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    元スレ北斗「趣味はヴァイオリンとピアノかな☆」

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    101 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:02:47.11 ID:A5OjvD7+0 (-27,-15,+0)
    102 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:05:28.10 ID:Vrkv66zr0 (+16,+26,+0)
    星井
    103 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:05:53.73 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-101)
    『~♪ ♪』

    北斗「これは…………俺の、……!!!」




    疾走。快活なテンポで、野を行く一匹の兎。純真を帯びるアレグロ。

    その音は次第に装飾を重ね。

    潜んだ影がうねりを伴い表層に浮かび、哀切の響きをもたらしていく。

    転調。しかしそこに在るのは悲痛さだけではなくて――――




    煌いて、輝いて、不屈で、強くて、素晴らしくて、元気で、まっすぐな、






               希望が乗っている。
     

     
    104 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:09:51.24 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-92)
    歌。――そう歌だ。


    綴られていく世界は、夢見る幼い子どもの希望と試練。


    零れる寒さと、暗き道。


    宝物を見失い、寄る辺なく漂って。


    それでも手を取り歩き出す。


    光。――――光。光。光。


    前進する。憂いに涙が溢れても。


    背中が熱い。


    それは来し方。かつての夢からの熱い風。


    背を押され。手に導かれ。――――そうこの道こそ。
    105 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:11:11.05 ID:puL5LQoL0 (-19,-9,-1)
    支援
    106 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:12:21.88 ID:qhdgqoYT0 (+49,+29,-18)
    『――――――――――あの日私が求めた世界』
















    ――おいっ! 北斗! どこに行くんだ!

    ――待ってよ! ねえ!
    107 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:18:07.83 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-148)
    千早「それでは。また来週お会いしましょう……」

    千早(作曲されてない後半部分。私はその空白に仲間に貰った暖かさと、強さを入れた)


    控室

    千早「ふう。……やれたわ。私」

    「やったな! 千早!」

    春香「千早ちゃん!」ギュッ!

    千早「わ、春香!」

    春香「えへへ。生歌聴いてたらなんかすっごく千早ちゃんありがとーって気分になっちゃって」

    千早「そう……」

    春香「伝わってるといいね」

    千早「うん。伝えられた、と思う」

    「そろそろ控室出るぞ。事務所でささやかな打ち上げでも……」


    バン!


    北斗「……はっ……はっ……ッ!」
    108 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:18:49.95 ID:puL5LQoL0 (-25,-15,+0)
    109 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:19:09.27 ID:bO2iXKjp0 (+14,+29,-11)
    ほくほく
    110 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:20:10.41 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-78)
    「うおっ! 北斗!? お前女性アイドルの控室に……」

    千早「伊集院さん!? あの――」

    北斗「――――『なんてことを』」ツカツカ









    北斗「してくれたんだっ!!!」ガシッ!!

    千早「きゃっ……!」

    春香「わわっ!?」

    「なっ!」
    111 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:24:28.47 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-111)
    千早「え、あの」

    北斗「人の曲をっ!! 勝手に!! あんな風に歪めて…………っ!!!」

    千早「か、肩、い、痛……い……!!」

    「!! 北斗! 千早を放せ!」ガッ!

    北斗「あの曲はっ、あんなんじゃない!! あんな意味を持っていない!! あんな! あんなあんな!!!」

    北斗「あんな…………曲じゃっ…………!」

    千早「う……ぁ……」




    冬馬「北斗ォォォッッッー――!!!」ドガッ!!!

    北斗「ぐっ!?」


    春香「冬馬くん!?」
    112 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:27:19.22 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-170)
    冬馬「てめぇ……!! なにやってやがる!!」

    北斗「こいつは……俺の、俺だけの曲を、奪い去ったんだよ! 冬馬!!」

    (! あの北斗が女性を『こいつ』呼ばわり……!?)

    千早「はっ、はぁ……」

    春香「千早ちゃん大丈夫!?」

    千早「奪い、去った……?」

    北斗「あの曲は……俺がピアニストを目指してた頃から作って……その夢が挫折してからも作って……もう二度と作れない、過去を閉じ込めた曲なのに……!!」

    千早「――え」

    北斗「最後をあんな曲調にして……どんなアナリーゼだ……っ!! 無責任に希望をばら撒くような安易な曲にして……っ!」

    北斗「よくも……!!」バッ


    三条馬「ぜはっ! 北斗くんストーップ!! 落ち着いて!」

    「マネージャーさん!」
    113 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:29:24.67 ID:VOW6rqRp0 (+24,+29,-15)
    ジュピターSSとは珍しい
    114 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:29:36.07 ID:stqRICmB0 (+4,+14,-12)
    しえん
    115 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:34:49.80 ID:qhdgqoYT0 (+53,+30,-138)
    北斗「たった一つ、たった一つしか無かったのに……」

    千早「い、伊集院さん。私は……夢が繋がっていることを伝えようと――」

    北斗「そんなことは知っている!! あの曲に入れるな!」

    千早「!! …ぁ…あぁ……」

    冬馬「北斗止まれバカ野郎!! おい! あんた手伝ってくれ!」

    「わ、分かった!」

    翔太「うわ、わわ! どういう状況これ? とりあえず、北斗くん止めた方がいいよね!」

    三条馬「部屋どっか借りてくる!」

    千早「私……私は……」

    春香「落ち着いて!」



    千早「取り返しのつかないことを……」
    116 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:34:59.79 ID:fjNwXMxg0 (-4,+5,-2)
    しえ
    117 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:35:53.94 ID:puL5LQoL0 (+4,+14,-12)
    しえん
    118 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:37:46.13 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-112)
    ――

    ――――

    冬馬「北斗……お前……」

    (どうにかこうにか部屋に連れ込んだと思ったら、北斗顔に手を当てて突っ伏してしまったな)

    翔太「これ……」

    三条馬(泣いている、わよね)


    北斗「――……」




    前の検査から、ほとんど腱の再建は不可能だと言われていた。

    だから今回精密検査を受ける前から、ピアニストの夢はもう二度と蘇らない予感はしていた。

    だが自分のためのピアノを見つけ、絶たれた夢のための曲を伊集院北斗は創っていた。
    119 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:37:51.63 ID:ssN6WPij0 (+24,+29,-2)
    ちーちゃんの心情を考えると胸が痛む
    120 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:42:02.80 ID:VOW6rqRp0 (+29,+29,-4)
    この手の相手を思ってのことなのに傷つけちゃう展開は辛い
    121 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:42:13.16 ID:stqRICmB0 (+29,+29,-5)
    どっちも自分の思いを音楽に綴ろうとしただけなのにな
    122 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:44:37.05 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-231)
    それは北斗が夢に向けて綴る葬送の曲であり、ピアノと出会えた感謝を表す曲であり、これからもピアノを愛することに誓いを立てる曲だった。

    どこにも繋がらなくてもいい、伊集院北斗とその夢とピアノが捧ぐ、ミューズへの届かぬ恋文。

    ――自分と夢と音楽へのけじめの曲。


    それが、きらめく少女達の手に渡り。希望を積まれ、未来への前進の意思を注がれ、弱っている人に響くようにと。

    ――――応援曲に『整形』させられていた。




    もう二度と作れない、あの日の閃きによって成る曲。

    静粛に自分に向き合い彫琢した音階。

    続きを作曲しようと思っても、この日歪められたという記憶が、その指針を見失わせる。


    新たに入ってきた失望と、憤激と、悲哀。そして、変形した完成版の曲調。

    心からそれを排除して作曲は、望むべくもないだろう。


    この日。伊集院北斗だけのあの曲は、失われた。――再建しようがないほどに。
    123 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:45:41.89 ID:A5OjvD7+0 (-27,-15,+0)
    124 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:45:54.68 ID:YPCahD7NP (-4,+5,-2)
    しえ
    125 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:49:59.25 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-169)
    765プロ

    律子「着いたわよ。千早……」

    律子(プロデューサーから連絡が合って千早と春香を迎えに行ったものの……)

    千早「うっ……うぅぅっ……」グスッグスッ

    律子(こんな風に泣いてるなんて……)


    律子(ジュピターとはプロデューサーが話をつけるとして、問題はどう千早を慰めるかね)

    春香「千早ちゃん泣かないで」

    千早「ひぐ……っ……ぅぅ」

    あずさ「ほら。よしよし。伊集院さん怖かったわね?」

    千早「違うんです! 悪いのは……私なんです……っ」

    千早「盗作です…………侮辱です……っ!」

    春香「要所要所のフレーズだけでしょ? 思い出してもらえるようにって……」

    千早「それが、歪めているってことなのよ!!」

    やよい「千早さん……っ」
    126 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:50:07.65 ID:stqRICmB0 (+23,+28,-13)
    ここからどうなるのか
    127 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:53:10.21 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-154)
     
    千早「自分に勝手に重ね合わせて! 夢は続いていくなんて……なんて無責任なおせっかいを!」

    千早「そのせいで、そのせいで……彼が心の大事な部分で守っていた、たった一つの宝物を……私は汚してしまったんだ……!」

    千早「あの人は。もう……覚悟を決めていたのに!」

    千早「久遠に在る音楽の神様が微笑んでくれなくても、その後ろ姿をずっと追いかけるって……

       自分の夢を無かったことにしないって、そうやって、しっかり乗り越えていたのに!」

    千早「あの人だけの曲を、あの人だけの痛みを……こんな、まるで違う風に歪めて……っ!!

       私……最低だ……」

       

    千早「なんてことを……して、しまったのかしら……っ」
     
    128 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:56:23.33 ID:03JkxOO+0 (+1,+8,-2)
    なんかワロタ
    129 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:56:54.13 ID:03JkxOO+0 (+16,+21,+0)
    失礼>>128は誤爆
    130 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 01:58:04.90 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-295)
    冬馬「――そういうことか。そんな大事な曲ならよ、趣味だなんて言ってごまかさなきゃ良かったんだよ」

    翔太「ちょっと冬馬くん」

    北斗「……」

    冬馬「誰にも触れてほしくない、一人でやりたい、そんな言い方もあったはずだぜ。自業自得だ」

    「おい……そんな言い方、北斗があまりに……」

    北斗「……そうだな」

    北斗「なんてことはない。俺のせいだ」

    「千早はな、声出なくなったことがあるからさ、お前をほっとけなかったんだと思うんだ」

    「それで希望を持ってもらいたいって……その想いは純粋で、本当なんだ。そこは分かってくれ」

    北斗「……はい。ひどい真似をしてしまいました」

    「ああ。どうだろう。今回歌ったこの曲、CDに収録するのやめるから、この件に対しては……」

    北斗「問題にする気はありませんよ。CDに収録して下さっても結構です。あれはもう、彼女の曲になっている」
       彼女は、あの曲が表に出ないと知って、拾いあげてくれようとしたんでしょう…………」

    三条馬(北斗くん。声に起伏がない……)

    北斗「こちらこそ乱暴してしまって。謝罪します」

    「いや、こちらこそ……」
    131 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:00:31.60 ID:stqRICmB0 (+29,+29,-6)
    泣いてる千早って正直ドキッとしてしまう
    132 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:00:49.06 ID:qhdgqoYT0 (+53,+30,-112)
    (男の意地、みたいなもんか)

    (正直、気持ちは分かる)

    (もし765プロが無くなって、アイドル達が離れて行っても……俺はプロデュースをやめないだろう)

    (最後に残った一人に全てをかけて、輝かせようとするだろう)

    (それは仕事というより、自分自身と不可分になってしまった営みなんだろうな)

    (男の自己満足……とも言えるが。その頂点に肉薄しようとする気持ちとかは、全然馬鹿に出来ない)

    (それは、本当に純粋な思いだから)

    (千早もそれがわかるだろう。だからこそ、傷ついてしまうんだろうな……)


    (問題は、千早のケアか)
    133 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:05:44.68 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-67)
    ――

    ――――

    北斗「…………」

    北斗(ピアノの前に座ったはいいものの……全然作曲する気にならない)

    北斗(だが、涙が出てこなくは、なった)

    北斗(喪失感には慣れたか。ようやく)

    北斗(千早ちゃんとの話し合いの時刻。まだ時間があるが……)

    北斗(もう、やれることはないだろう)

    北斗「……行くか」

    北斗「謝らないとね」
    134 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:08:24.20 ID:fjNwXMxg0 (+24,+29,-3)
    北斗さん男前すぎて辛い
    135 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:08:24.83 ID:8f39eQCL0 (+19,+29,-13)
    なぜかケンシロウかと思ってしまった
    136 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:08:41.64 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-176)
    ――


    千早「すいませんでした!」

    北斗「っ!」

    「本当にすまなかった北斗」

    千早「私! 本当にとんでもないことを! あなたの人生に土足で踏み行って! どうお詫びしていいか……!!」

    北斗「待ってくれ千早ちゃん」

    千早「は、はい」

    北斗「まず、一つ。あの時乱暴な真似をしてすまなかった。伊集院北斗にあるまじき行為……いや男として間違った振る舞いだった。傷ついたのなら許してほしい」

    千早「…………っ! あれくらい当然です! 私があなたの立場だったらもっとひどいことをしています!」

    「おい、千早!」

    三条馬「まあまあ、お互い悪いって思ってるんなら、話は早いわ! 765プロさん。この度は本当に……」

    「いえいえジュピターさんの方にも……」


    千早「――わかってるんです。私が謝ってもあなたのあの曲は帰ってこない……」

    北斗「もうその話は無しだ千早ちゃん。俺の振る舞いが悪かったんだよ」
    137 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:09:57.54 ID:4DrT6mIR0 (+24,+29,-5)
    まあちょっと安易に踏み込んじゃったよね
    138 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:15:25.41 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-145)
    千早「あなたが許しても、私自分で自分を許せません!」

    北斗「千早ちゃん……そう自分を追い詰めちゃダメだよ。俺は女性にそんな顔をしてもらいたくはないんだ」

    北斗「格好、つけさせてくれ。頼む……」

    千早「……あなたが、そんな悲しい目をしてることが私には耐えられません」

    千早「責任の取り方ずっと考えたんです。あなたの音楽的な失望につり合うのはどんなことかって……」

    千早「悩んで悩んで、決めました。伊集院さん」


    千早「私――――あなたに言われた曲を封印します」


    「千早……! それは保留だと言っただろ!」

    北斗「君の歌声が聴けなくなることに、メリットはないよ。むしろデメリットに感じる」

    千早「私も……あなただけの、あの曲が完成しなかったら、悲しいと思います。だから、です。こうしないと釣り合わない……!」
    139 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:16:08.49 ID:Dn0Qrbrr0 (+19,+29,-17)
    北斗軍団のボスかと
    140 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:19:31.34 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-219)
    北斗(この子…………本気だね)

    千早「――!!」

    北斗(なんて、音楽にひた向きな……全身全霊をかけていないと、こんな償い方出てこない……)

    北斗(許す……か。俺はどうやったらこの子を許せる。問題は……そこだ)

    遠く響いていたBGMが、この喫茶店の個室の沈黙の上に積もっていく。


    北斗(これ、ブルックナーか……)

    北斗(小さな時から、好きだったな)

    北斗(あの時の純心を……まだ残していたのが、あの曲の冒頭なんだった……)


    あの曲を思い出す。そしてそれは連鎖して、耳に残るバレンタインデーのあの千早の歌を否応なしに思い出させる。


    北斗(そう、あの歌は……この子が作ったんだ)
    141 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:21:21.75 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-103)
    北斗(女のことが歌を贈ってくれた。それ自体は、嬉しいことだ)

    北斗(そして、女性の思いを無碍にするのは、伊集院北斗のするところじゃない)

    北斗(人生に降ってわいたこの出来事)

    北斗(それが悪いことか、いいことか。決断しなきゃならないのは…………俺か)

    北斗(女の子の決意がかかってる)

    北斗(そんな時。俺の出す、答えは……?)


    あの時のように。目を閉じて、本心を感じる。


    北斗「……………………」

    北斗「…………」

    北斗「……」


    北斗(愛が、なければ)
    142 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:26:35.04 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-118)
    北斗(愛がなければ、あんな曲はできないよな。誰かから与えられた愛が、誰かのための愛に。俺のあの曲は千早ちゃんの愛を受けた……)

    北斗「アモーレこそ伝えるべき気持ち……」

    「え?」

    北斗「言われてみれば、原点だ……千早ちゃん」

    千早「はい!」

    北斗「封印は無しだよ」

    千早「でも!」

    北斗「代わりに」



    北斗「ピアノを始めてくれ」


    千早「――――え?」
    143 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:27:38.82 ID:41OyzcnB0 (+12,+27,+0)
    ふむ
    144 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:29:42.93 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-82)
    ・・・

    ・・



    冬馬「うっし! 今日のところはこれで解散だ」

    翔太「おつかれ――」

    北斗「ああ、お疲れ」

    翔太「また、行くのー?」

    北斗「ああ。自分で決めたことだからね」

    冬馬「北斗」

    北斗「ん?」

    冬馬「また、『見つけろ』よ」

    北斗「…………ふ、言われるまでも、無く」
    145 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:33:45.82 ID:stqRICmB0 (+15,+25,+0)
    そうきたか
    146 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:36:46.73 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-136)
    北斗(結局、俺は……うやむやにしたんだろうな)

    北斗(あの曲を失ったの痛みを、女性への対応の範疇に押し込めたんだ)

    北斗(それでは、あの曲が報われないと知りながら)


    北斗(でも、でもだ)

    北斗(あの歌詞のように。希望を持ってしまうことさえ――――あの曲に対する裏切りだろうか?)

    北斗(まだ、答えは出ない)

    北斗(だから、この選択に責任を持って進む。そして…………音楽の神のジャッジを待つ。)

    北斗(俺に出来るのはそれくらいしかない)




    千早「先生! お待ちしていました」
     
    147 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:40:07.74 ID:qhdgqoYT0 (+55,+30,-143)
    北斗「週一で見てるか見てないかってぐらいなのに、先生なんて呼ばなくていいよ……あ、これ差し入れです」

    「おお、ありがとう」

    北斗「がんばるね、千早ちゃん」

    千早「……私。先生を満足させるまでやめません」

    北斗「あぁ、だからさ、それはもういいって……」

    千早「それに、私とてもピアノが好きになっているんです」

    北斗「――それは良かった! そうじゃないと」

    千早「本当の音は出てこない、ですよね。……課題曲。なんとか、最後まで弾けるようになりました」

    北斗「そういうこと、わかってるね☆ ……じゃあ聞かせてくれるかな」

    「おう、聞かせてやれ! 千早」

    千早「はい!」

    千早「――!」~♪ ――♪♪
    148 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:46:08.77 ID:QMlOiDI70 (-24,-9,-1)
    支援
    149 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:54:32.61 ID:fjNwXMxg0 (-4,+5,-2)
    しえ
    150 : 以下、名無しにか - 2014/02/20(木) 02:57:47.68 ID:pI26r/w+0 (-23,-11,-1)
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