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    元スレ嫁「あなたァ……生命保険入らない?」ゴリゴリ 男「毒の調合しながら言わないでくれる?」

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    1 :

    第一話『嫁は毒の達人』



    「ふんふ~ん」ゴリゴリ…

    「ベラドンナにトリカブト……それと毒キノコを数種混ぜて……」ゴリゴリ…

    「キヒヒ……出来てきたわぁ~……」ゴリゴリ…

    「ねえ……あなたァ」ゴリゴリ…

    「ん?」

    「生命保険入らない?」ゴリゴリ…

    「……毒の調合しながら言わないでくれる?」

    2 :

    夫ではなく男ということはつまり

    3 :

    5話のバレンタインの話はちょっと泣いた

    4 :

    笑いすぎて過呼吸になった

    5 :

    >>4
    あなたぁ…生命保険入らない?ニチャアァ

    6 = 1 :

    「違うわよォ、毒の調合はただの仕事だから」

    「分かってるよ。君ほど紫色のエプロンが似合う女性もいないよな」

    「キヒヒ、照れるわよ」

    「でも、なんでいきなりそんな話を?」

    「ほら、お隣の奥さん、ご主人を亡くされたでしょ?」

    「で、ご主人、保険とかに全く入ってなかったらしくて、奥さん苦労されてるらしいの」

    「そういうことか」

    「元気そうだったのに……突然だったもんな」

    「ホントよぉ……。奥さんと幼いお子さんを残して、さぞかし無念だったでしょうねえ」

    7 :

    ゴリゴリ男って強いのか弱いのかよーわからんね

    8 = 1 :

    「まぁ、安心しろよ」

    「俺はとっくに生命保険に入ってる。受取人はもちろん君だ」

    「え、そうだったの?」

    「だから俺が今日死んでも、君が路頭に迷うことはないよ」

    「え、死ぬの!?」

    「え?」

    「いやぁぁぁぁぁ! あなたが死ぬんならあたしも死ぬぅぅぅぅぅ!」グビグビ

    「ちょっ! 調合してた毒を!」

    9 :

    毒嫁か

    10 = 1 :

    「うへ……あへぇ……」ピクピク…

    「おい、しっかりしろ!」

    「あなたぁ……天国で会いましょ……ヒヒ」ピクピク…

    (ダメだ! 完全にイッちまってる!)

    「えぇと、今飲んだ毒の成分は、と……」

    「この薬草とこの薬品を混ぜて、調合すれば……」ゴリゴリ…

    「――できた!」

    「あとはこの解毒薬を飲ませれば……ほら、飲んで」ドロッ

    「……んん」ゴクッ

    11 = 1 :

    「……あ」

    「ふぅ~、よかった……」

    「君が毒に強くて、俺が薬剤師じゃなかったら、危なかったぞ」

    「国にも認められてる“毒師”が毒で死んだら、笑い話にもならないだろ」

    「……どうせだったら口移しで飲ませてくれたらよかったのに」キヒヒ…

    「……おいおい」

    12 :

    毒師を公認している国とか物騒だな

    13 = 1 :

    翌日――

    「行ってらっしゃ~い」

    「行ってきます」



    (あ、お隣の奥さんだ)

    「おはようございます」

    婦人「おはようございます……」ペコッ

    (やっぱり……。前はあんなに明るかったのに……)

    14 :

    危険物取扱者資格みたいなもんでしょ

    15 = 12 :

    なるほど毒劇物取扱者か

    16 = 1 :

    ― 会社 ―

    「……なぁ」

    同僚「ん?」

    「俺たちは薬剤師として、製薬会社社員として、日々新しい薬の開発に携わってるわけだけどさ」

    同僚「どうしたんだよ、突然」

    「“人を生き返らせる薬”ってのはできないのかな?」

    同僚「んー……結局のところ、人間だってものすごくよくできた機械みたいなもんだし」

    同僚「人体や生死のメカニズムが完全に解析されれば、あるいは作れるかもな」

    同僚「だけど、そんなもんが出来上がったら、人は生き返っても人口爆発で人類は滅亡するわな」

    「……だよなぁ」

    17 = 1 :

    ― 自宅 ―

    「…………」

    「どしたの、あなた?」

    「いや、お隣の奥さん、元気なかったからさ……」

    「そうねえ……」

    「せめて、ご主人と最後のお別れができてれば、まだ違ったんだろうけどな」

    「最後のお別れ……」

    「それよ、それだわァ~!」

    「へ?」

    18 = 1 :

    「さっそく……」ゴリゴリ…

    「調合? いったいどんな毒を?」

    「キヒヒ、決まってるでしょ?」

    「奥さんを旦那さんに会わせてあげるための毒よぉ……」ゴリゴリゴリ…

    「え!?」

    19 = 1 :

    数日後――

    ― 自宅 ―

    婦人「お夕飯にお誘い下さり、ありがとうございます……」

    「こちらこそ突然お誘いしてしまって。お子さんはご実家に?」

    婦人「はい、まだ小さいので……」

    「キヒヒ、料理はたっぷり用意してますからねぇ~」


    ドンヨリ…


    婦人「…………!」

    婦人(どの料理も、なんて毒々しい色をしているの……!?)

    婦人(まるで童話に出てくる“魔女の料理”のようだわ……。食べて大丈夫なのかしら……)

    20 = 9 :

    キヒヒ

    21 = 1 :

    婦人「――あら、おいしい!」

    「でしょう? 家内の料理は見た目はともかく、味はいいんですよ~」

    「失礼ねぇ。見た目もいいってば!」

    アハハハ… ウフフフ… キヒヒヒ…

    (さて、そろそろ……)

    (あたしが料理に混ぜた“毒”が効いてくるはず……)

    婦人「あら……? なんだか、トロ~ンとしてきたわ……」

    22 = 12 :

    幻覚か彼の世で会わせるか

    23 = 1 :

    婦人「……あら?」ボンヤリ…

    旦那『やぁ』

    婦人「あ、あなた! どうして!?」

    旦那『突然逝ってしまって、すまなかった……』

    旦那『どうしても君にちゃんと別れをいいたくて、少しだけ戻ってきてしまった』

    婦人「ありがとう、会えて嬉しいわ……」

    旦那『僕は君と出会えて、息子を授かって、本当に幸せだった』

    旦那『しかし、あんな突然別れることになってしまって、本当にすまない』

    婦人「私こそ、あなたを看取ることができずに、ごめんなさい……」

    24 :

    殺し屋SSの作者か

    25 = 1 :

    旦那『だけど僕は、ずっとこちらから見守っているよ』

    旦那『だから……どうか君も新しい人生を歩んでほしい』

    旦那『まだ幼い息子を頼む……』

    婦人「分かったわ、あなた!」



    「…………」

    (ずっと幻を見せていると、心身に害が出るし、戻ってこれなくなってしまう)

    (そろそろ解毒作用のあるパウダーを……)サラサラ…

    26 :

    思ってたより面白い

    27 = 1 :

    婦人「!」ハッ

    「どうかされましたか?」

    婦人「あ、いえ……今ほんの少し、亡くなった主人に出会えたもので……」

    婦人「って、いきなり変なことを……すみません」

    「もしかしたら、旦那さんがほんの少しだけ降りてこられたのかもしれませんね」

    婦人「はい……」

    28 = 1 :

    婦人「今日はどうもありがとうございました」

    「キヒヒ、またいらしてね~」



    「…………」

    「…………」

    「これで奥さん、少しは元気を取り戻してくれるといいけど」

    「キヒヒ、大丈夫よ。きっと立ち直ってくれるわ」

    「それにしても、ぼんやりとご主人の幻影を見せるぐらいの毒だったのに」

    「ずいぶん具体的に話をしていたな」

    「そこはきっと、愛のなせるワザってやつじゃなぁい?」

    『ありがとうございました……』

    &嫁「!?」

    29 :

    暗殺者夫婦のSS書いてた人?

    30 = 1 :

    「い、い、今、旦那さんの声、聞こえなかった!?」

    「ああ、今のはたしかに……亡くなった旦那さんだった」

    「ど、ど、ど、どうして!?」

    「もしかして、幻覚作用を利用して、本当に降りてきて奥さんと話してたのかも……」

    「キヒーッ!!!」







    おわり

    31 = 9 :

    いい嫁じゃないか

    32 :

    完成度高いな
    連載いけるはコレは

    33 = 1 :

    第二話『TVゲーム風毒』



    ズガガーンッ ドゴーンッ ズガガガガッ

    「おい、いい加減ゲームやめろ! いったい何時間やってるんだ!」

    オタク「うるさいな……」

    オタク「ボクは今、ゲームキャラになってるんだ! ジャマしないでくれよ!」

    オタク「おっ、ボスが出てきた! よ~し、超必殺奥義で……」

    「~~~~!」

    (何とかしないと……)

    34 = 1 :

    ― 自宅 ―

    「……というわけなのです」

    「ゲーム中毒ってやつね?」

    「毒師であるあなたに、何か息子に喝を入れるような毒を作ってもらえないかと……」

    「うーん……毒殺しちゃった方が早いんじゃない?」

    「いやいやいや! 仮にも息子ですし、さすがにそれは……」

    「冗談よぉ、冗談」

    35 = 1 :

    「ふんふ~ん」ゴリゴリ…

    「毒師としての依頼があったようだけど、何を調合してるんだ?」

    「うーんとねぇ……“ゲームキャラの気分を味わえる毒”ってとこかしら?」

    「ゲームキャラの気分を味わえる……毒?」

    「そ、今度の相手はゲーム好きらしいから」

    「あ、そうだ。明日はあなた休日でしょ? 一緒に行かない?」

    「かまわないけど……」

    36 = 1 :

    翌日――

    ― 依頼人の家 ―

    オタク「いけっ! いけいけっ!」カチッカチカチッ

    (一心不乱にゲームやってる……こっちを見もしない。すごい集中力ではあるけど)

    「ねえ……君」

    オタク「なんだよ? 今いいとこなのに!」

    「お父さんに聞いたけど、あなたは自分がゲームキャラになったつもりで、ゲームやってるんでしょ?」

    オタク「ああ、そうさ! その方が調子いいからね!」

    「だったら、これ……飲んでみない?」スッ

    オタク「あっ、まるでゲームに出てくる回復薬みたいなボトルじゃないか!」

    「そうよぉ、気分出るでしょ~?」

    37 = 1 :

    オタク「ちょうどノド渇いてたんだ!」

    オタク「ありがたくいただくよ!」グビグビ

    「…………」キヒィ…

    (飲んだ……!)

    (しかし、“ゲームキャラの気分を味わえる毒”っていったいどんな毒なんだ?)

    38 = 1 :

    オタク「ちょっとトイレに行こうかな。よっと――」

    オタク「!?」ズキッ

    オタク「い、痛い!? なんだ今の!?」

    オタク「トイレへ――」スタスタ

    オタク「!?」ズキズキッ

    オタク(どうなってんだ!? 一歩歩くごとに、鋭い痛みが!)

    「……キヒヒ」

    オタク「あっ、お前! さてはなんか変なもの飲ませたなぁ!」

    「そうよぉ~、名づけて“TVゲーム風毒”!」

    オタク「なんだよそれ!?」

    「そのまんまの意味よ」

    39 = 1 :

    「ゲームの毒って、一歩歩くごとにダメージがあるでしょ?」

    「あれを再現したのよぉ」

    オタク「ぐあっ!」ズキッ

    「安心して、痛いだけで体に全然害はないから……」キヒヒッ

    オタク「なんでこんなことを!?」

    「だってあんた、ゲームキャラになりたかったんでしょ?」

    「嬉しいでしょ? 大好きなゲームキャラの気分を味わえるんだから……」

    (すごい……! こんな毒も作れるのか……!)

    40 :

    ちょっとこれ飲んでみたい

    41 = 1 :

    オタク「ふん! なんだ、こんな毒!」

    「あら?」

    オタク「歩くたびに痛みがくるんだろ? だったら歩かなきゃいい!」

    「トイレはどうすんのよ?」

    オタク「ペットボトルにでもするさ!」

    「残念だけど……」

    オタク「!」ズキッ

    オタク「なんで!? なんでぇ!? 動いてないじゃん!」

    「時間経過……ゲーム風にいうとターン経過でもダメージが来るようになってんのよぉ~」

    オタク「ひ、ひいいっ!」

    42 :

    解毒薬は有料的な?

    43 = 1 :

    オタク「どうすりゃいいんだ!?」

    「解毒薬を飲めば治るわ」

    「だけど、解毒薬を作れるのは優秀な薬剤師であるこの人だけ……」

    「え、俺!?」

    オタク「飲みたぁい! どうすれば飲ませてくれるの!?」

    「ゲームは程々にする、と誓えば飲ませてあげてもいいわ」

    オタク「誓う、誓う、誓うからぁぁぁぁぁ!」

    「ダ~メ、信用できない」

    オタク「う……」

    「ま、しばらくはそのままでいることねえ。キヒヒヒヒヒ……」

    オタク「うそぉぉぉぉぉ……!」

    44 = 1 :

    帰り道――

    スタスタ…

    「いやー、驚いたよ。あんな毒を作れるなんて。たしかにTVゲーム風の毒だね」

    「キヒヒ、すごいでしょ~?」

    「だけど、解毒薬は俺に任せるってのはどういうことだよ」

    「だってあなたなら、成分さえ分かれば解毒薬を作れるでしょ?」

    「まあ、そうだけど……」

    「それにあたし、解毒剤作りはどうも苦手なのよねぇ……。毒を消すより毒を盛る方が楽しいわ」

    「毒師なのに解毒が苦手なのはどうにかした方がいいと思うよ……」

    「は~い」

    45 = 1 :

    一ヶ月後――

    ― 自宅 ―

    「本当にありがとうございました!」

    「おかげで息子は、すっかり心を入れ替えまして……」

    「ゲームはほとんどやらなくなり、毎日運動をしたり、アルバイトまで始めて……」

    「そうですかぁ~」

    「あの毒……効果テキメンだったみたいだね」

    「じゃあ、そろそろ解毒してあげましょっか」

    「うん、解毒薬は作ってあるよ」

    46 = 1 :

    ― 依頼人の家 ―

    オタク「いやぁ~、ありがとうございます!」

    オタク「この痛みがすっかり快感になっちゃって、今ではウォーキングが趣味になってますよ!」

    オタク「そしたらみるみる体も痩せて……」スラッ

    オタク「!」ズキッ

    オタク「あぁんっ! 動くたび、襲いくる、この痛み、たまらんっ! 癖になるっ!」ビクビクッ

    「…………」

    「…………」

    「……どうする?」

    「う~ん……もう少しこのままにしといた方がいいかもね」







    おわり

    47 :

    スレタイがピーク

    48 = 12 :

    解毒しなくても大丈夫なのか

    49 = 1 :

    第三話『かゆいところに手が届く毒』



    ― 自宅 ―

    「う~……かゆいかゆい。肌が弱いからか、しょっちゅうかゆくなる……」

    「あのさー」

    「なに?」

    「ちょっと背中かいてくれない?」

    「またぁ~? 自分でかけばいいのに」

    「俺はこの通り、体がかたいからさ……」ググッ

    「運動不足よォ。薬の開発もいいけど、たまには運動もしないとね」ポリポリ

    「あ~……気持ちいい!」

    (もう、いつもいつもあたしにかかせて……面倒ねえ)

    50 = 1 :

    「よーし……」ゴリゴリ…

    「なに作ってるの?」

    「あなたのための“毒”よ」ゴリゴリ…

    「俺のための毒?」

    「よぉし、できた!」


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