元スレ受験生「喫茶店で勉強してくれるわッッッ!」マスター「来たかッ!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
AM9:00──
ウェイトレス「マスター、今日も頑張りましょうね!」
マスター「ああ」
ここは町外れにある小さな喫茶店。
店員は開業者であるマスターと、アルバイトのウェイトレスのみ。
そんなのどかな空間に、開店時刻と同時に足を踏み入れる者があった。
ザンッ……!
受験生「喫茶店で勉強してくれるわッッッ!」
マスター「来たかッ!」
2 = 1 :
受験生「ふむ、このカウンター席……我が勉強スペースにちょうどいい」
受験生「座らせてもらうぞ」ギシィッ…
ドササッ……!
マスター(ノートに大量の参考書、さらには赤本……)
マスター(勉強する気満々といったところか)
マスター(たしかに喫茶店ならではのリラックスできる空気、雰囲気……)
マスター(家や図書館より勉強するには最適といえるかもしれぬ)
マスター(しかし、私の喫茶店で満足に勉強できると思うなよ、小僧ッッッ!)
マスター「ウェイトレス君、例のコーヒーを用意してくれたまえ」
ウェイトレス「はいっ!」
3 :
明日カフェで勉強しよ
4 = 1 :
受験生「…………」カリカリ…
マスター「おや……お勉強ですか。大学受験ですかな?」
受験生「うむ」
マスター「ちなみに……志望校は?」
受験生「冥帝大学だ」
マスター「ほう……冥帝大ですか。一流大学ですなァ……」
冥帝大学とは──
多くのノーベル賞受賞者、五輪金メダリスト、アカデミー賞受賞者を輩出する
日本でもトップクラスの名門大学である。
むろん、難易度もトップクラスであることはいうまでもない。
6 :
受験戦争ッ
7 :
帝京大学だ……
9 = 1 :
マスター「それでは生半可な勉強量では入学できますまい」
受験生「うむ」
マスター「しかし……ここは喫茶店」
マスター「“喫茶”とは茶やコーヒーを楽しむという意味であり」
マスター「勉強する、という意味ではない……」
マスター「どうしてもここに居座りたいのであれば」
マスター「まずは当店自慢のコーヒーを飲んでいただきましょう」
受験生「うむ、もっともな意見だ」
マスター「…………」ニィッ
ウェイトレス「マスター、できました!」スッ
マスター「ご苦労」
グツグツ…… グツグツ……
マスター「摂氏100℃で煮えたぎる、このコーヒーをなッ!」
11 = 8 :
あげ
12 :
バキみたいだな
13 = 1 :
受験生「いただこう」
マスター「フーフーして冷まさなくて……よいのですかな?」
受験生「不要」グイッ
ゴキュッ……!
マスター(一口で飲んだだとッ!?)
受験生「ふむ……美味であった」カチャッ
マスター「!」
受験生「あえて不満をいわせてもらうならば──ぬるいことぐらいか」
マスター「!!!」
15 :
つづきはよ
16 = 1 :
マスター(ハッタリか……!?)
マスター(いや……ハッタリではないッ!)
マスター(この小僧の舌にとっては、摂氏100℃などぬるま湯にすぎないのだッ!)
マスター(なんという漢よ……)
マスター(お、おのれ……ッ! だが、沸騰コーヒーなど序の口よ!)
マスター「ならばおかわりを持ってきましょう」ニコッ
受験生「ありがたい」
マスター「ウェイトレス君、あのコーヒーを持ってきてくれ!」
ウェイトレス「はいっ!」
ウェイトレス(もうあのコーヒーを!? マスターは本気だわ……ッ!)
18 :
ちょっと勉強してくる
19 = 1 :
受験生「…………」カリカリ…
ウェイトレス「お待たせいたしました~」
ズンッ!
ドラム缶一杯に入ったコーヒー、ではなくコーヒー豆。南米からの産地直送品である。
ウェイトレス「砂糖と──」
ドササッ!
ドラム缶にぶち込まれる大量のサトウキビ。沖縄からの産地直送品である。
ウェイトレス「ミルクもおつけしますね」
牛「モォ~……」
ミルク代わりの乳牛。北海道からの産地直送品である。
マスター(さァ……我が喫茶店最強のコーヒー……)
マスター(飲めるものなら、飲んでみろッッッ!)
20 = 7 :
これ普通に美味しいだろいい加減にしろ
21 = 6 :
豪華なコーヒーだなあ
22 :
会計で詰む
23 :
そこはかとない男塾臭
24 = 1 :
受験生「いただこう」ギュッ…
牛「モォ~……」チョロロ…
マスター(まずは牛の乳を搾ったかッ! ウ、ウマい……ッ!)
マスター(教科書通りの搾り方! 小僧め、牛の扱いに慣れていやがるッ!)
受験生「吾輩はコーヒーにはたっぷりミルクを入れる人間でな」ジャバッ
マスター(バケツ一杯分のミルクを、まとめてドラム缶に放り込んだ!)
マスター(しかしッ! いくら牛乳を混ぜたところで)
マスター(ドラム缶満杯のコーヒー豆とサトウキビを飲めるはずが──)
受験生「ぬんっ!」グイッ
マスター(いったァ!)
ウェイトレス(ウソでしょ!?)
25 :
>>20
お前はコーヒー豆も牛もそのまま食ってる(飲んでる)のかよ。
26 = 25 :
と思ったら牛はミルク絞るだけかすまん。
27 = 7 :
>>25
ごめん見てなかった
28 = 1 :
ゴボォッ…… ゴボォッ……
200リットルを超えるコーヒー豆とサトウキビは、
瞬く間に受験生の胃袋へと吸い込まれていった。
ゴキュッ…… ゴキュッ……
ウェイトレス「…………ッ!」
マスター(一粒も豆をこぼさず……飲み干している……)
マスター(しかも噛まずに……本当に液体として“飲んで”いるッ! 丸飲みだッ!)
マスター「!」ハッ
マスター(そういえば小僧の腹部……まったく膨れていない)
マスター(胃液が強すぎて、胃に到達したとたん完全消化してしまうのかッ!)
受験生「ふむ……美味であったぞ」プハァッ
マスター「あ、ありがとうございます……!」
マスター(見事なり……! 初戦は私の完敗だ……ッ!)
29 :
つまんね
30 = 1 :
AM10:30──
開店から、すなわち受験生の勉強開始から一時間半が経過した。
ここで再び喫茶店サイドが動く。
マスター「コーヒーは通用しなかった……」
マスター「だが、そろそろあの小僧も油断をしている頃だろう」
マスター「ウェイトレス君、頼む! 奴の勉強を食い止めてくれッ!」
ウェイトレス「任せて下さい、マスター!」
31 = 6 :
高卒でも食っていけるさ
こいつなら
32 :
ほ
33 = 29 :
書いてて恥ずかしくないの?
34 = 32 :
ほ
35 :
いい勢い
36 = 1 :
ウェイトレス「ねえ、お客さん」
受験生「何用か」
ウェイトレス「胸は好き?」プルンッ
受験生「ニワトリのムネ肉であれば、好物だ。しょっちゅう食しておる」
ウェイトレス「ちがうわよ、人間の胸よ」ボインッ
受験生「胸筋は吾輩も日頃から鍛えておる」
ウェイトレス「ちがうわ、女性の胸のことよ」プルッ
受験生「ふむ、興味はあるぞ」
ウェイトレス「……なら、堪能させてあげる」ギュッ…
ウェイトレスは、己の胸元を受験生の顔面に押しつけた。
37 = 7 :
は?ここどこの店だよ今すぐ紹介しろ
38 = 29 :
>>37
うわぁ…
39 :
受験生がラオウで頭のなかが再生される
40 = 1 :
ウェイトレス「ど~お、フカフカでしょう?」ギュウ…
受験生「…………」
マスター(や、やったッ!)
マスター(ウェイトレスの胸を顔面を押しつけられた小僧は)
マスター(集中力と視界を奪われたッ!)
マスター(この状況下で勉強を続けられる者がいるか?)
マスター(否、いるわけがないッッッ! 私の勝利──)
42 = 1 :
受験生「…………」カリカリ…
ウェイトレス「な、なんで……!? 両目は完全に塞がれているのよ!?」ギュッ…
受験生「…………」カリカリ…
マスター「平然と勉強を続けている……だと……!?」
マスター(こやつ……胸で視界を封じられても)
マスター(気配を頼りに参考書を読み、ノートに字を書いているというのかッ!)
マスター(武術の達人が、闇夜でも敵の気配を察知することで戦えるようにッ!)
マスター(し、しかも……)
43 :
気配を頼りに参考書読むワロタ
44 = 1 :
受験生「…………」ギンギン…
マスター(ズボンの異常な膨らみ具合……性欲がないというわけではないッ!)
マスター(10代半ば相応の巨大な性欲を持ち合わせておきながら)
マスター(それに身を委ねず、鋼鉄の意志で勉強を続けているというのかッッッ!)
ウェイトレス(くっ……!)
ウェイトレス「だったらエプロンを脱いで──」
マスター「無駄だ……やめておきなさい」
ウェイトレス「マスター!?」
マスター「君の美しさは認める……しかし、君では彼を止められん」
マスター「それにこれ以上やったら、この店は喫茶店ではなく別の店になってしまう」
ウェイトレス「はい……!」スッ…
マスター(第二ラウンドも完敗か……だが、勝負はこれからだ、小僧ッ!)
45 = 7 :
てかこいつもうこれ以上勉強しなくても受かるレベル
46 :
マスター変なとこで常識人なのかよwwww
47 :
坂本ですがに通ずるものがあるな
48 = 1 :
PM12:00──
この喫茶店にもランチタイムやランチメニューがある。
昼食に訪れるサラリーマンや近所の人間によって、にわかに店内が騒がしくなる。
ワイワイ…… ガヤガヤ……
受験生「…………」カリカリ…
マスター(分かっているさ。こんなお客の雑談ぐらいで、君の集中は揺らぎはしない)
マスター(しかし、今日は君のためにとっておきの刺客を用意してあるのだ!)
49 :
こいつ受験せずに別の道に進めよ
50 = 1 :
クチャラー「こんにちは」
マスター「おお、来てくれたかね」
クチャラー「大恩あるマスターのためですからね」
クチャラー「ところで、誰をやればいいんです?」
マスター「……彼だ」
クチャラー「ふうん、あのボウヤですか」
クチャラー「分かりました、15……いや10分以内に席を立たせてみせますよ」
クチャラー「マスター、サンドイッチセットを一つお願いします」
マスター「毎度」
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