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元スレ神「美少女JKの自転車のサドルに転生させてやろう」男「ありがとうございます!」
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男「ふんふ~ん」シャーッ
男(おっ、綺麗な髪した女発見! 顔を見たいな……)
男(なんだよ、髪が長いだけで男かよ! ――あっ!)ガッ
男(タイヤが――、段差に引っかかっ――、体ひっくり返――、やべっ、頭から――)
ゴッ!
…………
……
神「ワシは神じゃ」
男「神様……? なんで……?」
神「おぬし……死んだぞ」
男「マジですか!?」
男(おっ、綺麗な髪した女発見! 顔を見たいな……)
男(なんだよ、髪が長いだけで男かよ! ――あっ!)ガッ
男(タイヤが――、段差に引っかかっ――、体ひっくり返――、やべっ、頭から――)
ゴッ!
…………
……
神「ワシは神じゃ」
男「神様……? なんで……?」
神「おぬし……死んだぞ」
男「マジですか!?」
男「冗談でしょ!? だって自転車でコケただけですよ!?」
神「よほど打ちどころが悪かったのだろう」
男「そんなぁ……」
神「ワシも多くの人間を見てきたが、ここまで間抜けな死に方をした人間はそうそうおらんぞ」
男「ううう……人生これからだったのに……」
神「そこでだ。あまりに惨めで哀れなので……おぬしを転生させてやることにした」
男「えっ、ホントですか!? 今流行りの!?」
神「よほど打ちどころが悪かったのだろう」
男「そんなぁ……」
神「ワシも多くの人間を見てきたが、ここまで間抜けな死に方をした人間はそうそうおらんぞ」
男「ううう……人生これからだったのに……」
神「そこでだ。あまりに惨めで哀れなので……おぬしを転生させてやることにした」
男「えっ、ホントですか!? 今流行りの!?」
男「で、俺はどんな転生をするんですか?」
神「おぬしの経歴を調べたが、犯罪こそしとらんがなかなかのスケベ心の持ち主のようだ」
男「いや、そんなことは……」
神「隠さんでよい。ワシは全てお見通しじゃ」
男「えへへ……」
神「というわけで、おぬしは自転車事故で死んだし、おぬしを美少女JKの自転車のサドルに転生させてやろう」
男「ありがとうございます!」
男(さすが神様、俺の好みを分かってやがる!)
神「おぬしの経歴を調べたが、犯罪こそしとらんがなかなかのスケベ心の持ち主のようだ」
男「いや、そんなことは……」
神「隠さんでよい。ワシは全てお見通しじゃ」
男「えへへ……」
神「というわけで、おぬしは自転車事故で死んだし、おぬしを美少女JKの自転車のサドルに転生させてやろう」
男「ありがとうございます!」
男(さすが神様、俺の好みを分かってやがる!)
神「サドルになれば、当然美少女に座ってもらえるじゃろう」
男「最高っすよ!」
神「しかも、持ち主と絆が芽生えれば、意志疎通することも可能になるであろう」
男「ってことはサドルと人間の禁断の恋も夢じゃないってことですか!」
神「おぬしの努力次第でな。では、美少女JKのサドルとして復活するがよい!」
男「ワーイ!」
…………
……
サドル「…………」
サドル(マジだ、マジで自転車のサドルに生まれ変わってる! さて、持ち主は――)
JK「さて、と……」
サドル(可愛い! 俺好み! 文句なし! やった! 早く座ってくれ~!)
男「最高っすよ!」
神「しかも、持ち主と絆が芽生えれば、意志疎通することも可能になるであろう」
男「ってことはサドルと人間の禁断の恋も夢じゃないってことですか!」
神「おぬしの努力次第でな。では、美少女JKのサドルとして復活するがよい!」
男「ワーイ!」
…………
……
サドル「…………」
サドル(マジだ、マジで自転車のサドルに生まれ変わってる! さて、持ち主は――)
JK「さて、と……」
サドル(可愛い! 俺好み! 文句なし! やった! 早く座ってくれ~!)
JK「ちょっと名残惜しいけど、今日でお別れだね」
サドル「……へ? お別れ?」
サドルの声は人間には聞こえない。
JK「お父さん、すぐ飽きないでよね」
中年「ありがとう。たくさん乗って、しっかり痩せてみせるよ」
JK「頑張って! 少しでもたるんだお腹引き締めてよ!」
サドル「……は?」
中年「よろしくな、マイバイシクル!」
サドル「はぁぁぁぁ!?」
サドル「……へ? お別れ?」
サドルの声は人間には聞こえない。
JK「お父さん、すぐ飽きないでよね」
中年「ありがとう。たくさん乗って、しっかり痩せてみせるよ」
JK「頑張って! 少しでもたるんだお腹引き締めてよ!」
サドル「……は?」
中年「よろしくな、マイバイシクル!」
サドル「はぁぁぁぁ!?」
サドル「おい、神! これはどういうことだ!?」
サドル「たしかに美少女JKの自転車のサドルになったけど……」
サドル「転生した直後、その自転車の持ち主はおっさんになっちまったじゃねえか!」
サドル「こんなの罠だ! インチキだぁ! 転生をやり直せぇ!」
シーン…
サドル「ううう……返事がない。ただのしかばね……いや死んだのは俺か」
中年「明日から通勤で使わせてもらうかな」
サドル「使うんじゃねえ!」
サドル「たしかに美少女JKの自転車のサドルになったけど……」
サドル「転生した直後、その自転車の持ち主はおっさんになっちまったじゃねえか!」
サドル「こんなの罠だ! インチキだぁ! 転生をやり直せぇ!」
シーン…
サドル「ううう……返事がない。ただのしかばね……いや死んだのは俺か」
中年「明日から通勤で使わせてもらうかな」
サドル「使うんじゃねえ!」
バイクに座り乗りした黒髪長髪の尻タッチしたら男だったgifください
翌朝――
中年「さて、記念すべき初自転車出勤だ」
サドル「勘弁してくれ……」
中年「ちょっと緊張するなぁ」
サドル「乗るんじゃねえええええ!」
中年「よいしょ、と」ドスッ
サドル「うわああああああああああ!」
サドル(おっさんの尻が俺の上にぃぃぃぃぃ……)
JK「お父さん、立ち漕ぎは危ないからダメだよ」
中年「分かってるよ」
サドル「立って! 立って下さいお願いします!」
中年「さて、記念すべき初自転車出勤だ」
サドル「勘弁してくれ……」
中年「ちょっと緊張するなぁ」
サドル「乗るんじゃねえええええ!」
中年「よいしょ、と」ドスッ
サドル「うわああああああああああ!」
サドル(おっさんの尻が俺の上にぃぃぃぃぃ……)
JK「お父さん、立ち漕ぎは危ないからダメだよ」
中年「分かってるよ」
サドル「立って! 立って下さいお願いします!」
快調に自転車を漕ぐ。
キコキコキコ…
中年「うん、いい。調子がいい」
サドル(うげえ……走るごとにおっさんの尻の肉がうごめく……)
キコキコキコ…
中年「自転車乗るのは久しぶりだけど忘れないもんだなぁ」
サドル(おっさんのサドルに転生って……これなんて地獄……!?)
サドル(俺、なにか悪いことしましたっけ? たとえば前世で……)
サドル(いや前世は“俺”だったんだから、前々世がよほどの凶悪犯だったとか?)
サドル(だからって、こんな仕打ちはあんまりすぎる!)
サドル「助けてくれえええっ……!」
キコキコキコ…
中年「うん、いい。調子がいい」
サドル(うげえ……走るごとにおっさんの尻の肉がうごめく……)
キコキコキコ…
中年「自転車乗るのは久しぶりだけど忘れないもんだなぁ」
サドル(おっさんのサドルに転生って……これなんて地獄……!?)
サドル(俺、なにか悪いことしましたっけ? たとえば前世で……)
サドル(いや前世は“俺”だったんだから、前々世がよほどの凶悪犯だったとか?)
サドル(だからって、こんな仕打ちはあんまりすぎる!)
サドル「助けてくれえええっ……!」
―駐輪場―
キコキコキコ… キキッ
中年「ここに自転車を置くとしよう」
サドル(公営の駐輪場か? やっと解放された……)
中年「朝から自転車漕いだから、今日は調子がいいぞぉ!」
サドル(俺の調子は最悪だよ……)
キコキコキコ… キキッ
中年「ここに自転車を置くとしよう」
サドル(公営の駐輪場か? やっと解放された……)
中年「朝から自転車漕いだから、今日は調子がいいぞぉ!」
サドル(俺の調子は最悪だよ……)
サドル「…………」
サドル(自転車が止まってる間はこうして待ってなきゃいけないのか)
サドル(不思議なことに“退屈”は感じないな)
サドル(人間じゃなくサドルになったから、退屈を感じる感覚が鈍くなったんだろうか)
サドル(そうでなきゃ大変だもんな。止まったまま何時間も待ってるなんて)
サドル「…………」
サドル「……ん?」
サドル(自転車が止まってる間はこうして待ってなきゃいけないのか)
サドル(不思議なことに“退屈”は感じないな)
サドル(人間じゃなくサドルになったから、退屈を感じる感覚が鈍くなったんだろうか)
サドル(そうでなきゃ大変だもんな。止まったまま何時間も待ってるなんて)
サドル「…………」
サドル「……ん?」
ニット帽「…………」コソコソ
ニット帽をつけた男が、停めてある自転車に何やら細工をしている。
サドル(なにやってんだ、あいつ? 遠いからよく分からん)
サドル(まあいいか……)
サドル(俺はしがないサドル……人間が何をしようと気にしないのさ)
ニット帽をつけた男が、停めてある自転車に何やら細工をしている。
サドル(なにやってんだ、あいつ? 遠いからよく分からん)
サドル(まあいいか……)
サドル(俺はしがないサドル……人間が何をしようと気にしないのさ)
夜になり、中年が会社から帰ってくる。
中年「さ、帰るぞ。マイバイシクル!」
サドル「うげえ……」
キコキコキコ…
中年「ただいまー」
JK「お父さん、私の自転車どうだった?」
中年「乗り心地最高!」
サドル「乗られ心地最悪!」
中年「さ、帰るぞ。マイバイシクル!」
サドル「うげえ……」
キコキコキコ…
中年「ただいまー」
JK「お父さん、私の自転車どうだった?」
中年「乗り心地最高!」
サドル「乗られ心地最悪!」
次の日からも当然――
中年「行ってきまーす」
キコキコキコ…
サドル(はうう……おっさんの尻肉が俺にグイグイくる!)
サドル(これ……世界中のスパイ組織が取り入れるべきだと思う)
サドル(拷問として!)
中年「行ってきまーす」
キコキコキコ…
サドル(はうう……おっさんの尻肉が俺にグイグイくる!)
サドル(これ……世界中のスパイ組織が取り入れるべきだと思う)
サドル(拷問として!)
……
中年「今日も快調!」
キコキコキコ…
サドル(毎日毎日俺に座りやがって。マジいい加減にしろよ。このおっさん)
サドル(そうだ……ちょっと揺さぶってみるか!)グラグラ
中年「お?」
サドル「降りろ降りろ降りろぉ!」グラグラグラ
中年「なんだ、揺れてる?」
サドル「どうだ、気味悪いだろ! 降りろ! 自転車乗るのやめろ!」
中年「き、効くっ! これはお尻によさそうだ!」
サドル(逆効果だった!)
中年「今日も快調!」
キコキコキコ…
サドル(毎日毎日俺に座りやがって。マジいい加減にしろよ。このおっさん)
サドル(そうだ……ちょっと揺さぶってみるか!)グラグラ
中年「お?」
サドル「降りろ降りろ降りろぉ!」グラグラグラ
中年「なんだ、揺れてる?」
サドル「どうだ、気味悪いだろ! 降りろ! 自転車乗るのやめろ!」
中年「き、効くっ! これはお尻によさそうだ!」
サドル(逆効果だった!)
……
妻「あらお父さん、どうしたのそのカッコ? オシャレなジャージ着ちゃって」
中年「今日はたくさん自転車で走ろうと思ってな」
妻「すっかり自転車にハマっちゃったわね」
中年「そのうち、自転車で日本一周するのも悪くないかもしれん」
JK「お父さんかっこいい~!」
サドル「日本一周!? 冗談じゃねえぞ!」
中年「よしよし、今日はいっぱい走ろうな」ナデナデ
サドル「…………!」
サドル(なでるんじゃねえ、キメエ!)
妻「あらお父さん、どうしたのそのカッコ? オシャレなジャージ着ちゃって」
中年「今日はたくさん自転車で走ろうと思ってな」
妻「すっかり自転車にハマっちゃったわね」
中年「そのうち、自転車で日本一周するのも悪くないかもしれん」
JK「お父さんかっこいい~!」
サドル「日本一周!? 冗談じゃねえぞ!」
中年「よしよし、今日はいっぱい走ろうな」ナデナデ
サドル「…………!」
サドル(なでるんじゃねえ、キメエ!)
中年「さあ、今日はたっぷり漕ぐぞ~」
キコキコキコ…
中年「自転車に乗るようになってから、体の調子がよくてね」
中年「会社の女の子からもスリムになりましたねって褒められたんだよ」
サドル「あーそう、よかったね」
サドル(ったく自転車に話しかけるんじゃねえよ、おっさんが。植物じゃねえんだからさ)
サドル(女の子に褒められただと? 本当は……本当は俺だって……!)
キコキコキコ…
中年「自転車に乗るようになってから、体の調子がよくてね」
中年「会社の女の子からもスリムになりましたねって褒められたんだよ」
サドル「あーそう、よかったね」
サドル(ったく自転車に話しかけるんじゃねえよ、おっさんが。植物じゃねえんだからさ)
サドル(女の子に褒められただと? 本当は……本当は俺だって……!)
サドル「本当は俺だって女の子乗せて、チヤホヤされたかったよぉ!」
中年「!?」ビクッ
中年「な、なんだ?」キキッ
サドル「え……?」
中年「今の声、どこから……?」
サドル「おっさん……俺の声が聞こえたのか?」
中年「サドル……? サドルから声が……?」
サドル「……おう」
中年「サドルが喋った!」
中年「!?」ビクッ
中年「な、なんだ?」キキッ
サドル「え……?」
中年「今の声、どこから……?」
サドル「おっさん……俺の声が聞こえたのか?」
中年「サドル……? サドルから声が……?」
サドル「……おう」
中年「サドルが喋った!」
中年「なんで!? ホワイ!? なぜサドルが喋るんだ!?」
中年「なんでぇぇぇぇぇ!?」
サドル「うるせぇぇぇぇぇ!」
中年「ひっ!」
サドル「まさか、俺の声が届くようになっちまうとは……」
中年「君は……何者なんだ?」
サドル「全部話すよ……。俺が何者なのか、なんでこうなったのか……」
中年「私もこういう現象は初めてだし、分かりやすく頼むよ」
…………
……
中年「なんでぇぇぇぇぇ!?」
サドル「うるせぇぇぇぇぇ!」
中年「ひっ!」
サドル「まさか、俺の声が届くようになっちまうとは……」
中年「君は……何者なんだ?」
サドル「全部話すよ……。俺が何者なのか、なんでこうなったのか……」
中年「私もこういう現象は初めてだし、分かりやすく頼むよ」
…………
……
中年「……なるほど、君はサドルに生まれ変わってしまったわけか」
サドル「ああ、そうなんだ」
サドル「美少女のお尻を堪能できるはずだったのに……」
中年「すまん。私が娘から自転車をもらったばかりに……」
中年「――って、ちょっと待て!」
中年「そうじゃなかったら、今頃貴様は娘のお尻を堪能していたということか!」
サドル「そうだよぉ! 今すぐこの自転車娘に返せ!」
中年「絶対ダメだ!」
ギャーギャーッ!
サドル「ああ、そうなんだ」
サドル「美少女のお尻を堪能できるはずだったのに……」
中年「すまん。私が娘から自転車をもらったばかりに……」
中年「――って、ちょっと待て!」
中年「そうじゃなかったら、今頃貴様は娘のお尻を堪能していたということか!」
サドル「そうだよぉ! 今すぐこの自転車娘に返せ!」
中年「絶対ダメだ!」
ギャーギャーッ!
中年「ハァ、ハァ、ハァ……サドルとマジ喧嘩してしまった」
サドル「ハァ、ハァ、ハァ……おっさんとマジ喧嘩してしまった」
サドル「で、どうするよおっさん。こんな呪いのサドル、とっとと捨てちまうか?」
中年「……いや、それはしない」
サドル「なんだと?」
中年「君は一度死んでしまって……今は第二の人生を歩んでるのだろう?」
サドル「人生っつーかサドル生だけどな」
中年「だとしたら、無下にはできんよ。私は持ち主として君を責任持って最後まで管理する」
サドル「ホントか! さっそく娘さんを俺に座らせ……」
中年「それはダメ!」
サドル「ハァ、ハァ、ハァ……おっさんとマジ喧嘩してしまった」
サドル「で、どうするよおっさん。こんな呪いのサドル、とっとと捨てちまうか?」
中年「……いや、それはしない」
サドル「なんだと?」
中年「君は一度死んでしまって……今は第二の人生を歩んでるのだろう?」
サドル「人生っつーかサドル生だけどな」
中年「だとしたら、無下にはできんよ。私は持ち主として君を責任持って最後まで管理する」
サドル「ホントか! さっそく娘さんを俺に座らせ……」
中年「それはダメ!」
サドル「じゃあ持ち主に……せめて俺からもアドバイスだ」
中年「ん?」
サドル「おっさん、自転車乗る時はヘルメットつけた方がいい。俺は頭打って死んだからな」
中年「…………」
中年「そうだな、そうさせてもらうよ」
サドル「これからもよろしくな、おっさん」
中年「よろしく」
中年「ん?」
サドル「おっさん、自転車乗る時はヘルメットつけた方がいい。俺は頭打って死んだからな」
中年「…………」
中年「そうだな、そうさせてもらうよ」
サドル「これからもよろしくな、おっさん」
中年「よろしく」
中年「ただいまー」
妻「お帰りなさい。あら、どうしたのそのヘルメット?」
中年「自転車でこけた時危ないからな、買ってきたんだ」
妻「あらま、ずいぶん本格的ねえ」
中年「せっかくのアドバイス、聞かなきゃもったいないからな」
妻「アドバイス? 誰から?」
中年「サド……え、えーとあれだ。会社に自転車に詳しい同僚がいるんだよ」
妻「お帰りなさい。あら、どうしたのそのヘルメット?」
中年「自転車でこけた時危ないからな、買ってきたんだ」
妻「あらま、ずいぶん本格的ねえ」
中年「せっかくのアドバイス、聞かなきゃもったいないからな」
妻「アドバイス? 誰から?」
中年「サド……え、えーとあれだ。会社に自転車に詳しい同僚がいるんだよ」
―駐輪場―
いつものように通勤に自転車を使う。
中年「じゃ、行ってくるよ」
サドル「行ってらっしゃい」
サドル「…………」
サドル(まさかおっさんと会話できるようになるとは……)
サドル(ってことは俺、あのおっさんと絆が芽生えちゃったってことか!? 冗談じゃねえ!)
サドル(まあ、たしかに悪いおっさんではないけどさ……)
いつものように通勤に自転車を使う。
中年「じゃ、行ってくるよ」
サドル「行ってらっしゃい」
サドル「…………」
サドル(まさかおっさんと会話できるようになるとは……)
サドル(ってことは俺、あのおっさんと絆が芽生えちゃったってことか!? 冗談じゃねえ!)
サドル(まあ、たしかに悪いおっさんではないけどさ……)
ニット帽「…………」ヌッ
サドル「ん?」
サドル(この野郎、前もここに来てたような……)
ニット帽「今日はどれにしようかな……」
サドル(自転車を物色してる……? なにするつもりだ?)
ニット帽「今日はこいつでいいか」
ブスッ!
男はタイヤにアイスピックを突き刺した。
サドル(こいつ、自転車をパンクさせてやがるのか! なんて地味な……だけどえげつねえ!)
サドル「ん?」
サドル(この野郎、前もここに来てたような……)
ニット帽「今日はどれにしようかな……」
サドル(自転車を物色してる……? なにするつもりだ?)
ニット帽「今日はこいつでいいか」
ブスッ!
男はタイヤにアイスピックを突き刺した。
サドル(こいつ、自転車をパンクさせてやがるのか! なんて地味な……だけどえげつねえ!)
ニット帽「もう一台やろう、ヒヒヒ……」
サドル(この駐輪場、カメラないしな……こいつのやりたい放題だ!)
ニット帽「…………」キョロキョロ
サドル(なんとか退治してやりたいが……サドルの俺にゃこいつに声かけることも通報もできねえ)
ニット帽「どれにしようかな……」
サドル(よぉし……)ガタガタガタ
サドルが揺れる。
ニット帽「……ん?」
サドル(この駐輪場、カメラないしな……こいつのやりたい放題だ!)
ニット帽「…………」キョロキョロ
サドル(なんとか退治してやりたいが……サドルの俺にゃこいつに声かけることも通報もできねえ)
ニット帽「どれにしようかな……」
サドル(よぉし……)ガタガタガタ
サドルが揺れる。
ニット帽「……ん?」
ニット帽「なんだぁ?」
サドル「俺に乗れ……俺に乗れ……」ガタガタ
ニット帽「このサドル、勝手に動いたぞ?」
サドル「俺に乗れ!」ガタガタ
ニット帽「今はこういう自転車もあるのか。面白そうだ、ちょっと乗ってみるか」
サドル「かかった!」
サドル「せーのっ!」
ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ…
サドルのフルパワー振動。
ニット帽「お゛っ!?」
サドル「俺に乗れ……俺に乗れ……」ガタガタ
ニット帽「このサドル、勝手に動いたぞ?」
サドル「俺に乗れ!」ガタガタ
ニット帽「今はこういう自転車もあるのか。面白そうだ、ちょっと乗ってみるか」
サドル「かかった!」
サドル「せーのっ!」
ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ…
サドルのフルパワー振動。
ニット帽「お゛っ!?」
ガタガタガタガタガタ…
ニット帽「おおおおおおおっ!?」
サドル「トドメだッ!」ガタンッ!
ニット帽「おふうっ!」
ニット帽「…………」ドサッ…
ニット帽「あへ……あへあへ……」
サドル「俺に座ったのが……運の尽きだ」
ニット帽「おおおおおおおっ!?」
サドル「トドメだッ!」ガタンッ!
ニット帽「おふうっ!」
ニット帽「…………」ドサッ…
ニット帽「あへ……あへあへ……」
サドル「俺に座ったのが……運の尽きだ」
サドル「ふん、ざまあみやがれ」
『アリガトウ……』
『ヨクヤッタ……』
『スゴイ……』
サドル「!」
サドル(この声は……もしかして他のサドルの声?)
サドル(そうか……流石に俺みたいに元人間ってことはないだろうが)
サドル(サドルにも意志みたいなもんはあるんだな。で、こういう声を聞くこともできるってことか)
ちなみにこの犯人、アイスピック片手に倒れてるところを通報され、警察に逮捕された。
『アリガトウ……』
『ヨクヤッタ……』
『スゴイ……』
サドル「!」
サドル(この声は……もしかして他のサドルの声?)
サドル(そうか……流石に俺みたいに元人間ってことはないだろうが)
サドル(サドルにも意志みたいなもんはあるんだな。で、こういう声を聞くこともできるってことか)
ちなみにこの犯人、アイスピック片手に倒れてるところを通報され、警察に逮捕された。
オサーンに教えてミステリーが始まるのかと思ったら・・・
中年「ん、今日はやけに嬉しそうじゃないか」
中年「私に乗られるのがそんなに嬉しいのかね?」
サドル「んなわけあるか!」
サドル「ただ……今日は人助けならぬチャリ助けをできたからな」
中年「いいことじゃないか。情けは人のためならず、というからな」
中年「今日体験したことがいつか役立つかもしれないぞ」
サドル「だといいけどな」
シャーッ…
サドルも少しずつ、自分の境遇に生きがいを感じるようになっていった。
中年「私に乗られるのがそんなに嬉しいのかね?」
サドル「んなわけあるか!」
サドル「ただ……今日は人助けならぬチャリ助けをできたからな」
中年「いいことじゃないか。情けは人のためならず、というからな」
中年「今日体験したことがいつか役立つかもしれないぞ」
サドル「だといいけどな」
シャーッ…
サドルも少しずつ、自分の境遇に生きがいを感じるようになっていった。
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