元スレ男「そのマフラー……よく似合ってるね」女「これ毒蛇よ」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
51 = 1 :
チンピラ「しかし、その殺し屋が今どこにいるかってのは分かってるんですかい?」
女「そこはさすがに財閥だけあって、居場所はつかんでるらしいわ」
女「今はあるホテルに滞在してるみたい」
女子高生「いかにも殺し屋って感じですね!」
チンピラ「よーし、そうと決まれば話は早い!」
チンピラ「俺らでホテル向かって、その殺し屋をブチのめしましょうや!」
女「くれぐれも慎重にね」
52 = 1 :
<ホテル>
女「あの部屋にいるみたい……」
毒蛇「出てくるまで待つか」
女子高生「寒いわね……缶コーヒー飲む?」
チンピラ「おっ、サンキュー!」
女「……出てきたわ」
ガチャッ…
銀髪「…………」スッ
白蛇「シュルルルル…」
女&毒蛇「!?」
女(あの人は……!)
毒蛇(あの白蛇は……!)
53 = 1 :
チンピラ「あの野郎が殺し屋っすね? よーし、荒事は俺に任せて下せえ!」ダッ
女「あ、ちょっと」
チンピラ「うおおおおおおおおおっ! 往生しやがれええええええっ!」
銀髪「! ……またか!」
チンピラ「くたばれぇっ!」
銀髪「ハッ!」シュバッ
ビシッ!
チンピラ「ぎゃんっ!」
女「あれは……中国拳法の蛇拳!」
毒蛇「ジャッキー・チェンの映画にもなった拳法か!」
女「ええ、やはり彼、只者じゃなかったわね」
54 = 1 :
チンピラ「ま、まだだ……!」
チンピラ「俺だって、カエルの意地、見せてやるぜぇ!」
銀髪「!」
チンピラ「とおりゃあああああっ!」ピョーンッ
ゴンッ!
チンピラ「あうっ!」ドサッ
チンピラ「と、跳びすぎ、た……」ガクッ
毒蛇「なにやってんだあのバカ……」
女子高生「だったら次は私が相手よ! チンピラの仇は取ってやる!」
55 :
チンピラェ…
56 = 1 :
女子高生「いっけーっ、ハブ! 王手喰らわせちゃいなさい!」
ハブ「シューッ!」
銀髪「…………」
銀髪「キーキーッ!」
ハブ「!?」ビクッ
女子高生「どうしたのハブ!?」
57 = 1 :
女「あれは……マングースの鳴き声!」
毒蛇「あの野郎、ヘビの弱点を知り尽くしてやがる!」
女子高生「どうしちゃったの!?」
ハブ「…………」ガタガタ…
銀髪「キーキーッ!」
ハブ『と、投了します……』
女子高生「どうしちゃったのよー!」
58 = 1 :
女「ウチのバイト二人をあっさり倒してくれちゃって……やるわね」
銀髪「あなたとはいつか、ヘビ使い同士戦う時が来ると思ってました」
銀髪「しかし、こんな形では戦いたくなかった」
女「私もよ」
毒蛇『ブッ潰してやる、白蛇野郎!』シャーッ
白蛇『…………』シュルルル…
女&銀髪「勝負!!!」
女「いきなさい」
毒蛇「シャァァァァァッ!」
銀髪「噛みつけ」
白蛇「シュルルルルル…」
59 = 1 :
毒蛇「シャーッ!」ガブッ
白蛇「シュルルルルル…」ガブッ
グルグルグルグルグル…
女「これは、全く互角のヘビ同士でしか起こらないといわれる――」
銀髪「二匹のヘビが互いの尾を噛み合う、ウロボロス状態!」
女(やはり、私の毒蛇と彼の白蛇はほぼ互角なのね)
銀髪(こうなると、一瞬の油断が勝敗を分ける!)
60 = 1 :
グルグルグル…
毒蛇(ちっ、ウロボロス状態は苦手だ! 先に離すか!)パッ
白蛇「シュルルルルル…」パッ
毒蛇「…………」ジリ…
白蛇「…………」ジリ…
毒蛇「シャッ!」
白蛇『きゃっ!』ビクッ
毒蛇(え、こいつ! ……メスなのか!? 分かんなかった!)
白蛇『バカねえ』ニヤッ
61 = 1 :
白蛇『もらったわ!』ガブッ
毒蛇『ぐあああああっ……!』
女「しまった!」
銀髪「よし!」
銀髪「白蛇、そのまま飼い主である彼女にも攻撃しろ!」
白蛇『分かったわ!』シュルルルル…
毒蛇(ぐ……俺としたことが!)
62 = 1 :
白蛇『銀髪君は私が守るわ……いくわよぉ!』シュバッ
女「…………」
白蛇(え、全く動かない!?)
銀髪「……ストップ!」
白蛇「…………」ピタッ
銀髪「なぜかわそうともしない?」
女「あっ」
女「よく手入れされてる美しいヘビだから、つい見とれちゃって……戦ってるのを忘れてたわ」
毒蛇「アホか……」
女「うるさい」
銀髪「…………」
銀髪「あなたは……殺し屋じゃないな?」
女「え?」
銀髪「ボクを殺しにきた人間が、そんなこというとは到底思えない」
女「ちょっと待って。私が殺し屋? どういうこと?」
銀髪「実は……ボクは命を狙われているんです」
63 = 1 :
チンピラ「なにいいいいいい!?」
女子高生「あなたが大富豪の隠し子なの!?」
銀髪「ああ、どうやらそうらしくて、ボクとしても戸惑ってたんだけど」
銀髪「そうこうするうち、何度もボクを狙う刺客が現れて」
銀髪「なんとかボクの蛇拳と白蛇で撃退していたんだ」
銀髪「おかげでこのところはホテル暮らしを余儀なくされているよ」
チンピラ「マジかよ……」
女子高生「先生、これはどういうことでしょう?」
女「どうやら、あの依頼人たちにしてやられたわね」
女「彼らが見せてくれたやられたボディガードの写真は、みんな殺し屋だったんだわ」
毒蛇「ああ……あいつらこそが“隠し子を狙ってる側”だったんだ!」
64 = 1 :
銀髪「君のヘビは人間の言葉をしゃべるのか。すごいね」
毒蛇「へへっ、照れるぜ」
女「勉強したからじゃなくて、自分の毒で脳みそがおかしくなったからなんだけどね」
白蛇『なーんだ。あなたってホントバカねえ!』シュルルルル…
毒蛇『うるせえブス!』シャーッ
白蛇『なんですって!? また噛んでやりましょうか!』
銀髪「まあ、ヘビ語はだいたい分かるけどね」
女「私もよ。この二匹、痴話喧嘩してるわ」
女子高生「うぐぐ……まだまだ二人の域には遠いわ……」
ハブ『そのうち、私の言葉も分かるようになりますよ』シューッ
チンピラ「あ、あのっ! ヘビ談義してる場合じゃないと思うんすけど!」
女「そうね、とりあえず私の事務所に行きましょうか」
65 :
<自宅兼事務所>
銀髪「これからボクはどうすれば……」ハァ…
チンピラ「サツにもうかつに頼れねえしなぁ」
女「しばらく、ここにいればいいわ」
女「今は私が依頼を受けてる状態だから、新しい刺客を送り込んでくることもないでしょ」
毒蛇「そうだな。二、三日ゆっくり作戦会議でもしようぜ」
銀髪「ありがとう……」
ハブ「シュー…」
毒蛇『どうした、ハブ?』
ハブ『私の“読み”がたしかなら、我々はもう王手されている!』
毒蛇『なにっ!?』
66 = 65 :
――ドガァンッ!
タタタタタッ タタタタタッ
殺し屋「ククク……標的はそこの銀髪の青年か」
手下A「てめえらぁ!」
手下B「無駄な抵抗すんじゃねえぞ!」
女「まぁっ……」
毒蛇「こいつらドア壊しやがって!」
銀髪「ボクらが意気投合したことは、すでにバレていたのか!」
67 = 65 :
女「窓から逃げましょう」
女子高生「だけどここ二階ですよ!?」
女「自分の蛇をロープにして逃げるのよ」シュルルルル…
女子高生「なるほど!」シュルルルル…
銀髪「白蛇、頼むよ」シュルルルル…
チンピラ「あのっ、俺はどうしましょ!?」
女「自力で頑張って」
チンピラ「はーいっ!」ピョーンッ
タタタタタッ… タタタタタッ…
68 = 65 :
紳士「どうだったかね? アナコンダ君」
金髪「…………」オドオド…
殺し屋「惜しくも逃げられました。襲撃は読まれていたようです」
紳士「なかなか勘が鋭いようだな」
紳士「しかし、ヘビ使い女め……あの隠し子と和解した上に真実も知ってしまった」
紳士「こうなれば、銀髪だけでなく、この事務所の連中も皆殺しにしてくれ!」
紳士「むろん、その分金は払う!」
殺し屋「お任せ下さい」
殺し屋「この私が“アナコンダ”の異名を持つ理由、奴らにとくと思い知らせてやりましょう」
紳士「あんなヘビ女なんぞに頼らず、最初から君に依頼すべきだったよ」
69 :
映画のアナコンダはトラウマ
70 = 65 :
<爬虫類ショップ>
女「……というわけで、かくまって欲しいの」
店長「いいとも!」
店長「ここは爬虫類を愛する者のオアシスだからね。いくらでもいてくれよ!」
女「ありがとう」
女「いつまでもいることはできないけど、これで時間が稼げるはずよ」
毒蛇「今のうちにこれからどうするか決めねえとな!」
銀髪「みんな、ボクのせいですまない……」
女子高生「なにいってるの! あなたはなにも悪くないじゃん!」
チンピラ「ああ、むしろこっちから仕掛けたんだしな!」
71 = 65 :
コツッ… コツッ…
店長「……ん?」
殺し屋「この店にヘビ使いどもがいるだろう。出してもらおう」
店長「ヘビ使い? はて、なんのことやら……」
バキッ!
店長「ぐわっ!」
殺し屋「とぼけるな……この店にいるのは分かってるんだ」
女「どうやら、もうバレちゃったようね」
毒蛇「くそったれ、出て行くしかねえぜ!」シャーッ
72 = 65 :
女「店長さん、大丈夫?」
店長「あ、ああ……役に立てずすまない……」
銀髪「くっ、もう見つけられるなんて……」
殺し屋「我らの情報網を甘く見たな」
殺し屋「追加オーダーがあってな。お前たちは全員死んでもらうことになった。やれ」
手下A「へっへっへ……」パキポキ…
手下B「覚悟しやがれ!」
女「もう、やるしかないようね」
毒蛇「おう、ここで決着だ!」
73 = 65 :
チンピラ「だったら、俺がいきやす!」
チンピラ「どおりゃああああああっ!」ピョーンッ
手下A「うおっ!? なんてジャンプ力だ!」
ドカッ!
手下A「ぐああっ!」
女子高生「ハブ、あいつの首絞めちゃって!」
ハブ「シューッ!」ギュッ
手下B「ぐえっ、ぐるじ……!」
チンピラ「ザコは俺らに任せて下せえ!」
毒蛇「頼むぜ、ザコ専!」
チンピラ「ザコ専はキツイっすよ……毒蛇さん……」
74 = 69 :
ヒソカかな?
75 = 65 :
女「じゃあ、殺し屋は私が――」
銀髪「待った、そこまで世話になるわけにはいかない」
銀髪「こいつとはボクがケリをつける!」
殺し屋「勇ましいな。それでこそ殺しがいがある」
銀髪「いくぞ!」シュバババッ
殺し屋「ほう、拳法使いか」バババッ
銀髪(かわされた!?)
殺し屋「もらった!」ガシッ
銀髪「ぐっ!?」
76 = 65 :
殺し屋「俺は裏社会じゃ“アナコンダ”って呼ばれてるんだが」グググッ…
銀髪「あ、が……!」
殺し屋「なぜ“アナコンダ”と呼ばれてるか教えてやろう」グググッ…
殺し屋「この太い腕で、標的を絞め殺すからだよォ!」グググッ…
殺し屋「特に仕留めた相手の全身の骨をバキボキ折るのが楽しくてなァ!」グググッ…
銀髪「が、あああああ……!」メキメキ…
白蛇『コラッ、離れなさいよ!』ガブッ
殺し屋「俺の肉体に、こんな噛みつきが通用するか」バシッ
白蛇『きゃっ!』
77 = 65 :
女「毒蛇、助けてあげて」
毒蛇「おう! よくも白蛇を殴りやがったな!」
毒蛇「シャーッ!」ガブッ
殺し屋「……む」
女「終わったわ」
毒蛇「毒をたっぷりと注入してやった……もう動けねえぞ!」
殺し屋「それはどうかな?」
毒蛇「なに?」
78 = 69 :
ぬね?
79 :
爬虫類ショップの独特な臭い好き
80 = 65 :
殺し屋「どおりゃあっ!」ブオンッ
バキッ!
毒蛇「ぐおあっ!」
毒蛇「こいつ、毒が効かねえ……!」
女「なんて奴なの……!」
殺し屋「これが“アナコンダ”のもう一つの理由よ!」
殺し屋「俺は長年の訓練で、そんじょそこらの毒なんざ効かない体質なのさ!」
殺し屋「いくら毒を喰らっても、アナコンダのように獰猛に暴れ回る!」
銀髪「ぐ……逃げ、ろ……」
殺し屋「まだ口がきけたか! とっとと首をヘシ折ってやる!」グググッ…
銀髪「ぐ、あ、ぁぁ……」
白蛇『いやぁぁぁっ!!!』
81 = 65 :
女「なるほど、毒が効かないとは驚きだわ」
毒蛇「ああ」
女「だったら、あまり気が進まないけど、“あれ”をやるしかないわね」
毒蛇「……やんのか。あれはやりたくねえなぁ……」
女「あんただって、白蛇ちゃんを助けたいでしょ?」
毒蛇「まぁな。メスは見捨てない主義でな」
女「じゃ、やるわよ」
毒蛇「おう!」
殺し屋「今さら何をするつもりだ!? 何やったって、俺には通用しねえ!」
82 = 65 :
女「行くわよ」ガシッ
ヒュルンッ! ヒュンヒュンッ! ヒュルルンッ!
銀髪(毒蛇の尻尾を持って……鞭のように……!)
殺し屋「なにが切り札かと思いきや、そんなのがこの俺に通用するかよ!」
女「だったら試してみるといいわ」ヒュンッ
バチィンッ!!!
殺し屋「…………」
殺し屋「……い」
殺し屋「いっでぇぇぇええぇぇぇぇええ!!!」
83 = 65 :
女「毒蛇は、私に振るわれることで最高の“毒”になるの」ヒュンッヒュンッ
女「もういっちょいくわよ」ヒュルルンッ
殺し屋「ちょ、ちょっと待っ……!」
ベチィッ!
殺し屋「あぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
バチィンッ!
殺し屋「うごおおぉぉぉぉぉお!!!」
殺し屋(なんて鞭……いや蛇さばき! しかもウロコのせいでクッソ痛えええええ!!!)
殺し屋(痛しゅぎるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!)
銀髪「す、すごい……!」
銀髪(毒蛇には極力ダメージがないようにしつつ、強力な鞭として扱っている……!)
銀髪(二人の呼吸が合い、なおかつ絶対の信頼関係がなければ、これほどのことはできない!)
84 :
下半身に花を。"女性性"の素晴らしさを伝えたくて(画像集)
http://www.news2ch.shop/
85 = 65 :
ビシィッ!
殺し屋「ひぎぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
殺し屋「なんなのお前……SM嬢か、なんかか……?」
女「SM嬢……か。たしかに私はSM嬢だわ」パシィンッ
女「ただし、SM(スネークマスター)だけどね」ヒュンッ
バチィン!!!
殺し屋「おふうぅぅぅぅぅ……」ガクッ
86 = 65 :
女「ふぅ……やっと倒れてくれたわね」
毒蛇「おう、ざまあねえぜ!」
チンピラ「すげえっす! まさにお二人ならではの技っす!」
女子高生「さすが先生……うっとりしました……!」
女「今の蛇さばき、ユーチューブに流したらウケるかしら?」
毒蛇「多分炎上すると思うよ……」
女「さて、後は……奥でコソコソしてるあなたたちだけね」チラッ
紳士「ひっ!」ビクッ
金髪「ひえっ!」
87 = 65 :
金髪「ボ、ボクは“隠し子のふりをしろ”って雇われただけで……大富豪の息子はこの人の方なんです!」
紳士「き、貴様ァ!」
女「なるほど、財産の取り分を増やそうとした黒幕はあなただったわけね」
紳士「ひ、ひいい……」
女「あなた……すみやかに警察に行って、あなたの息がかかってない人に全て話しなさい」
女「でないと……今殺し屋にやったように、ヘビ喰らわすわよ」
紳士「い、行きます! 行きますぅぅぅ!」
紳士「あんたみたいなヘビ女、絶対敵に回したくないっ……!」
88 = 65 :
銀髪「すっかり助けられてしまって……どうもありがとう」
女「どういたしまして。こちらこそ迷惑かけちゃって」
銀髪「ボクは自分が大富豪の息子だと分かってからも、のらりくらりとやり過ごしてきたけれど」
銀髪「ちゃんと父に会って、決着をつけることにするよ」
女「うん、それがいいわ」
白蛇『ふんっ、いっとくけど礼はいわないからね』シュルルル…
毒蛇『別にいらねーよ!』
白蛇『だけど……』チュッ
毒蛇『!』
女「なに赤くなってるの。ヘビのくせに」
毒蛇「な、なってねーよ!」
89 :
毒蛇爆発しろ
90 = 65 :
女子高生「じゃあ皆さん、事件解決祝いにハブ酒でも飲みましょー!」
ハブ『私の味が染み込んだ、最高の一品ですよ』
チンピラ「おっ、いいねえ!」
銀髪「ボクもハブ酒には目がないんだ」
店長「いやぁ、嬉しいねえ」
女「あ、だけど……」
女「あなた飲んじゃダメでしょ。未成年じゃない」
女子高生「も、もちろん! 先生たちだけで飲んでっていう話ですよー!」
毒蛇(さてはこいつ、普段飲んでやがるな……)
…………
……
91 = 65 :
しばらくして――
<自宅兼事務所>
女「…………」ボケーッ
毒蛇「どうした? ボケーッとして」
女「ああ、あの殺し屋と戦った事件を思い出してたの」
毒蛇「ああ、あれか。俺もよく覚えてるぜ」
女「結局、銀髪の彼はどうなったのかしら?」
毒蛇「そりゃあ、大富豪と和解して、正式に息子になったんだろ」
女「ヘビ使いはやめちゃったのかしら」
毒蛇「まあ……職業としてのヘビ使いはやめちまっただろうな。続ける意味ねえし」
女「そうよね。せっかく同業と知り合えたと思ったのに、残念だわ」
92 = 65 :
女「あれから、女子高生ちゃんは女子大生になって――」
女「ここで稼いだお金で沖縄にハブ修行に行っちゃって、しばらく会えないだろうし」
毒蛇「チンピラはあいつが描いたカエルの絵本がなぜか大ヒットして」
毒蛇「絵本作家になって、今や出版社に出入りする日々……」
女「それでも、ウチの会計の仕事は続けてくれてるから助かるけどね」
女「結局変わらないのは、私たちだけか」
毒蛇「俺を巻き込むんじゃねえよ。俺はこないだ脱皮したぜ」
女「そうだったわね」
93 = 65 :
女「とはいえ仕事は忙しいし……今度は正式な従業員を雇おうかしら」
毒蛇「お、正社員ってやつか?」
女「うん、できればヘビ使いをね」
毒蛇「いるわけねえって――」
ガチャッ…
銀髪「だったらボクなんかどうだい?」
白蛇「シュルルルル…」
女「あっ」
毒蛇「あっ」
94 = 65 :
女「あなた……大富豪の息子として生きるんじゃなかったの?」
銀髪「逆だよ。ボクはヘビ使いとして生きる決心をした」
銀髪「財産相続の話も正式に断ってきたよ」
女「そうだったの……」
毒蛇「あーあ、もったいねえ! ぜってえ後悔するよ!」
白蛇『うるさいわね! 私たちには私たちの生き方ってもんがあんのよ!』
毒蛇『そりゃあ悪うございましたね!』
女「あなたたち、夫婦喧嘩はやめなさい」
毒蛇「まだ夫婦じゃねえ!」シャーッ
白蛇『まだ夫婦じゃないわよ!』シュルルルル…
女「まだっていっちゃってるじゃない」
銀髪「アハハ……」
95 = 65 :
銀髪「……というわけで、このフリーのヘビ使い……雇ってもらえるかな?」
女「ええ、もちろんOKよ」
白蛇『縁起のいい私もついてくるわよ!』
毒蛇「あーあ、こりゃますますこの事務所も忙しくなっちまいそうだぜ!」
おわり
96 :
おつ
97 = 89 :
乙!
俺もヘビ使いになりたくなったよ
99 :
おつ!
珍しく読み入ってしまった
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