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    元スレ兄「妹が泣く夜は」

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    51 = 3 :

    ーーー翌日、兄の家

    「」ポカーン

    (何この素敵なマンション……)

    「どうしたの? つっ立ってないで入ったら?」

    「兄さん! 本当にここ兄さんの家なの!?」

    「そうだよ? 何なら賃貸契約書見せようか?」

    「あ、いや、別に……」

    「疲れただろ? 休憩しよう」

    「え? うん」トコトコ

    52 = 3 :

    ーーーーーーーー
    ーーーー

    「リビングにダイニングにキッチンと……」トコトコ

    「で、ここが風呂とトイレね」トコトコ

    「妹はこの部屋を使ってくれ」カチャ

    「兄さんの部屋は?」

    「隣だよ」

    「……ねぇ、ひとつ聞いていい?」

    「いいけど?」

    「兄さんは今アルバイトなんでしょ? しかもずっと休んでて。なのに何でこんなマンションに住んでるの?」

    「実は、アルバイトどころか仕事らしい仕事はしていないんだ」

    「ええっ!? どういう事!?」

    「詳しくはウェブ、じゃなくてリビングで」

    54 :

    3連敗って最初に言ってたけど大丈夫なのか

    55 :

    「実は俺、cisなんだ」ババーン

    「キャー、ダイテッ!!」

    56 = 3 :

    ーーーリビング

    「ま、座ってよ」チョコン

    「うん」チョコン

    「妹、FX取引って聞いたことある?」

    「さぁ? 初めて聞くわ」

    「ネットを使って、専用の口座にある自分の資金を外国のお金に換えたり」

    「それをまた日本のお金に換えたりしてお金を増やしていく、いわゆる資産運用のツールのひとつなんだ」

    「うん」

    「それを3年前に始めたら、どういう訳か運用に成功し続けて、まぁ時には損をすることもあるけど」

    「自分の資金が増えていったんだ」

    「へぇ……」

    「それで今では、FX取引の儲けだけで生活してるんだよ」

    57 :

    いいぞ

    58 = 3 :

    「本当に!? あ、そう言えばいつだったか『競馬で大穴当てた』って言って」

    「お父さんとお母さんと私にお金くれた事があったね? それってもしかして」

    「ああ、本当はFX取引で大儲けしたからなんだよ」

    「そうだったんだ。私にも30万もくれたからびっくりしたわよあの時は」

    「それで、お金にも余裕ができたからこのマンションに引っ越したってわけさ」

    「ふーん。でも兄さん、何でこの事を私たちに黙っていたの?」

    「ずっと黙っているつもりは無かったんだけどね」

    59 = 3 :

    「お父さんもお母さんも僕たちによく『お金は額に汗して稼ぐものだ』って言ってただろ?」

    「うん、言ってたね」

    「だけどFX取引は椅子に座っパソコンの前でマウスを動かすだけなんだ」

    「だから2人の言いつけに背いている罪悪感があって、中々言い出せなかったんだよ」ウルッ

    「だけどさすがに、そろそろカミングアウトしようと思っていた矢先に死んじゃって……」ジワァ

    「稼いだお金で親孝行をしようと思っていた矢先にさ……グズッ」

    「」スッ

    「こんなことなら、もっと早くカミングアウトすればよかったよ……、ヒッ……、ヒッ」

    「兄さん……」ジワァ

    「グズッ」

    60 = 3 :

    「グシッ……」

    「お父さんとお母さんが死んだ時、3回連続で損失を出したんだ。3回連続は初めてだったんだよ」

    「うん」

    「今にして思えば、虫の知らせだったのかもしれない」

    「僕が、蜂の巣を撤去する専門の業者のお金を出していれば、お父さんとお母さんは死なずに済んだんだ」

    「それは違う。兄さんは全然悪くないわ。あれは事故だったのよ……、ぐずっ」

    「うん、そうだよな。あれは事故だよな」

    61 :

    パンツがそわそわしてるけどもうすぐで飛べそう?

    62 = 3 :

    >>61
    もう少し先になりそうです。

    64 = 3 :

    ーーーーーーーー
    ーーーー

    「妹」

    「ん? 何?」

    「僕は今FX取引の稼ぎで十分暮らしていけるから働いてないんだ」

    「だから平日の昼間も家にいるからウザいって感じるかもしれないけど」

    「ううん全然! 全然ウザくないよ」フルフル

    「兄さんがいつも近くに居るから、寂しい思いをしなくて済むって思うとなんだか嬉しいけど」

    「そうかな」

    (兄さんは家で稼いで、私は家事をやって、いつも兄さんが傍に居て、なんて素敵なライフスタイルなんだろう♪)

    (だけど私達は兄妹で……。私、ここでずっと兄さんと暮らしたいよ)

    「今日はここに泊まっていく?」

    「え? あ、でも着替え持ってこなかったし、文鳥ちゃんも寂しいと思う」

    「そうだな。帰るか」

    65 = 3 :

    ーーー実家へ向かう電車内

    ゴジョウシャノデンシャハ、トッキュウ、アカギ1ゴウ、マエバシユキデス

    「東京で一緒に暮らすのに、ひとつだけ守ってほしいことがあるんだよ」

    「どんな事?」

    「僕たちはいわゆるプチセレブになるけど、だからってお金を湯水のように使ってほしくないんだ」

    「『いつまでもあると思うな親と金』っていうことわざがあるじゃないか」

    「うん」

    「僕たちはある日突然親を失った。だからもしかしたらお金もある日突然失ってしまうかもしれない」

    「FX取引だって大きな損失を出して、口座にある資金がまるっきり無くなってしまうこともありえるわけだ」

    「だから僕は儲けたお金はなるべく貯金しておこうと思うんだ。だから生活のレベルは今までと変わらないと思う」

    67 = 3 :

    「うん、私もそれでいいと思うよ」

    「それを聞いて安心したよ」ニコ

    「もしもだよ、もしも妹に浪費癖がついたりしたら、僕は妹と一緒に暮らす事は出来ない」

    「わかったね?」キリッ

    「うん。わかった(すごい真剣な目……)」

    「でもだからってケチケチしなくてもいいからね。今まで通り普通に暮らしていればいいのさ」

    「まぁ月に1~2回くらいはプチ贅沢とか、年に一度は普通の贅沢もしようと思ってるんだ」

    「贅沢か。たまにはいいよね」

    「たまにはね」

    69 = 3 :

    「私も兄さんに一つ守ってほしいことがあるんだ。養ってもらうのに言い辛いんだけど……」

    「養ってもらうなんて言うなよ、家族なんだから。遠慮しないで言ってごらん?」

    「うん、私が結婚するのを急かさないでほしいの」

    「ああ、いいよ。妹のペースでゆっくりお相手を探せばいいさ」

    「慌てて失敗してもね。ほら、『善は急げ』っていうじゃない?」

    「……ん? それを言うなら『急いては事をし損じる』じゃないか?」

    「え? あ! べ、別にいいじゃないのどっちでも」

    「まるっきり意味違うぞ?」

    「いいの!」



    (早く東京で兄さんと暮らしたい気持ちがつい出ちゃった……)

    70 = 3 :

    ーーーーーーーー
    ーーーー

    「夜1人で寝るのはまだ出来そうにない?」

    「うん。まだ出来そうにないかな」

    「じゃさ、シングルのベッドを買って僕のベッドの隣に置くからそこで寝てよ」

    「うん、ごめんね兄さん」

    「そんな、謝ることじゃないよ」

    71 = 24 :

    さるよけと保守任せた

    72 :

    パンツ脱いだ

    73 = 3 :

    ーーー妹の引っ越し後、兄の家

    「たまには、外で食事をしないか?」

    「うん、いいよ」

    「少し歩いた所にカフェがあってね、以前雑誌に紹介されていたんだけど、兄妹で切り盛りしているんだって」

    「へぇ、いいね。行こうよ♪」

    74 = 3 :

    >>72
    まだ早いです。

    75 = 3 :

    ーーーカフェ

    ガチャ

    マスター「いらっしゃい」
    マスター「いらっしゃいませー」



    「なかなかいい雰囲気ね」

    「そうだな。何となくレトロな雰囲気がいいね」



    マスター「いらっしゃいませ。ご注文お決まりになりましたらお声をおかけください」

    「あ、はい」

    「兄さんもこの店初めてなの?」

    「初めてだよ」

    76 = 3 :

    ーーーーーーーー
    ーーーー

    マスター「お待たせしました。ミックスサンドと、ナポリタンと、オレンジジュースになります」

    「あ、どうも」

    「わぁ、おいしそう」

    マスター「あのー、失礼ですが、お二人は御兄妹でいらっしゃいますか?」

    「はい、そうですけど?」

    マスター「やっぱりそうだったんですね」

    マスター「どことなくお顔も似てらっしゃいますし、さっき『兄さんもこの店初めて』とか妹さんが仰ってましたので、もしかしたらと思って」

    「兄に『近くに兄妹でやっているカフェがあるから行ってみよう』って言われて来てみたんですよ」

    マスター「まぁ、そうでしたか」

    77 = 3 :

    「以前は一人暮らしだったんですけど、事情があって妹と暮らす事になりまして」

    マスター「あら、私達と似てますね。実は私も一人暮らしの兄の所へ転がり込んで今に至っているんですよ」

    「本当だ。似てますね」

    マスター「出前頼むー」

    マスター「あ、はーい」

    マスター「ちょっとごめんなさいね。ごゆっくりどうぞ」トコトコ

    「はい」

    「僕たちといろいろ似てるね本当に」

    「ねぇ、これからも時々来ようよこのお店」

    「そうだな。来てみるか」

    78 :

    早くパンツ脱げ

    79 = 3 :

    ーーー帰り道

    「ごちそうさまでしたー」

    マスター「ありがとうございまーす」
    マスター「ありがとうございましたー。またよろしくお願いしますー」



    「ちょっと遠回りになるけどさ、運河沿いに遊歩道があってね、そこ歩いて行こう。なかなか夜景がきれいなんだ」

    「うん、いいよ」

    80 = 3 :

    テク……テク……
    テク……テク……

    「割ときれいな夜景ね。東京の運河沿いだしあまり期待していなかったんだけど」

    「な? そうだろ?」

    「うん♪」

    (綺麗な夜景が見える所を兄さんと2人きりで歩いて。これで手を繋いだり、腕を組めたら最高なんだけどな)

    (それとも思い切って抱き付いちゃおうかな……。いや、でも人目もあるし嫌がられたりしたら)

    (そうだ、前から気になっていたことを聞いてみよう)

    「兄さん」

    「ん?」

    「兄さんは今彼女いるの?」

    「いないよ」

    「ふーん」

    (兄さん、目の前に彼女になりたがっている女がいるのに)

    (はぁー……)

    81 = 3 :

    ーーー数日後、妹の部屋

    (兄さんに対するこの気持ち、もうどうにもならないわ。あの日の夜、遊歩道のいいムードがトドメだったなぁ)

    (でも実の兄を好きになっちゃうなんて異常なことだし、皆からも気持ち悪がられるだろうなぁ)

    (私はどうすればいいんだろう……。誰か助けてぇ!)ジワァ



    (兄さん……)

    「はぁー……」

    「……」

    (トイレに行って来よう)スック

    83 = 3 :

    ーーーリビング

    トコトコ

    文鳥「…ピッ…………ピピッ……ピッ………」

    「……」ジーッ

    「ねぇ文鳥ちゃん、兄さんに対するこの気持ち、どうしたらいいと思う?」

    文鳥「…ピッ………ピッ…」

    「はぁー……」

    (ソファーに座ってテレビでも見よう……)ポフッ カチッ

    84 = 3 :

    テレビ「カキーン…ウッター! オオキイゾ ハイルカ? ハイッター! ホームラ」カチッ

    テレビ「エー、ソノケンニカンシマシテハ、イッサイワカリマセン OOOクン ダイジン! ソレジャ」カチッ フッ

    (つまんないの……)

    「……」





    文鳥「『世間ノ目ヤ常識』ト『オ兄サントノ恋愛』、両方手ニ入レヨウナンテ欲張リダヨ。 ドッチカヲ捨テタラ?」



    「ん!?!?」ガバッ

    「文鳥ちゃん!?」

    85 = 3 :

    「文鳥がどうかしたか?」

    「あ、別に」

    「それより、ソファーで寝るならタオルケットとかかけないと風邪ひくよ。ほら」サッ

    「あ、もう起きるから」

    (……やだ、またいつのまにか寝ちゃった)

    「……」

    (『どっちかを捨てたら』か。確かに2つ共取ろうとするから迷うのよね)

    (だとしたら捨てるほうは決まっている……)

    (ありがとう文鳥ちゃん。私、もう迷わないわ)

    文鳥「…ピッ…………ピッ…ピッ…」

    86 = 3 :

    食事へ行ってきます。
    30分位で戻ります。

    87 :

    支援あげ
    5時まで残ってますように

    88 = 55 :

    89 = 55 :

    おい

    90 :

    ホッシュ

    92 = 55 :

    93 = 3 :

    支援ありがとうございます。
    再開します。

    94 = 3 :

    ーーー夕方前、仏壇の前

    (お父さん、お母さん、私はこれから、兄さんに私の想いを伝えます)

    (本来なら、私が他の男性と結婚して、子供ができれば一番喜んでくれるんでしょうけど)

    (でも私が、兄さん以外の男性を好きになるなんて絶対ないと思う)

    (そしてもう、兄さんへの想いを押さえるのは限界……)

    (実の兄を愛してしまうのは、世間からは白い目で見られてしまうけど、それでも私は構わない)

    (お父さん、お母さん、親不孝者になっちゃってごめんなさい)

    (『いいのよ、あなた達に散々辛い思いさせちゃったんだから、好きになさい』とか、言ってもらえたらいいな……)



    (妹、さっきからずっと仏壇の前に居るけど、どうしたんだ?)

    95 = 24 :



    頑張って完結させてくれ

    96 = 3 :

    (兄さんは優しいから、受け入れてくれるかな。でも世間的にはとんでもない話だし)

    (もし、私が告って兄さんに酷い振られ方をしたり、態度が豹変したりしてもうどうしようも無くなったら)

    (お父さんとお母さんの元へ行かせてもらうかもしれないけど……)

    (その時は、よろしくお願いします)ウルッ



    (兄さんへ想いを伝えて、受け入れてもらえれば天国、突っぱねられたら地獄)

    (一世一代の大博打ね。でももう、後戻りはしない)

    「」スック

    「よぉし、やったるわい!」
    「!?」ガタッ

    「あ」

    98 = 3 :

    ーーーーーーーー
    ーーーー

    「ねぇ兄さん、運河沿いの遊歩道に散歩に行こうよ」

    「ん? いいよ」

    99 = 3 :

    ーーー遊歩道

    テク……テク……
    テク……テク……

    (今日はいつもと様子が違うな。黙ったままだし。さっきの仏壇の前に居たのと関係があるのかな)

    (兄さん……、私の想い受けとめてくれればいいけど)

    (何か思い詰めてなければいいが)

    (そこに座って告白しよう)

    「兄さん」

    「ん?(やっと喋った)」

    「そこで少し休もうよ」

    「ああ」

    100 = 3 :

    チョコン
    チョコン

    「夕焼けがきれいだね」

    (どういう風に言えばいいんだろう? 自分の気持ちをそのまま伝えればいいのかな)

    「ねぇ、兄さん」

    「ん?」

    「」モソモソ ピトッ

    「?」

    「このまま、ずっと2人で暮らそうよ」

    「え?」


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