :

    ↑ぷよぷよのナスを思い出した

    419 :


     揃ってファミレスを後にする。
    店の中の暖気と外の寒気の温度差が身体を吃驚させるようにブルッと震わせるのだが季節柄そういうものだ。

    ニットのマフラーを首元に巻き直し、初春は小さな手に白い息を吹き掛けた。


    初春「うう~、寒い」

    佐天「だねー、昨日まで暖かかったのに」

    黒子「来週からもっと寒くなるみたいですの」

    美琴「ええ、やだなぁ。打ち止めは大丈夫?」

    打ち止め「うん! 大丈夫だよってミサカはミサカはくるくる回ってあの人が買ってくれたジャンバーを自慢してみたり!」クールクル

    初春「可愛い」キュン

    佐天「あの人って言うと。一方通行さん?」

    打ち止め「うん、そうだよ! ってミサカはミサカは頷いてみる!」

    御坂「あのロリコン色白もやし、ちょっと上位こt…………妹を甘やかしすぎです、とミサカは毒を吐きます」

    黒子「い、妹さん…………しかし、第一位さんと打ち止めちゃんはとても仲良しなんですのね」

    美琴「………………、へー、そうなんだ」


     そんな会話をしながら六人は歩く。
    冬枯れの景色というのはこの学園都市では無縁の様で、どこも学生達でごった返している。

    自分達と同じ様な女の子グループの塊や、やいのやいのはしゃぐ男子学生達。
    男女混ざったグループもあれば、カップルと思わしき男女の仲睦まじく歩く姿も。
    その賑わう街並みの中に、ついつい彼の姿を探してしまうのは仕方のない事だろうか。

    420 = 1 :


     それに、もうクリスマスが近いのか心なしかカップルが多い気がする。
    二人手を取り合って、腕を組み合って、笑い合って。

    自分も彼とそうなりたいなあと指をくわえたい心境であった。


    佐天「(ねね、初春)」ボソッ

    初春「?」


    隣を歩く佐天が自分の耳元まで顔を寄せると、小声で囁きかける。
    何だろうと思い、歩きながらではあるが初春は佐天の言葉を待った。


    佐天「(どう? クリスマスまでに上条さん掴まえられそう?)」

    初春「へゃっ!?/////////」ポンッ

    黒子「初春? 何だか今日様子がおかしいですわよ?」

    初春「な、なんでもないですっ、さ、佐天さん!///」

    佐天「あははー」


    怪訝そうな黒子の言葉に、取り繕う様にしてごまかしながら軽く佐天を睨む。
    全く、すぐにこの親友はからかってくるんだから。


    初春「うぅ~///」


    とは言いつつも、もうすぐ一年に一度だけのあの日は来てしまう。
    恋する女の子ならば誰もが意識するであろう、あの聖なる日。
    意識、しない訳がない。
    この季節の街並みの赤と白のコントラストがそれを感じさせていて、彼と一緒にいられたらいい、いたいという欲求がどんどん強くなってくる。

    とはいっても、一緒にいたいとはいっっつも思っているのだが。

    421 = 1 :



    佐天「(初春、プレゼントはもう決まってる?)」ボソッ

    初春「(ぷ、プレゼント………………?///)」

    佐天「(最後にはあれやっちゃえば上条さん、完全に落ちるんじゃない?)」

    初春「(あ、あれとは?)」

    佐天「(ほら、自分にリボン巻いてさ、『私がプレゼントですっ』って)」

    初春「ひゃああああああああぁぁぁぁ/////////」

    「「「「!?」」」」

    佐天「」ニシシシシ


    口元に手を当て、笑いを堪える様子を見せる佐天。
    自身の上げた悲鳴に一同の視線が集まると余計に恥ずかしさが込み上げ、照れ隠しから佐天をぽかぽか叩く仕草をするだけであった。


    初春「(は、裸リボンなんてえっちぃ事なんてできませんよ!////)」

    佐天「(ん? 裸なんて私は一言も言ってないけどー? 初春、何を期待してたのかなー?)」

    初春「(え、あ、いえ、その!///)」

    佐天「(初春はそうしたかったのかな?)」ニヤニヤ

    初春「(さっきから佐天さんってば! もう知りません!///)」

    佐天「(ごめんごめんってー)」ププ



    黒子「…………先程から、コソコソとお二人で何をお話になってるんですの?」



    初春「!」

    佐天「!」


    前を歩く黒子が妙なオーラを噴出させ、振り返って初春に視線をやる。
    その視線の鋭さは何だかやけに強く、睨みつけている様にも見えた。

    422 = 1 :



    黒子「ま、大方あの方関連のお話でしょうけど」


     『佐天が笑う→初春が顔を赤くする=上条関連の話』という構図は既に出来上がっている様で、そのやり取りを何回も見てきた黒子のその予想は的を得ている。

    上条の話ならば黙ってられないと言わんばかりの黒子の様子。
    そういえば、黒子もライバルだ。

    …………。

    …………ちょっと待って、と初春は考える。
    この六人の中でも、彼に好意を寄せているのは。

    自分、黒子、美琴、そして昨日の様子から御坂妹もそうか。
    ………………。

    よ、四人?


    初春「…………………………」


    競争率の高すぎる比率に、思わず息を飲む。
    レベル5というこの学園都市のヒエラルキーの頂点に立つ美琴、そしてそれに瓜二つの妹さん、黙ってれば可愛い黒子(←初春視点)。

    敵は強大だ。
    でも負けたくはない。
    彼が好きだというこの気持ちは、誰にも負けたくない。
    自信がなくたって、思いの丈を彼にぶつけたい。
    まあ昨日既にぶちまけていたのだが、それはほんの一部、片鱗であって。

    全てを彼にぶつけたい、この気持ちを伝えたい。
    ほら、彼に溶けていく。

    そう考えると、無性に彼に会いたくなった。








    「そこのお嬢さん方、少しいいかな?」






    423 = 1 :


     何だかいい匂いがする。
    鼻をスンスンと動かし、嗅覚を刺激するこの香りをもっとといった様子で上条は目を開けた。


    上条「ふぁ………………もうこんな時間かー、腹減った…………」


    浴槽の縁に設置してあるデジタル式の目覚まし時計のディスプレイに目をやると、13:05を示しており少し寝過ぎた感を感じさせている。
    とはいっても睡眠時間はいつもより短いくらいだが、それでももう眠気は取れた様な気分だ。
    どっちかというとこのお腹の空腹感の方が勝っている様で、上条はもう一度大きな欠伸をするとリビングの方へ向かう事にした。


    土御門「おっすー、カミやん。おっそい目覚めなんだにゃー」

    上条「んにゃ? あれ、土御門」

    土御門「ちょいと経過報告をしにきたんですたい、丁度いいにゃー」

    上条「そうか。それで、どうだったんだ?」

    土御門「その前に昼飯にしたらどうかにゃー? 皆待ってたっぽいぜい」

    上条「待ってたのか…………すまん」


    それぞれに挨拶を済ませると、上条はオルソラが立つ台所へと足を運ぶ。
    皿へと盛りつけられていく料理を見て、先程感じた空腹感を揺する匂いはこれだったかと納得し配膳を手早く手伝うと、昼食を既に摂っていた土御門を除いて五人は食卓についた。

    424 = 1 :



    土御門「単刀直入に言う」


     食事を済ませ、せめてこれだけはと引き受けた後片付けを簡単に済ませると上条は一同が待つリビングに戻った。
    上条の戻りを確認した土御門は、いつもの軽い話し方とは違う仕事時の様子で口を開くと、場の空気がキッと引き締まる。


    土御門「今回感知された魔術は、『黄泉がえり』と呼ばれるものだ」

    上条「『黄泉がえり』?」

    土御門「ああ。読んで字の如く、『死』を迎えたモノに『生』の魔術を吹き込み蘇らせる魔術」

    上条「………………、んな事までできるのかよ、魔術は」


    世界の法則を変える代物。
    無限の可能性を秘める魔術に、上条は言葉を無くすような思いであった。

    土御門は難しい顔を更に歪め、重々しく続けた。


    土御門「しかも、ただそれだけじゃない」

    上条「…………どういう事なんだ?」

    「『黄泉がえり』とは世界を揺るがしかねないもので、封印されたはずの『禁術』なんです」

    神裂「今現在、それを記すモノは原典、コピー含めてこの世にはもう存在しないものなのですが…………」


    一同の視線がインデックスに集まる。
    それに遅れて、上条も気付いた。


    上条「だが、インデックスの頭の中には」

    インデックス「うん。ちゃんと私の頭の中にはあるんだよ」


    それさえもインデックスの魔道図書館に収められているのか、と上条は苦虫を噛む。
    彼女の名が示す様に、この世の全ての魔道書は全てインデックスの頭の中にはあり、それは例え悪意に満ちたものであっても例外はない。

    425 = 1 :


    この世に存在しないもの────それは厳密には違い、インデックスの頭の中にはきちんとあるのだ。


    土御門「なぜ、復元不可、行使不可の魔術が発生したのかというのも懸念すべき問題なのだが、今回はそれに別件も混ざっている」

    上条「………………別件?」

    土御門「『黄泉がえり』によって召喚されたモノに、別の魔術がかけられていた」

    上条「別の魔術、ってなんだ?」

    神裂「それも『禁術』の一つなのですが、姿形を全く別のものに変えるもの。
       アステカの魔術に似たようなものもありますが、それとはまるで様子が違います」

    「上条さん…………これ、なんですけど」


    五和が何かを取り出し、テーブルの上に置く。
    それを見た上条は、怪訝の表情を浮かべた。


    上条「これは…………動物の、毛……?」


    見るからに何かの毛の様なものが目に飛び込んできた。
    まじまじと白く見える一本の直毛を手に取ろうとすると。

    426 = 1 :



    パキンッ──────────


    上条「あ」


    右手で掴んだ瞬間音が鳴り、その毛はたちまち消滅した。


    上条「……………………」

    神裂「……………………」

    「……………………」

    オルソラ「……………………」

    インデックス「……………………」

    土御門「……………………カミやん」

    上条「あっ、いや! わ、悪い!」

    土御門「にゃはー、冗談だぜい。しかしわかっただろ? それに魔術がかけられているという事が」

    上条「お、おう…………だな」


    少々気まずい空気が流れる────と思ったのだが、何ら問題はないといつもの口調を織り交ぜて慰める土御門に上条はホッと一息ついた。

    しかし、問題は。
    別のモノに姿形を変えるというその『禁術』とは、一体どんな魔術なのだろうか。
    あるアステカの魔術師の事を思い浮かべるが、それとは違うと言う。

    427 = 1 :



    上条「それで、俺はどうすればいい?」

    土御門「ああ、今回の件は『黄泉がえり』は場所を特定すれば一発なんだが………………」


    『黄泉がえり』は魔法陣から一定の範囲内のものに効果を及ぼすものであり、その痕跡を辿れば出処の特定は難しい事ではない。

    土御門が懸念しているのは、もう片方であった。
    スタンドアローンタイプの仕組まれた魔術。
    それを打ち消すといえば──────。


    土御門「もう一つの方がやっかいだ。禁書目録がかけられた魔術みたいに直接身体に施されたもので、そっちを消すには直接それと対峙しなきゃいけないんだが…………………………すまん、カミやん」

    上条「? どうしたんだよ?」

    土御門「今回はかなり骨が折れると思われる。いっつも世話になってばっかなのに、また世話になる」

    神裂「………………」

    「………………」


    申し訳ない、という表情を浮かべる土御門、そして神裂達。
    どうしようもなく手の打ちようもない状況というのを、いつも上条に頼り打破してきた。
    今回もまた上条の力を借りる事になるという事に、神裂達は特に頭が下がる思いであった。


    上条「何言ってんだよ。俺がそうしたかったから、そうしてきただけの事だ。今回なんて学園都市に関わる事なんだ、ジャッジメントの俺が黙っていられる訳がないだろ?」


    だから、上条は言う。
    何の為? と聞かれれば、さあ、自分の為だろ? と背負い込む。
    それが上条だ。
    それに、この学園都市が巻き込まれる、という事は。

    もしかしたら、彼女にも何かが降り懸かるのかもしれない。

    そう思えば、上条は黙っていられない。
    黙っていられる訳がなかった。

    428 = 1 :



    黒子「どちらさま、ですの?」


     新規開店で賑わう雑貨屋を目の前に、六人の前に姿を現した白衣を着た男に黒子が尋ねる。
    何か用があるのだろうか。


    「すまないね、突然。少し、道をお尋ねしたくてね」

    黒子「そうでしたの。それで、どちらへ?」


    男が一枚の紙切れをポケットから出そうとすると、黒子は後ろ目で自分以外の五人を見た。


    美琴「黒子、先入ってるわよ?」

    黒子「ええ、わたくしもすぐに行きますの」

    初春「いいのあるかなー」

    佐天「結構お客さんいっぱいだね」


    429 = 1 :


    そう言い合いながら入店しようとする五人の足が止まった。

    いや、正確には二人、か。


    初春「………………っ!?」

    打ち止め「あ、あの人は………………!?」


    美琴「どうしたの?」

    佐天「んー?」


    初春と打ち止めの顔が固まる。
    驚愕か、いや青ざめているようにも見える。
    そちらの方に黒子も視線を向けると、一人の男が立っていた。


    美琴「二人の知り合いなの?」

    佐天「だれだれ?」


    年の功は、自分達より四、五ほど上か、スーツに身を包んだ男。
    しかし、その男は虚ろな目をしておりただそこに突っ立っているだけなのだが。


    「……………………くっくっくっ…………」


    黒子「!?」


    御坂「………………っ、上位固体! 危険です!」


    佐天「えっ、な、なに!?」

    430 = 1 :



    初春「打ち止めちゃん、逃げて!」


    打ち止め「っ!」






    「やれ」





    黒子の目の前にいる男がそう言った瞬間、打ち止めを背に回した初春の目の前に物質が突如出現する。
    説明のつかない、得体のしれないもの。



    初春「っ!!」



    それがまさに、初春と打ち止めに向けて襲い掛かろうと飛来する。
    一瞬の事で、初春は何も出来ずに目をつむった。
    それでも、打ち止めは守ろうと初春はその場から動かない。

    予想される衝撃に身を構え、ギュッと堪えようとしたのだが。


    バチバチっ────────!!


    初春「っ!?」





    美琴「アンタ────────何者よ」





    その『未元物質』を、美琴の電撃が弾いていた。

    431 = 1 :

    くっそwwwwwwくっそwwwwww

    俺、もしもしで文章打ってるんだけどこのもしもしのテキストメモは1000文字しか入らないんだ
    メールなら10000文字まで打てるからメールの本文に書き溜めてんだけど、何を間違えたか知らんけど姉ちゃんに送信してしまったwwwwwwww

    うはwwwwwwww返信待ちwwwwwwww

    また次回!

    433 = 417 :

    身内が同好の志である事を祈る

    434 :


    姉をどうするか……

    435 :


    姉ちゃんェ……
    次回の楽しみが一つ増えた。

    436 :

    無茶しやがって乙

    437 :

    俺たちのためにそんな目にあってまで乙

    438 = 437 :

    ところでアニメ派の俺にていとくんの能力解説頼む誰か

    440 = 435 :

    >>438
    俺の未元物質に常識は通用しねぇ(キリッ
    それと帝蔵庫

    441 :

    >>427
    土御門「ああ、今回の件は『黄泉がえり』は場所を特定すれば一発なんだが………………」

    「ああ、今回の件は『黄泉がえり』“の”場所を特定すれば一発なんだが………………」
    と言う脳内変換でおK?

    442 = 437 :

    なんでもできるってことでおけ?

    443 :

    wikiでも読めよ

    444 = 437 :

    wiki読んだらネタバレもついてくるから敬遠

    445 :

    メルヘンかつ常識の通用しないものをつくる
    自覚はある(キリッ

    446 :

    >>441指摘感謝!それでおk

    姉ちゃんからの返信きたwwwwww

    「びっくりした」

    間違えたっていう追撃メールしたんだけど返ってきたのこれだけだったwwwwww
    触れない優しさが痛い・・・

    448 = 1 :

    >>441
    あ、ごめん違うや

    土御門「今回の件の『黄泉がえり』については場所を特定すれば一発なんだが…………」

    『黄泉がえり』を消してももう片方の魔術は残ってるって言いたかったー

    449 = 1 :

    ageちゃってるし・・・焦ってんな俺

    450 :

    とりあえず>>449乙。
    どのシーンを送ったかは知らんが、まあ、ドンマイ!!


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