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元スレ唯「憂ー。脳みそが少しこぼれちゃったから、掻き集めてくれない?」
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4月3日。午後1時。
翌日はあいにくの空模様だった。
どんよりと曇っていて、昼間だというのに薄暗く、
ただでさえ沈んでいる心にさらに陰をささせる。
ちょうどあの事故のあった日も、空はこんな様子だったと、憂ははっきりとそう記憶している。
唯が手術を受けている間に、外は観測史上まれに見るほどの豪雨に見舞われた。
翌日はあいにくの空模様だった。
どんよりと曇っていて、昼間だというのに薄暗く、
ただでさえ沈んでいる心にさらに陰をささせる。
ちょうどあの事故のあった日も、空はこんな様子だったと、憂ははっきりとそう記憶している。
唯が手術を受けている間に、外は観測史上まれに見るほどの豪雨に見舞われた。
『10月10日はね、一年で一番雨が降らない日なんだよ』
真偽のほどは定かではないが、姉はそう言ってはしゃいでいたのに。
憂はそのとき、空が泣いているんだと思った。
当時、手術室の前で姉の無事を祈りながら、それでも万が一のことが脳裏をよぎって、
憂の心は悲しみに包まれていた。
その、今にも叫び出してしまいそうなほどの自分の強い感情が、
空気感染のように伝播していって雨を降らせたのではないか、とそう思っていたのである。
憂は、そんなことを考えながら玄関をくぐると、空を見上げた。
そして、何かを思い直したように再び家の中に取って返し、鞄に折り畳み傘を詰め込んだ。
真偽のほどは定かではないが、姉はそう言ってはしゃいでいたのに。
憂はそのとき、空が泣いているんだと思った。
当時、手術室の前で姉の無事を祈りながら、それでも万が一のことが脳裏をよぎって、
憂の心は悲しみに包まれていた。
その、今にも叫び出してしまいそうなほどの自分の強い感情が、
空気感染のように伝播していって雨を降らせたのではないか、とそう思っていたのである。
憂は、そんなことを考えながら玄関をくぐると、空を見上げた。
そして、何かを思い直したように再び家の中に取って返し、鞄に折り畳み傘を詰め込んだ。
10月11日。午前4時。
憂(手術中のランプが消えた……)
医者「……」
憂「先生! お姉ちゃんは……!」
医者「……手術は、無事成功しました。
未だ予断を許さない状況ですが、平沢唯さんの命に別状はありません」
憂「そうですか……。良かった……」
紬「だ、大丈夫……? 憂ちゃん……」
憂「はは……。大丈夫です。安心したら、ちょっと腰が抜けちゃって」
梓「……良かったね。憂」
医者「ですが」
憂「……?」
憂(手術中のランプが消えた……)
医者「……」
憂「先生! お姉ちゃんは……!」
医者「……手術は、無事成功しました。
未だ予断を許さない状況ですが、平沢唯さんの命に別状はありません」
憂「そうですか……。良かった……」
紬「だ、大丈夫……? 憂ちゃん……」
憂「はは……。大丈夫です。安心したら、ちょっと腰が抜けちゃって」
梓「……良かったね。憂」
医者「ですが」
憂「……?」
医者「唯さんの意識が戻るか、今の時点では分かりません」
憂「ええっ……。さっき、手術は成功した、って……」
医者「はい。一命はなんとか取りとめましたが、その先については」
憂「なんとか……、なんとかしてくださいっ! 私に出来ることだったら、なんでもしますから!」
医者「……心中お察しします。こんなことを言うのは、少しはばかられるのですが」
憂「……?」
医者「唯さんは、車外に放り出された際に、
コンクリートの塀に強く頭を打ち付けてしまっています。
その衝撃により、頭蓋骨に大きな穴が開いてしまっていました」
憂「……はい。私も見ました」
医者「そこから零れ落ちてしまったために、唯さんは脳の一部が失われてしまっています。
これで生きてるのが、奇跡なくらいなんですよ」
憂「そんな……」
憂「ええっ……。さっき、手術は成功した、って……」
医者「はい。一命はなんとか取りとめましたが、その先については」
憂「なんとか……、なんとかしてくださいっ! 私に出来ることだったら、なんでもしますから!」
医者「……心中お察しします。こんなことを言うのは、少しはばかられるのですが」
憂「……?」
医者「唯さんは、車外に放り出された際に、
コンクリートの塀に強く頭を打ち付けてしまっています。
その衝撃により、頭蓋骨に大きな穴が開いてしまっていました」
憂「……はい。私も見ました」
医者「そこから零れ落ちてしまったために、唯さんは脳の一部が失われてしまっています。
これで生きてるのが、奇跡なくらいなんですよ」
憂「そんな……」
4月3日。午後1時半。
憂がいつものように病室に入ると、唯は珍しく窓の外を眺めていた。
憂「お姉ちゃん。調子はどう?」
その背後から声をかける。
ピンク色のパジャマが、少し揺れた。
憂がいつものように病室に入ると、唯は珍しく窓の外を眺めていた。
憂「お姉ちゃん。調子はどう?」
その背後から声をかける。
ピンク色のパジャマが、少し揺れた。
唯「ねぇ憂。お空が悲しんでる」
姉妹だから、考え方が似るのだろうか。
それとも、同じ苦しみを胸の内に抱えているから、自然と思考が近づいてしまうのだろうか。
憂「そうだね、お姉ちゃん」
複雑な気持ちを心の中に押し留め、憂は感情を込めずにそう答えた。
そのとき、長い病室暮らしで痩せ細り、小さくなってしまった姉の背中が、
さらに頼りないものへと変化したのを憂は見逃さなかった。
唯はしょんぼりと肩を落とし、そして、ため息混じりに口を開く。
唯「お空と一緒で、私も悲しいんだよ。律ちゃん達が来てくれないから」
姉妹だから、考え方が似るのだろうか。
それとも、同じ苦しみを胸の内に抱えているから、自然と思考が近づいてしまうのだろうか。
憂「そうだね、お姉ちゃん」
複雑な気持ちを心の中に押し留め、憂は感情を込めずにそう答えた。
そのとき、長い病室暮らしで痩せ細り、小さくなってしまった姉の背中が、
さらに頼りないものへと変化したのを憂は見逃さなかった。
唯はしょんぼりと肩を落とし、そして、ため息混じりに口を開く。
唯「お空と一緒で、私も悲しいんだよ。律ちゃん達が来てくれないから」
憂「律さん達は」
言いかけて、憂は言葉に詰まった。
胸に刺すような痛みを残して湧き上がってきたものが、目から溢れだしそうになる。
唯「久々に会いたいなぁ。もう何日も会ってないんじゃないかな」
相変わらず、窓の外に広がる灰色の空を眺めながら、
唯は感慨深げにそう言った。
唯「一緒にティータイムやって……。あ、そうだ。
さっき律ちゃん達が来た時に置いていったお菓子があるんだけど」
目を真っ赤にした憂を気にする素振りすら見せず、唯はサイドテーブルをガサゴソと漁り出した。
「あれぇ、ヘンだなぁ」としきりに首をひねりながら、それでも唯は探すのをやめなかった。
言いかけて、憂は言葉に詰まった。
胸に刺すような痛みを残して湧き上がってきたものが、目から溢れだしそうになる。
唯「久々に会いたいなぁ。もう何日も会ってないんじゃないかな」
相変わらず、窓の外に広がる灰色の空を眺めながら、
唯は感慨深げにそう言った。
唯「一緒にティータイムやって……。あ、そうだ。
さっき律ちゃん達が来た時に置いていったお菓子があるんだけど」
目を真っ赤にした憂を気にする素振りすら見せず、唯はサイドテーブルをガサゴソと漁り出した。
「あれぇ、ヘンだなぁ」としきりに首をひねりながら、それでも唯は探すのをやめなかった。
11月7日。午後2時。
律「あ……」
憂「律さん。お身体の方はどうですか?」
律「憂ちゃん……。その……、ごめん。
到底許せないことだってのは分かってるけど……。本当に、悪かった……」
憂「……頭を上げてください。律さんも大怪我してるんですから」
律「でも……! 唯のこと……。私がちゃんと、前を見てたら……」
憂「過ぎたことを言ってもしょうがないですし。それに、全員”命だけは”助かったんですから。
今はそのことを喜びましょう」
律「……」
憂「律さんをはじめ、梓ちゃんに紬さん。それに」
律「憂ちゃん……」
憂「お姉ちゃんと、澪さんも」
律「……」
憂「”命だけは”助かりましたから」
律「あ……」
憂「律さん。お身体の方はどうですか?」
律「憂ちゃん……。その……、ごめん。
到底許せないことだってのは分かってるけど……。本当に、悪かった……」
憂「……頭を上げてください。律さんも大怪我してるんですから」
律「でも……! 唯のこと……。私がちゃんと、前を見てたら……」
憂「過ぎたことを言ってもしょうがないですし。それに、全員”命だけは”助かったんですから。
今はそのことを喜びましょう」
律「……」
憂「律さんをはじめ、梓ちゃんに紬さん。それに」
律「憂ちゃん……」
憂「お姉ちゃんと、澪さんも」
律「……」
憂「”命だけは”助かりましたから」
律「ごめん……。本当に……」
憂「だからいいですって。もう謝らなくても」
律「……」
憂「お姉ちゃんも脳みそが出ちゃって、ずっと意識が無いままだけど生きてますし。
お医者さんが言うには、奇跡的に意識が戻っても、確実に障害は残るらしいですよ」
律「……ぅ」
憂「泣かないでください。お姉ちゃんだってきっと怒ってませんよ。
お姉ちゃん、律さんのこと大好きでしたから」
律「あああああぁぁぁぁ……ッ!」
憂「澪さんも、左腕が無くなって、あの綺麗だった顔もぐちゃぐちゃになっちゃったけど、
全然怒っていませんでしたし。この間会ったときなんて、
律さんに早く会いたいって笑っていましたよ」
律「全部私が悪いんだ……! 私がぁ……ッ!」
憂「……じゃあ、私は帰ります」
律「ああ……っ。ごめんなさい……。ごめんなさい……」
憂「あ、そうだ。明日もお見舞いに来ますから。早く元気になってくださいね、律さん」
憂「だからいいですって。もう謝らなくても」
律「……」
憂「お姉ちゃんも脳みそが出ちゃって、ずっと意識が無いままだけど生きてますし。
お医者さんが言うには、奇跡的に意識が戻っても、確実に障害は残るらしいですよ」
律「……ぅ」
憂「泣かないでください。お姉ちゃんだってきっと怒ってませんよ。
お姉ちゃん、律さんのこと大好きでしたから」
律「あああああぁぁぁぁ……ッ!」
憂「澪さんも、左腕が無くなって、あの綺麗だった顔もぐちゃぐちゃになっちゃったけど、
全然怒っていませんでしたし。この間会ったときなんて、
律さんに早く会いたいって笑っていましたよ」
律「全部私が悪いんだ……! 私がぁ……ッ!」
憂「……じゃあ、私は帰ります」
律「ああ……っ。ごめんなさい……。ごめんなさい……」
憂「あ、そうだ。明日もお見舞いに来ますから。早く元気になってくださいね、律さん」
4月3日。午後2時半。
唯「ダメだぁ。見つからないや」
ようやく諦めたのか、唯は照れ笑いを浮かべながら顔を上げた。
憂はハッと我に返り、壁にかけられている時計に視線を移す。
病室に来てから、もう1時間ほど経過しているのが分かり、憂は驚いた。
唯「また律ちゃん達とドライブ行きたいなぁ」
焦点の合っていない瞳で天井を見上げ、唯は笑みを浮かべる。
だらしなく緩んだ口の端からよだれが一筋垂れていて、
それに気づいた憂は優しくタオルでふき取った。
唯「ダメだぁ。見つからないや」
ようやく諦めたのか、唯は照れ笑いを浮かべながら顔を上げた。
憂はハッと我に返り、壁にかけられている時計に視線を移す。
病室に来てから、もう1時間ほど経過しているのが分かり、憂は驚いた。
唯「また律ちゃん達とドライブ行きたいなぁ」
焦点の合っていない瞳で天井を見上げ、唯は笑みを浮かべる。
だらしなく緩んだ口の端からよだれが一筋垂れていて、
それに気づいた憂は優しくタオルでふき取った。
唯「運転してる律ちゃん、カッコよかったんだよぉ」
唯は意識を取り戻してからも、ずっと夢の続きを一人で見ている。
憂は当然そのことに気付いてはいたが、あえて訂正はしなかった。
どうせ言ったところで理解できないだろうし、
それに、その方が、姉にとっては幸せだと確信していたからだ。
唯「びゅーんって車飛ばしてねぇ」
ただ、憂は時々気になることがある。
自分のせいで律達が死んだことを知ったら、姉はいったいどんな反応をするだろうか、と。
唯は意識を取り戻してからも、ずっと夢の続きを一人で見ている。
憂は当然そのことに気付いてはいたが、あえて訂正はしなかった。
どうせ言ったところで理解できないだろうし、
それに、その方が、姉にとっては幸せだと確信していたからだ。
唯「びゅーんって車飛ばしてねぇ」
ただ、憂は時々気になることがある。
自分のせいで律達が死んだことを知ったら、姉はいったいどんな反応をするだろうか、と。
顔がグシャグシャになって周りからぞんざいに扱われて失意のどん底になった澪ちゃんのマンコを舐めてあげて
「こんな私のマンコ舐めてくれるなんてうれしいよおお」って言わせたい
「こんな私のマンコ舐めてくれるなんてうれしいよおお」って言わせたい
天井の手前にある何もない空間を見つめながら、
ぶつぶつと独り言を漏らしている姉を視界の端に捉え、
憂は自分の罪について考えていた。
憂の”お見舞い”が連日に及ぶと、律に明らかに見て取れるほどの変化があった。
最初は、人が部屋に来ると怯えた態度を示す程度だったが、
徐々に小さな物音にすら過剰に反応するようになっていった。
そんなある日、奇跡的に意識を取り戻した唯に対して謝罪の気持ちを綴った手紙を残し、
律はカーテンレールにかけたタオルで首を吊った状態で死んだ。
ぶつぶつと独り言を漏らしている姉を視界の端に捉え、
憂は自分の罪について考えていた。
憂の”お見舞い”が連日に及ぶと、律に明らかに見て取れるほどの変化があった。
最初は、人が部屋に来ると怯えた態度を示す程度だったが、
徐々に小さな物音にすら過剰に反応するようになっていった。
そんなある日、奇跡的に意識を取り戻した唯に対して謝罪の気持ちを綴った手紙を残し、
律はカーテンレールにかけたタオルで首を吊った状態で死んだ。
その日、律の見舞いを予定していた梓と紬は、それ以来病院に寄り付かなくなった。
一報を聞いた澪も、ふさぎ込んでしまったのか、
自身の病室からあまり外に出なくなったらしい。
そして、律が死んでから数日後、律とほとんど同じ状態で死んでいる澪が、病室から発見された。
今でも唯は、律達の幻影を追い続けている。
その度に、憂はいたたまれない気持ちになった。
自身の引き起こしたことが、結果的に唯を孤独にさせてしまったのだと、
自責の念にかられてしまったのである。
一報を聞いた澪も、ふさぎ込んでしまったのか、
自身の病室からあまり外に出なくなったらしい。
そして、律が死んでから数日後、律とほとんど同じ状態で死んでいる澪が、病室から発見された。
今でも唯は、律達の幻影を追い続けている。
その度に、憂はいたたまれない気持ちになった。
自身の引き起こしたことが、結果的に唯を孤独にさせてしまったのだと、
自責の念にかられてしまったのである。
1月22日。午後3時。
憂「その……、お姉ちゃんが寂しがっていて」
紬「……ごめんなさい。病院へ行くと、律ちゃんのことを思い出しちゃって。
それに、澪ちゃんも……」
憂「そう、ですか」
梓「憂、ごめんね……? 私も、その、ムギ先輩と同じで……」
憂「……いいよ。二人の気持ちも分かるから」
紬「他に手伝えることがあったら言ってね?
毎日唯ちゃんのお見舞いじゃあ、憂ちゃん、自分のこともろくにできないでしょう?」
憂「ありがとうございます。でも、お気持ちだけで十分ですから」
紬「そう……」
梓「憂、困ったことがあったら、なんでも相談してね」
憂「うん。ありがとう。……じゃあ私、お姉ちゃんのお見舞い行ってくるね」
憂「その……、お姉ちゃんが寂しがっていて」
紬「……ごめんなさい。病院へ行くと、律ちゃんのことを思い出しちゃって。
それに、澪ちゃんも……」
憂「そう、ですか」
梓「憂、ごめんね……? 私も、その、ムギ先輩と同じで……」
憂「……いいよ。二人の気持ちも分かるから」
紬「他に手伝えることがあったら言ってね?
毎日唯ちゃんのお見舞いじゃあ、憂ちゃん、自分のこともろくにできないでしょう?」
憂「ありがとうございます。でも、お気持ちだけで十分ですから」
紬「そう……」
梓「憂、困ったことがあったら、なんでも相談してね」
憂「うん。ありがとう。……じゃあ私、お姉ちゃんのお見舞い行ってくるね」
そういえば澪ちゃんも事故の原因になったもんね
どっちみち顔がグシャグシャで片腕無くしてるなら、それを理由に自殺してもおかしくないけど
どっちみち顔がグシャグシャで片腕無くしてるなら、それを理由に自殺してもおかしくないけど
紬「……梓ちゃん。私、ああ言ったけど、本当は」
梓「分かります。……多分、私も同じこと思ってます」
紬「……私ね、あんな唯ちゃん、もう見たくないのよ」
梓「……はい」
紬「ごめんなさい、梓ちゃん。思い出すのもつらいわよね」
梓「……」
紬「あんなに突然怒り出したり、かと思ったら急に笑ったり……。
同じこと何回も言うし、何もないところ見ながら話したり、人の言うこと聞かなかったり……」
梓「……」
紬「私、唯ちゃんのことが大好きだから……、余計に……」
梓「……分かります」
梓「分かります。……多分、私も同じこと思ってます」
紬「……私ね、あんな唯ちゃん、もう見たくないのよ」
梓「……はい」
紬「ごめんなさい、梓ちゃん。思い出すのもつらいわよね」
梓「……」
紬「あんなに突然怒り出したり、かと思ったら急に笑ったり……。
同じこと何回も言うし、何もないところ見ながら話したり、人の言うこと聞かなかったり……」
梓「……」
紬「私、唯ちゃんのことが大好きだから……、余計に……」
梓「……分かります」
4月3日。午後3時。
憂「お姉ちゃん、ごめんね」
先程からずっと一人で喋っていた唯に、憂は謝罪の言葉を投げる。
唯のフラフラと彷徨う視線の先は、
憂の左側後方に飾られている造花の位置に落ち着いた。
唯「ごめんって、何が?」
憂「お姉ちゃん、ごめんね」
先程からずっと一人で喋っていた唯に、憂は謝罪の言葉を投げる。
唯のフラフラと彷徨う視線の先は、
憂の左側後方に飾られている造花の位置に落ち着いた。
唯「ごめんって、何が?」
首を傾げた唯の口元から再びよだれが垂れた。
憂がタオルでそれをさっと拭う。
憂「ひとりぼっちにしちゃって、ごめん」
唯は一瞬きょとんとした顔を見せたが、すぐに、大きく目を見開いたまま笑い声を漏らした。
唯「あはは。ひとりぼっちって、憂がいるじゃん。それに。
ああ、そうだった。さっき律ちゃん達が来ててね、お菓子を置いていったんだった」
サイドテーブルの中身を引っ掻き回している姉の姿を、
憂が寂しげな目で見つめていた。
憂がタオルでそれをさっと拭う。
憂「ひとりぼっちにしちゃって、ごめん」
唯は一瞬きょとんとした顔を見せたが、すぐに、大きく目を見開いたまま笑い声を漏らした。
唯「あはは。ひとりぼっちって、憂がいるじゃん。それに。
ああ、そうだった。さっき律ちゃん達が来ててね、お菓子を置いていったんだった」
サイドテーブルの中身を引っ掻き回している姉の姿を、
憂が寂しげな目で見つめていた。
>>97
うわぁ...
うわぁ...
4月3日。午後3時半。
病院から外に出ると、憂は空を見上げた。
相変わらず曇ってはいたが、どうやら鞄の中の折り畳み傘は必要ないらしい。
しかし、この空模様だ。いつ降り出すとも分からない。
湿った風に髪を揺られながら、憂は家路を急ぐ。
いつもと変わらない景色の中で、憂の頭の中を占めるのは、
姉と、姉の友人達のことだった。
――私の、頭の中。
ふと、憂は思った。
――お姉ちゃんのからっぽの頭の中には、何が詰まっているんだろう。
とても馬鹿げた考えだった。
――そして、私の頭の中には、いったい何が詰まっているんだろう。
病院から外に出ると、憂は空を見上げた。
相変わらず曇ってはいたが、どうやら鞄の中の折り畳み傘は必要ないらしい。
しかし、この空模様だ。いつ降り出すとも分からない。
湿った風に髪を揺られながら、憂は家路を急ぐ。
いつもと変わらない景色の中で、憂の頭の中を占めるのは、
姉と、姉の友人達のことだった。
――私の、頭の中。
ふと、憂は思った。
――お姉ちゃんのからっぽの頭の中には、何が詰まっているんだろう。
とても馬鹿げた考えだった。
――そして、私の頭の中には、いったい何が詰まっているんだろう。
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