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    元スレ神「美少女JKの自転車のサドルに転生させてやろう」男「ありがとうございます!」

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    1 :

    「ふんふ~ん」シャーッ

    (おっ、綺麗な髪した女発見! 顔を見たいな……)

    (なんだよ、髪が長いだけで男かよ! ――あっ!)ガッ

    (タイヤが――、段差に引っかかっ――、体ひっくり返――、やべっ、頭から――)

    ゴッ!


    …………

    ……


    「ワシは神じゃ」

    「神様……? なんで……?」

    「おぬし……死んだぞ」

    「マジですか!?」

    2 :

    プロローグくらい入れて欲しかった

    3 :

    アニメ化まだかよ

    4 = 1 :

    「冗談でしょ!? だって自転車でコケただけですよ!?」

    「よほど打ちどころが悪かったのだろう」

    「そんなぁ……」

    「ワシも多くの人間を見てきたが、ここまで間抜けな死に方をした人間はそうそうおらんぞ」

    「ううう……人生これからだったのに……」

    「そこでだ。あまりに惨めで哀れなので……おぬしを転生させてやることにした」

    「えっ、ホントですか!? 今流行りの!?」

    5 :

    週間ストーリーランドでありそう

    6 = 1 :

    「で、俺はどんな転生をするんですか?」

    「おぬしの経歴を調べたが、犯罪こそしとらんがなかなかのスケベ心の持ち主のようだ」

    「いや、そんなことは……」

    「隠さんでよい。ワシは全てお見通しじゃ」

    「えへへ……」

    「というわけで、おぬしは自転車事故で死んだし、おぬしを美少女JKの自転車のサドルに転生させてやろう」

    「ありがとうございます!」

    (さすが神様、俺の好みを分かってやがる!)

    8 = 1 :

    「サドルになれば、当然美少女に座ってもらえるじゃろう」

    「最高っすよ!」

    「しかも、持ち主と絆が芽生えれば、意志疎通することも可能になるであろう」

    「ってことはサドルと人間の禁断の恋も夢じゃないってことですか!」

    「おぬしの努力次第でな。では、美少女JKのサドルとして復活するがよい!」

    「ワーイ!」



    …………

    ……



    サドル「…………」

    サドル(マジだ、マジで自転車のサドルに生まれ変わってる! さて、持ち主は――)

    JK「さて、と……」

    サドル(可愛い! 俺好み! 文句なし! やった! 早く座ってくれ~!)

    9 :

    これは見てしまう

    10 :

    サドルと意思疎通…?

    12 = 1 :

    JK「ちょっと名残惜しいけど、今日でお別れだね」

    サドル「……へ? お別れ?」

    サドルの声は人間には聞こえない。

    JK「お父さん、すぐ飽きないでよね」

    中年「ありがとう。たくさん乗って、しっかり痩せてみせるよ」

    JK「頑張って! 少しでもたるんだお腹引き締めてよ!」

    サドル「……は?」

    中年「よろしくな、マイバイシクル!」

    サドル「はぁぁぁぁ!?」

    13 :

    娘の貰うなwww

    14 :

    ふつーぎゃくだろw

    15 = 1 :

    サドル「おい、神! これはどういうことだ!?」

    サドル「たしかに美少女JKの自転車のサドルになったけど……」

    サドル「転生した直後、その自転車の持ち主はおっさんになっちまったじゃねえか!」

    サドル「こんなの罠だ! インチキだぁ! 転生をやり直せぇ!」

    シーン…

    サドル「ううう……返事がない。ただのしかばね……いや死んだのは俺か」

    中年「明日から通勤で使わせてもらうかな」

    サドル「使うんじゃねえ!」

    16 :

    バイクに座り乗りした黒髪長髪の尻タッチしたら男だったgifください

    17 = 1 :

    翌朝――

    中年「さて、記念すべき初自転車出勤だ」

    サドル「勘弁してくれ……」

    中年「ちょっと緊張するなぁ」

    サドル「乗るんじゃねえええええ!」

    中年「よいしょ、と」ドスッ

    サドル「うわああああああああああ!」

    サドル(おっさんの尻が俺の上にぃぃぃぃぃ……)

    JK「お父さん、立ち漕ぎは危ないからダメだよ」

    中年「分かってるよ」

    サドル「立って! 立って下さいお願いします!」

    18 = 1 :

    快調に自転車を漕ぐ。

    キコキコキコ…

    中年「うん、いい。調子がいい」

    サドル(うげえ……走るごとにおっさんの尻の肉がうごめく……)

    キコキコキコ…

    中年「自転車乗るのは久しぶりだけど忘れないもんだなぁ」

    サドル(おっさんのサドルに転生って……これなんて地獄……!?)

    サドル(俺、なにか悪いことしましたっけ? たとえば前世で……)

    サドル(いや前世は“俺”だったんだから、前々世がよほどの凶悪犯だったとか?)

    サドル(だからって、こんな仕打ちはあんまりすぎる!)

    サドル「助けてくれえええっ……!」

    19 :

    天国から地獄

    20 = 9 :

    そしてオッサンの屁か

    21 = 1 :

    ―駐輪場―

    キコキコキコ… キキッ

    中年「ここに自転車を置くとしよう」

    サドル(公営の駐輪場か? やっと解放された……)

    中年「朝から自転車漕いだから、今日は調子がいいぞぉ!」

    サドル(俺の調子は最悪だよ……)

    22 = 1 :

    サドル「…………」

    サドル(自転車が止まってる間はこうして待ってなきゃいけないのか)

    サドル(不思議なことに“退屈”は感じないな)

    サドル(人間じゃなくサドルになったから、退屈を感じる感覚が鈍くなったんだろうか)

    サドル(そうでなきゃ大変だもんな。止まったまま何時間も待ってるなんて)

    サドル「…………」

    サドル「……ん?」

    23 :

    転生前の名前が悟(さとる)であって欲しい

    24 = 1 :

    ニット帽「…………」コソコソ

    ニット帽をつけた男が、停めてある自転車に何やら細工をしている。



    サドル(なにやってんだ、あいつ? 遠いからよく分からん)

    サドル(まあいいか……)

    サドル(俺はしがないサドル……人間が何をしようと気にしないのさ)

    25 = 7 :

    JK盗まれないかな

    26 = 1 :

    夜になり、中年が会社から帰ってくる。

    中年「さ、帰るぞ。マイバイシクル!」

    サドル「うげえ……」

    キコキコキコ…

    中年「ただいまー」

    JK「お父さん、私の自転車どうだった?」

    中年「乗り心地最高!」

    サドル「乗られ心地最悪!」

    27 = 1 :

    次の日からも当然――

    中年「行ってきまーす」

    キコキコキコ…

    サドル(はうう……おっさんの尻肉が俺にグイグイくる!)

    サドル(これ……世界中のスパイ組織が取り入れるべきだと思う)

    サドル(拷問として!)

    28 :

    パンツになりてぇとか言うけど実際拷問だよな

    29 = 1 :

    ……

    中年「今日も快調!」

    キコキコキコ…

    サドル(毎日毎日俺に座りやがって。マジいい加減にしろよ。このおっさん)

    サドル(そうだ……ちょっと揺さぶってみるか!)グラグラ

    中年「お?」

    サドル「降りろ降りろ降りろぉ!」グラグラグラ

    中年「なんだ、揺れてる?」

    サドル「どうだ、気味悪いだろ! 降りろ! 自転車乗るのやめろ!」

    中年「き、効くっ! これはお尻によさそうだ!」

    サドル(逆効果だった!)

    30 = 1 :

    ……

    「あらお父さん、どうしたのそのカッコ? オシャレなジャージ着ちゃって」

    中年「今日はたくさん自転車で走ろうと思ってな」

    「すっかり自転車にハマっちゃったわね」

    中年「そのうち、自転車で日本一周するのも悪くないかもしれん」

    JK「お父さんかっこいい~!」

    サドル「日本一周!? 冗談じゃねえぞ!」

    中年「よしよし、今日はいっぱい走ろうな」ナデナデ

    サドル「…………!」

    サドル(なでるんじゃねえ、キメエ!)

    31 = 1 :

    中年「さあ、今日はたっぷり漕ぐぞ~」

    キコキコキコ…

    中年「自転車に乗るようになってから、体の調子がよくてね」

    中年「会社の女の子からもスリムになりましたねって褒められたんだよ」

    サドル「あーそう、よかったね」

    サドル(ったく自転車に話しかけるんじゃねえよ、おっさんが。植物じゃねえんだからさ)

    サドル(女の子に褒められただと? 本当は……本当は俺だって……!)

    32 = 1 :

    サドル「本当は俺だって女の子乗せて、チヤホヤされたかったよぉ!」

    中年「!?」ビクッ

    中年「な、なんだ?」キキッ

    サドル「え……?」

    中年「今の声、どこから……?」

    サドル「おっさん……俺の声が聞こえたのか?」

    中年「サドル……? サドルから声が……?」

    サドル「……おう」

    中年「サドルが喋った!」

    34 = 1 :

    中年「なんで!? ホワイ!? なぜサドルが喋るんだ!?」

    中年「なんでぇぇぇぇぇ!?」

    サドル「うるせぇぇぇぇぇ!」

    中年「ひっ!」

    サドル「まさか、俺の声が届くようになっちまうとは……」

    中年「君は……何者なんだ?」

    サドル「全部話すよ……。俺が何者なのか、なんでこうなったのか……」

    中年「私もこういう現象は初めてだし、分かりやすく頼むよ」

    …………

    ……

    35 = 1 :

    中年「……なるほど、君はサドルに生まれ変わってしまったわけか」

    サドル「ああ、そうなんだ」

    サドル「美少女のお尻を堪能できるはずだったのに……」

    中年「すまん。私が娘から自転車をもらったばかりに……」

    中年「――って、ちょっと待て!」

    中年「そうじゃなかったら、今頃貴様は娘のお尻を堪能していたということか!」

    サドル「そうだよぉ! 今すぐこの自転車娘に返せ!」

    中年「絶対ダメだ!」

    ギャーギャーッ!

    36 = 1 :

    中年「ハァ、ハァ、ハァ……サドルとマジ喧嘩してしまった」

    サドル「ハァ、ハァ、ハァ……おっさんとマジ喧嘩してしまった」

    サドル「で、どうするよおっさん。こんな呪いのサドル、とっとと捨てちまうか?」

    中年「……いや、それはしない」

    サドル「なんだと?」

    中年「君は一度死んでしまって……今は第二の人生を歩んでるのだろう?」

    サドル「人生っつーかサドル生だけどな」

    中年「だとしたら、無下にはできんよ。私は持ち主として君を責任持って最後まで管理する」

    サドル「ホントか! さっそく娘さんを俺に座らせ……」

    中年「それはダメ!」

    37 = 1 :

    サドル「じゃあ持ち主に……せめて俺からもアドバイスだ」

    中年「ん?」

    サドル「おっさん、自転車乗る時はヘルメットつけた方がいい。俺は頭打って死んだからな」

    中年「…………」

    中年「そうだな、そうさせてもらうよ」

    サドル「これからもよろしくな、おっさん」

    中年「よろしく」

    38 :

    みてる

    40 = 1 :

    中年「ただいまー」

    「お帰りなさい。あら、どうしたのそのヘルメット?」

    中年「自転車でこけた時危ないからな、買ってきたんだ」

    「あらま、ずいぶん本格的ねえ」

    中年「せっかくのアドバイス、聞かなきゃもったいないからな」

    「アドバイス? 誰から?」

    中年「サド……え、えーとあれだ。会社に自転車に詳しい同僚がいるんだよ」

    41 = 1 :

    ―駐輪場―

    いつものように通勤に自転車を使う。

    中年「じゃ、行ってくるよ」

    サドル「行ってらっしゃい」

    サドル「…………」

    サドル(まさかおっさんと会話できるようになるとは……)

    サドル(ってことは俺、あのおっさんと絆が芽生えちゃったってことか!? 冗談じゃねえ!)

    サドル(まあ、たしかに悪いおっさんではないけどさ……)

    42 = 1 :

    ニット帽「…………」ヌッ

    サドル「ん?」

    サドル(この野郎、前もここに来てたような……)

    ニット帽「今日はどれにしようかな……」

    サドル(自転車を物色してる……? なにするつもりだ?)

    ニット帽「今日はこいつでいいか」

    ブスッ!

    男はタイヤにアイスピックを突き刺した。

    サドル(こいつ、自転車をパンクさせてやがるのか! なんて地味な……だけどえげつねえ!)

    43 = 1 :

    ニット帽「もう一台やろう、ヒヒヒ……」

    サドル(この駐輪場、カメラないしな……こいつのやりたい放題だ!)

    ニット帽「…………」キョロキョロ

    サドル(なんとか退治してやりたいが……サドルの俺にゃこいつに声かけることも通報もできねえ)

    ニット帽「どれにしようかな……」

    サドル(よぉし……)ガタガタガタ

    サドルが揺れる。

    ニット帽「……ん?」

    44 = 1 :

    ニット帽「なんだぁ?」

    サドル「俺に乗れ……俺に乗れ……」ガタガタ

    ニット帽「このサドル、勝手に動いたぞ?」

    サドル「俺に乗れ!」ガタガタ

    ニット帽「今はこういう自転車もあるのか。面白そうだ、ちょっと乗ってみるか」

    サドル「かかった!」

    サドル「せーのっ!」

    ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ…

    サドルのフルパワー振動。

    ニット帽「お゛っ!?」

    45 = 1 :

    ガタガタガタガタガタ…

    ニット帽「おおおおおおおっ!?」

    サドル「トドメだッ!」ガタンッ!

    ニット帽「おふうっ!」

    ニット帽「…………」ドサッ…

    ニット帽「あへ……あへあへ……」

    サドル「俺に座ったのが……運の尽きだ」

    46 :

    わざわざ転生までしてる割にはエルメスの劣化だよな

    47 = 1 :

    サドル「ふん、ざまあみやがれ」

    『アリガトウ……』

    『ヨクヤッタ……』

    『スゴイ……』

    サドル「!」

    サドル(この声は……もしかして他のサドルの声?)

    サドル(そうか……流石に俺みたいに元人間ってことはないだろうが)

    サドル(サドルにも意志みたいなもんはあるんだな。で、こういう声を聞くこともできるってことか)

    ちなみにこの犯人、アイスピック片手に倒れてるところを通報され、警察に逮捕された。

    48 :

    オサーンに教えてミステリーが始まるのかと思ったら・・・

    49 = 1 :

    中年「ん、今日はやけに嬉しそうじゃないか」

    中年「私に乗られるのがそんなに嬉しいのかね?」

    サドル「んなわけあるか!」

    サドル「ただ……今日は人助けならぬチャリ助けをできたからな」

    中年「いいことじゃないか。情けは人のためならず、というからな」

    中年「今日体験したことがいつか役立つかもしれないぞ」

    サドル「だといいけどな」

    シャーッ…

    サドルも少しずつ、自分の境遇に生きがいを感じるようになっていった。

    50 :

    死ぬフラグたったな


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