私的良スレ書庫
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元スレ千棘「私、一条くんと親友になったのーっ!」クロード「!?」
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千棘「ショックだったに、決まってるよ……。家帰ってから部屋で、大泣きしたもん」
小咲「……」
千棘「……でも、スッキリして、気持ちよかったよ」
るり「それは、大泣きしたことが?」
千棘「ううん。はっきり気持ちを伝えられて、ちゃんと失恋できたことが」
小咲「っ!!」
千棘「……小咲ちゃん。ごめんね。あなたの彼氏に、勝手に告白なんかして」
千棘「でも、どうしても、伝えたかったの。我慢、できなかったの……」
小咲「……すごい」
千棘「えっ?」
小咲「すごいよ……、千棘ちゃん。尊敬、しちゃうよ……」
るり「……小咲」
るり(そうか……。小咲も……)
理不尽暴力ヒロインへの鬱憤晴らしSSかと思って見始めたら
世界観を揺るがす大芝居に
世界観を揺るがす大芝居に
小咲「私も……。前に楽くんと千棘ちゃんが、恋人同士のフリをしてたこと、あったでしょ?」
千棘「あはは……。あったね、そんなことも。なんか、懐かしい」
小咲「……フリをしてたってことが、分かった時には、私、ホッとしたけど……」
小咲「でも、その前は、本当に二人は、付き合ってるものだと思ってたから……。お似合いだなって、思ってたから」
小咲「だから……、辛かった。その時から、もっと前から、私は楽くんのことが、好きだったから」
千棘「……」
小咲「それでもるりちゃんは、背中を押してくれて……」
小咲「『相手に好きな人がいるからって、アタックしちゃいけない決まりなんて、ない』って……」
るり「……」
小咲「だけど結局私は楽くんに、アタックできなかったなぁ……」
小咲「……でも千棘ちゃんは、告白、できたんだね」
小咲「楽くんに好きな人がいるって、分かってても……。恐れずにちゃんと、告白できたんだ」
小咲「私ができなかったことを……やってのけたんだね」
千棘「……私も本当は、ずっとこの気持ちを、胸の奥に押し込めておくつもりだったの」
千棘「だけど私にも、背中を押してくれる人がいたから……。だから、勇気を出して、告白できたの」
小咲「そうなんだ……。千棘ちゃんは誰に、背中を押してもらったの?」
千棘「……楽くん」
小咲「えっ。楽くん?」
千棘「そっ。告白する相手に、背中押されちゃったの。ふふっ。おかしいよねっ」
小咲「あははっ。でも楽くんは、そういう人だから」
千棘「そうそうっ。そうだ、この前、楽くんがね――」クスッ
るり「あっ」
るり(……今の、千棘ちゃんの、顔)
るり(一条くんのことを話す時の……。小咲に、そっくり……)
小咲「……そういえばるりちゃんは、楽くんのこと、どう思ってるの?」
るり「はぁ? 私は別になんとも……。ただのへたれじゃないとは、思ってるけど」
千棘「もしかして、るりちゃんも楽くんのこと、好きだったりして」
るり「急展開すぎるでしょ……」
小咲「じゃあ、舞子くん?」
るり「バカなの?」
小咲「ごめんなさい……」
千棘「えー。じゃあ、誰だろう……」
るり「あのね……。私には好きな人なんていないの。ていうかなんで急に、私の話に――」
小咲「だってるりちゃんはずっと、私の恋を応援してくれてたでしょ」
小咲「そのおかげもあって、私の恋は、実を結んだんだから……」
小咲「今度はるりちゃんの恋を、私が応援する番かなって!」
るり「……ふふっ。なによそれ」
るり「じゃあ私もやっぱり一条くんのことが好きかなぁ? ほら、応援してよ」
小咲「えぇ!? ど、どうしよう。あの、私も、その、好きなんだけど……」
るり「だからあんたらは付き合ってるんでしょうが」
るり(少しは成長したと思ったけど……。やっぱり小咲は、小咲だ)
千棘「はーいっ! 私も楽くんのこと、好きー!」
るり「さっき聞いたから」
千棘「ねぇ、三人とも楽くんのことが好きなら、誰が一番多く、楽くんの好きなところを挙げられるか、勝負しようよっ!」
るり「いや、あんたらに勝てる気がしない」
いやでもやっぱこの血棘絶対壊れてるよなwww
後々やばい欠陥見つかりそう
後々やばい欠陥見つかりそう
>>698
さんくす
さんくす
小咲「は、はいっ! 友達が風邪で休んだ時、その子の分までノートをとってあげるところ!」
千棘「やるねっ! 私が漢字を間違えて使ってた時、バカにせずにさりげなく正しい漢字を教えてくれるところっ!」
るり「……」
るり(しっかしまあ、この二人といると……)
小咲「るりっ!」
千棘「ちゃんはっ!?」
るり「いや私、そんな具体的なエピソード持ってないんだけど……」
るり(……退屈、しないわ)
千棘「やるねっ! 私が漢字を間違えて使ってた時、バカにせずにさりげなく正しい漢字を教えてくれるところっ!」
るり「……」
るり(しっかしまあ、この二人といると……)
小咲「るりっ!」
千棘「ちゃんはっ!?」
るり「いや私、そんな具体的なエピソード持ってないんだけど……」
るり(……退屈、しないわ)
――
楽「ここは確かに現実だ……。誰もかれもがみんな、平凡な生活を送って、退屈そうにしてる。当たり前だ。現実なんだから」
楽「……なのに、なぜか俺の周りでは、現実とはかけ離れた、『非日常』が多すぎる……」
楽「『漫画』のような展開が、次々にやってきて……。いつになったって、終わりが見えない」
楽「……以前までの俺は、そんな『展開』がやってくる度に、ただそれに流されるばかりだった。俺は結局、なにもできなかったんだ」
楽「そりゃそうだ。『展開』に逆らうってことは……。『運命』に抗うってことだ。そんな方法、思いつくわけない」
楽「だけど、それじゃダメだったんだよ……。それじゃあここが『漫画』の世界だと……。認めてしまうことになるから」
楽「みんなが『なにか』によって動かされる、都合のいい駒だと……認めてしまうことに、なるから……」
楽「そんなはずないのに……。みんなちゃんと、自分の『意志』を持って、この世界を生きているのに……」
楽「小咲も、千棘も、宮本も……。お前だって、そうだろ? ちゃんと『自分の意志』で、俺の恋を応援してくれてたんだろ?」
集「ああ……」
楽「……だからそれを証明するために……。俺は『運命』に、『展開』に、逆らわなければならなかった」
楽「ここが『現実』だと……証明しなければならなかった」
集「へえ。じゃあお前は俺たちのために今まで、頑張ってくれてたの?」
楽「……」
集「俺たちが駒じゃないと証明するために……。ひゅー。かっこいいー。まるで――」
楽「違う。そんな『主人公』みたいなこと、俺がするかよ」
楽「俺は……そんなのじゃない。現実に主人公なんて、いるものか」
集「……はっ。じゃあ聞かせてくれよ。お前はなんのために、この世界が『漫画』であることを否定しようとしたんだ?」
楽「俺はただの平凡な一般市民だからな……。たいした理由なんか、ないぜ?」
楽「誰でもやってることだ。誰でも知らず知らずのうちに、やっていることを……。みんなと同じように、やってただけだ」
集「……」
楽「俺はただ……。自分の『夢』を叶えようと、努力してただけなんだ」
集「……夢?」
楽「ああ……。俺には、叶えたい夢があった。そのまま流され続けてたら絶対に、叶わない夢が」
楽「……『運命』に抗わなければ決して、叶わない夢が、あった」
集「お前の夢って、『小野寺と付き合う』ことだろ? それはすぐに、叶ったじゃないか」
楽「もちろん、それも夢だったさ。でも、それだけじゃない……」
楽「……もう一つ、俺には叶えなければならない、夢があったんだ」
集「……そうか。『あっち』の方か」
楽「『一流大学を卒業して、堅実な公務員』になる。俺のもう一つの、大切な、夢だ」
集「忘れてたよ……。そんな現実的な夢も、確かにお前には、あったんだったよな」
楽「そう。この上なく現実的で、平凡で、全く面白みのない夢だ。だけど決して簡単には叶わない。そんな夢だ」
楽「……そして、この夢を叶えるために最も重要なプロセスが……。『勉強』ってやつだ」
集「急に話がつまらなくなってきたぞ……」
楽「そりゃそうだろ。で、『勉強』するためにはやっぱり時間も必要だし、ある程度の気力も必要なんだ。精神状態も、大きく左右するな」
集「……」
楽「……それらを維持するために必要なのは、『平穏な日常』だ」
楽「『非日常』なんていらない。派手な『展開』もいらない。過酷な『運命』なんて、疲れるだけだ」
楽「『漫画』の主人公なんかには絶対になれないもの。それが、『公務員』だ」
集「……いや、『漫画』だったら何にでもなれるだろ」
マジかよ…じゃあ公務員になれば俺は主人公以上の存在なんだなヒャッホーイ!
>>726
思考力大変なことになってるよ寝なよ
思考力大変なことになってるよ寝なよ
>>729
は?
は?
楽「……でも俺はこのままじゃダメだと思った。俺の夢は両方とも、このままじゃ叶わないって」
楽「千棘とのニセコイ関係のせいで、『小咲と付き合う』という夢は叶わなくなり」
楽「それも含めたいろいろな『非日常』に巻き込まれるたびに、勉強する体力と時間が失われ、『公務員になる』夢も、遠ざかっていった」
楽「……だから俺は、決めたんだ。『平穏な日常』を取り戻して、夢を叶えてやるって」
集「それは……誰のためだ?」
楽「もちろん、全部自分のためだ。俺は自分の夢に向かって進む決心を、つけたんだ。そして、その次の日に――」
楽「俺は小咲に告白して、一つ目の夢を叶えた」
楽「……そしてそこから全てが、始まった」
集「……」
楽「『平穏な日常』を取り戻し、自分の『夢』を叶えるための……」
楽「この世界が『漫画』じゃなくて、『現実』だということを証明するための……。俺の計画が、始まった」
楽「『現実』を証明するための、計画……。この世界が『漫画』であることを、否定するための、計画」
楽「それが『桐崎 千棘 矯正計画』の、実態だ」
楽「といっても最初は『桐崎 千棘 矯正計画』は、千棘を『普通の女の子』に矯正して、『普通の友達』になってもらうための、計画だった」
楽「その内容はまあ、前に話した通りだな」
集「……いや、今思い返すとまた、だいぶ印象が変ってくるよ」
集「お前はてっきり、桐崎さんに殴られるのが嫌だから、悪口を言われるのが嫌だから、そしてそんな桐崎さんが嫌いだったから、その人格を矯正しようとしてたんだと思ったが……」
楽「もちろん、それもある。だけどこの計画の真の目的は――」
楽「あいつを『漫画のようなキャラ』から、『平凡な人間』に、矯正することだった」
集「……ペンダントを壊したのも」
楽「それも前に話した通りだが……。まあ結果的に、あいつを『漫画のキャラ』から遠ざけることになったな」
楽「隣の席に座る転入生が、ビーハイブの令嬢が、喧嘩ばかりしてたその相手が、ニセモノの恋人が――」
楽「実は『約束の女の子』だったなんて、そんなの現実的に考えて、有り得ないもんな」
楽「ただ一つ、前に話した『ペンダントを壊した理由』と、相違があるとすれば……」
楽「ペンダントを壊す決心をつけたのは、お前の話を聞いた時なんかじゃなくて……、『計画』を考えたその時、だったってとこか」
集「はぁ……? ってことはお前……」
集「……初めっから、ペンダントは壊すつもりだったと……?」
楽「そうだな。ちなみに『決心をつけた』のがその時ってだけで、この世界が『漫画』だとか考え始めた辺りから、いつか壊そうとは思ってた」
楽「だけどほら……。いきなり壊しちまったら小咲が悲しむだろうし、タイミングが分からなかったんだ」
楽「……そんな時にお前が小咲の鍵を盗んでくれて……。あいつ最初は、悲しんでたけど……。でも最終的に俺がペンダントを壊したら、逆に喜んでくれたよ」
楽「お前のおかげだ、ありがとう」
集「お前……この前と、言ってることが……」
集「それに……。夢だったんだろ……? 『約束の女の子』との、再会が……」
楽「さっき言ったろ。俺の夢は、二つだけだよ」
楽「それに『約束の女の子』なんて、『漫画のキャラ』そのものだし、『十年前の約束』なんて、物語そのものじゃないか」
楽「そんなものはいらない。現実の世界にそんな幻想的な人物は、いちゃいけないんだよ」
集「なに、言って……。お前はずっと、あの子を想って……」
楽「ああ、そうだったな……。あの時の自分を、殺してやりたいよ」
集「なっ……」
楽「付き合う前とはいえ、小咲という想い人がいたってのに……。いつまでたってもそんな『約束』に、縛られて……」
楽「なにが『もしも小野寺があの子だったら』だ……。じゃあもし全然違うヤツが『あの子』だったら、どっちを選ぶ気だったんだっての」
集「だからお前は、小野寺を選んだんだろ? そんで本当の『約束の女の子』が現れても、その気持ちは変わらないんだろ?」
楽「ああ。だけど、本音を言ってしまえば……。二度と俺の前に現れてほしくなんか、ないけどな」
集「はぁ……!?」
楽「もう会うことはないだろうな。顔は覚えてないし、ペンダントはもうないし……」
楽「完全に俺の中で、『約束の女の子』は死んだよ。これでようやく、『漫画のキャラ』が一人減ったわけだ」
集「……そうか、お前にとっては、『約束の女の子』も――」
原作disりまくりワロタ
寝てた&キムチもボロクソ言って欲しかったが、時間軸的に無理だったか
寝てた&キムチもボロクソ言って欲しかったが、時間軸的に無理だったか
集「……しかし、分からねえぞ。小野寺が……。もしかしたら桐崎さんが、本当はそうなのかもしれねえ」
楽「違う。そんな偶然は、現実では起こり得ない」
集「……そうかよ」
楽「……だけど小咲がいつだったか、『あの子』と重なって見えたことは、あったか」
集「ほう。その時、お前は――」
楽「邪魔だなって、思ったよ」
楽「あれっきりもう、『あの子』の姿はどこにも、見えないな……」
集「……」
楽「あとは……。やっぱり一番厄介だったのが、『ニセコイ関係』ってやつだったな」
楽「小咲と付き合ったことで、千棘と喧嘩したことで、一旦は解消できたが……」
楽「『抗争』そのものを止めなければ、それも時間の問題だった」
集「……まさかとは思うが、お前が抗争を止めたのか?」
楽「いや、この件に関してはほとんど、千棘の功績だよ。俺がしたことと言えば――」
楽「電話を一本、かけたことぐらいか」
集「……電話? 誰に」
楽「アーデル……桐崎……なんだっけ。あの時はメモを見ながらだったからなぁ。まあ、要するに――」
楽「千棘の親父さんに、電話をかけたわけだ。『抗争を止めろ』って」
楽「『娘の苦しむ姿を見たくなければ、降伏してでも、止めろ』ってな……」
集「……その娘が苦しんでたのは、お前の計画のせいだろうが」
>>745
ID家庭内暴力…!
ID家庭内暴力…!
楽「そう。つまり『桐崎 千棘 矯正計画』は、『約束の女の子』を消すための計画でもあり、抗争を止めるための計画でもあったんだ」
集「誇らしげに言うな」
楽「しかし本当に、ふざけんなって感じだよ。結局お前ら、『ニセコイ関係』なんかなくても、抗争を終わらせることができたんじゃねえか」
楽「なにが『この戦争を回避する方法は一つだけ』だ……。てめえらがちょっと頭下げりゃ、済む話じゃねえか」
楽「なにが『お前らが付き合えば若いヤツらも水を差すわけにはいかなくなる』だ。『だから抗争も止まる』って、そんなバカな話があるか」
楽「なにが『こっちも命がかかってる』だ。てめえらクズの命を救うために、何で人生に一度しかない、俺たちの『青春』をかけなきゃならねえ」
集「クズってお前……」
楽「ヤクザなんかみんなクズだろうが。しかもその上、バカばっかりだ」
楽「なんせあんな素人同然の演技でまんまと騙されて、本当に抗争をやめちまうんだもんな」
楽「見込みがあったのは、クロードぐらいかな……。そう言えばあいつには、小咲を助けてもらった恩もあったか」
楽「まぁだとしても、二度と会いたくないが。そもそもあいつのせいで、この上なく『漫画』っぽい展開に巻き込まれることになったし」
集「……」
楽「でも結局最後まで俺らの関係を怪しんでたのも、クロード一人だった」
楽「人を傷つけて、殺めることしか能の無い、クズどもが……」
楽「……それでもあの中で一人ぐらい、気づいてたヤツはいなかったもんかね」
楽「みんなして口揃えて、『二人はラブラブっすねー』だの、『いいなー青春だなー』だの、『坊っちゃんにもとうとう彼女が』だの……」
楽「一人ぐらいおかしいと思ってたヤツはいなかったのかよ。周りのヤツらと同じこと言うだけで、全く疑おうともしねえで」
楽「ああいうヤツらのことを、『漫画』じゃ『モブキャラ』っていうんだろうな。別にセリフが同じなら、誰でもいいようなヤツ」
楽「……ま、今回の抗争でその『モブキャラ』も、だいぶ人数が減ったみたいだけどな」
集「……今更だけどお前、本当に一条 楽か?」
楽「他の誰だってんだよ」
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