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元スレ俺「異世界来たァ! 処女奴隷ハーレム作り放題だぜえええ!」
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俺「お、お前は、あのときの……」
奴隷商人「随分ヘンな奴があちこち奔走してるって、噂になっててね」
奴隷商人「そういやお釣りを忘れたマヌケな人がいたなって、思い出したのさ」ドサッ
俺「!」
奴隷商人「七十五万ゴールドだ」
俺「な、なんで……!」
奴隷商人「ぼったくったって言われちゃ、看板に傷がつくのさ。アタシの店は、信用が売りなんでね」
俺「ど、奴隷商人さん!」ジワア
奴隷商人「随分ヘンな奴があちこち奔走してるって、噂になっててね」
奴隷商人「そういやお釣りを忘れたマヌケな人がいたなって、思い出したのさ」ドサッ
俺「!」
奴隷商人「七十五万ゴールドだ」
俺「な、なんで……!」
奴隷商人「ぼったくったって言われちゃ、看板に傷がつくのさ。アタシの店は、信用が売りなんでね」
俺「ど、奴隷商人さん!」ジワア
俺「ありがとうございます! これで、これで、この子を助けられます!」バッ
奴隷商人「甘いね」
俺「えっ」
奴隷商人「お前の頼ろうとしてる奴は、腕は確かだが、タカリで有名な奴さ」
俺「……そ、そんな。でも、腕は確かなんですよね?」
奴隷商人「馬鹿言うんじゃない。それじゃ、旦那が報われないさ」
奴隷商人「契約に私が付き添ってやる。引き受けるって言質は取ってるし、逃げるには旦那は奇人で有名すぎる」
奴隷商人「あの強欲怠惰にきっちり働かせてやろうじゃないか」
俺「ほ、本当ですか!」
奴隷商人「甘いね」
俺「えっ」
奴隷商人「お前の頼ろうとしてる奴は、腕は確かだが、タカリで有名な奴さ」
俺「……そ、そんな。でも、腕は確かなんですよね?」
奴隷商人「馬鹿言うんじゃない。それじゃ、旦那が報われないさ」
奴隷商人「契約に私が付き添ってやる。引き受けるって言質は取ってるし、逃げるには旦那は奇人で有名すぎる」
奴隷商人「あの強欲怠惰にきっちり働かせてやろうじゃないか」
俺「ほ、本当ですか!」
俺「ありがとうございます、本当に」
奴隷商人「いいってことさ、惚れた弱みって奴だね」
俺「えっ……?」
奴隷商人「フフ、なんでもないよ」
女の子「…………」ジー
女侯爵の部下「クソ……あのガキ、【便所の穴】行きになった後の行方が追えない……!」
女侯爵の部下「このままじゃあ、私があの吸血侯爵に殺されてしまう」ゾオッ
俺(なんだ今の人、凄い怖い顔してたが……)
奴隷商人「いいってことさ、惚れた弱みって奴だね」
俺「えっ……?」
奴隷商人「フフ、なんでもないよ」
女の子「…………」ジー
女侯爵の部下「クソ……あのガキ、【便所の穴】行きになった後の行方が追えない……!」
女侯爵の部下「このままじゃあ、私があの吸血侯爵に殺されてしまう」ゾオッ
俺(なんだ今の人、凄い怖い顔してたが……)
―宿屋二階―
俺「こ、この子を診てほしいんだ。約束の百万ゴールドもある……」
デブ「ほほう、やるじゃないか、チミ」ニマァ
デブ(罠にかかりやがって……ケツの毛まで毟って、自殺するまで搾り取ってやる)ニチャア
奴隷商人「アンタの注文通り、魔縛りの契約書を用意しておいてやったよ」 バンッ
デブ「な……最大、二百万ゴールド!?」
デブ「ち、違う、一日ごとに五十万ゴールドだ!」
俺「こ、この子を診てほしいんだ。約束の百万ゴールドもある……」
デブ「ほほう、やるじゃないか、チミ」ニマァ
デブ(罠にかかりやがって……ケツの毛まで毟って、自殺するまで搾り取ってやる)ニチャア
奴隷商人「アンタの注文通り、魔縛りの契約書を用意しておいてやったよ」 バンッ
デブ「な……最大、二百万ゴールド!?」
デブ「ち、違う、一日ごとに五十万ゴールドだ!」
奴隷商人「アンタの腕を見込んでも、妥当な値段だと思うがね」ハァ
デブ「な、何日拘束されるかわからないんだぞ! この私の時間を取るということの意味の重さがわかっておらんな!」
俺「……う」
奴隷商人「高名な白魔導士様が、随分と汚い商売やってるもんだね。洗えば他にもボロが出るんじゃないのかい?」ギロッ
デブ「ぐ……き、貴様!」
奴隷商人「受けてもらえるね」
デブ「……こ、このアマ……」
デブ「な、何日拘束されるかわからないんだぞ! この私の時間を取るということの意味の重さがわかっておらんな!」
俺「……う」
奴隷商人「高名な白魔導士様が、随分と汚い商売やってるもんだね。洗えば他にもボロが出るんじゃないのかい?」ギロッ
デブ「ぐ……き、貴様!」
奴隷商人「受けてもらえるね」
デブ「……こ、このアマ……」
デブ「わ、わかった、引き受けよう……」ガクッ
女の子「お、俺さ……」パァッ
俺「や、やった! やったあ!」ブワァ
奴隷商人「アンタもいい歳だろうに、そう人前で外聞なく泣きなさんな」
俺「だ、だって、俺もう、本当に駄目かと思ってて……! ぐすっ! お、お願いします! この子をお願いします!」バッ
デブ「……フン、魔縛りの契約を結んだんだ。手は抜かんよ」
女の子「お、俺さ……」パァッ
俺「や、やった! やったあ!」ブワァ
奴隷商人「アンタもいい歳だろうに、そう人前で外聞なく泣きなさんな」
俺「だ、だって、俺もう、本当に駄目かと思ってて……! ぐすっ! お、お願いします! この子をお願いします!」バッ
デブ「……フン、魔縛りの契約を結んだんだ。手は抜かんよ」
―一週間後―
女の子「俺さん……」ヒョコッ
俺(顔色、よくなってる……)
◆◆
種族:ヒューマン
年齢:15
性格:健気、気弱
病気:なし
経験:2031人
特筆:将来の夢は俺さんのお嫁さん
◆◆
俺「よ、よかった……病気がなくなってる」ヘタッ
俺「う、うう~」ヘタッ
女の子「お、俺さん!? 泣かないで!」オロオロ
俺「だ、だって……!」
デブ「…………」
女の子「俺さん……」ヒョコッ
俺(顔色、よくなってる……)
◆◆
種族:ヒューマン
年齢:15
性格:健気、気弱
病気:なし
経験:2031人
特筆:将来の夢は俺さんのお嫁さん
◆◆
俺「よ、よかった……病気がなくなってる」ヘタッ
俺「う、うう~」ヘタッ
女の子「お、俺さん!? 泣かないで!」オロオロ
俺「だ、だって……!」
デブ「…………」
俺「本当に、ありがとうございました。貴方がいなければ、あの子はどうなっていたか」
デブ「……まさか、本当に何の縁の所縁もない奴隷だったとはな」
俺「…………」
デブ(こんな人間が、まだこの国にいたとはな。それに引き換え、私は……)
デブ「一目惚れか、苦労する性分だな。ああ、安仕事を負っちまった。どこぞで幸せにでもなんでもなるがいい」フンッ
俺「……」
俺「そういうのとは、少し違うんです」
デブ「なに?」
デブ「……まさか、本当に何の縁の所縁もない奴隷だったとはな」
俺「…………」
デブ(こんな人間が、まだこの国にいたとはな。それに引き換え、私は……)
デブ「一目惚れか、苦労する性分だな。ああ、安仕事を負っちまった。どこぞで幸せにでもなんでもなるがいい」フンッ
俺「……」
俺「そういうのとは、少し違うんです」
デブ「なに?」
俺「確かに最初は、適当に女を買いたくて奴隷市場をうろついてたんです」
俺「俺は本当にロクデナシで、何も考えてなくて、たまたま力を手にしても誰にも必要とされない奴で……」
デブ「…………」
俺「でもあの時、この子を純粋に、一人の人間として助けてあげたいって、思えたんです」
俺「こんなに人のために頑張ったのは、正直これが初めてです。救われたのは、俺の方だったかもしれません」
デブ「……そうか」
デブ「これからどうするんだ? やはり、あの子と結婚するつもり……」
俺「いやいや、まさか」
デブ「む?」
俺「俺は本当にロクデナシで、何も考えてなくて、たまたま力を手にしても誰にも必要とされない奴で……」
デブ「…………」
俺「でもあの時、この子を純粋に、一人の人間として助けてあげたいって、思えたんです」
俺「こんなに人のために頑張ったのは、正直これが初めてです。救われたのは、俺の方だったかもしれません」
デブ「……そうか」
デブ「これからどうするんだ? やはり、あの子と結婚するつもり……」
俺「いやいや、まさか」
デブ「む?」
デブ「それはどういう……」
俺「……俺はもうおっさんですからね。娘くらいの歳の女の子に、恩を被せて結婚迫る様な真似はできませんよ」
デブ「し、しかし、あの子も慕って……」
俺「今は、そうでしょう」
俺「でもあの子も、目を開けてゆっくり周囲を見たら、もっと適した相手が見つかると思いますよ」
デブ「…………そんなものか」
デブ「お前、いい奴だな」
俺「……正直、色んな事は考えます。でも、今は、自分を卑下せずに真っ直ぐ生きてみたいって思えたんだ」
俺「……俺はもうおっさんですからね。娘くらいの歳の女の子に、恩を被せて結婚迫る様な真似はできませんよ」
デブ「し、しかし、あの子も慕って……」
俺「今は、そうでしょう」
俺「でもあの子も、目を開けてゆっくり周囲を見たら、もっと適した相手が見つかると思いますよ」
デブ「…………そんなものか」
デブ「お前、いい奴だな」
俺「……正直、色んな事は考えます。でも、今は、自分を卑下せずに真っ直ぐ生きてみたいって思えたんだ」
俺「こういうふうに、街を歩いたことはなかったな」
女の子「はい! あれもこれも、全部俺さんのお陰です!」
俺「……別に、そこまで気負わなくてもいいんだぞ」
槍使い「あ、お前は以前の」
俺「その節は助かったよ。おかげでこの子を助けることができた」
女の子「この方は……?」
俺「あの大柄の白魔導士を勧めてくれた人だ」
女の子「あ、ありがとうございました!」ペコッ
槍使い(か、可愛い……)ドキッ
俺(…………)
女の子「はい! あれもこれも、全部俺さんのお陰です!」
俺「……別に、そこまで気負わなくてもいいんだぞ」
槍使い「あ、お前は以前の」
俺「その節は助かったよ。おかげでこの子を助けることができた」
女の子「この方は……?」
俺「あの大柄の白魔導士を勧めてくれた人だ」
女の子「あ、ありがとうございました!」ペコッ
槍使い(か、可愛い……)ドキッ
俺(…………)
女侯爵の部下「……フ、フフ、ようやく見つけたぞ……」
女侯爵の部下「これで私の首も繋がる」
女侯爵の部下「しかし……まさか、【聖剣】持ちの護衛付きとはな」チッ
女侯爵の部下「使える部下を集めて、折を見て囲んでしまうか」
女侯爵の部下「……女侯爵様の領地から外れては、下手に兵やら暗殺やらは使えなくなる」
女侯爵の部下「気取られる前に、【聖剣】持ちを殺し、あの女を女侯爵様に引き渡さねば!」
女侯爵の部下「これで私の首も繋がる」
女侯爵の部下「しかし……まさか、【聖剣】持ちの護衛付きとはな」チッ
女侯爵の部下「使える部下を集めて、折を見て囲んでしまうか」
女侯爵の部下「……女侯爵様の領地から外れては、下手に兵やら暗殺やらは使えなくなる」
女侯爵の部下「気取られる前に、【聖剣】持ちを殺し、あの女を女侯爵様に引き渡さねば!」
女の子「…………」
俺「どうした? 浮かない顔をして」
女の子「実は、あの方からその、また二人で食事を取らないかと誘われてしまいまして……」
俺「槍使いの奴か。いいじゃないか、ハンサムだし、根がいい奴なのは保証する。年齢だってお前と近い」
俺「そこらの冒険者みたいに荒くれ者じゃなく、教養がある。文字の読み書きだってできる」
女の子「でも……」
俺「どうした? 浮かない顔をして」
女の子「実は、あの方からその、また二人で食事を取らないかと誘われてしまいまして……」
俺「槍使いの奴か。いいじゃないか、ハンサムだし、根がいい奴なのは保証する。年齢だってお前と近い」
俺「そこらの冒険者みたいに荒くれ者じゃなく、教養がある。文字の読み書きだってできる」
女の子「でも……」
俺「それに、実は遠方の貴族の長男だというじゃないか」
俺「今は家との連絡は断って冒険者として生きているようだが、いずれ元の鞘に戻るかもしれない」
女の子「わ、私は、俺さんが……」
俺「食事くらい一緒に行ってやれ。それとも、槍使いは嫌いか?」
女の子「そうじゃ、ないけれど……」
俺「今は家との連絡は断って冒険者として生きているようだが、いずれ元の鞘に戻るかもしれない」
女の子「わ、私は、俺さんが……」
俺「食事くらい一緒に行ってやれ。それとも、槍使いは嫌いか?」
女の子「そうじゃ、ないけれど……」
俺「最近はどうだ?」
槍使い「あ、ああ、実はその、贈り物をしたいんだが……好きなものか何か、わからないだろうか?」
俺「そういえば、装飾品屋をよく羨ましそうに見ているな……」
俺「あいつは緑色が好きなんだ。上手く見繕ってやれ」
槍使い「か、感謝する、お義父さん!」バッ
俺「誰がお義父さんだ誰が!」
槍使い「あ、ああ、実はその、贈り物をしたいんだが……好きなものか何か、わからないだろうか?」
俺「そういえば、装飾品屋をよく羨ましそうに見ているな……」
俺「あいつは緑色が好きなんだ。上手く見繕ってやれ」
槍使い「か、感謝する、お義父さん!」バッ
俺「誰がお義父さんだ誰が!」
槍使い「で、でも、いいんですか? その……」
俺「別に俺が止める理由はないだろう。父親でさえないんだからな」ハア
俺「……ただ、お前があいつを傷つけることがあったら、絶対に許さないからな。手を出すつもりなら、責任はきっちり取ってもらう」ジャキ
槍使い「わ、わかっている!」
俺「欲を言えば、冒険者なんていつ死ぬかわからない仕事はやめて、貴族に戻ってほしいんだがな」
槍使い「…………」
俺「別に俺が止める理由はないだろう。父親でさえないんだからな」ハア
俺「……ただ、お前があいつを傷つけることがあったら、絶対に許さないからな。手を出すつもりなら、責任はきっちり取ってもらう」ジャキ
槍使い「わ、わかっている!」
俺「欲を言えば、冒険者なんていつ死ぬかわからない仕事はやめて、貴族に戻ってほしいんだがな」
槍使い「…………」
女の子「か、かわいい……ですか?」
俺「ああ、よく似合ってるよ」
女の子「えへへへ……」
俺「槍使いからもらったのか?」
女の子「はい!」
女の子「それから、実は……その……」
俺「…………」
俺「プロポーズでもされたか?」
女の子「っ!!」
俺(あいつもせっかちな奴だな)ニマッ
俺「ああ、よく似合ってるよ」
女の子「えへへへ……」
俺「槍使いからもらったのか?」
女の子「はい!」
女の子「それから、実は……その……」
俺「…………」
俺「プロポーズでもされたか?」
女の子「っ!!」
俺(あいつもせっかちな奴だな)ニマッ
俺(幸せ……だな)
俺(まさか、俺がこんな気持ちに浸れる時が来るなんて、思ってもみなかった)クスッ
俺「……!」ピクッ
女の子「俺さん?」
俺「……お前、今日は槍使いの奴に泊めてもらえ」
女の子「え? そ、そんな……」カアッ
俺「いいか? これは冗談なんかじゃない、真っ直ぐ表通りまで行って振り返るな」
俺(まさか、俺がこんな気持ちに浸れる時が来るなんて、思ってもみなかった)クスッ
俺「……!」ピクッ
女の子「俺さん?」
俺「……お前、今日は槍使いの奴に泊めてもらえ」
女の子「え? そ、そんな……」カアッ
俺「いいか? これは冗談なんかじゃない、真っ直ぐ表通りまで行って振り返るな」
女の子「お、俺さん……? は、はい!」ダッ
俺「……出て来いよ」
女侯爵の部下「おや、よく気が付きましたねぇ。私達に気付いていて逃げないなんて、大したものですよ」バッ
俺「達……?」
兵A「俺達には気づいてなかったのか」クク
兵B「残念だったなぁ、おっさん。これも仕事だから、恨まないでくれよ」ニヤニヤ
俺(……十人!)
俺「……出て来いよ」
女侯爵の部下「おや、よく気が付きましたねぇ。私達に気付いていて逃げないなんて、大したものですよ」バッ
俺「達……?」
兵A「俺達には気づいてなかったのか」クク
兵B「残念だったなぁ、おっさん。これも仕事だから、恨まないでくれよ」ニヤニヤ
俺(……十人!)
女侯爵の部下「いかに【聖剣】持ちとは言え、精鋭兵十人を相手にはできないでしょう」クク
俺(武器も防具も、整ってる。手入れもされてる)
俺(……冒険者やゴロツキじゃない、貴族の兵だ!)ツー
俺「お前ら、何が狙いだ!」
女侯爵の部下「貴方がいけないんですよ。余計なガキに色欲を出すから、厄介ごとに巻き込まれるのです」ニイ
俺「余計な、ガキ……?」
俺(武器も防具も、整ってる。手入れもされてる)
俺(……冒険者やゴロツキじゃない、貴族の兵だ!)ツー
俺「お前ら、何が狙いだ!」
女侯爵の部下「貴方がいけないんですよ。余計なガキに色欲を出すから、厄介ごとに巻き込まれるのです」ニイ
俺「余計な、ガキ……?」
女侯爵の部下「とっとと殺してしまえ! こいつさえ片付ければ、あの小娘はどうとでもなる!」
兵A「任せてください!」サッ
兵B「油断はしませんよ、確実に仕留めてやります!」シュンッ
ブンッ
兵A「がぁっ!」
兵B「ぐぼ……お、俺の足! 脚がァ!」
俺「……あいつを殺させるつもりはない。死ぬ覚悟がある奴だけ掛かってこい」ジャキンッ
女侯爵の部下「なんだと…?」
兵A「任せてください!」サッ
兵B「油断はしませんよ、確実に仕留めてやります!」シュンッ
ブンッ
兵A「がぁっ!」
兵B「ぐぼ……お、俺の足! 脚がァ!」
俺「……あいつを殺させるつもりはない。死ぬ覚悟がある奴だけ掛かってこい」ジャキンッ
女侯爵の部下「なんだと…?」
俺「…………」ハァハァ
女侯爵の部下「なんだと……? 精鋭兵十人が、敗れたのか……?」
女侯爵の部下「私は、夢でも見ているのか……?」
俺(さすがに、体力が続かない……血もかなり流した)ゼェゼエ
俺「どうする? お前はやらないのか?」
女侯爵の部下「う、うぐ……や、やってやる! 貴様も既に死にかけじゃないか! やってやるぞおっ!」シャキン
俺「…………」ギロッ
女侯爵の部下「うっ、うわあああああっ!」ダッ
俺(いった、か……)
俺(……随分、きな臭いことになってきたな)
女侯爵の部下「なんだと……? 精鋭兵十人が、敗れたのか……?」
女侯爵の部下「私は、夢でも見ているのか……?」
俺(さすがに、体力が続かない……血もかなり流した)ゼェゼエ
俺「どうする? お前はやらないのか?」
女侯爵の部下「う、うぐ……や、やってやる! 貴様も既に死にかけじゃないか! やってやるぞおっ!」シャキン
俺「…………」ギロッ
女侯爵の部下「うっ、うわあああああっ!」ダッ
俺(いった、か……)
俺(……随分、きな臭いことになってきたな)
女の子「俺さん、大丈夫ですか?」オロオロ
俺「……ああ、手当してもらったおかげで随分よくなったよ」
俺「今日、明日はこのまま寝させてもらうけどな」
俺「悪いな、ゴロツキがいたから根性直してやろうと思ったら、このザマだよ」ハッ
女の子「……危険なことは、しないでくださいね。俺さんがいなくなったら私、どうすればいいのか……」グスッ
槍使い「…………」
俺「いたのか、お前」
槍使い「少し、俺さんと二人で話したいことがある。席を外してくれ」
女の子「え……? わ、わかりました」ペコッ
俺「……ああ、手当してもらったおかげで随分よくなったよ」
俺「今日、明日はこのまま寝させてもらうけどな」
俺「悪いな、ゴロツキがいたから根性直してやろうと思ったら、このザマだよ」ハッ
女の子「……危険なことは、しないでくださいね。俺さんがいなくなったら私、どうすればいいのか……」グスッ
槍使い「…………」
俺「いたのか、お前」
槍使い「少し、俺さんと二人で話したいことがある。席を外してくれ」
女の子「え……? わ、わかりました」ペコッ
槍使い「どういうことだ?」
俺「…………」
槍使い「竜種を一人で仕留めたS級冒険者の貴方が、たかだかゴロツキ相手に苦戦するとは思えないのだが」
俺「……お前、あいつのこと好きか?」
槍使い「え……? あ、ああ、そりゃあもう!」ダンッ
俺「命を懸けて、持ってるもん全部放り出して守れって言われて、頷けるか?」
槍使い「え……?」
俺「…………」
槍使い「竜種を一人で仕留めたS級冒険者の貴方が、たかだかゴロツキ相手に苦戦するとは思えないのだが」
俺「……お前、あいつのこと好きか?」
槍使い「え……? あ、ああ、そりゃあもう!」ダンッ
俺「命を懸けて、持ってるもん全部放り出して守れって言われて、頷けるか?」
槍使い「え……?」
俺「……無茶なこと言っちまったな、忘れてくれ」
槍使い「…………で、できる」
俺「!」
槍使い「できるって言ったんだ! やってやるさ! 俺のことを見縊ってくれるな!」グッ
俺「……」
槍使い「……」フーフーッ
俺「そっか、ありがとうな」ニコッ
槍使い「あ、ああ! 礼には及ばんともさ!」
槍使い「…………で、できる」
俺「!」
槍使い「できるって言ったんだ! やってやるさ! 俺のことを見縊ってくれるな!」グッ
俺「……」
槍使い「……」フーフーッ
俺「そっか、ありがとうな」ニコッ
槍使い「あ、ああ! 礼には及ばんともさ!」
俺「……あいつは、多分だが、貴族か、それに準ずる権力持ちに狙われている」
俺「相手は、街中で兵を嗾けることもいとわない連中だ」
槍使い「な……!」
俺「実家に帰って貴族に戻って、正式にあいつを娶ってやってくれ」バッ
槍使い「お、俺があの子を……」
俺「そうすれば、連中も手出しはしづらくなるはずだ」
俺「……もっとも、もしかしたら以降も何かの嫌がらせを受けるかもしれないがな」
槍使い「…………」
俺「さすがに……呑めないか」
槍使い「わ、わかった! やってみせる!」
俺「相手は、街中で兵を嗾けることもいとわない連中だ」
槍使い「な……!」
俺「実家に帰って貴族に戻って、正式にあいつを娶ってやってくれ」バッ
槍使い「お、俺があの子を……」
俺「そうすれば、連中も手出しはしづらくなるはずだ」
俺「……もっとも、もしかしたら以降も何かの嫌がらせを受けるかもしれないがな」
槍使い「…………」
俺「さすがに……呑めないか」
槍使い「わ、わかった! やってみせる!」
―天魔の塔・再奥地―
紅緋竜「ギャオオオオ!」
翡翠竜「ガァアアアアア!」
蒼碧竜「グオオオオオオオ!」
長髪の男「アァ、つまんねぇ、なぁ」
ザンッ、ドサァ!
紅緋竜「ギオッ!?」
長髪「おっ、綺麗に腕が落ちたか」
長髪「デカくて頑丈ってだけで、トロ臭いし、魔物の中じゃマシってだけで頭も悪い」
長髪「人間と違って、信念や意地って奴も持ち合わせてねぇ。もう慣れちまったし、暇潰しにもならないか」
長髪「違うんだよなあ、俺の求めた闘いって奴はよお」ハァ
蒼碧竜「オ、オオ……」ブルッ
長髪「どうした? 竜って奴は、世界最強の種族なんだろ? もっとどっしり構えようぜ、興醒めだ」
紅緋竜「ギャオオオオ!」
翡翠竜「ガァアアアアア!」
蒼碧竜「グオオオオオオオ!」
長髪の男「アァ、つまんねぇ、なぁ」
ザンッ、ドサァ!
紅緋竜「ギオッ!?」
長髪「おっ、綺麗に腕が落ちたか」
長髪「デカくて頑丈ってだけで、トロ臭いし、魔物の中じゃマシってだけで頭も悪い」
長髪「人間と違って、信念や意地って奴も持ち合わせてねぇ。もう慣れちまったし、暇潰しにもならないか」
長髪「違うんだよなあ、俺の求めた闘いって奴はよお」ハァ
蒼碧竜「オ、オオ……」ブルッ
長髪「どうした? 竜って奴は、世界最強の種族なんだろ? もっとどっしり構えようぜ、興醒めだ」
―ある酒場―
長髪「……またテメェか、辛気臭い面見せんなよ」
女侯爵の部下「……たまには仕事をしたらどうか、筆頭騎士様」
長髪「つまんねぇんだよ。頼まれたから名前貸してやってるだけ感謝してくれや」
長髪「俺は名声も金もいらねンだわ」
女侯爵の部下「……竜種を屠れるS級冒険者を一人、殺してほしい」
長髪「……」ニマァ
長髪「いいねェ……そういうのを、待ってたんだよ」
長髪「……またテメェか、辛気臭い面見せんなよ」
女侯爵の部下「……たまには仕事をしたらどうか、筆頭騎士様」
長髪「つまんねぇんだよ。頼まれたから名前貸してやってるだけ感謝してくれや」
長髪「俺は名声も金もいらねンだわ」
女侯爵の部下「……竜種を屠れるS級冒険者を一人、殺してほしい」
長髪「……」ニマァ
長髪「いいねェ……そういうのを、待ってたんだよ」
槍使い「よし、このままとっとと別領地まで逃げるぞ!」
俺「お前……思い切りがいいな。この短期間でよく、こんな一級品の馬車まで……」
女の子「ど、どうして、こんな……」オドオド
俺(恐らく、彼女にとって貴族関係はトラウマだ。言わない方がいい)
俺(ここで槍使いの親の領有地まで逃げられれば、何も問題はない……!)グッ
俺「お前……思い切りがいいな。この短期間でよく、こんな一級品の馬車まで……」
女の子「ど、どうして、こんな……」オドオド
俺(恐らく、彼女にとって貴族関係はトラウマだ。言わない方がいい)
俺(ここで槍使いの親の領有地まで逃げられれば、何も問題はない……!)グッ
御者「あ、あの、後ろから付けて来る野盗団が……!」
槍使い「馬鹿な奴だ。ここには俺さんもいるっていうのに」スッ
俺「……いや、野盗じゃない」
槍使い「えっ」
女侯爵の部下「フ、フフ……借りを返させてもらうぞ俺ェ……」
俺「やはり、奴か……!」
俺(来るなら、領地境で僻地のここしかないと思っていた……)グッ
槍使い「馬鹿な奴だ。ここには俺さんもいるっていうのに」スッ
俺「……いや、野盗じゃない」
槍使い「えっ」
女侯爵の部下「フ、フフ……借りを返させてもらうぞ俺ェ……」
俺「やはり、奴か……!」
俺(来るなら、領地境で僻地のここしかないと思っていた……)グッ
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