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元スレP「アイドルたちでブラスバンドですか?」
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バンドの背景として大型スクリーンを用意して、そこに武将姿で角笛を吹く律子を大写しにするんだろ
場所はどっかの歴史村、もちろんリアルタイム映像で
場所はどっかの歴史村、もちろんリアルタイム映像で
P「……すまん、俺も角笛の入った演奏編成はまったく経験がなくてわからなかったんだ……!」
律子「でしょうね」
P「わかってくれ!」
律子「わかりますよ」
P「ありがとう!」
律子「はあ……まあ気持ちは十分、ね。私も角笛がまさか正式採用されるとは思ってなかったし」
律子「ただ、立ったまんまもしんどいですから、とりあえず、真美の右隣りあたりに座らせてもらいますよ」
真美「へいへいりっちゃーん! ウェルカムだぜぃ!」
律子「はいはい……」
小鳥「……というか、編曲家の方は角笛のパートを入れてくださったんですか?」
P「依頼した時は『こいつ頭おかしいんじゃないか』みたいな視線で見られました」
律子「でしょうね」
P「わかってくれ!」
律子「わかりますよ」
P「ありがとう!」
律子「はあ……まあ気持ちは十分、ね。私も角笛がまさか正式採用されるとは思ってなかったし」
律子「ただ、立ったまんまもしんどいですから、とりあえず、真美の右隣りあたりに座らせてもらいますよ」
真美「へいへいりっちゃーん! ウェルカムだぜぃ!」
律子「はいはい……」
小鳥「……というか、編曲家の方は角笛のパートを入れてくださったんですか?」
P「依頼した時は『こいつ頭おかしいんじゃないか』みたいな視線で見られました」
小鳥「あの、まず何をすれば」
P「とりあえず、チューニングしましょう。伊織、お前がコンサートミストレスだ」
伊織「わかった」
小鳥「コンサート……え、なんですか?」
P「コンサートミストレス。指揮者とは別に、演奏者をとりまとめる役割の演奏者のことですよ。男ならコンサートマスターです」
P「オーケストラだと第一ヴァイオリン、吹奏楽だと第一クラリネットが担当することが多いです。ただ亜美のクラリネットは非常に低いですから、近い音色の伊織が適任かと」
P「コンサートミストレスが、Aか、あるいはB♭の音を出して行って、高い音の楽器から順に音を重ねていって、全体の音程を取るんです」
小鳥「なるほど……」
P「このバンドなら、まずリコーダー、そこにピッコロ→フルート→サックス→トランペット→ホルン→トロンボーン→チューバ→コントラクラリネット→コントラバス、ですね」
P「とりあえず、チューニングしましょう。伊織、お前がコンサートミストレスだ」
伊織「わかった」
小鳥「コンサート……え、なんですか?」
P「コンサートミストレス。指揮者とは別に、演奏者をとりまとめる役割の演奏者のことですよ。男ならコンサートマスターです」
P「オーケストラだと第一ヴァイオリン、吹奏楽だと第一クラリネットが担当することが多いです。ただ亜美のクラリネットは非常に低いですから、近い音色の伊織が適任かと」
P「コンサートミストレスが、Aか、あるいはB♭の音を出して行って、高い音の楽器から順に音を重ねていって、全体の音程を取るんです」
小鳥「なるほど……」
P「このバンドなら、まずリコーダー、そこにピッコロ→フルート→サックス→トランペット→ホルン→トロンボーン→チューバ→コントラクラリネット→コントラバス、ですね」
P「今回は俺が音を聞きますから、小鳥さんは入るタイミングを指示してください。おれが合図を出しますから」
小鳥「わかりました!」
P「それじゃあ伊織、音は……A、」
P「…………」
やよい「…………」
P「いや、……B♭で頼む」
伊織「……わかったわ」
小鳥「?」
小鳥「えっと、じゃあ、伊織ちゃんお願い」
小鳥「わかりました!」
P「それじゃあ伊織、音は……A、」
P「…………」
やよい「…………」
P「いや、……B♭で頼む」
伊織「……わかったわ」
小鳥「?」
小鳥「えっと、じゃあ、伊織ちゃんお願い」
伊織「 ~♪ 」
P(うん、さすがは伊織だ。リコーダーはクラリネットに比べて音が小さくなりがちだが、芯のある音だ。音程の揺れもない)
P「あずささんに」
小鳥「(あずささん、どうぞ)」スッ
あずさ「 ♪~ 」
P(初心者がピッコロを吹くとキンキンした音になりがちだが、いい音色をしている)
P(肝心の音程は……まあ、初回だし、こんなもの、か、な?)
P「美希を」
小鳥「(美希ちゃん)」スッ
P(うん、さすがは伊織だ。リコーダーはクラリネットに比べて音が小さくなりがちだが、芯のある音だ。音程の揺れもない)
P「あずささんに」
小鳥「(あずささん、どうぞ)」スッ
あずさ「 ♪~ 」
P(初心者がピッコロを吹くとキンキンした音になりがちだが、いい音色をしている)
P(肝心の音程は……まあ、初回だし、こんなもの、か、な?)
P「美希を」
小鳥「(美希ちゃん)」スッ
美希「 ♪~~~~~~ 」
P(む、むむう……ちょっと音程のズレが激しいな……)
P(フルートにありがちな、音が小さくくぐもってしまうということはないみたいだが……)
P「美希、もう少し低めに」
美希「(低め?)…… ♪~~~~~~~~ 」
P(ま、まあマシになったかな?)
P「雪歩を」
小鳥「(雪歩ちゃん)」スッ
P(む、むむう……ちょっと音程のズレが激しいな……)
P(フルートにありがちな、音が小さくくぐもってしまうということはないみたいだが……)
P「美希、もう少し低めに」
美希「(低め?)…… ♪~~~~~~~~ 」
P(ま、まあマシになったかな?)
P「雪歩を」
小鳥「(雪歩ちゃん)」スッ
のだめレベルの知識すらない俺が見て楽しめるんだからたいしたものよ
雪歩「 ♪____ 」
P「ゆ、雪歩。その1オクターブ上の音だ」
雪歩「っ! す、すみません!」
雪歩「 ♪ ―― 」
P(OKOK。雪歩は音程は安定してるな。揺れもない)
P(ただ、ジャズ系の曲に慣れてるせいか、音が少し硬いな。ちょっと周りと混ざりづらい音質だ)
P「……やよいを」
小鳥「(……やよいちゃんっ)スッ」
P「ゆ、雪歩。その1オクターブ上の音だ」
雪歩「っ! す、すみません!」
雪歩「 ♪ ―― 」
P(OKOK。雪歩は音程は安定してるな。揺れもない)
P(ただ、ジャズ系の曲に慣れてるせいか、音が少し硬いな。ちょっと周りと混ざりづらい音質だ)
P「……やよいを」
小鳥「(……やよいちゃんっ)スッ」
やよい「……」
やよい「っ!」
G~ G~ ...B♭ッ、~~G~ G~
P(やよい、音は出るようになったか!)
P(……でも、まだチューニングに使う、真ん中のB♭が出ないようだ。B♭と同じ指使いで出る、Gの音が出てしまっている……)
やよい「―! ―!」
P「やよい。その1オクターブ下の音でいい。今日はそれで合わせるんだ」
やよい「は、はい」
♪__ ♪____
P(低い音はそれなりに安定してるな。まだ褒められるほどのレベルじゃないが……)
P(とりあえず、音が出ないという最初の壁は乗り越えたか。よく頑張ったな、やよい……)
やよい「っ!」
G~ G~ ...B♭ッ、~~G~ G~
P(やよい、音は出るようになったか!)
P(……でも、まだチューニングに使う、真ん中のB♭が出ないようだ。B♭と同じ指使いで出る、Gの音が出てしまっている……)
やよい「―! ―!」
P「やよい。その1オクターブ下の音でいい。今日はそれで合わせるんだ」
やよい「は、はい」
♪__ ♪____
P(低い音はそれなりに安定してるな。まだ褒められるほどのレベルじゃないが……)
P(とりあえず、音が出ないという最初の壁は乗り越えたか。よく頑張ったな、やよい……)
P(その後も、チューニングを続けて言った……の、だが……)
貴音「♪__~~~~~~」
P(貴音、吹き続けると音程が上がっていってるぞ)
亜美「♪――――ッ!」
P(亜美、うるせえー! まわりの音を聞いてないだろ!)
真「ッッッ♪―――!」
P(真、タンギングが強すぎだ! もっと滑らかに音が出し始めてくれ!)
真美「♪――――ッ!」
P(お前もうるせぇー! 音量は大したもんだけど!)
社長「♪~~~」
P(見直しました社長)
P(その後、金管全体、木管全体、低音域全体などに分けて音程を取ってみても、なかなかかみ合わず……)
P(結局、チューニングだけで40分以上かかってしまった……)
貴音「♪__~~~~~~」
P(貴音、吹き続けると音程が上がっていってるぞ)
亜美「♪――――ッ!」
P(亜美、うるせえー! まわりの音を聞いてないだろ!)
真「ッッッ♪―――!」
P(真、タンギングが強すぎだ! もっと滑らかに音が出し始めてくれ!)
真美「♪――――ッ!」
P(お前もうるせぇー! 音量は大したもんだけど!)
社長「♪~~~」
P(見直しました社長)
P(その後、金管全体、木管全体、低音域全体などに分けて音程を取ってみても、なかなかかみ合わず……)
P(結局、チューニングだけで40分以上かかってしまった……)
律子「……えーと、やっと終わりましたか?」
P「なんとか……」
小鳥「多分……」
伊織「めちゃくちゃ疲れたわよっ! もう!」
律子「伊織だけじゃありません。チューニングしない組も……」
春香「…………」(ペダルを意味なくふみふみしている)
千早「…………」(教則本を読んでいる)
響「…………」(トライアングルをぶらぶらさせて遊んでいる)
律子「ね」
P「……はあ」
P「なんとか……」
小鳥「多分……」
伊織「めちゃくちゃ疲れたわよっ! もう!」
律子「伊織だけじゃありません。チューニングしない組も……」
春香「…………」(ペダルを意味なくふみふみしている)
千早「…………」(教則本を読んでいる)
響「…………」(トライアングルをぶらぶらさせて遊んでいる)
律子「ね」
P「……はあ」
伊織「どうするのよ? この状態だけど、とりあえず合奏してみる?」
P「……まあ、ここまできてしないのも、な」
春香「そーですよー」
響「それはあんまりだぞ!」
P「……よし、やってみよう。まあ、曲の流れだけでも掴まないとな」
千早「ええ、お願いします」
小鳥「じゃ、じゃあ……とりあえず【9:02pm】からやってみましょう!」
一同『はーい』
P「……まあ、ここまできてしないのも、な」
春香「そーですよー」
響「それはあんまりだぞ!」
P「……よし、やってみよう。まあ、曲の流れだけでも掴まないとな」
千早「ええ、お願いします」
小鳥「じゃ、じゃあ……とりあえず【9:02pm】からやってみましょう!」
一同『はーい』
ブラスバンドって大人数だけど、一人くらいは「あーこの曲だせーやりたくねー」とか思ってる奴いたりすんの?
そりゃ当然いるよ
お祭りとかのイベント向けのポップな曲嫌う人とか逆にコンクール用の複雑な曲をやりたがらない人とか
後よくも悪くも団体競技だから下手な人は苦しいけどズバ抜けて上手い人は退屈になる
この辺はアイドル達にも傾向出てるね
お祭りとかのイベント向けのポップな曲嫌う人とか逆にコンクール用の複雑な曲をやりたがらない人とか
後よくも悪くも団体競技だから下手な人は苦しいけどズバ抜けて上手い人は退屈になる
この辺はアイドル達にも傾向出てるね
P(この曲のメロディは、Aメロは主に貴音のホルン、サビ部分はあずささんと美希のフルート。そして間奏部に一つ、伊織のリコーダーソロがある)
小鳥「 ~ ~ ~ ~ 」
♪~
P(出だしの伴奏は……まあ、音程のことを除けば問題ない。リズムは取れてる)
P(さて、Aメロは……)
貴音「 ♪~ ― ~ 」
P(音の表現力は初心者にしては十分すぎるぐらいだ。ただ、やはり音程が少し伸ばしたときに上ずるな)
あずさ・美希『 ♪~ ♪~ ♪~ 』
P(サビは……あずささんの主旋律に美希のハモりだが、どうも音量が逆転してるな。あずささんは少し小さいし、美希は少し大きいな)
伊織『 ♪... ♪、♪~~(え、えっと、ここがこうで、あわわわわ)』
P(まあ、今朝渡したばっかりのソロとか、当然こうなるわな……まあ、伊織なら、しっかり練習を積めばなんとかなるだろう)
P(…………えーと、あとは)
亜美・真美・真『 ッッ♪――――ッ! 』
P(低音トリオがうるせえ!)
小鳥「 ~ ~ ~ ~ 」
♪~
P(出だしの伴奏は……まあ、音程のことを除けば問題ない。リズムは取れてる)
P(さて、Aメロは……)
貴音「 ♪~ ― ~ 」
P(音の表現力は初心者にしては十分すぎるぐらいだ。ただ、やはり音程が少し伸ばしたときに上ずるな)
あずさ・美希『 ♪~ ♪~ ♪~ 』
P(サビは……あずささんの主旋律に美希のハモりだが、どうも音量が逆転してるな。あずささんは少し小さいし、美希は少し大きいな)
伊織『 ♪... ♪、♪~~(え、えっと、ここがこうで、あわわわわ)』
P(まあ、今朝渡したばっかりのソロとか、当然こうなるわな……まあ、伊織なら、しっかり練習を積めばなんとかなるだろう)
P(…………えーと、あとは)
亜美・真美・真『 ッッ♪――――ッ! 』
P(低音トリオがうるせえ!)
続いて【愛 LIKE ハンバーガー】!!!
P(この曲は、Aメロはやよいのトランペット、Bメロで亜美のトロンボーン、サビで雪歩のサックスが主なメロディ奏者だな)
P(そして響はずっとドラムで出ずっぱり。そして2番の後に、原曲にはない春香のピアノソロが挿入されている)
P(響のドラムの出だしは快調だな……って、ありゃ)
響「♪っ♪っ♪っ♪っ」
P(響……足元のベースドラムのことを忘れてやがるな。手を動かすのに急がして気が回らないのか)
P(ん、Aメロに入ったな。さて、やよい……)
やよい「 ………… ――♪っ! ♪っ♪っ♪っ! ――♪っ!」
P(うっ……リズムは取れていて問題ないが、B♭よりも高い音が出ていない。やはり高音の壁にぶち当たってるな……)
亜美「 っ♪♪♪っ♪っ♪っ♪っ! 」
P(Bメロの亜美のメロディ、音量と迫力は大したものだが……早い! 響のドラムを無視して前のめりになってるぞ)
雪歩「 ッ ♪ ッ ♪ ッ ♪ ッ ♪ 」
P(雪歩はさすが、安定してるな。楽しそうに演奏している……だがやっぱり音が硬質だな。サビをソロにするわけにもいかないし、音質の改善をどうにかしないと……)
春香「ええっと、っ! こ、ここがこうであわわわわわわわ」
P(……いや春香、そりゃ鍵盤楽器だから喋れるけど、いちいち慌てようを実況しなくていいぞ――――はっ、まさか撮影用のリアクションなのか!?)
P(この曲は、Aメロはやよいのトランペット、Bメロで亜美のトロンボーン、サビで雪歩のサックスが主なメロディ奏者だな)
P(そして響はずっとドラムで出ずっぱり。そして2番の後に、原曲にはない春香のピアノソロが挿入されている)
P(響のドラムの出だしは快調だな……って、ありゃ)
響「♪っ♪っ♪っ♪っ」
P(響……足元のベースドラムのことを忘れてやがるな。手を動かすのに急がして気が回らないのか)
P(ん、Aメロに入ったな。さて、やよい……)
やよい「 ………… ――♪っ! ♪っ♪っ♪っ! ――♪っ!」
P(うっ……リズムは取れていて問題ないが、B♭よりも高い音が出ていない。やはり高音の壁にぶち当たってるな……)
亜美「 っ♪♪♪っ♪っ♪っ♪っ! 」
P(Bメロの亜美のメロディ、音量と迫力は大したものだが……早い! 響のドラムを無視して前のめりになってるぞ)
雪歩「 ッ ♪ ッ ♪ ッ ♪ ッ ♪ 」
P(雪歩はさすが、安定してるな。楽しそうに演奏している……だがやっぱり音が硬質だな。サビをソロにするわけにもいかないし、音質の改善をどうにかしないと……)
春香「ええっと、っ! こ、ここがこうであわわわわわわわ」
P(……いや春香、そりゃ鍵盤楽器だから喋れるけど、いちいち慌てようを実況しなくていいぞ――――はっ、まさか撮影用のリアクションなのか!?)
社長「……ふむ、一通り、楽譜はすべて攫った、な……」
P「…………」
小鳥「どうでしょう」
P「…………」
P「千早、俺の代弁を」
千早「もう一度個人で練習しましょう」
一同『はい』
P(最初の合奏は、当然ながら、なんともひどいものだった……)
P「…………」
小鳥「どうでしょう」
P「…………」
P「千早、俺の代弁を」
千早「もう一度個人で練習しましょう」
一同『はい』
P(最初の合奏は、当然ながら、なんともひどいものだった……)
小鳥「あのう、プロデューサー……今日の合奏は……」
P「まあ、改善点の山ですね」
小鳥「あはは……まあ、そうですよねえ……」
P「まだ始めて一か月ですしね。それを鑑みれば、むしろ大したものだともいえるぐらいです。普段から音楽に携わっている子たちだからでしょうかね」
小鳥「あ……実は私も、正直『すごい』って思ったんですよ」
小鳥「うまくいかないことも多々あったでしょうに、ここまで漕ぎつけてるなんて、むしろ大したものだと思っちゃうんです」
小鳥「あ、も、もちろんプロデューサーさんからしたら、まだまだ全然に映るんだろうなとはわかってますよ?」
P「いえ、実際、大したものですよ……みんな。やよいだって」
小鳥「やよいちゃん。大丈夫でしょうか」
P「上達は、たぶんできます。高い音が出ないなんていうのは、経験しない人がいない壁ですから。超えられる壁です」
P「ただ……やよいが、それまでに、壁に押しつぶされてしまわないか、それだけが心配です」
小鳥「…………」
小鳥「だいじょーぶですよ、プロデューサーさん」
P「まあ、改善点の山ですね」
小鳥「あはは……まあ、そうですよねえ……」
P「まだ始めて一か月ですしね。それを鑑みれば、むしろ大したものだともいえるぐらいです。普段から音楽に携わっている子たちだからでしょうかね」
小鳥「あ……実は私も、正直『すごい』って思ったんですよ」
小鳥「うまくいかないことも多々あったでしょうに、ここまで漕ぎつけてるなんて、むしろ大したものだと思っちゃうんです」
小鳥「あ、も、もちろんプロデューサーさんからしたら、まだまだ全然に映るんだろうなとはわかってますよ?」
P「いえ、実際、大したものですよ……みんな。やよいだって」
小鳥「やよいちゃん。大丈夫でしょうか」
P「上達は、たぶんできます。高い音が出ないなんていうのは、経験しない人がいない壁ですから。超えられる壁です」
P「ただ……やよいが、それまでに、壁に押しつぶされてしまわないか、それだけが心配です」
小鳥「…………」
小鳥「だいじょーぶですよ、プロデューサーさん」
小鳥「やよいちゃんは強い子ですから。765プロの元気タンクですよ、あの子は」
小鳥「それに……誰かが苦しんでいれば、必ず手が差し伸べられる。そういうところでしょう? この765プロっていうのは」
P「……小鳥さん」
P「そうですね。俺が間違ってましたよ。やよいなら、必ず壁を越えてくれます」
P「そのためには、まず俺たちから信じてやらなきゃ、ですね」
小鳥「ええっ! プロデューサーさんが、皆の頼りですから! しっかり指導してあげてください!」
P「……ええ、それじゃ、さっそく」
P「練習しましょうか、小鳥さん」
小鳥「え」
小鳥「それに……誰かが苦しんでいれば、必ず手が差し伸べられる。そういうところでしょう? この765プロっていうのは」
P「……小鳥さん」
P「そうですね。俺が間違ってましたよ。やよいなら、必ず壁を越えてくれます」
P「そのためには、まず俺たちから信じてやらなきゃ、ですね」
小鳥「ええっ! プロデューサーさんが、皆の頼りですから! しっかり指導してあげてください!」
P「……ええ、それじゃ、さっそく」
P「練習しましょうか、小鳥さん」
小鳥「え」
小鳥「えっと、あれ? ぷ、プロデューサーさん?」
P「ちゃあーんとみてましたよ、小鳥さんの指揮も」
P「響のテンポに合わせて指揮棒振ってましたよね。逆ですよ、響にテンポ指示するのが役割なんですよ」
小鳥「ぎく」
P「伊織がソロ吹いてるときリズムを見失ってましたよね。ソロ中も指揮棒は一定のテンポですよ」
小鳥「ぎくぎく」
P「4拍の指揮棒の振り方、左右逆でしたよ」
小鳥「ぎ、くっ……」
P「あと指揮棒落としてましたね。それも3回ほど」
小鳥「――――」(蒼白)
P「みーっちりレッスンしてさしあげますよ。マンツーマンで」
小鳥「お、お、お手柔らかにお願いします……」
小鳥(あ、でもちょっと嬉しいような……)
P「ちゃあーんとみてましたよ、小鳥さんの指揮も」
P「響のテンポに合わせて指揮棒振ってましたよね。逆ですよ、響にテンポ指示するのが役割なんですよ」
小鳥「ぎく」
P「伊織がソロ吹いてるときリズムを見失ってましたよね。ソロ中も指揮棒は一定のテンポですよ」
小鳥「ぎくぎく」
P「4拍の指揮棒の振り方、左右逆でしたよ」
小鳥「ぎ、くっ……」
P「あと指揮棒落としてましたね。それも3回ほど」
小鳥「――――」(蒼白)
P「みーっちりレッスンしてさしあげますよ。マンツーマンで」
小鳥「お、お、お手柔らかにお願いします……」
小鳥(あ、でもちょっと嬉しいような……)
そして二週間ぐらい経った頃ッ!!!!
伊織「1・2・3・4、1・2・3・4……」
P(木管楽器グループは、伊織が中心となって指導を進めていった)
伊織「……ふうっ」
P「お疲れさま、伊織。ジュース買ってきたぞ」
伊織「あら、気が利くじゃない。にひひっ♪」
P「ずいぶん上手くなったな。あずささんと美希の音量バランス、だいぶ改善されてきてるぞ」
伊織「つきっきりで指導したから、まあ、このぐらいはね」
伊織「あずさなんて、どうしても音量が出ないから、千早を呼んで腹筋までしたのよ。もちろん、ばっちり成果は出たわ」
P「お前、マジですごいな……」
伊織「そりゃもう! 今を輝く、スーパーアイドル伊織ちゃんですもの!」
P「ははは……ホント、その通りだな」わしゃわしゃ
伊織「っ! ちょ、ちょっと、急に頭とか撫でるのやめなさいよ!」
P「いやなに、伊織が頑張ってくれてるのが、素直にすごく嬉しいし、助かってるから、褒めたくなってな」
伊織「……ふんっ、まったく……せ、せっかくセットした髪が乱れるんだから、ちょっとは気をつかいなさいよね……」
伊織「1・2・3・4、1・2・3・4……」
P(木管楽器グループは、伊織が中心となって指導を進めていった)
伊織「……ふうっ」
P「お疲れさま、伊織。ジュース買ってきたぞ」
伊織「あら、気が利くじゃない。にひひっ♪」
P「ずいぶん上手くなったな。あずささんと美希の音量バランス、だいぶ改善されてきてるぞ」
伊織「つきっきりで指導したから、まあ、このぐらいはね」
伊織「あずさなんて、どうしても音量が出ないから、千早を呼んで腹筋までしたのよ。もちろん、ばっちり成果は出たわ」
P「お前、マジですごいな……」
伊織「そりゃもう! 今を輝く、スーパーアイドル伊織ちゃんですもの!」
P「ははは……ホント、その通りだな」わしゃわしゃ
伊織「っ! ちょ、ちょっと、急に頭とか撫でるのやめなさいよ!」
P「いやなに、伊織が頑張ってくれてるのが、素直にすごく嬉しいし、助かってるから、褒めたくなってな」
伊織「……ふんっ、まったく……せ、せっかくセットした髪が乱れるんだから、ちょっとは気をつかいなさいよね……」
雪歩「――それじゃ、いくよ。サン、ハイッ」
亜美・真美・真『ッ! ♪! ッ! ♪! ッ! ♪! ッ! ♪! ッ! ♪!』
P(低音域のベースグループには、【9:02pmには律子】、【愛 LIKE ハンバーガー】には雪歩が加わって、それぞれ指揮を執って練習している)
雪歩「うん、いい感じだよ皆!」
真「ホントかい、雪歩!」
亜美・真美「よっしゃー!」
P(ベースグループのバリバリの迫力ある音色は、スウィングジャズによく合っている。こっちはかなり完成度も上がってきたな)
P(この曲は、間違いなくこのベースグループがバンド全体を引っ張ってくれるだろう)
雪歩「じゃあ、律子さん、【9:02pm】のほうをお願いします」
律子「ええ」
P(……ただ、問題はこっちだよなあ)
亜美・真美・真『ッ! ♪! ッ! ♪! ッ! ♪! ッ! ♪! ッ! ♪!』
P(低音域のベースグループには、【9:02pmには律子】、【愛 LIKE ハンバーガー】には雪歩が加わって、それぞれ指揮を執って練習している)
雪歩「うん、いい感じだよ皆!」
真「ホントかい、雪歩!」
亜美・真美「よっしゃー!」
P(ベースグループのバリバリの迫力ある音色は、スウィングジャズによく合っている。こっちはかなり完成度も上がってきたな)
P(この曲は、間違いなくこのベースグループがバンド全体を引っ張ってくれるだろう)
雪歩「じゃあ、律子さん、【9:02pm】のほうをお願いします」
律子「ええ」
P(……ただ、問題はこっちだよなあ)
律子「――いいわね、復唱しなさいあんたたち」
律子『音量を抑えます!』
亜美・真美・真『音量を抑えます!』
律子『周りの音をしっかり聴きながら演奏します!』
亜美・真美・真『周りの音をしっかり聴きながら演奏します!』
律子「よしっ! では――4 ・ 3 ・ 2 ・ 1 …っ!」
ッッッ♪――――――――――~~~~~~~~~~~~~ッ!
律子「だあらっしゃああああああっ!!!!」
P「」
律子『音量を抑えます!』
亜美・真美・真『音量を抑えます!』
律子『周りの音をしっかり聴きながら演奏します!』
亜美・真美・真『周りの音をしっかり聴きながら演奏します!』
律子「よしっ! では――4 ・ 3 ・ 2 ・ 1 …っ!」
ッッッ♪――――――――――~~~~~~~~~~~~~ッ!
律子「だあらっしゃああああああっ!!!!」
P「」
亜美「ええー! これでもダメなのー!?」
真美「これ以上は抑えようがないよー!」
律子「あんたらねえ。あんたらの伴奏の上に乗るのは、フルートやリコーダーなのよ。そこんところわかってる?」
真「でもなあ。ボク、これ以上音量抑えたら、高い音が出なくなっちゃうんだよ」
亜美「あっ、それ亜美も!」
真美「真美もだYO! ねえねえ、りっちゃーんどうしたらいいの?」
律子「うっ……そんなことを私に訊かれても……」
P「苦戦してるか、律子」
律子「あっ、プロデューサー」
真美「これ以上は抑えようがないよー!」
律子「あんたらねえ。あんたらの伴奏の上に乗るのは、フルートやリコーダーなのよ。そこんところわかってる?」
真「でもなあ。ボク、これ以上音量抑えたら、高い音が出なくなっちゃうんだよ」
亜美「あっ、それ亜美も!」
真美「真美もだYO! ねえねえ、りっちゃーんどうしたらいいの?」
律子「うっ……そんなことを私に訊かれても……」
P「苦戦してるか、律子」
律子「あっ、プロデューサー」
P「話は聞いたよ。3人とも、高い音が出ないのか」
真「そうなんですよ! 低い音は出るんですけど、高い音に昇っていくと、途中で下に外れちゃうんです」
P「ズバリ教えてやろう。それはな、身体全体を使って演奏ができていない証だ」
亜美「カラダ?」
真美「ゼンタイ?」
P「うむ。いいか。管楽器初心者によくありがちな誤りだが、楽器というのは、口だけに頼ってちゃダメなんだ」
真「でも、実際に楽器に触れるのは口ですよね?」
P「直接触れるのは、な」
P「真、ちょっと、腹筋に力をこめろ」
真「え? あ、はい」
P「ちょっと失礼するぞ」サワッ
真「うひゃあい!」
真「そうなんですよ! 低い音は出るんですけど、高い音に昇っていくと、途中で下に外れちゃうんです」
P「ズバリ教えてやろう。それはな、身体全体を使って演奏ができていない証だ」
亜美「カラダ?」
真美「ゼンタイ?」
P「うむ。いいか。管楽器初心者によくありがちな誤りだが、楽器というのは、口だけに頼ってちゃダメなんだ」
真「でも、実際に楽器に触れるのは口ですよね?」
P「直接触れるのは、な」
P「真、ちょっと、腹筋に力をこめろ」
真「え? あ、はい」
P「ちょっと失礼するぞ」サワッ
真「うひゃあい!」
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