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    元スレれんげ「のんのんばあとウチ」

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    301 = 275 :

    しえん

    302 = 287 :

    あぁこれしげーって伸ばすんじゃなくてしげいちさんって読むのか

    303 :

    しげるさんはラバウルに行ったよ

    304 = 272 :

    のんのんばあ「絵を描くのが好きな子で、オラが妖怪の話をしたるといつも目を輝かせて聞いとった」

    れんげ「ウチと同じなん…!」

    のんのんばあ「妖怪の絵をたくさん描いてオラに見せてくれたものでなぁ…今でも絵を続けとんさるとええだが…」

    夏海「その人も今じゃけっこうな歳なんだろうね…会いに行ったりしないの?」

    のんのんばあ「さて、居どころもわからんだけ…」

    「あ、でも今は情報網が発達してますから、頼むところに頼めばすんなり見つかったりするみたいですよ?」

    のんのんばあ「ははは、ええだが。若い娘さんならともかくこんな婆様が訪ねてきたって嬉しくもなかろう」

    小鞠「でもお婆ちゃん、その人に会いたそうに見えるけどな…」

    のんのんばあ「…ええだが、オラのことは」

    305 = 272 :

    のんのんばあ「…そういえば、しげーさんも絵に描くのにずいぶん悩んだ妖怪がおってなぁ」

    れんげ「ほぉ!それはどんな妖怪ですか!?」

    のんのんばあ「うむ、【小豆はかり】と言ってな」

    のんのんばあ「小豆の音をたてる妖怪なんだが、なにせ姿が見えんものだけぇ、絵にしようにも特徴が掴めんだが」

    れんげ「そうなんな。目に見えないものを絵にするのはとても難しいん」ウンウン

    のんのんばあ「そうして悩んどったら向こうから姿を見せに来た、と言うんじゃ」

    れんげ「なんと!」

    のんのんばあ「なんでも普段の妖怪に対する心掛けに免じて姿を見せてくれたっちゅー事だったが…」

    のんのんばあ「出来上がった絵を見せてもらうと、なるほど、なかなか面白い姿をしとったよ」

    れんげ「うずうず…」

    れんげ「決めたん!次の絵のテーマはその小豆はかりにするん!」

    308 = 275 :

    しげるさんって雪風と縁があるんだっけ?

    309 = 272 :

    れんげ「ウチが待ち望んでいたのはそういうものなんな!小豆をまく【音】を【姿】で捉える…胸が躍るん!」

    夏海「あ、でも待ちなよ…れんちょんの図鑑にさ…」ペラペラ

    夏海「ほら、あったよ。小豆はかりのページ」

    れんげ「それを見てしまったら人の真似になってしまうん。ウチはウチなりの小豆はかりを描き切ってみせるのん!」

    れんげ「なので完成するまでその図鑑は封印します!」

    のんのんばあ「ほぉ、小さいのに見上げたこころざしだなぁ」

    れんげ「絵が出来たらのんのんばあに一番に見せにくるのんな!」

    310 = 272 :

    れんげ「せんをーひいたらー♪それーをまるめーてー♪」

    れんげ「ぎざーぎーざにしてー♪またはーじめかーらー♪」

    れんげ「うーん…うまく描けないのんな…」

    れんげ「いちおう台所から小豆は貰ってきたけど…」パラパラ…

    れんげ「この音だけで姿を連想する…これは難題ですのん…」


    れんげ「ミイラのよーにー♪ひかーらーびていくー♪ときーのーカケラをーちりばーめましょーおー♪」

    れんげ「そしてーおきにいーりーのいーろをー♪さーらさーらひーろげーてくー♪」

    れんげ「なーにーもかんがえーず♪なーにもこだーわらずに♪」

    れんげ「かーけーたらいーいーのにーなぁー♪クレヨーン♪」

    れんげ「……出来たん!」

    れんげ「おおっ…我ながらよい出来…ウチもついに新たなステージに進化したのんな!」

    311 = 272 :

    ???『…まったくもって違う』


    れんげ「?」キョロキョロ


    ???『俺はそんな低俗な姿をしていない……』


    れんげ「…もしかして、小豆はかりなん?」


    ???『そうだ。そんな姿が俺の正体だと思われては名誉に関わる……』


    れんげ「だったらどんな姿だっていうん!?」ムカッ


    ???『言葉で言い表せるほど単純なものではない……どれ、少しだけ姿を見せてやるとしよう……』


    どすん!

    312 = 303 :

    >>308
    終戦になって復員船になった雪風で日本に帰ってきたんだってね

    313 = 275 :

    支援足りないぞ何やってるの

    314 = 287 :

    れんちょん普通に妖怪に説教しそう

    315 = 272 :

    小豆はかり「どうだ、なかなか男前であろう」

    れんげ「…なんか思ってたのと違うん。ウチが描いた絵の方がまだカッコいいん」

    小豆はかり「失礼な。これはあくまで基本の姿…変幻自在、どんな姿にでもなれる…」

    小豆はかり「見た目に惑わされるとは青い奴。心の目で見よ」

    れんげ「むむむ…」

    小豆はかり「先刻は偉そうに講釈ぶっていたではないか。見たままを捉えるのでないと」

    小豆はかり「さぁ、お前の感じるままに俺を描いてみるがいい」

    れんげ「なんかイラッとくる奴なんな…」

    316 = 272 :

    れんげ「……」カキカキ

    小豆はかり「むふふ…」

    れんげ(流石に妖怪と二人きりっていうのはプレッシャーなんな…)

    れんげ「小豆はかり、なにかポーズでもとるん」

    小豆はかり「こんなのはどうだ?」キャピ

    れんげ「…お前の口もと裏ピースなんか誰が得するん。そのアヒル口も腹立つからやめるん」

    小豆はかり「芸術家を気取るくせに洒落のわからぬやつだ」

    れんげ「そうだ、小豆を撒いてるところを見せてほしいのん」

    小豆はかり「よかろう」パララ…パララ…

    れんげ「ふむふむ」カキカキ

    小豆はかり「動にして静……静にして動……」パララ…パララ…

    317 = 292 :

    れんげ芸術家やな

    318 = 275 :

    シュールな図だなあ

    >>312
    某あれのせいでラバウルとか雪風って単語でドキッとするようになってしまった

    319 = 272 :

    れんげ「小豆はかりはどうして小豆なんか撒くん?」

    小豆はかり「…お前ら人間はみな同じ事を聞く」

    小豆はかり「理由など俺にもわからん。そういう存在なのだ」

    れんげ「意味もわからずにやってるん?自分でおかしいと思わないん?」

    小豆はかり「よいか人間の小娘よ、万物は運命に定められた存在なのだ」

    小豆はかり「人間であろうと妖怪であろうとその定めに従って生きていくしかない。それに疑問を抱くのは人間だけだ」

    れんげ「だって、それじゃあ操り人形と変わらないのと違うん?」

    小豆はかり「お前たちは何でも自分の意志で決めていると思い込んでいるからそんな事が言えるのだ。運命を信じようとはしない」

    小豆はかり「だから自分の納得出来ないことが起こると、どうしてなぜだと疑問を抱く」

    小豆はかり「疑問は不満や恐怖に変わり、終いにはあろうことか運命を呪い始める…愚かなことだ…」

    320 = 291 :

    関係ないかもしれんが水木しげるの「総員玉砕せよ」は傑作
    一回くらい読んどけよ

    321 = 272 :

    れんげ「ぬぬぬ…賢そうなこと言って…じゃあウチがこうして絵を描いてるのも運命だとでも言うん?」

    小豆はかり「もちろん。そもそもなぜお前は姿の見えぬものをわざわざ絵に表わそうとするのだ」

    れんげ「それは…それが芸術だからなん…」

    小豆はかり「芸術?笑わせるな。お前たち人間は理解できないものを恐れておるのだ」

    小豆はかり「自分たちに理解できないものに姿かたちや理由を与え、理解した気になって恐怖を誤魔化しているのだよ」

    れんげ「そんな事ないん!」

    小豆はかり「わからない事をわからないままにしておけない人間の性質が、皮肉にもお前の行動を決めているのだな」

    れんげ「そんな事…ないん……」

    小豆はかり「人間とはつくづく哀れなものよ…お前の知り合いの婆さんなど特にな…」

    れんげ「…のんのんばあのこと言ってるん?」

    322 = 272 :

    小豆はかり「娘、あの婆さんはな…【八百比丘尼】だ」

    れんげ「やおびくに?」

    小豆はかり「そう、人魚の肉を食って死なない身体になったのだよ。つまり、あの婆さんもいわば妖怪だ」

    れんげ「嘘なん…!」

    小豆はかり「嘘ではない。80年ほど前、あの婆さんが肺病でくたばりかけた時
          村の子供が精をつけさせようと浜に打ち上げられた見たことのない魚の身を食わせた…」

    れんげ「…それってしげーさんの事なん?」

    小豆はかり「人間の名などいちいち覚えていない。とにかくその身が人魚の肉だったのだ」

    323 = 287 :

    小豆はかりこんなインテリな事言うんか

    324 = 275 :

    しえん

    325 :

    なんか小豆はかりがテツガクしてるよ

    326 = 272 :

    小豆はかり「普通、人魚の肉を食えばうら若い娘時分に戻るものだが、きっとその肉は傷んでいたのだろうなぁ」

    れんげ「……」

    小豆はかり「老いた姿のまま死なない身体となった婆さんは、ひっそりと村を出ていくしかなかった」

    小豆はかり「当然それだけではすまない。あの婆さんは人でありながら不死になったことで神の怒りに触れた」

    小豆はかり「その代償として、悪さをする妖怪を退治するためにあちらこちらで休みなく働かされているのだ」

    れんげ「そんな…」

    れんげ「それじゃのんのんばあが可哀そうなん!しげーさんだってのんのんばあに元気になって欲しかっただけで…」

    小豆はかり「善意悪意など人間が勝手に決めたもの。自然の摂理に逆らっていい道理になどならぬのだ」

    れんげ「そんなの絶対おかしいん…のんのんばあはウチらのために頑張ってくれてるん…悪い人じゃないのにどうしてなん…」

    小豆はかり「…あの婆さんはこの村の怪異が片づけばまた他所に行かされるのだろうな」

    小豆はかり「仕方のない事なのだ。運命に逆らったぶん、重い宿命を背負って生きねばならん」

    329 :

    てす

    330 = 272 :

    れんげ「うるさい!お前は嫌な奴なん!のんのんばあは神様のパシリじゃないん!」ペシッ!ペシッ!

    小豆はかり「よせ…節分の鬼じゃないんだ。豆をぶつけるでない」

    れんげ「うっ…ううっ…」ポロポロ

    小豆はかり「……」

    小豆はかり「やれやれ、たまに人間と口をきくとなぜこうも話がこじれるのか…」

    れんげ「うっ…ぐすっ…のんのんばあ、可哀そうなん…」ポロポロ

    小豆はかり「まぁよい…俺はもう姿を消す…」

    小豆はかり「絵は描きかけのままになってしまったが…」

    れんげ「ううっ…お前なんかもう描きたくないん…さっさといなくなるん…」

    小豆はかり「…そうか」スゥ


    れんげ「ぐすっ…ぐすん…」

    331 = 275 :

    小豆はかりもちょっとかわいそうだなあ

    332 = 272 :

    次の朝


    一穂「うわっ!」

    一穂「なんじゃこりゃ…」

    一穂「れんちょん!ちょっと来てみな!」


    れんげ「大きい声出してどうしたん…いまウチ落ち込んでるんよ…」

    一穂「いいから表に来てみなよ!」

    れんげ「なんなのーん…」ムクリ

    334 = 275 :

    しえん

    335 = 272 :

    れんげ「はうぁ!?」

    一穂「ね、すごいでしょ…この大量の小豆…玄関の前埋まってるじゃない…」

    れんげ「……」

    一穂「また夏海あたりのイタズラかぁ?それにしても手が込んでるし…まさかご近所さんのお裾分けじゃないよね…」


    れんげ「……」

    れんげ「仕方ないんな。途中で投げ出すのはウチの芸術に反するん」

    れんげ「それに、のんのんばあが絵の完成を楽しみにしてくれてるのん!」

    336 = 272 :

    れんげ「じゃじゃーん!これがウチの溢れだすフィーリングで描いた小豆はかりなん!」

    「これはすごく…なんていうか…前衛的…だね…」

    夏海「ウチにはクレヨンでグチャグチャしただけにしか見えない…」

    小鞠「この辺がかろうじて意地悪そうな顔に見えない?」


    れんげ「のんのんばあ!どうなん?」

    のんのんばあ「ふむふむ…」

    れんげ「…気に入らないん?」

    のんのんばあ「ふーむ…」

    のんのんばあ「…正直オラには何が描いてあるか分からん」

    れんげ「うっ…」

    のんのんばあ「でも、れんげちゃんの感じた通りに描いたならこれもまた小豆はかりなんだろう」ニコニコ

    れんげ「そう…!そうなん!のんのんばあならきっとウチの芸術を理解してくれると思ってたん!」

    337 = 284 :

    良い話だなぁー

    338 = 272 :

    のんのんばあ「ふむ、確かにこの絵には不思議と惹きこまれる。こげな迫力のある絵はなかなか描けるもんじゃないが」

    れんげ「のんのんばあが褒めてくれると幸せな気分になるん♪」

    のんのんばあ「そげか。こんなええ子達と友達になれてオラも幸せだが」ナデナデ

    れんげ「///」


    れんげ「……あんな、のんのんばあ」

    のんのんばあ「んん?」

    れんげ「のんのんばあは、本当に幸せなん?」

    のんのんばあ「……」

    のんのんばあ「…おぅ、幸せだとも!」ポンポン


    れんげ「そうなん…」

    れんげ「……」

    339 :

    このスレまだ続いてたのかよw
    支援

    340 = 284 :

    妖怪系は全然知らないけどすっごく面白い

    341 = 272 :

    ■縊鬼(くびれおに)


    縊る、とは首をくくることの意味である。その名の通りこの妖怪は人間にとり憑いて死に誘う。
    中国の古書にも同様の妖怪が記されており、生者を殺すことで冥界より転生しようとする死者の霊が
    とり憑いた者に自分と同じ死に方をするよう強制するのだという。

    江戸の麹町である組頭が酒宴を開いた時のこと。いつも酒の席で笑い話などする気のいい男がいた。
    しかしその日なかなか男はあらわれず、ようやくやってきたと思ったらぼんやりとした様子で
    「今日は約束があるので断りにきた」などと言う。

    妙に思った仲間が問いただしても要領をえず、首をくくる約束がある、などと答えるのだった。
    様子がおかしいと思い、みなが何とか男を引き留めていると、やがて表が騒がしくなった。

    外に出てみると、喰違御門で首吊りがあったのだという。組頭は、はじめこの男に死ぬ約束をさせた縊鬼が
    諦めて別の男に首をくくらせたのだろうとみなに話したそうだ。

    近代では、縊鬼は川で水死したものの霊だとされることが多く、これに憑かれると川に飛び込んで死にたくなるのだという。
    水辺でなんとなく死にたくなるのはこの妖怪の仕業かもしれない。

    /nox/remoteimages/26/cd/e778dea75377a5fb64fff1ec1ca4.jpeg

    343 = 290 :

    核心きたか

    346 = 272 :

    大学在学中に社会人の彼氏を作って、卒業と同時に結婚した。翌年には長男も生まれた。
    母から考えが甘いと言われた。それでも精一杯やってきたつもりだ。
    家庭を持ったからって夢をあきらめることはない。もちろん家事育児だっておろそかにしない。
    誰にも文句を言わせないよう、華の二十代を神経すり減らしてひたすらに打ち込んだんだ。

    だから、ようやくお店を出せるだけのお金が貯まった。ささやかでいい、街をいくお洒落な女の子たちがふと足を止めるような
    そんなお店にできればよかったんだ。学生の頃ヨーロッパ映画で観た、アンティークで可愛いお店……

    なのに、私の夢がすぐそこまで来てたのに、旦那の母親が倒れやがった。
    もちろん私は猛反発した。高速も通ってない田舎の村でこれからずっと暮らせって?
    ふざけんな、私のこれまでの血の滲むような努力はどうしてくれる。だけど旦那は耳を貸さなかった。

    母親の介護のためと言えば聞こえはいいけど、あいつが会社を辞めたがっていたのを知ってる。
    給料が安いだの人間関係がうまくいかないだの、家事とパートで死にそうな私に散々愚痴をこぼしやがって。
    結局あいつは体裁よく田舎で第二の人生をやり直したかっただけなんだ。

    だいたいなんだよあのボロ家。戦時中みたいな裸電球に黒電話…時代は平成に変わったんだぞ。
    なにより目障りなのはあの無駄にでかい柿の木だ。陰気くさいからさっさと切り倒せばいいのに。

    そこまでして文明に染まってない素朴な田舎人を気取りたいのか?馬鹿馬鹿しい、吐き気がする。
    あの糞旦那にしろ、鍬のひとつも握ったことないくせして
    今じゃすっかり畑の耕し方がどうだの私の息子に得意げに話してやがる。

    なにが田舎だ。なにが自然だ。なにが純粋な人達だ。なにが村人みんなが家族だ。
    本当にくだらない。お前らは私が住んでた都会の素晴らしさを知らないんだ。
    断言する、こんな芋くさい所、都会に勝てる要素なんてひとつもない。

    それにしても、いい年した女がこんな夕暮れの川原で黄昏てるしかないなんて、情けなくて笑える。
    だってここには遊べるような場所なんてないし。汚い飲み屋が一軒あるだけで、女一人で安心して入れるようなカフェもない。

    347 = 287 :

    なんだなんだ

    348 = 272 :

    でもまぁ、この川原だけはたしかに悪くないかも。ここの空気は澄んでいる。涼しげな川の流れも心地よい。
    ここには近所のババァどもの暑苦しさも、家にこもった姑のおしめの不快な臭いもない。

    この風景だけ写真で切り取ってしまえば、ちょっと雰囲気のいいイギリスの片田舎みたいに見えなくもない。
    よく知らないけどピーターラビットとかに出てきそうな。私のお店に飾っていたらきっと似合っていただろう。

    くそ、またお店のこと思い出しちゃった。だって、あのまま都会に残っていれば
    もしかしたら人気のお店になって雑誌に載ったりしたかもしれないんだ。
    いや、絶対そうなってた。だから全部この糞田舎が悪い。

    なんで私はまだ生きてるんだろう。あれだけ追い求めてた夢も取り上げられて。
    不満たれながら旦那と糞ババアの餌作って。この先もずっと続くこの人生になんの意味があるんだろう。

    いっそ、目の前の川に身を沈めてしまったら…この優しい流れが私の全てを終わらせて
    素敵なところに運んでくれるかもしれない。よく知らないけどジョン・テニエルの絵本みたいな素敵なところ…

    なんて、そんな事するわけない。よく見ろ、川の水深何センチだ。
    旦那には幻滅させられたけど、まだ息子の事は愛してるし。私そっくりの、可愛い可愛いぶちゃいくちゃん。

    そろそろ家に帰らなきゃ。帰ってまた糞みたいな日常を繰り返さなきゃ。
    ついに私は田舎に負けたんだ。これからは真綿で首を締められるような、緩やかに死んでいくような人生が待っている。

    だけど、どうしよう…今日だけはもう少しここで時間を潰して帰ろうか…
    ここで黄昏てる私を見た近所のババアが姑にチクりやがって嫌味言われた事もあったけど、知ったことか。
    きっとこれからはそうそう来られなくなるだろうし、たぶんこれが私の最後の抵抗だ。

    ああ それにしても なんて綺麗な川……

    349 = 275 :

    核心か 過去編か

    350 :

    流れ変わったな


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