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    元スレれんげ「のんのんばあとウチ」

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    201 = 35 :

    具とか

    202 = 1 :

    夏海「そうそう。妙なことに関わってると何があるか分からないよ。変わり果てた姿で発見されて可哀そうな事になるかも」

    れんげ「……」

    「……」

    夏海「川だけに」ドヤァ

    小鞠「……」

    夏海「あれ?わかりにくかった?実はさっきの言葉の中に【かわ】が四つも隠れていたのでした!」

    夏海「えっと、まず一個目が関わってると、の【かわ】でしょ。それから…」

    小鞠「…夏海、不謹慎。空気読みなさいよ」ギロッ

    夏海「うへぇ…ごめんなさい…だってみんな暗い雰囲気になっちゃったから場を和ませようと思ってさ…」

    203 = 162 :

    よし、京極堂を呼ぼう

    204 = 1 :

    のんのんばあ「……ははは!」

    小鞠「ちょっとお婆ちゃん、無理に笑わなくてもいいってば。この子すぐ調子に乗るんだから」

    のんのんばあ「いや、洒落というのは縁起がええとされとるだけ。めでたいの鯛、節分の豆は魔を滅する…どれも言葉遊びじゃ」
         
    のんのんばあ「夏海ちゃんのようにいつでもその場を明るくできれば、それだけで妖怪は逃げていくだでな」

    夏海「えっへっへ///流石のんのんばあ、話がわかるじゃん」

    れんげ「なっつんは妖怪からも煙たがられてるのんな」

    夏海「ちょっとれんちょん…今のはけっこうグサッときたよ…」

    205 = 1 :

    「…ところで小鞠先輩、手の親指にイボが出来てますよ」

    小鞠「えっ?あ…ほんとだ。よく見てるね。自分でも気付かなかったのに」

    「先輩の事はいつでも見てますから///」

    夏海「姉ちゃんてば、なにか変なものでも食べたんじゃないの~?」

    小鞠「それは夏海でしょ?生のタニシなんてよく食べれるよね」

    夏海「うへっ!なぜそれを!?」

    小鞠「楓姉から聞いた」

    「えっ、何ですかタニシって」

    夏海「わーわー!興味持たなくていいから!」

    206 = 14 :

    ほたるんはガチ

    207 = 1 :

    のんのんばあ「イボは出来始めに消してしまうがええ。茄子のヘタがあればそれで擦りなされ」

    れんげ「おぉ!のんのんばあの知恵袋なん!」

    夏海「民間療法ってやつですな」

    小鞠「そうだ!お婆ちゃんさ、背がたくさん伸びる方法とか知らない?」

    のんのんばあ「んん?それはまぁ、たくさん食べてよく眠ることじゃよ。ははは」

    小鞠「それくらい毎日やってるもん…」

    のんのんばあ「焦らんでええ。まだまだ育ち盛りだろうがな。これからこれから」

    小鞠「そうかなぁ…」

    のんのんばあ「それに小鞠ちゃんは今のままで充分可愛らしいが。お人形さんみたいだで」

    小鞠「えーっ…それじゃヤだぁ…」

    「流石お婆さん!よくわかってらっしゃる!」アクシュ

    のんのんばあ「お、おお…そげか…反対に蛍さんは大人びたべっぴんさんだが…」

    小鞠(私の方が年上なのに…)ムスッ

    209 :

    追いついた。面白いなこれ

    210 = 1 :

    小鞠「お母さーん、茄子のヘタってある?」

    雪子「さっき切ったのがあるけど…こんなのどうするの?」

    小鞠「イボが出来てるから消そうと思って」

    雪子「あらほんと。でも小鞠、そんな方法よく知ってたね」

    小鞠「えへへ…大人の女性は色々知ってなきゃね。んしょ」ゴシゴシ


    ???『小鞠さん!どうか私を消さないでください!』

    211 = 1 :

    小鞠「へ?」

    雪子「…姉ちゃん、なにか言った?」

    小鞠「何も言ってないよ?お母さんじゃないの?」


    ???『見てください!私です!イボです!』


    小鞠「!?」

    雪子「変ねえ…小さい声が聞こえたような…」

    小鞠「て…テレビじゃない!?ゆ、夕飯できたら呼んでねっ!」ダダダ

    雪子「あ、ちょっと…」

    212 = 65 :

    親指姫か?人面疽か?

    213 = 1 :

    小鞠「はぁ…はぁ…思わず逃げてきちゃったけど…」

    小鞠「チラッ」

    ???「はじめまして、あなたのイボです」

    小鞠(なんじゃこりゃああああ!!)

    イボ「驚かれるのも無理はありません…ですが私、決して怪しいものでは…」

    小鞠「いやいや充分怪しいから…妖怪でしょ、あんた」ゴシゴシ

    イボ「あぁ!消そうとしないで!そうです!確かに私は妖怪です!どうか少しだけ私の話を聞いてください!」

    小鞠「う~ん…よく見れば愛嬌もあるし…悪い妖怪じゃないのかな。あなたはイボの妖怪?」

    イボ「いえ、今はこんな姿をしていますが、本来の私はある高名な妖怪なのです」

    イボ「ところが事情があって怪我をして霊力を失ってしまったので、小鞠さんの身体に少しの間だけ憑かせてもらうことにしたのです」

    214 = 209 :

    人面瘡はアカン

    215 = 1 :

    小鞠「そうなんだ…なんか可哀そう…でもなんで私に?」

    イボ「えっとそれは…こ、小鞠さんが私のような妖怪にも理解を示してくれる、知的で懐の深い大人の女性に見えたものですから」

    小鞠「大人の女性///」

    小鞠「そ、そうだよね!妖怪だろうとわかる人にはわかるんだね、この大人の魅力がさ♪」フフン

    イボ「そうです!そうですとも!」

    小鞠「…でもなぁ。とり憑かれるってあんまりいい気はしないなぁ…だって私の養分とか吸い取るわけでしょ?」

    イボ「なんの、見ての通りの小さな体…小鞠さんが普通にお食事された分をほんの少しわけてもらうだけでいいのです」

    イボ「霊力が回復すれば私は離れていきます。もちろんタダでとは申しません」

    小鞠「お礼してくれるの!?…そうだ、あんた高名な妖怪なんだよね?不思議な術とかも使えるわけでしょ?」

    小鞠「…背が伸びる魔法とか、知らない?」ボソッ

    216 = 27 :

    ほうほう

    217 :

    ひか姉は東京で悪魔飼ってたなそういえば

    218 = 1 :

    イボ「なんと!伸長の術は私が最も得意とするところ!約束しましょう!」

    イボ「私が元の姿に戻れたら、必ずや八頭身のプロポーションを授けてあげます!」

    小鞠「い…い……」

    小鞠「いやったあーっ!ついに私の理想が叶う日がきたんだ!これも日頃の行いがいいからかなぁ♪」

    イボ「そうです!そうですとも!」

    小鞠「私、あなたの事気に入っちゃった!そうだ、名前つけてあげるね」

    イボ「名前?わぁ!嬉しいです!」

    小鞠「そうだなぁ…イボだから…イボ…あ!イボンヌにしよっと!」

    イボ「あぁん!?イボンヌだぁ!?」

    小鞠「へ…?いま一瞬ドスの効いた声にならなかった?」

    イボンヌ「あ、いえ…イボンヌですか…素敵すぎて私には勿体ない名前です。ははは…」

    220 = 27 :

    はやくはやく

    221 :

    そういや兄ちゃんは単行本のキャラ紹介で異能者にされてたな
    ひかげは悪魔とルームシェアしてるし、怪異くらい出てもおかしくない土台は既にあったのか

    222 = 1 :

    夏海「姉ちゃん、なに一人でぶつぶつ言ってんのさ。ウチの部屋まで聞こえてきたよ」

    小鞠「あ…ううん、何でもない…うるさくしてゴメン…」アセアセ

    夏海「まぁいいけどさ…うわっ!姉ちゃんそのイボさっきよりデカくなってない?早く消した方がいいよ?」

    小鞠「う、うん…大丈夫大丈夫…」

    夏海「それによく見ると人の顔みたいになってるし…なんか気持ち悪いね」

    小鞠「ちょっと!私のイボンヌちゃんを悪く言わないでよ!」

    夏海「へ?イボンヌちゃん?」

    小鞠「あ、違う…その…」

    夏海「…姉ちゃんさ、同世代が少なくて寂しいのは分かるけどイボを友達にしなくてもいいでしょーが」

    小鞠「そ、そうだよね…あはは…」

    イボンヌ「……」

    223 = 14 :

    田舎に怪異はよく似合う

    224 = 1 :

    夏海「ところで姉ちゃんさ、廊下の天井のシミ、見てみなよ」

    小鞠「そんなシミあったっけ?あ、本当だ…あんなのがあったなんて知らなかったな」

    夏海「のんのんばあから聞いたんだけどさ、【天井舐め】っていう妖怪がいるんだって」

    小鞠「な、なによそれ…」ゴクッ

    夏海「ふだん掃除がいき届かない天井を舌で舐めて綺麗にしてくれるんだけどさ…」

    夏海「そいつが舐めた場所には決まって謎のシミが出来るんだって。不気味だよねぇ」

    小鞠「はわわわわ…」ブルブル

    夏海「家にも住み着いてるってことなのかもね…さて、こまちゃんは今夜一人でトイレに行けるのでしょうか」

    小鞠「ううう、うっさい!一人で行けるもんっ!あとこまちゃんじゃない!」

    夏海「あはは!飯できたって呼んでたよ」タタタ…

    225 = 27 :

    こまちゃんは可愛いなあ!

    227 = 226 :

    >>226
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    228 = 1 :

    小鞠「うぅ…夏海の奴め…恐く…はないけど気になるじゃない…」

    イボンヌ「大丈夫ですよ小鞠さん。あのシミは天井舐めの仕業なんかじゃありません」

    小鞠「え、そうなんだ…」

    イボンヌ「ちょうどあの場所は昔夏海さんが瓦をはがして遊んでいた場所です。そのせいで今でも時々雨漏りしいるだけですよ」

    小鞠「なんだ…安心した…」ホッ

    イボンヌ「これからは私がついています。夜のトイレだって恐くありませんよ」

    小鞠「そっか!物怖じしないのが大人の女性だもん!よろしくねイボンヌちゃん!」

    イボンヌ「はい!私は小鞠さんの味方です!」


    小鞠「…いちおう聞くけどイボンヌちゃんって女の子だよね?」

    イボンヌ「私に性別というものはありませんが、小鞠さんの身体の一部なのだから女の子ということでいいと思いますが」

    小鞠「そっか、ならいいけど…」

    229 = 1 :

    一週間後


    イボンヌ「ゲエ~ップ…」

    小鞠「…イボンヌちゃんさ、ちょっと大きくなりすぎじゃない?」

    イボンヌ「あぁん?当たり前じゃねえか…霊力が回復しつつある証拠だよ」シーハー

    小鞠「でもそろそろ周りに隠すのも限界だし…」

    イボンヌ「うるせえな…背を伸ばしたいんだろ?黙って俺の養分になってりゃいいんだよ」

    小鞠「それに最近やたら口が悪くない?顔つきも前より凶悪になってるし…」

    イボンヌ「じゃかあしい!つべこべ抜かすとこのまま憑り殺すぞチビ助!」

    小鞠「…ムカッ」

    小鞠「もういい…あんたなんかお婆ちゃんに頼んでお祓いしてもらう!」

    イボンヌ「あ、おい!待ちやがれ!考えなおせ!」

    232 = 1 :

    のんのんばあ「ふ~む…危ないとこだったなぁ小鞠ちゃん」
           
    のんのんばあ「このままにしとったら精気を残らず吸い取られてしまうとこじゃったよ」

    小鞠「よかった…お札ありがとうね、お婆ちゃん」

    イボンヌ「ぐ…ちくしょう…」

    のんのんばあ「まだ安心しちゃいけん。そのお札を一時間貼ったままにしとけばイボは死ぬるけん」

    のんのんばあ「ええか、何があっても一時間は剥がしたらいけんぞ」

    小鞠「うん、わかったよ」

    のんのんばあ「ところでこれかられんげちゃんと散歩の約束をしとるだが、小鞠ちゃんも一緒に行かんかえ」

    小鞠「私はいいや。なんだか疲れちゃったし」

    のんのんばあ「そげか。まぁ少しづつとはいえ養分を吸われとっただけなぁ。そんなら帰ってしっかりお休み」

    のんのんばあ「ええか、念を押すけどくれぐれも一時間は札を剥がすじゃないぞ」

    233 = 209 :

    フラグ

    234 = 1 :

    イボンヌ「はぁ…はぁ…苦しい…」

    小鞠「ふんだ!いい気味だよ。はじめは調子のいいこと言ってさ」

    イボンヌ「うぅ…許してください小鞠さん…生意気言って申し訳ありませんでした…」

    小鞠「知らないよ。もう騙されないもん」

    イボンヌ「はぁ…はぁ…こんな目に遭うのも仕方のない事かもしれません…」

    イボンヌ「ただ…小鞠さんとの約束だけは果たして死にたかった…」

    小鞠「え…」

    イボンヌ「思えば私のような妖怪に優しく接してくださったのは小鞠さんだけでした…」

    イボンヌ「そんなあなたの恩を仇で返すようなマネをして…せめてあなたの望みを叶えてさしあげることでお詫びがしたい…」

    小鞠「イボンヌちゃん…」ジーン

    235 = 1 :

    イボンヌ「この一週間…とても楽しかったです…ありがとう小鞠さん…」フラフラ

    小鞠「イボンヌちゃん…?イボンヌちゃん!?」

    イボンヌ「ああ、意識が遠のいていく…」


    小鞠「ダメっ!眠っちゃダメだよイボンヌちゃん!」ベリッ

    イボンヌ「はぁ…はぁ…小鞠さん…よかったのですか…お札を剥がしてしまって…」

    小鞠「ごめんなさいイボンヌちゃん!私が間違ってた!少しの養分くらいなによ!私たち友達じゃない!」

    イボンヌ「あぁ!ありがとうございます小鞠さん!あなたは本当に優しい人だ!おかげで完全に目が覚めました!」

    イボンヌ「ですので今からお礼をしたいと思います。さっそく私の本体が眠っている場所にむかいましょう!」

    小鞠「やった!ついに念願の八頭身美女に…!」キラキラ

    236 = 27 :

    こまちゃんダメやで

    237 = 1 :

    小鞠「…こんな山奥まで入らないとダメなの?」

    イボンヌ「はい。私の本来の身体は怪我を負ってこの山で身体を休めておりますが
         霊体だけを飛ばすことによってこうして小鞠さんを通じて回復をはかることができたわけです」

    小鞠「それで怪我の方はもう大丈夫なの?」

    イボンヌ「いえ、まだ完全ではありませんがもう大丈夫…よっと」ピョン

    小鞠(指からキレイに取れちゃった…)

    イボンヌ「ヒヒヒ…馬鹿な娘だ…二度も騙されおって…」

    小鞠「イボンヌちゃん…?」

    イボンヌ「もうその名で呼ぶのはよせ!俺様は泣く子も黙る【見上げ入道】様だ!」

    小鞠「わお!すごく悪者っぽい台詞!」

    238 :

    ちょろいん

    239 = 1 :

    小鞠「な、なによ!また私のこと騙したっていうの!?もう怒った!あんたなんか踏み潰してやるから!」

    見上げ入道「ほぅ…出来るものならやってみるがいい…」


    にょきにょきにょきにょき


    小鞠「わっ!わっ!でっかくなった!」

    見上げ入道「まだまだ…こんなものではないぞ!」


    にょきにょきにょきにょき


    小鞠「ど、どこまで大きくなるのよ!」


    にょきにょきにょきにょき


    小鞠(これくらい顎あげないと見てらんない…!)

    240 = 1 :

    見上げ入道「ふはははは!どうだチビ助!さっきは随分ひどい目に遭わせてくれたな!」

    見上げ入道「もうちまちま栄養を啜る必要もない!貴様を食い殺して完全に復活してくれる!」

    小鞠「い、いやあああああ!」


    ガサガサッ…ピョン


    見上げ入道「ん?」


    「……」


    見上げ入道「う、うわああああああああ!!」シュルルルル

    241 = 35 :

    具様

    242 = 27 :

    こまちゃん食い殺したい

    243 = 1 :

    小鞠「き、消えちゃった…」ヘナヘナ

    れんげ「具ぅ、勝手に飛び出しちゃダメなのん」

    れんげ「あ、こまちゃん」

    小鞠「れんげ…なんでここに…」


    のんのんばあ「見上げ入道か…あげな妖怪まで寄ってきとるとは…」

    小鞠「お婆ちゃんも…そっか、二人で散歩に行くって…」

    のんのんばあ「あれの正体は霊力を持った狐だけん。猟師の罠にでも掛って弱っていたんじゃろう、天敵の狸を見て逃げ出しおった」

    小鞠「あ、危なかったぁ…ありがとうね、あんたが来てくれなきゃ私が食べられてたよ」ナデナデ

    「///」

    244 :

    めっちゃおもすろい

    245 = 1 :

    のんのんばあ「妖怪の中にはな、あいつのように人間の心の隙間や弱味につけこむものがおるだが」
           
    のんのんばあ「だけんいつでも心をしっかり持って、甘い言葉に惑わされんようにせないかん」

    小鞠「わかったよ…私が変に背伸びしたせいで今回みたいな事になっちゃったんだもんね…」

    れんげ「…こまちゃんは背はちっちゃいけどお勉強みてくれるし、転んだ時バンソーコー貼ってくれるし頼りになるん」

    れんげ「ウチ、こまちゃんの事だってねえねえみたいに思ってるのんな」

    小鞠「…ありがとうれんげ」

    小鞠「でも、背が小さいは余計」デコピン       

    れんげ「おっとこれは失言」

    のんのんばあ「ははは、それじゃあみんなで散歩の続きするか」

    のんのんばあ「ええかーっ!次悪さしたら狐鍋にして毛は座布団にしたるけえなぁーっ!」


    ビクッ…ガサガガガサガサ!


    のんのんばあ「はっはっは、逃げとる逃げとる」

    247 = 117 :

    しえん

    248 = 42 :

    面白い

    249 = 1 :

    ■化け猫


    日本の民間伝承や古典の怪談には、化け猫やそれと同一視される猫又に関するものが非常に多く見られる。
    猫は人間の生活に密着している動物でありながら謎に包まれた部分が多く、妖怪視され易かった。
    闇の中で光る眼や虹彩の変形、足音もなくふいに現れる事、聞きようによっては話し言葉のようにもとれるくぐもった鳴声。
    そういった特徴やとらえどころのない性格が昔の人に神秘性を抱かせていたのだろう。

    年老いた猫が化け猫に変わるという俗信は日本全国に見られ、おおよそ7年から20年生きた老猫が化けるのだという。
    飼い猫が妖怪化することを恐れてあらかじめ飼う年数を決めておいたり、あまり歳をとってしまうと殺すこともあったらしい。
    また、猫又になると尾が二股に分かれる事から、先手を打って尾を切除する風習まであった。

    猫は非常に知能の高い生き物で、人間の二歳児程度の思考は持ち合わせている。
    そのためか昔から猫は人の話すことを理解しており、十年も生きれば自ら言葉を発すると信じられていた。
    根岸 鎮衛の【耳嚢】には、ある寺で飼われている猫が庭で遊んでいる鳩を狙っている様子だったので
    それを見た和尚が声をあげて鳩を逃がしてやったところ、猫が「残念なり」と呟いたという怪談が載せられている。

    化け猫を扱った怪談でもっとも有名なのは「佐賀鍋島の化猫騒動」だろう。
    寛永十七年、肥前国佐賀藩の2代藩主・鍋島光茂の時代。光茂は臣下の龍造寺又七郎を碁の対局中につまらぬことで斬殺する。
    又七郎の母、お政の方は息子を殺された恨み辛みを愛猫コマに漏らしたあと、自らも自害する。
    お政の方の血を舐めたコマは、化け猫となって鍋島家に復讐せんと様々な怪を為す。
    家臣縁者を散々食い殺したあと、愛妾お豊に化けて光茂をたぶらかそうとするコマだったが
    家中随一の槍の名手・千布本右衛門によってついに正体を暴かれ、志し半ばで打ち取られる。

    こういった不気味な話がある一方で、飼い主に恩を返したり幸運をもたらしたという話も多く
    化け猫はバリエーションに富んだ面白味のある妖怪である。

    /nox/remoteimages/d2/ca/db2916eca2c0d2bcc45a0de0b052.jpeg

    250 = 244 :

    丸出しじゃねぇかwww


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