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元スレ澪「本当にお前がやったのか?」
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澪「唯…」
秋山澪は親友であった田井中律の身体を抱き締めながら唯を睨んだ。
平沢唯は笑っていた。
秋山澪は親友であった田井中律の身体を抱き締めながら唯を睨んだ。
平沢唯は笑っていた。
2時間前、軽音部の部室には、秋山澪、平沢唯、田井中律、琴吹紬の四人がいた。
この四人は廃部していた軽音部を復活させ、学園祭でのライブを成功させた、学校でも注目される生徒である。
紬「お茶が入りました~」
律「おっ、待ってました!」
だが、そんな活躍とは裏腹に、普段は練習よりも紬の持ってくるお菓子を食べながら、ガールズトークに華を咲かせている。
紬「お茶が入りました~」
律「おっ、待ってました!」
だが、そんな活躍とは裏腹に、普段は練習よりも紬の持ってくるお菓子を食べながら、ガールズトークに華を咲かせている。
秋山澪は元来真面目な性格だ。
ルールの順守を尊び、それが破られることを嫌う。
部活とは練習にひたすら打ち込むものだが、こんな軽音部の怠惰な日常に不満を抱きはしなかった。
不思議なものだ。
ルールの順守を尊び、それが破られることを嫌う。
部活とは練習にひたすら打ち込むものだが、こんな軽音部の怠惰な日常に不満を抱きはしなかった。
不思議なものだ。
紬「ごめんなさい、今日は私、ちょっと用事があるので先に帰るわね」
唯「そっか、また明日、ムギちゃん」
その明日は来なかった。
これが平穏な日常の最後の1日だった。
唯「そっか、また明日、ムギちゃん」
その明日は来なかった。
これが平穏な日常の最後の1日だった。
澪「和に用事があるから、ちょっと生徒会室に行ってくるよ」
唯「行ってらっしゃい」
律「お土産よろしく~」
澪「あるわけないだろ…」
それが澪と律が最後に交わした言葉となった。
唯「行ってらっしゃい」
律「お土産よろしく~」
澪「あるわけないだろ…」
それが澪と律が最後に交わした言葉となった。
和「苦労しているみたいね澪」
澪「そうなんだよ…本当にあいつらと来たら」
和「唯のマイペースは昔からだけど、あれであの子、いいところもたくさんあるのよ」
澪「わかってるよ、唯はなんだかんだ言って、みんなを大事にしてるからな」
澪「あとは練習さえ真面目にしてくれれば言うことないんだけど」
和「まぁあの子は追い詰められないとやらないタイプだからね。そうだ、私も唯に用事があるし、部室に行っていいかしら?」
澪「もちろん!ビシッと言ってやってくれ」
澪「そうなんだよ…本当にあいつらと来たら」
和「唯のマイペースは昔からだけど、あれであの子、いいところもたくさんあるのよ」
澪「わかってるよ、唯はなんだかんだ言って、みんなを大事にしてるからな」
澪「あとは練習さえ真面目にしてくれれば言うことないんだけど」
和「まぁあの子は追い詰められないとやらないタイプだからね。そうだ、私も唯に用事があるし、部室に行っていいかしら?」
澪「もちろん!ビシッと言ってやってくれ」
澪と和は、階段を登り、部員の扉の前に来た。やけに静かだ。
いつもなら唯と律の馬鹿騒ぎのような声が聞こえてくるのに…
澪は嫌な予感がした。
いつもなら唯と律の馬鹿騒ぎのような声が聞こえてくるのに…
澪は嫌な予感がした。
恐る恐るドアノブに手を掛け、開ける。
キィーっと、嫌な音が響いた。
澪「!」
澪は絶句する。
その目に飛び込んできたのは、床に横になっている律だ。
だが、その床一面は真っ赤な液体で染められている。
キィーっと、嫌な音が響いた。
澪「!」
澪は絶句する。
その目に飛び込んできたのは、床に横になっている律だ。
だが、その床一面は真っ赤な液体で染められている。
澪は最初に、律が悪ふざけをしていると思った。
律を抱き起こし揺さぶる。
澪「悪ふざけはよせ律!私はこんなことじゃ怖がらないぞ!」
律は答えない。
律を抱き起こし揺さぶる。
澪「悪ふざけはよせ律!私はこんなことじゃ怖がらないぞ!」
律は答えない。
和も状況を確認し、律の手首を触った。
和はすべて理解した。
和「脈がないわ…」
澪が和を見た。和は震えている。
和はすべて理解した。
和「脈がないわ…」
澪が和を見た。和は震えている。
和「私!先生を呼んでくるから!」
和は走って部室を出て行った。
澪は呆然とする。
澪「ハハッ、嘘だろ?律…」
澪「嘘だと言えよ!」
和は走って部室を出て行った。
澪は呆然とする。
澪「ハハッ、嘘だろ?律…」
澪「嘘だと言えよ!」
澪は現実を認めたくなかった。
幼い頃からの親友
いつも守ってくれた大切な親友
その律が、もういない。
幼い頃からの親友
いつも守ってくれた大切な親友
その律が、もういない。
澪は涙を流した。
そして、部屋の片隅に立っている唯に気付いた。
そうだ、唯なら何が起こったのかわかるはずだ。
澪「唯!いったいこれは…何があったんだ!」
そして、部屋の片隅に立っている唯に気付いた。
そうだ、唯なら何が起こったのかわかるはずだ。
澪「唯!いったいこれは…何があったんだ!」
唯の手には、べったりと赤い液体のついた刃物が握られていた。
澪「まさか…お前が律を殺したのか?」
唯は黙って、頷いた。
澪「まさか…お前が律を殺したのか?」
唯は黙って、頷いた。
澪は恐怖や驚きよりも先に、怒りが込み上げた。
澪「本当にお前がやったのか?」
澪「唯…」
唯は笑っている。だが、その二つの眼からは、涙が流れていた。
澪「本当にお前がやったのか?」
澪「唯…」
唯は笑っている。だが、その二つの眼からは、涙が流れていた。
澪「なんで!なんで律を…!」
澪は優しく律だったものを寝かせると、唯に詰め寄った。
凶器をもった唯に臆することもなく。
唯はただ、「ごめんね」とうわ言のように繰り返すばかりだ。
澪は優しく律だったものを寝かせると、唯に詰め寄った。
凶器をもった唯に臆することもなく。
唯はただ、「ごめんね」とうわ言のように繰り返すばかりだ。
和に呼ばれ、教師や救急車、警察が矢継ぎ早にやって来た。
そして病院で、律の命が終わったことがせいしきに宣告された。
澪は病院の霊安室で、一晩ずっと律のそばにいた。
そして病院で、律の命が終わったことがせいしきに宣告された。
澪は病院の霊安室で、一晩ずっと律のそばにいた。
>>28そうです
律の死因は、腹部の急所への鋭利な刃物による刺傷、失血死であった。
司法解剖の結果薬物も検出され、おそらく睡眠薬で眠っている間にていこうできず刺されたものと思われる。
状況から、平沢唯は逮捕された。
彼女は否認をしなかった。
司法解剖の結果薬物も検出され、おそらく睡眠薬で眠っている間にていこうできず刺されたものと思われる。
状況から、平沢唯は逮捕された。
彼女は否認をしなかった。
>>2
クソワロタ
クソワロタ
同級生を学校内で殺害したというニュースは、瞬く間に全国に拡がった。
翌日の全校集会で動揺しないようにとの話をされたが、それは無理であった。
澪だけではない。
和もまた親友の凶行にショックを受け、紬も私が残っていれば…と後悔に苛まれた。
翌日の全校集会で動揺しないようにとの話をされたが、それは無理であった。
澪だけではない。
和もまた親友の凶行にショックを受け、紬も私が残っていれば…と後悔に苛まれた。
澪は律の葬式までの間、家に引きこもった。
優しかった律
守ってくれた律
守ってやれなくて、ごめん
澪はずっと律との思い出を辿っていた。
そしてそのうち、なぜ律は命を奪われなくてはならなかったのかと疑問を抱いた。
優しかった律
守ってくれた律
守ってやれなくて、ごめん
澪はずっと律との思い出を辿っていた。
そしてそのうち、なぜ律は命を奪われなくてはならなかったのかと疑問を抱いた。
田井中律は、少しデリカシーに欠けるところはあったものの、明朗活発、少女らしい元気な人気者であった。
誰とでもすぐに打ち解けることができ、澪のように奥手なクラスメートにも分け隔てなく接し、友人となった。
恨みを買うことなど、あるはずがない。
誰とでもすぐに打ち解けることができ、澪のように奥手なクラスメートにも分け隔てなく接し、友人となった。
恨みを買うことなど、あるはずがない。
テレビのワイドショーは、連日律の事件を取り上げていた。犯人となる平沢唯は少女Aと紹介され、心の闇、律とのトラブルがあったなどと、好き勝手な推測が流れた。
だが、澪にはどれも納得がいかない。
澪「唯…なんでこんなことを…」
秋山澪の携帯電話が鳴った。
だが、澪にはどれも納得がいかない。
澪「唯…なんでこんなことを…」
秋山澪の携帯電話が鳴った。
紬「急に呼び出してごめんなさい」
紬からの急な呼び出しを澪は快諾した。
紬「りっちゃんのこと、澪ちゃんが一番ショックを受けてると思って」
澪「そうだな…でもなんか、まだ律がいなくなったって感じがしないんだ。ポッカリと心に穴が空いたとか、そんな感じかな」
紬「私でよければ、いつでも頼ってくれていいから」
紬の優しさを澪は嬉しく思う。
紬からの急な呼び出しを澪は快諾した。
紬「りっちゃんのこと、澪ちゃんが一番ショックを受けてると思って」
澪「そうだな…でもなんか、まだ律がいなくなったって感じがしないんだ。ポッカリと心に穴が空いたとか、そんな感じかな」
紬「私でよければ、いつでも頼ってくれていいから」
紬の優しさを澪は嬉しく思う。
澪「でもまだ引っかかるんだ。唯がなんであんなことをしたのか。動機なんて、まったく思いつきもしない」
紬「それは唯ちゃん自身にしかわからないでしょうね」
澪「なぁ、ムギ」
澪「憂ちゃんなら、なにか知っているかな」
紬「それは唯ちゃん自身にしかわからないでしょうね」
澪「なぁ、ムギ」
澪「憂ちゃんなら、なにか知っているかな」
紬「あまり得策とは思わないわ」
澪の思惑とは裏腹に、紬は冷たく返答した。
紬「ただでさえ家族が犯人として注目を浴びてるのに、そんな大変な時期に訪れても門前払いを受けるだけよ」
澪は冷静さを欠いていたのかもしれない。
そんなことは少し考えればわかることだった。
澪「そうだな…ごめん、私律がいなくなって、それしか見えなくなってた」
紬「いいのよ…誰だって大切な人を失えば、そうなるわ」
澪の思惑とは裏腹に、紬は冷たく返答した。
紬「ただでさえ家族が犯人として注目を浴びてるのに、そんな大変な時期に訪れても門前払いを受けるだけよ」
澪は冷静さを欠いていたのかもしれない。
そんなことは少し考えればわかることだった。
澪「そうだな…ごめん、私律がいなくなって、それしか見えなくなってた」
紬「いいのよ…誰だって大切な人を失えば、そうなるわ」
澪は紬としばし話し込んだ。
だがそれは律のいなくなったことへの悲しみについてではない。
なぜ律はいなくならなければなかったのかである。
澪は現時点で、唯は犯人ではないという可能性を感じていた。
あの、刃物を持って笑っていた唯を見ているにも関わらず…
だがそれは律のいなくなったことへの悲しみについてではない。
なぜ律はいなくならなければなかったのかである。
澪は現時点で、唯は犯人ではないという可能性を感じていた。
あの、刃物を持って笑っていた唯を見ているにも関わらず…
澪「状況から見ると完璧に唯が犯人なんだ…でも、私はなにか引っかかる」
紬「あとは警察に任せましょう、澪ちゃん」
紬は澪の思考に、律への執念を感じていた。
紬「あとは警察に任せましょう、澪ちゃん」
紬は澪の思考に、律への執念を感じていた。
澪は紬と別れてからも、ずっと考えていた。
律との交流があり、なおかつ唯が自らを犯人となってまで守らなければならない人物
そうなると、極めて限られた人間になるはずだ。
澪が今思いつくのは、自分を含めて、同じ部員である琴吹紬、唯の幼馴染である真鍋和、そして唯の妹の平沢憂…
律との交流があり、なおかつ唯が自らを犯人となってまで守らなければならない人物
そうなると、極めて限られた人間になるはずだ。
澪が今思いつくのは、自分を含めて、同じ部員である琴吹紬、唯の幼馴染である真鍋和、そして唯の妹の平沢憂…
琴吹紬はどこか謎めいていた。
家から大量の食器類や、高価な菓子類を持ってくる。
家が裕福なのであろう。
彼女なら律を殺害し、唯を犯人に仕立て上げられるかもしれない。唯を買収したのかもしれない。
家から大量の食器類や、高価な菓子類を持ってくる。
家が裕福なのであろう。
彼女なら律を殺害し、唯を犯人に仕立て上げられるかもしれない。唯を買収したのかもしれない。
真鍋和は平沢唯と幼馴染であり、生徒会では次期生徒会長と目される人物だ。
だが、彼女は自分と共に凶行の現場を目撃している。
彼女が本当の犯人である可能性はあり得ないように思える。
だが、彼女は自分と共に凶行の現場を目撃している。
彼女が本当の犯人である可能性はあり得ないように思える。
残るは平沢憂であるが、彼女はそもそも律との関わりがほとんどない。
精々自分と同じように唯の家へ行った際に会った程度だ。
精々自分と同じように唯の家へ行った際に会った程度だ。
澪は混乱していた。
考えれば考えるほど、唯以外の犯人が思いつかない。
その足は知らず知らずの内に田井中律の家に向かっていた。
考えれば考えるほど、唯以外の犯人が思いつかない。
その足は知らず知らずの内に田井中律の家に向かっていた。
律の両親は疲れ切っていたが、澪の突然の来訪に何も言わず、澪を律の部屋に通した。
澪が律の部屋に来たのは感傷に浸るためではない。
律を奪った者への糸口を見つけるためだ。
澪はそこで、いくつかの物を見つけた。
澪が律の部屋に来たのは感傷に浸るためではない。
律を奪った者への糸口を見つけるためだ。
澪はそこで、いくつかの物を見つけた。
澪「なんでこんなものが…」
澪はまず、封筒に入った10万円近い現金を見つけた。
澪の知る限り、律はアルバイトなどしていないし、大金を持っているという話を聞いたこともない。
女子高生が持っているのには不相応な大金だ。
澪はまず、封筒に入った10万円近い現金を見つけた。
澪の知る限り、律はアルバイトなどしていないし、大金を持っているという話を聞いたこともない。
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