憩「ほーら出るで出るで～」

恭子「なんか、憩ちゃんが生き生きしだしたな」

咲「はい、何か吹っ切れた感じですね…」

憩「モニターくるでー！」

郁乃「後生やー！やめて～ウチの希望を摘み取らないで～」

？？？「…んぅ…」

恭子「おぉ…あれが私らの…」

咲「かわいい…」

憩「しっかし小さい子が出てきたな～…まだ６歳くらいやないか…これ…」

ﾜｸﾜｸ

郁乃「…ホンマに結婚して子供までできてまうんか…（絶望）」

憩「いや、そういうシステムですし。これ」

恭子「顔は咲に似てるか…？」

咲「…髪の色は恭子さん譲りできれいな紫色ですね…」

郁乃「（…顔は確か宮永ちゃんに似とるな。でもどことなく末原ちゃんの面影が見えるようで…ってなに考えとるんやウチは）」

？？？「ぅ…」

憩「お、起きるみたいやね～」

？？？「ここ…どこ？」

恭子「か、かわいい…目の色は咲譲りなんや…」

咲「なんか、小さい頃の私に似てるような…髪型もそのままだし…」

？？？「ふ、ふぇぇ…おねえさんたち…だれですか？」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

憩「何か小動物みたいでかわいらしいわ～」

咲「怖がらないでいいよ？私たちは…」

恭子「咲、ストップや。今は変に情報を与えたらいかん」

咲「どうしてです？」

恭子「こんな小さな子に自分たちが自分の過去の両親やって言うても警戒されるだけや。ここは警戒を解いてから話を聞いたほうがええ」

咲「…そう、ですね。警戒されたら元も子もないですし…」

？？？「？？？？」

恭子「ごめんな。驚かせてもうて…きみ、お名前はなんて言うんや？」

？？？「さきこ…すえはら…さきこ…７さい…です」

郁乃「…咲子？両親から１文字ずつもらっただけ？そういうのどうかと思うなぁ～ウチは」

郁乃「名前の最後に子がつく最近の子供はいじめられるらしいで～そういうのは慮ってやらんと～」

憩「いやらしいとこにケチ付けますね…赤坂さんは」

恭子「ぐぬぬ…確かに咲子は…」

咲子「…………あ、あのっ！」

咲「どうしたの？咲子ちゃん？」

咲子「…わたし、じぶんのなまえすきです…きょうこおかあさんもさきママもどっちもだいすきだから。だから…」

恭子「…咲子ちゃん…」

咲「……」

郁乃「……ってなんや！ウチを悪者扱いして！」

ええ子やぁ

憩「…いや、悪役扱いされない理由がないでしょう。これまでの行いを考えてくださいよ」

郁乃「ぐぬぬ…」

咲子「えと…」

憩「気にせんでええよ？この人は少しばかり残念な人なんや」

郁乃「残念とはなんや！ウチは年上やで！少しは敬って…」

憩「そういうのは敬えるほどの行動してからおっしゃってくださいね～？」

郁乃「」

恭子「おおぅ…あの代行が…」

咲「押されてますね…」

郁乃「ぐぬぬぬ…」

郁乃「（…まぁ、ええわ。とにかくこのままあの子供の悪いところを指摘し続けていけば…）」

郁乃「（末原ちゃんは宮永ちゃんに幻滅し自然にあのカップルは破局する…）」

郁乃「（その間実権をを取り戻して再度チャレンジすれば…ほら、いくのん大勝利待ったなしや！）」

郁乃「（いわばまだ東２局みたいなもん…いくのんはまだまだあきらめへんで～！）」ﾆﾔｧ

恭子「……………………」ﾌﾞﾙｯ

咲「恭子さん？大丈夫ですか？顔色が…」

恭子「…あ、うん。大丈夫や。少し悪寒がしただけや…」

憩「（絶対ロクなこと考えてへんのやろな～この人）」

咲子「……………」

恭子「あっ、ごめんな。置いてけぼりにしてもうて」

咲子「だ、だいじょぶ…です。えと、それよりわたし、なんでこんなところにいるんでしょーか」

憩「あ～そういや説明しとらんかったなー」

咲子「わたし、おうちでおるすばんしてたはずなんですけど…」

憩「ごめんな。ちょっと難しい話になるから…それは後で。」

咲子「え？」

咲「先にちょっとだけでいいからお家のことと咲子ちゃんのことを私たちに教えてほしいの」

恭子「今は何も言えへんけど…信じて欲しい。私らのこと」

咲子「……わかりました。」

恭子「！ええんか？！」

咲子「おうちのことをはなすくらいならだいじょーぶ…だとおもいます。たぶん」

咲子「それで、なにをはなせばいいんでしょーか」

4

しえん

咲「おうちでお留守番って言ってたけど…わ…ご両親は何をしてるの？」

咲子「おみせにでてます。おうちはおこのみやきのおみせをやってて…」

恭子「…そうなんや…（やっぱり咲と夫婦で店継いでるんや…嬉しいなぁ）」

咲子「テレビでしょうかいされたりとかして、けっこうゆうめいなんだそうで…いつもいそがしいんです」

恭子「…へーそうなんや…って、えぇ！？繁盛しとるの！？あの店が！？」」

咲子「さいしょからあじじたいはよかったらしいですから。でもプロのひとがよくきてるっていうことがしられてからいっきにゆうめいになった…らしいです」

咲「プロの人？」

咲子「てるちゃんとかひろえちゃんとかです。うちにはマージャンのプロのひとのサインがいっぱいおいてあるんですよ」

咲「そうなんだ…」

咲子「あっ、このあいだははやりんがきてました！わたし、サインもらって…」

咲「はやりん？ってあの瑞原プロのこと？」

咲子「はい！はやりんはもうアラフォーなのにがんばってて。それでファンに…」

郁乃「…まさかまだアイドルはやってへんよね？」

咲子「？？はやりんは、アイドルですよ？」

憩「うわぁ」

恭子「アラフォーアイドル…これは…」

郁乃「…あかん。笑おうと思っても笑えへん」

咲「…きつい…」

きつい…

松田聖子…

咲子「は、はやりんをわるくいわないでください！がんばってるんです！あ、アンチエイジング？とかとくに！」

恭子「…咲子ちゃんよくそんな言葉覚えたな…」

咲子「はやりんがいってましたから！」

憩「子供に何言うとるんやあの人は…」

咲子「えと…わたしのおうちはそういうかんじです。」

恭子「あ、ありがとう…（瑞原プロのファンはいかんやろ…どういう教育しとんねんウチは…）」

咲「えぇと…咲子ちゃんのご両親はどんな人なのかな？」

咲子「きょうこおかあさんとさきママのことですか？」

咲「うん」

咲子「きょうこおかあさんはたよりになるやさしいひとです」」

咲子「さきママはやさしいひとで…みんなからにんきがあります」

恭子「たよりになる…か。はは、そう言われるのはやっぱり親としてはうれしいな」

咲子「きょうこおかあさんはべんきょうもおしえてくれるし、みんなからたよりにされてて、すごいなぁっておもいます」

咲子「いろんなことをしっていて…いろんなことをおしえてくれますし」

憩「ほぅ…さすがにいいお母さんしてはりますね？」

恭子「まぁ、悪くはなさそやな…」

しえ

咲「さきママはどう？」

咲子「さきママはとってもやさしいです。ごはんもおいしいし、いつもいいにおいがします」

咲「良い匂いって…」

郁乃「…お好み焼屋さんが香水つけてちゃダメやん。常識がないんちゃう？」

咲子「いいにおいっていうのはあまいにおいです。うちのおみせはパフェもにんきで」

咲子「パフェはママのたんとうなんですよ。だからです」

郁乃「……………」

憩「お好み焼きとパフェがおいしい店か～女子高生が集まりそうなお店やねーウチも興味あるわ～」

咲子「それならぜひともわがこなもんていへ！」

恭子「おー…なかなかいい売り込みやん」

咲子「そ、そうですか…？いちおうかんばんむすめというやつなので…うれしいです」

恭子「そういえば…さきママはお客さんに人気があるらしいけど…それってどんな感じなんや？場合によっては…」

心がほんわかする

咲子「さきママをめあてにしてくるじょうれんさんがけっこういるんです。たとえば、のどかちゃんとかあわいちゃんとか」

咲「和ちゃん？」

咲子「はい。とくにのどかちゃんはまいにちのようにうちのおみせにきますね」

恭子「なんやそれ…ちょっと異常やないんか」

咲子「？べつにへんじゃないとおもいますよ？わたし、のどかちゃんすきですし」

憩「いやぁ、さすがに毎日はおかしいで…」

咲子「でも、「じょうきゃくだからむげにはできない」っておかあさんはいってました」

憩「まぁほぼ毎日来るならそら上客も上客やろね…」

郁乃「原村ちゃん引くわ～ウチでもそんなことやらんで～？」

パフェぱっか食ってるんだろうな

和の狙いは咲子

好きな子の娘とデキちゃった映画あったな

娘が同級生となんて嫌すぎる

多分いくのんも「じょうきゃく」だろ

憩「（まぁ、この人の場合なら店ごと買収して末原さん手に入れようとするやろな）」

郁乃「（ウチなら店ごと手に入れて末原ちゃんを手中に収めるしな～）」

咲子「ということで、うちはおかあさんたちはすごくなかがいいですし、わたしのじまんなんですよ」

憩「いいご両親をもったね」

咲子「はい！」

恭子「（うまくやれてるみたいでなによりやな）」

咲「さっきまでは何をしていたの？あ、おうちにいたときの話だよ？」

咲子「がっこうのしゅくだいです」

しえん

咲子「きょうのしゅくだいはさんすうのけいさんで…」

咲子「けいさんドリルをやっていたところでした」

憩「咲子ちゃん。えらーい」

咲「学校はどう？」

咲子「…たのしいです。ほんもいっぱいおいてますし。」

恭子「そうか…お友達はどれくらいおるんや？」

咲子「……………」

咲「あ……………」

こら咲の娘ですわ……

関西人の血がんばれよ…

のど子ちゃんとかいないのか？

京太郎みたいなのが居ないからな…

郁乃「なに～さきこちゃんともだちおらんの～？」ﾆﾔ

憩「…赤坂さん！」

咲子「うぅ………………いません」

咲「そうなんだ…（本当に私と似てるよ…）」

郁乃「いかん。いかんでぇ～協調性のない子はアカン～」

咲子「うぅ…」

恭子「ちょっと代行！子供をいじめるのは大人げないんちゃいますか？！」

郁乃「べっつに～いじめてなんかおらんよ～ただ事実を言ってるだけやし～」

憩「性格悪いな～…赤坂さんは…」

咲子「いいんです…ともだちをつくれないのはわたしがゆうきがないからなので…」

咲子「わたしほんとうはともだちがほしいんです…でも、わたしきがよわいし…おもしろいわけでもですから…」

咲子「ともだちになってもらえるかわからないし…こわくて…」

店に来る大人相手は平気？

咲「咲子ちゃん…」

恭子「……………………」

郁乃「（これはデカいで！友達がいない暗い子が人に好かれんのは世の常！末原ちゃんの評価も激落ち不可避や～）」

恭子「…そか。えらいな。咲子ちゃん」

咲子「え…」

郁乃「へ？」

咲「…恭子さん？」

恭子「咲子ちゃんは偉いわ。友達ができない理由が自分にあることがちゃんとわかっとる。それはすごいことや」

咲子「…そう、なんですか？」

恭子「せや。世の中には自分に友達ができないわけを他人に押しつけとる奴なんて腐るほどおるしな。７歳にして理由がわかっとる子なんてそうおらんやろ」

知能指数の高い子って同年代の子供とは思考とか語彙に差があってうまくいかなかったりするんだよね

>>87
にゃんぱす的な？

咲「…恭子さん…」

恭子「それさえわかっていればええんや。友達ができるの時間の問題…私はそう思うで？」

憩「…せやな…ウチも同意見です。咲子ちゃんは偉い！あとは行動するだけや」

咲子「こうどう…」

恭子「…せや。行動するんは決めたらすぐ。それがええ」

咲子「…………でも、わたし…」

恭子「大丈夫。あんたはあの二人の娘なんやろ？きっとうまくやれる。私はそう信じてるから」

咲「恭子さん…」

憩「ウチも信じてる。だから…頑張ってみんか？」

咲子「…………………………………」

咲「私は大したことは言えないけど…咲子ちゃんは良い子だから大丈夫…」

咲「きっと、うまくいくから。」

咲子「…………わかり…ました。がんばってみます…」

恭子「よし！なら今すぐ行動やな！」

咲子「はい…！いまからちかくにすんでるこたちのあそびばにいってみます…！」

憩「がんばりやー！」

咲「うん！がんばって！」

咲子「それじゃ…わたし…」

憩「うん。帰るんやね。わかっとるよ～」

咲子「……あの」

恭子「…どした？」

咲子「…なんでもありません」

代行の株の暴落が止まりません

じゃあ今のうちに買っておくか

憩「まもなく接続、きれるでー！」」

咲「………………………」

咲子「……………………………」

恭子「……………………………」

咲子「……っ、わかいきょうこおかあさんとわかいさきママありがとう！わたし、がんばるからっ！」

ｼｭﾝ

恭子「…気付かれてたみたいやな」

咲「…そうですね…」

恭子「…安心したわ。ホンマに、ホンマに…ええ子やった」

咲「…幾分、私に似すぎてるのが少し気掛かりですけど…そうですね。とても、いい子でした」

咲が恭子さんって呼ぶのがすごく好きだわ

しえ

支援

恭子「………………………」

咲「…………………………うぅ……」

恭子「なんや、咲。泣いてるんか？」

咲「…泣いてませんよ…」

恭子「嘘つけ。泣いてるやんか」

咲「…だって、私たちのこと…！」

恭子「…せやな。さすがに来るものがあるな」

咲「…お友達…できるでしょうか…」

恭子「できる。だって私らの自慢の娘やで？むしろできなかったらおかしいわ」

咲「…そうですね。恭子さんの言う通りです…」

恭咲は良いSS多いね

あのいくのんがここまで押されてるssも珍しい

恭子「…咲。」

咲「…何ですか？」

恭子「幸せになろな」

咲「…はい。」

恭子「…憩ちゃん。今日はホンマにありがとう…いい経験、させてもろたわ」

憩「いえいえ、こちらこそ～ええもん、みせてもらいました。また、あの子と会えるとええですね」

咲「はい…それは本当に、切に。そうおもいます」

郁乃「…………………………………………」

恭子「…代行。あなたの気持ちはわかりました。でも、私には咲がいる…だから、謹んでお断りします」

郁乃「………………………」