元スレ男「そのマフラー……よく似合ってるね」女「これ毒蛇よ」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
1 :
男「いやぁー、ダメ元でナンパしてみるもんだね」
男「まさかデートしてくれるなんて……」
女「私もちょうどヒマだったし、あなたハンサムだから」
男「…………」ゴクッ
男「ところで、そのマフラー……よく似合ってるね」
女「これ毒蛇よ」
男「え」
2 :
女「冷たくてめっちゃ寒いのよ」
3 :
>>2
これな
使えたもんじゃない
5 = 1 :
女「ほら」
毒蛇「シャーッ!」
男「な……!」
男「君はいったい……!?」
女「私、ヘビ使いやってるの」
男「ヘビ使い……!?」
女「これでも自分の事務所を持ってて、本場インドで修行した本格派よ」
男「へ、へえ~……」
7 :
土下座するのだ
8 :
ちなみにヘビ使いは笛でヘビつついて怒らせてるだけな
9 = 1 :
<自宅兼事務所>
女「なんでフラれたのかしら」
毒蛇「なんで分かんねえんだよ」
女「なんで?」
毒蛇「どこの世界に、毒蛇首に巻いてる女と付き合いたい男がいるんだよ!?」
毒蛇「せっかくの出会いだったのに……もう出歩く時、俺を首に巻くのやめろよ!」
女「だって寒いんだもの。首回りは特に」
毒蛇「マフラーって優秀な防寒具があんだろ!」
女「マフラーって首がチクチクするから苦手なの」
毒蛇「安物買うからだよ! お前はいつも肝心なところでケチるからな!」
女「あんたはいつも毒舌よねえ」
毒蛇「なんたって毒蛇だからな!」
女「猛毒すぎて、自分の脳まで異常をきたして、人の言葉を喋れるようになるくらいにね」
毒蛇「うっせえ! 好きで喋れるようになったんじゃねえや!」シャーッ
10 :
ヘビーな話になりそう
11 :
マフラーは無いよなパンツだよな
12 :
蛇だけに蛇魔したか
13 = 1 :
女「きっと私の魅力が足りなかったのよ。もっとシェイプアップしなくちゃ」
女「ってわけで、縄跳びやるから縄になって」
毒蛇「絶対嫌だよ! 縄買ってこいよ!」
女「爬虫類ショップで、“ヘビ用ビーフジャーキー”買ってあげるから」
毒蛇「しゃーねーなー……やるよ、やりますよ!」
女「いち、に、さん」ピョンピョンピョン
14 = 1 :
<爬虫類ショップ>
店長「いらっしゃい!」
女「こんにちは」
毒蛇「ちわーっす!」シャーッ
店長「おお、二人とも相変わらず元気だね」
毒蛇「この店は相変わらず流行ってねえな」
店長「今日も毒吐くね~」
毒蛇「なにせ俺は毒蛇だからな」
女「“ヘビ用ビーフジャーキー”ちょうだい」
店長「毎度!」
15 = 1 :
女(さて、帰ろうっと)
女「……ん」ドンッ
銀髪「おっと、失礼」
白蛇「シュルルルル…」
女「…………」
女「あの男の人、白蛇を首に巻いてたわ」
毒蛇「ああ、アルビノってやつか?」
女「只者じゃないわね」
毒蛇「蛇を首に巻いて外うろついてる時点で只者じゃねえよ。悪い意味で」
16 = 1 :
ある日――
<古い民家>
チューチュー… ドタバタ…
家主「ご覧のように、ネズミが大量に住み着いてしまって……」
女「分かりました。すぐに駆除します」
女「頼んだわよ」
毒蛇「おう、任せとけ!」
17 = 1 :
毒蛇「いたいた……ネズミどもが」ニョロニョロ
ネズミ「チュッ!?」
毒蛇「お前ら全員……俺の毒牙の餌食だぜ!」シャーッ
チュウゥゥゥゥ… シャァァァァァ…
ドタンバタン! ドタンバタン! ドタンバタン!
…………
……
18 = 1 :
毒蛇「ほらよ、こいつでラスト」ペッ
毒蛇「一匹残らず仕留めてやったぜ」ニュルニュル…
女「ご苦労様」
家主「ありがとうございます!」
家主「悪質な駆除業者に任せると、ネズミを退治するふりをして」
家主「またネズミが増えるよう、わざと残すケースもあるらしいのですが」
家主「あなたたちに頼んでよかった!」
毒蛇「へへへ、毎度~」
女「…………」
毒蛇「どうした?」
女「その手があったか」
毒蛇「オイ」
19 :
オイオイオイ
20 :
>>1
女「コブラよ」
男「SP忠男かよ」
なら食いついた
21 = 1 :
帰り道――
女「あら?」
毒蛇「悪そうなヤツが女の子に絡んでるな」
チンピラ「な? そこのカフェで一緒にコーヒー飲んでくれるだけでいいからよォ~」
女子高生「この後、用事あるんで……!」
チンピラ「お、断るの? 心が傷ついたわぁ~」
チンピラ「だったら慰謝料でコーヒー代くらいよこせや! ほら、財布出しな!」
女子高生「お金なんて持ってません!」
チンピラ「今時の女子高生が金持ってねえわけねーだろ! オラ、出しやがれぇ!」
22 = 1 :
女「やめなさいな」
毒蛇「シャーッ!」
女子高生「えっ」
チンピラ「なんだてめえ!?」
チンピラ「薄気味悪い女だ……邪魔するんなら……」ガシッ
女「やっちゃいなさい」
毒蛇「シャーッ!」ガブッ
チンピラ「ぐわっ!?」
23 :
流石に殺人はあかんやろ
24 = 1 :
ドサッ…
チンピラ「か、体が……痺れて……」ピクピク…
女「加減はしておいたから、一時間もすれば動けるようになるわ」
女「ただ……また悪さしてるとこ見かけたら、今度は命の保証はないけど」
チンピラ「…………」ゾクッ
女子高生「あ、あの……ありがとうございました!」
女「気にしないで。気をつけて帰りなさい」
女子高生「は、はいっ!」
25 = 1 :
……
<民家>
ニュルニュルニュル…
毒蛇「お、あったあった!」
毒蛇「ほれ、排水溝に流しちまったカギを取ってきたぜ!」ペッ
依頼人「ありがとうございますぅ!」
依頼人「これは替えがきかないカギでして、本当に助かりました!」
女「またご依頼があれば、私の事務所までお気軽にどうぞ」
女「今日は頑張ってくれたから、“ヘビ用ペディグリーチャム”買ってあげる」
毒蛇「ヒャッホウ!」
26 = 1 :
<爬虫類ショップ>
女「よかった、あと一つだけ残ってるわ」サッ
銀髪「ラスト一個が残ってたか」サッ
女「あっ」
銀髪「あっ」
女「あなたも……“ヘビ用ペディグリーチャム”が欲しいのね?」
銀髪「ええ、ウチの白蛇の大好物なもので」
27 = 1 :
女「悪いけど、これは譲れないわ」
銀髪「ボクもです」
女「お互い引く気はないってわけね」
銀髪「だったら≪ガラガラ勝負≫で決めませんか?」
女「望むところよ」
≪ガラガラ勝負≫とは――
どちらがよりガラガラヘビのようにガラガラできるか競う、ヘビ使いの決闘法の一つである。
28 = 1 :
女&銀髪「勝負!!!」
女「ガラガラガラガラガラ…」
銀髪「ガラガラガラガラガラ…」
女「ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…」
銀髪「ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…」
女「……ぐっ!」ガクッ
銀髪「どうやら……ボクの勝ちですね。“ヘビ用ペディグリーチャム”はいただきますよ」
女「生まれて初めて……ガラガラ勝負で負けた……」
白蛇「シュルルルルル…」ニヤッ
毒蛇「!」
毒蛇「あ、あのクソ蛇! 俺を笑いやがった! ちくしょう!」
29 = 1 :
店長「いい勝負だったけど、惜しかったね」
女「あの人は何者なの?」
店長「うちに来るようになったのは最近なんだけど、新進気鋭のヘビ使いらしい」
女「同業者か……」
毒蛇「ってことはいずれ商売がかち合うかもしれねーな!」
毒蛇「そん時はあの白蛇、ボッコボコにしてやるぜ!」
女「いつになく殺気立ってるわね。あんたらしくもない」
毒蛇「だって、ペディグリーチャム食べたかったんだもん……」ニョロ…
女「おお、よしよし」ナデナデ
毒蛇「ううう……」
30 :
可愛い
31 :
なんだこの妙スレ
おれの好奇心に蛇のように巻き付いてくるぞ
32 :
蛇巻いて見てる
33 :
蛇用ちゃうチュールで我慢しろ🐍
34 = 1 :
<自宅兼事務所>
女「今日のスケジュールは?」
毒蛇「えぇっと……まず午前中は爬虫類愛好家への公演」
毒蛇「午後はスーパーマーケットのネズミ退治、夜はマムシ酒の品評会があるぜ」
女「今日も忙しいわね」
女「忙しいのはいいことだけど……さすがにもっと人手が欲しいわ」
毒蛇「たしかにな。このところあまり寝れてねえだろ」
女「……そうだ、バイトでも雇おうかしら」
毒蛇「バイトォ~? こんなとこで働きたい奴なんていねえだろ!」
女「分かんないわよ。もしかしたら、いるかもしれない」
毒蛇「絶対いねえよ!」
35 = 1 :
……
女「…………」
女「二人も応募が来たわ」
毒蛇「マジで!?」シャーッ
毒蛇「世の中好景気なのか不景気なのかよく分かんねえけど、不景気ってことだなぁ」
毒蛇「景気よかったら、ぜってえこんな魔境で働こうとは思わねえもん」
女「コラコラ、あまり毒吐かないの」
毒蛇「で、どうすんだ? 採用すんのか?」
女「とりあえず、二人とも面接してみることにするわ」
36 :
漫画みたいに想像できるわ
37 = 1 :
後日――
女子高生「こんにちは!」
チンピラ「ちわっす!」
女(あら……?)
毒蛇(どっかで見たことあるような二人組だな……)
女子高生「なんだあんたが!?」
チンピラ「なんでテメェが!?」
女「コラコラ、喧嘩しない。さっそく面接を始めさせてもらうわ」
38 = 32 :
バイトしたい
39 = 1 :
女子高生「私、以前あなたに助けていただいた女子高生です!」
女子高生「それであなたに憧れて、ずっと捜してて、バイト募集をしていたので……」
女「なるほどね」
女「だけど、うちはヘビ使いの事務所なのよ。ヘビは大丈夫?」
女子高生「はいっ、私ハブを飼ってますから! ほら!」
ハブ「シューッ!」ニュルニュル
女「あら、いいじゃない。採用よ」
女子高生「やった!」
毒蛇(俺も、ヘビ語で面接してみるか)
毒蛇『ハブ……お前はなんかできるのか? ネズミ退治とか……』
ハブ『将棋が得意ですね。奨励会の人にも勝ったことあります』
毒蛇『流石ハブ……』
40 = 12 :
そっち
41 = 1 :
チンピラ「俺、あんた……いえ、あなたに睨みつけられた時……」
チンピラ「これが“ヘビに睨まれたカエル状態”なんだって、分かったんす!」
チンピラ「俺はあなたのカエルになりたい! ここでパシリとして使って下さい!」
女「ヘビを扱ったことは?」
チンピラ「ない……っす」
女子高生「それじゃここで働くなんて無理よ! さっさと帰りなさい、このヒキガエル!」
チンピラ「ぐうう……!」
女「他になにか特技は?」
チンピラ「うーん……あ、簿記の資格持ってます。数字には強いっす」
毒蛇「どういうチンピラだよ!?」
女「経理要員も欲しかったのよね……うん、あなたも採用にするわ」
チンピラ「あざーっす!」
42 = 1 :
女子高生「それじゃ、ハブを連れて老人ホームの人達と将棋指してきます!」
ハブ「シューッ!」
女「適度に勝ったり負けたりするのがコツよ」
毒蛇「いずれ、あの羽生さんとも対局することになったりしてな」
~
女「今月の収支はどう?」
チンピラ「バッチリ黒字っす! だけど、毒蛇さんの食費がちょっとかさんでますね……」
女「じゃあ、来月は食わせないことにするわ」
毒蛇「スト起こすぞてめえ!」シャーッ
女「二人ともよく働いてくれてるわ」
毒蛇「ああ、正直いってここまで使えるとは思わなかった」
女「私たちも負けられないわね」
毒蛇「おう!」
43 :
見てるぞ
44 = 30 :
いいよいいよ
45 = 1 :
ある日――
<自宅兼事務所>
女「いらっしゃいませ」
紳士「こんにちは」
金髪「こ、こんにちは……」
女(どういうコンビかしら? 親子ってわけじゃなさそうだけど……)
46 = 1 :
女「本日はどのようなご用件でしょう?」
紳士「その前に、私どもの事情をお話しさせてもらってもよろしいでしょうか」
女「ええ、かまいません」
紳士「実は、日本有数のある大富豪が、自分の財産について遺言を残そうということになりまして」
紳士「当然、ご子息たちに分配することになるわけですが……」
紳士「そんな中、その大富豪様には私生児、いわゆる“隠し子”がいることが明らかになりまして」
紳士「当然、その方にも財産を分与しようということになったのですが……」
女「大富豪がお父さんだったなんて羨ましい話ね」
毒蛇「おめーのオヤジはただのサラリーマンだしな」
47 = 1 :
紳士「これで面白くないのが、他のご子息の方々です」
女「そりゃそうよね。取り分が減っちゃうんだから」
紳士「それで、どうしたかというと……」
紳士「なんと、彼らのうちの誰かが、殺し屋を雇ったことが分かったのです」
女「えっ、殺し屋?」
女「あの……ひょっとして、その“隠し子”って……」
紳士「はい、隣に座っているこのお方です」
金髪「…………」
紳士「あなたには、この方を狙う殺し屋を退治して欲しいのです!」
48 = 1 :
女「ちょっと待ってちょうだい。そんな話は警察に任せた方が……」
紳士「我が財閥は、警察関係にも大きく根を張っており、うかつに警察にも頼れないのです」
女「だからって、なんで私に?」
紳士「なぜなら……相手の殺し屋もまた、“ヘビ使い”だからです」
女「ヘビ使い……!」
紳士「こちらの写真をご覧ください。この方のボディガードの写真です」サッ
女「みんな、蛇に急所を噛まれてやられてるわね……。死んではいないようだけど」
紳士「ええ、なんとかこの方を守れていますが、このままでは時間の問題です」
紳士「ですから、有名なヘビ使いのあなたに、ヘビを使う殺し屋を倒して欲しいのです!」
女「蛇の道はヘビ……ってわけね」
49 = 1 :
女「分かりました」
女「同じヘビ使いとして、ヘビを悪用する輩を放っておけないし」
女「その殺し屋を何とかしてみせるわ」
紳士「引き受けて頂けますか!」
金髪「ありがとうございます!」
女「ただし、私は殺し屋じゃないから、その殺し屋の命を奪うようなことはしないわよ」
紳士「もちろんです!」
紳士「私どもとしては、この方が穏便に財産を相続できればそれでよいのです」
毒蛇(こりゃあ、大仕事になりそうだな……)
50 = 1 :
女「……というわけなの」
女子高生「すごい依頼が舞い込んできましたね! まるで漫画みたい!」
チンピラ「金のために悪事を働くとは……許せねえ!」
女「…………」
女子高生「…………」
毒蛇「…………」
チンピラ「え、何か?」
女「それで、私一人じゃちょっと大変そうだから……あなたたちにも協力を頼みたいの」
女子高生「喜んで協力しますよ!」
チンピラ「俺らのボスはあなたなんですから!」
みんなの評価 : ○
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