元スレ神「美少女JKの自転車のサドルに転生させてやろう」男「ありがとうございます!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
1 :
男「ふんふ~ん」シャーッ
男(おっ、綺麗な髪した女発見! 顔を見たいな……)
男(なんだよ、髪が長いだけで男かよ! ――あっ!)ガッ
男(タイヤが――、段差に引っかかっ――、体ひっくり返――、やべっ、頭から――)
ゴッ!
…………
……
神「ワシは神じゃ」
男「神様……? なんで……?」
神「おぬし……死んだぞ」
男「マジですか!?」
2 :
プロローグくらい入れて欲しかった
3 :
アニメ化まだかよ
4 = 1 :
男「冗談でしょ!? だって自転車でコケただけですよ!?」
神「よほど打ちどころが悪かったのだろう」
男「そんなぁ……」
神「ワシも多くの人間を見てきたが、ここまで間抜けな死に方をした人間はそうそうおらんぞ」
男「ううう……人生これからだったのに……」
神「そこでだ。あまりに惨めで哀れなので……おぬしを転生させてやることにした」
男「えっ、ホントですか!? 今流行りの!?」
5 :
週間ストーリーランドでありそう
6 = 1 :
男「で、俺はどんな転生をするんですか?」
神「おぬしの経歴を調べたが、犯罪こそしとらんがなかなかのスケベ心の持ち主のようだ」
男「いや、そんなことは……」
神「隠さんでよい。ワシは全てお見通しじゃ」
男「えへへ……」
神「というわけで、おぬしは自転車事故で死んだし、おぬしを美少女JKの自転車のサドルに転生させてやろう」
男「ありがとうございます!」
男(さすが神様、俺の好みを分かってやがる!)
8 = 1 :
神「サドルになれば、当然美少女に座ってもらえるじゃろう」
男「最高っすよ!」
神「しかも、持ち主と絆が芽生えれば、意志疎通することも可能になるであろう」
男「ってことはサドルと人間の禁断の恋も夢じゃないってことですか!」
神「おぬしの努力次第でな。では、美少女JKのサドルとして復活するがよい!」
男「ワーイ!」
…………
……
サドル「…………」
サドル(マジだ、マジで自転車のサドルに生まれ変わってる! さて、持ち主は――)
JK「さて、と……」
サドル(可愛い! 俺好み! 文句なし! やった! 早く座ってくれ~!)
9 :
これは見てしまう
10 :
サドルと意思疎通…?
12 = 1 :
JK「ちょっと名残惜しいけど、今日でお別れだね」
サドル「……へ? お別れ?」
サドルの声は人間には聞こえない。
JK「お父さん、すぐ飽きないでよね」
中年「ありがとう。たくさん乗って、しっかり痩せてみせるよ」
JK「頑張って! 少しでもたるんだお腹引き締めてよ!」
サドル「……は?」
中年「よろしくな、マイバイシクル!」
サドル「はぁぁぁぁ!?」
13 :
娘の貰うなwww
14 :
ふつーぎゃくだろw
15 = 1 :
サドル「おい、神! これはどういうことだ!?」
サドル「たしかに美少女JKの自転車のサドルになったけど……」
サドル「転生した直後、その自転車の持ち主はおっさんになっちまったじゃねえか!」
サドル「こんなの罠だ! インチキだぁ! 転生をやり直せぇ!」
シーン…
サドル「ううう……返事がない。ただのしかばね……いや死んだのは俺か」
中年「明日から通勤で使わせてもらうかな」
サドル「使うんじゃねえ!」
16 :
バイクに座り乗りした黒髪長髪の尻タッチしたら男だったgifください
17 = 1 :
翌朝――
中年「さて、記念すべき初自転車出勤だ」
サドル「勘弁してくれ……」
中年「ちょっと緊張するなぁ」
サドル「乗るんじゃねえええええ!」
中年「よいしょ、と」ドスッ
サドル「うわああああああああああ!」
サドル(おっさんの尻が俺の上にぃぃぃぃぃ……)
JK「お父さん、立ち漕ぎは危ないからダメだよ」
中年「分かってるよ」
サドル「立って! 立って下さいお願いします!」
18 = 1 :
快調に自転車を漕ぐ。
キコキコキコ…
中年「うん、いい。調子がいい」
サドル(うげえ……走るごとにおっさんの尻の肉がうごめく……)
キコキコキコ…
中年「自転車乗るのは久しぶりだけど忘れないもんだなぁ」
サドル(おっさんのサドルに転生って……これなんて地獄……!?)
サドル(俺、なにか悪いことしましたっけ? たとえば前世で……)
サドル(いや前世は“俺”だったんだから、前々世がよほどの凶悪犯だったとか?)
サドル(だからって、こんな仕打ちはあんまりすぎる!)
サドル「助けてくれえええっ……!」
19 :
天国から地獄
20 = 9 :
そしてオッサンの屁か
21 = 1 :
―駐輪場―
キコキコキコ… キキッ
中年「ここに自転車を置くとしよう」
サドル(公営の駐輪場か? やっと解放された……)
中年「朝から自転車漕いだから、今日は調子がいいぞぉ!」
サドル(俺の調子は最悪だよ……)
22 = 1 :
サドル「…………」
サドル(自転車が止まってる間はこうして待ってなきゃいけないのか)
サドル(不思議なことに“退屈”は感じないな)
サドル(人間じゃなくサドルになったから、退屈を感じる感覚が鈍くなったんだろうか)
サドル(そうでなきゃ大変だもんな。止まったまま何時間も待ってるなんて)
サドル「…………」
サドル「……ん?」
23 :
転生前の名前が悟(さとる)であって欲しい
24 = 1 :
ニット帽「…………」コソコソ
ニット帽をつけた男が、停めてある自転車に何やら細工をしている。
サドル(なにやってんだ、あいつ? 遠いからよく分からん)
サドル(まあいいか……)
サドル(俺はしがないサドル……人間が何をしようと気にしないのさ)
25 = 7 :
JK盗まれないかな
26 = 1 :
夜になり、中年が会社から帰ってくる。
中年「さ、帰るぞ。マイバイシクル!」
サドル「うげえ……」
キコキコキコ…
中年「ただいまー」
JK「お父さん、私の自転車どうだった?」
中年「乗り心地最高!」
サドル「乗られ心地最悪!」
27 = 1 :
次の日からも当然――
中年「行ってきまーす」
キコキコキコ…
サドル(はうう……おっさんの尻肉が俺にグイグイくる!)
サドル(これ……世界中のスパイ組織が取り入れるべきだと思う)
サドル(拷問として!)
28 :
パンツになりてぇとか言うけど実際拷問だよな
29 = 1 :
……
中年「今日も快調!」
キコキコキコ…
サドル(毎日毎日俺に座りやがって。マジいい加減にしろよ。このおっさん)
サドル(そうだ……ちょっと揺さぶってみるか!)グラグラ
中年「お?」
サドル「降りろ降りろ降りろぉ!」グラグラグラ
中年「なんだ、揺れてる?」
サドル「どうだ、気味悪いだろ! 降りろ! 自転車乗るのやめろ!」
中年「き、効くっ! これはお尻によさそうだ!」
サドル(逆効果だった!)
30 = 1 :
……
妻「あらお父さん、どうしたのそのカッコ? オシャレなジャージ着ちゃって」
中年「今日はたくさん自転車で走ろうと思ってな」
妻「すっかり自転車にハマっちゃったわね」
中年「そのうち、自転車で日本一周するのも悪くないかもしれん」
JK「お父さんかっこいい~!」
サドル「日本一周!? 冗談じゃねえぞ!」
中年「よしよし、今日はいっぱい走ろうな」ナデナデ
サドル「…………!」
サドル(なでるんじゃねえ、キメエ!)
31 = 1 :
中年「さあ、今日はたっぷり漕ぐぞ~」
キコキコキコ…
中年「自転車に乗るようになってから、体の調子がよくてね」
中年「会社の女の子からもスリムになりましたねって褒められたんだよ」
サドル「あーそう、よかったね」
サドル(ったく自転車に話しかけるんじゃねえよ、おっさんが。植物じゃねえんだからさ)
サドル(女の子に褒められただと? 本当は……本当は俺だって……!)
32 = 1 :
サドル「本当は俺だって女の子乗せて、チヤホヤされたかったよぉ!」
中年「!?」ビクッ
中年「な、なんだ?」キキッ
サドル「え……?」
中年「今の声、どこから……?」
サドル「おっさん……俺の声が聞こえたのか?」
中年「サドル……? サドルから声が……?」
サドル「……おう」
中年「サドルが喋った!」
34 = 1 :
中年「なんで!? ホワイ!? なぜサドルが喋るんだ!?」
中年「なんでぇぇぇぇぇ!?」
サドル「うるせぇぇぇぇぇ!」
中年「ひっ!」
サドル「まさか、俺の声が届くようになっちまうとは……」
中年「君は……何者なんだ?」
サドル「全部話すよ……。俺が何者なのか、なんでこうなったのか……」
中年「私もこういう現象は初めてだし、分かりやすく頼むよ」
…………
……
35 = 1 :
中年「……なるほど、君はサドルに生まれ変わってしまったわけか」
サドル「ああ、そうなんだ」
サドル「美少女のお尻を堪能できるはずだったのに……」
中年「すまん。私が娘から自転車をもらったばかりに……」
中年「――って、ちょっと待て!」
中年「そうじゃなかったら、今頃貴様は娘のお尻を堪能していたということか!」
サドル「そうだよぉ! 今すぐこの自転車娘に返せ!」
中年「絶対ダメだ!」
ギャーギャーッ!
36 = 1 :
中年「ハァ、ハァ、ハァ……サドルとマジ喧嘩してしまった」
サドル「ハァ、ハァ、ハァ……おっさんとマジ喧嘩してしまった」
サドル「で、どうするよおっさん。こんな呪いのサドル、とっとと捨てちまうか?」
中年「……いや、それはしない」
サドル「なんだと?」
中年「君は一度死んでしまって……今は第二の人生を歩んでるのだろう?」
サドル「人生っつーかサドル生だけどな」
中年「だとしたら、無下にはできんよ。私は持ち主として君を責任持って最後まで管理する」
サドル「ホントか! さっそく娘さんを俺に座らせ……」
中年「それはダメ!」
37 = 1 :
サドル「じゃあ持ち主に……せめて俺からもアドバイスだ」
中年「ん?」
サドル「おっさん、自転車乗る時はヘルメットつけた方がいい。俺は頭打って死んだからな」
中年「…………」
中年「そうだな、そうさせてもらうよ」
サドル「これからもよろしくな、おっさん」
中年「よろしく」
38 :
みてる
40 = 1 :
中年「ただいまー」
妻「お帰りなさい。あら、どうしたのそのヘルメット?」
中年「自転車でこけた時危ないからな、買ってきたんだ」
妻「あらま、ずいぶん本格的ねえ」
中年「せっかくのアドバイス、聞かなきゃもったいないからな」
妻「アドバイス? 誰から?」
中年「サド……え、えーとあれだ。会社に自転車に詳しい同僚がいるんだよ」
41 = 1 :
―駐輪場―
いつものように通勤に自転車を使う。
中年「じゃ、行ってくるよ」
サドル「行ってらっしゃい」
サドル「…………」
サドル(まさかおっさんと会話できるようになるとは……)
サドル(ってことは俺、あのおっさんと絆が芽生えちゃったってことか!? 冗談じゃねえ!)
サドル(まあ、たしかに悪いおっさんではないけどさ……)
42 = 1 :
ニット帽「…………」ヌッ
サドル「ん?」
サドル(この野郎、前もここに来てたような……)
ニット帽「今日はどれにしようかな……」
サドル(自転車を物色してる……? なにするつもりだ?)
ニット帽「今日はこいつでいいか」
ブスッ!
男はタイヤにアイスピックを突き刺した。
サドル(こいつ、自転車をパンクさせてやがるのか! なんて地味な……だけどえげつねえ!)
43 = 1 :
ニット帽「もう一台やろう、ヒヒヒ……」
サドル(この駐輪場、カメラないしな……こいつのやりたい放題だ!)
ニット帽「…………」キョロキョロ
サドル(なんとか退治してやりたいが……サドルの俺にゃこいつに声かけることも通報もできねえ)
ニット帽「どれにしようかな……」
サドル(よぉし……)ガタガタガタ
サドルが揺れる。
ニット帽「……ん?」
44 = 1 :
ニット帽「なんだぁ?」
サドル「俺に乗れ……俺に乗れ……」ガタガタ
ニット帽「このサドル、勝手に動いたぞ?」
サドル「俺に乗れ!」ガタガタ
ニット帽「今はこういう自転車もあるのか。面白そうだ、ちょっと乗ってみるか」
サドル「かかった!」
サドル「せーのっ!」
ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ…
サドルのフルパワー振動。
ニット帽「お゛っ!?」
45 = 1 :
ガタガタガタガタガタ…
ニット帽「おおおおおおおっ!?」
サドル「トドメだッ!」ガタンッ!
ニット帽「おふうっ!」
ニット帽「…………」ドサッ…
ニット帽「あへ……あへあへ……」
サドル「俺に座ったのが……運の尽きだ」
46 :
わざわざ転生までしてる割にはエルメスの劣化だよな
47 = 1 :
サドル「ふん、ざまあみやがれ」
『アリガトウ……』
『ヨクヤッタ……』
『スゴイ……』
サドル「!」
サドル(この声は……もしかして他のサドルの声?)
サドル(そうか……流石に俺みたいに元人間ってことはないだろうが)
サドル(サドルにも意志みたいなもんはあるんだな。で、こういう声を聞くこともできるってことか)
ちなみにこの犯人、アイスピック片手に倒れてるところを通報され、警察に逮捕された。
48 :
オサーンに教えてミステリーが始まるのかと思ったら・・・
49 = 1 :
中年「ん、今日はやけに嬉しそうじゃないか」
中年「私に乗られるのがそんなに嬉しいのかね?」
サドル「んなわけあるか!」
サドル「ただ……今日は人助けならぬチャリ助けをできたからな」
中年「いいことじゃないか。情けは人のためならず、というからな」
中年「今日体験したことがいつか役立つかもしれないぞ」
サドル「だといいけどな」
シャーッ…
サドルも少しずつ、自分の境遇に生きがいを感じるようになっていった。
50 :
死ぬフラグたったな
みんなの評価 : ○
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