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元スレ芳佳「十一人の怒れる魔女」
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ある日の朝… 会議室にて
ミーナ「…みんな集まったわね」
坂本「ああ」
芳佳「いったいなにが始まるんですか?」
シャーリー「もう訓練始めないといけない時間じゃないか?」
ミーナ「…みんな集まったわね」
坂本「ああ」
芳佳「いったいなにが始まるんですか?」
シャーリー「もう訓練始めないといけない時間じゃないか?」
ミーナ「とりあえずお静かに。まず説明の前に点呼を取りましょう。呼ばれたら返事をするように。坂本少佐。」
坂本「はい。」
ミーナ「バルクホルン大尉。」
バルク「はい。」
ミーナ「宮藤さん。」
宮藤「はい!」
ミーナ「リーネさん。」
リーネ「はい。」
ミーナ「リーネさん。」
リーネ「はい。」
ミーナ「ペリーヌさん。」
ペリ「はいっ。」
ミーナ「シャーリーさん。」
シャーリー「はいっ!」
ミーナ「ルッキーニさん。」
ルッキ「はいはいはーい!」
ミーナ「エイラさん。」
エイラ「ハイ。」
ミーナ「サーニャさん。」
サーニャ「はい…。」
ミーナ「うん、全員揃ってるわね。」
芳佳「え、…ちょ、ちょっと待って下さい! ハルトマンさんがいません!」
坂本「ん? まあ…そのことなんだが…。」
芳佳「…?」
坂本「…ミーナの方から説明がある。よく聞くように。」
①
ミーナ「今日、皆に急遽集まってもらったのは、"あること"について一つの結論を出して欲しいの。」
シャーリー「あること?」
ミーナ「えぇ。もしかすると、今日一日使っての議論になるかもしれない…。だから、心して聞いて欲しいの。」
芳佳「…は、はい」
ミーナ「…あのね…。」
芳佳「…。」(ゴクリ)
ミーナ「食料倉庫に保管してあったじゃがいもが…全て無くなっていたの。」
ミーナ「今日、皆に急遽集まってもらったのは、"あること"について一つの結論を出して欲しいの。」
シャーリー「あること?」
ミーナ「えぇ。もしかすると、今日一日使っての議論になるかもしれない…。だから、心して聞いて欲しいの。」
芳佳「…は、はい」
ミーナ「…あのね…。」
芳佳「…。」(ゴクリ)
ミーナ「食料倉庫に保管してあったじゃがいもが…全て無くなっていたの。」
芳佳「……………えっ」
芳佳「ええ~~~~!!」
バルク「なんだと!?」
ペリーヌ「本当ですの!?」
エイラ「…なんだよ、そんなことかヨ…。」
サーニャ「……。」
ルッキーニ「な~んだ~。」
シャーリー「なんだよ。驚かせないでくれよ~。」
リーネ「いやっ、た、大変なことだよ!」
坂本「まあ落ち着け、みんな。」
バルク「…なるほど、つまり犯人はどう考えてもハルトマン…! そんなことをしそうなのはアイツしかいない!」
芳佳「で、でもちょっと待って下さい!昨日の早朝の時点ではしっかりじゃがいもはありましたよ!」
リーネ「その日は私と芳佳ちゃんが調理当番だったから、私も確認しました!」
坂本「無くなってると気づいたのは昨日の夜だ。」
ミーナ「ええ。食糧倉庫から、綺麗サッパリ無くなっていたわ。」
芳佳「そんな…貴重な野菜だったのに…。」
坂本「そこでだ。皆も知っている通り、昨日はハルトマンはいつも以上に寝坊をした。そして午前の訓練は参加していなかった。」
バルク「あぁ。」
ミーナ「ええ。食糧倉庫から、綺麗サッパリ無くなっていたわ。」
芳佳「そんな…貴重な野菜だったのに…。」
坂本「そこでだ。皆も知っている通り、昨日はハルトマンはいつも以上に寝坊をした。そして午前の訓練は参加していなかった。」
バルク「あぁ。」
坂本「昼食後の午後からの飛行訓練から参加だったが…気付いた人も多いだろうが、その日はどうも本調子ではなかったな。」
バルク「はっきり覚えている。」
ミーナ「このことから、ハルトマン中尉がなんらかの理由があって、じゃがいもを全て食べてしまった…もしくは盗んで隠した、あるいは処分したとして、罰則を与えることに決めたの。」
芳佳「ええっ!?」
バルク「うむ、妥当だ。」
坂本「罰則は、"3日間の自室待機処分"。 今日から3日間は一切部屋から出ることを禁止する。もちろん、他人がハルトマンの部屋に入ることもだ。」
芳佳「えっ…ちょっと待って下さい! ハルトマンさんは何も言ってないんですか!?」
ミーナ「もちろん、昨日の夜のうちに美緒とふたりで本人に問いたわ…。」
坂本「本人は…もちろん否定した。そこで罰則の内容を伝えたんだが…。」
芳佳「伝えたら…?」
坂本「…素直に受け入れた。」
ミーナ「ええ、心なしか、少し喜んでいるように見えたわ。」
バルク「なっ…! 奴の寝坊グセがここまで来たというのか! 数日ひたすら訓練に参加せず、ただ寝ていたいがためにわざと罰則を受けるようなことを…!」
リネット「大事な食料を…ハルトマンさんが…。さすがにひどいと思います…。」
エイラ「中尉もおわったナ。」
ルッキーニ「え~~~っ! もうしばらくじゃがいも食べられないの~!?」
シャーリー「残念だけどな。まあ、仕方ないことだ。」
芳佳「…。」
シャーリー「ところで中佐。議題は結局なんなんだ。」
ミーナ「ああ…ごめんなさい。要するに、この罰則について賛成か反対か、皆に決めて欲しいの。残念だけど、これは上からの命令でね。」
坂本「軍の上層部も少し怒り気味だ。最近の501は特にたるんでると思われているしな。」
芳佳「…。」
バルク「くっ…これを期に、ネウロイから世界を守ることが我々の指名だという強い認識を改めて持たなくてはな…。」
坂本「ちなみに言っておくが、10人中10人全員が賛成、もしくは反対でないとこの議会は終われない。丸一日この議会にあてるよう命令された。そこで、今日の訓練は急遽中止だ。」
ルッキーニ「えっ!ほんとに!? やったー!」
シャーリー「こっコラ!ルッキーニ!」
ルッキーニ「ていうことはさ!早く終わらせちゃえば今日は一日遊べるってことじゃん!」
坂本「まあ、そうなるな。」
ルッキーニ「うじゅうう~。」
ペリーヌ「正直、長引く余地は無いでしょうに。」
エイラ「だよナ。」
芳佳「………。」
坂本「このことに関して、異論はないか?」
バルク「無い。はやく決めてしまおう。…私は悲しい。ハルトマンに対しても、それを厳しく叱ってやれなかった私に対しても…。」
リーネ「バルクホルンさん…。」
ルッキーニ「早くぅ~! 早く終わらせようよ~!」
芳佳「……………。」
ミーナ「では、一人づつ順番に言ってもらうわ。ちなみに私は賛成ね。では、坂本少佐。」
坂本「非常に残念なことだが…私は賛成だ。すこし頭を冷やしてもらわないとな…。」
ミーナ「賛成2票。では、バルクホルン大尉。」
バルク「もちろん賛成だ! いや、もっと厳しい罰則を与えても私は構わない!」
ミーナ「賛成3票。次、シャーリーさん。」
シャーリー「賛成かな~。ハルトマンは実力はあるけど、だからといって今回の件を見逃すわけにはいかないしな~。」
ミーナ「賛成4票。ルッキーニさん。」
ルッキーニ「賛成賛成!! ねえシャーリー、今日はいい天気だからさ!海で泳ごうよ!」
シャーリー「気が早いぞルッキーニ。」
ミーナ「賛成5票。エイラさん。」
エイラ「私も賛成ダナ。」
ミーナ「賛成6票。サーニャさん。」
サーニャ「…賛成…。」
ミーナ「賛成7票。ペリーヌさん。」
ペリーヌ「私も賛成ですわ! 大尉も言ったように、メンバー全員が軍隊としての自覚を持ついい機会ですわ!」
ミーナ「賛成8票。リーネさん。」
リーネ「さ、賛成で…。」
ミーナ「賛成9票。では最後、宮藤さん。」
芳佳「………。」
ミーナ「宮藤さん?」
芳佳「私は……わたしは…」
坂本「宮藤、早く決めろ。」
ルッキーニ「シャーリー!それか虫捕りに行こうよ虫!」
シャーリー「いやあ…そ、それは遠慮しとく…」
バルク「早く決めてくれ宮藤! これはハルトマンの今後、そして501の未来に関わる大事な議会なんだ!」
ペリーヌ「まったく!これだから決断力の弱い人は…!」
ミーナ「宮藤さん…?どうしたの?」
芳佳「わかりました……」
芳佳「………賛成…です…。」
坂本「決まったな。」
エイラ「なんかあっけなかったナ。」
芳佳「…。」
ルッキーニ「シャーリー! やっぱり久々にドライブしようよ!」
シャーリー「おっ! いいなそれ! たまにはハンドル握ってぶっとばしたいしな!」
バルク「ハルトマンには、あとで私からもキツく言わねばならん。」
エイラ「サーニャ、今日は一日中サーニャの今後の運勢を占ってあげるぞ。」
サーニャ「う、うん…」
坂本「ちょっと皆一旦静かにしてくれ! 最後にミーナにしめてもらう!」
芳佳「……。」
ミーナ「え~では、賛成10票、反対0票につき、ハルトマン中尉は3日間の自室待機処分決定。これにて議会を…」
芳佳「すみません!!!! ちょっと待ってください!!!!!」
坂本「なんだ?宮藤。」
芳佳「やっぱり…」
芳佳「やっぱりわたし反対です!!!!!」
坂本「えっ…」
ミーナ「えっ?」
ルッキーニ
シャーリー
リーネ
ペリーヌ 「えええええええええええ!!!!!!!!!」
バルク
エイラ
サーニャ
②
ペリーヌ「正気ですの!? 宮藤さん!」
バルク「宮藤!何を言っているんだ!どう考えてもハルトマンに罰則は必要! そうだろ!?」
リーネ「芳佳ちゃん…」
ミーナ「しかし困ったわねえ。」
坂本「正直、私もすぐ終わる議会だとばかり思っていたからなあ。」
ミーナ「しかたないわね。え~っと…賛成9票、反対1票。何か意見がある方は挙手をお願いします。」
ペリーヌ「ハイ。」
ミーナ「ペリーヌさん。」
ペリーヌ「宮藤さん、どうして急に意見を変えましたの?」
芳佳「えっと………すみません。」
ペリーヌ「『すみません』じゃ、わからなくてよ?」
芳佳「本当は"反対!"て言おうとしたんです。そしたら、皆賛成だったから…。」
ペリーヌ「はぁ?」
芳佳「…謝ります! ごめんなさい! やっぱり自分に嘘はつけませんでした!」
ペリーヌ「あなたねぇ…」
ミーナ「それじゃ、他に意見のある方。」
芳佳「はい。」
ミーナ「宮藤さん。」
芳佳「言わせて下さい。みなさん………みなさん無責任です! ただ『それらしい』という根拠もない理由だけでハルトマンさんを悪者にしたて上げて…。」
坂本「いやっ。そ、そうは言ってもだな宮藤。」
芳佳「私達は仲間です!大切な大切な…! 仲間を信じてみたらどうですか! ハルトマンさんは否定してるんでしょ!?」
ミーナ「たしかにそうだけど…。」
バルク「根拠ならあるぞ宮藤。」
芳佳「?」
バルク「本当に否定しているんだったら、罰則は決して受け入れないはずだ。いくらハルトマンでも、それくらいは言うはずだ。」
芳佳「それは…そうですけど…。」
バルク「ミーナ。その手に持ってる資料を見せてくれ。そこにもっと決定的な証拠があるんだろう?」
ミーナ「証拠になるかどうかわからないけど…これは前日から当日までの詳しい経緯をまとめたものよ。」
③
ミーナ「現状、把握している内容をまとめるとこうね。」
坂本「なるほど、これはわかりやすい。」
---------------------●---------------------
前日
20:00 食料倉庫を確認。じゃがいも18個
21:00 夕食はジャガイモのスープ etc...。 じゃがいも14個確認
当日
6:00 食事担当:宮藤&リネット じゃがいも14個確認
7:30 食料支給到着。主に調味料で、野菜類は無し & 朝食 扶桑料理 じゃがいも使用せず
8:00 午前訓練開始。
11:00?~11:30? ハルトマン起床&食事
12:30 昼食(屋外) 扶桑料理の弁当
13:30 午後訓練開始
14:00 ハルトマン訓練参加
前日
20:00 食料倉庫を確認。じゃがいも18個
21:00 夕食はジャガイモのスープ etc...。 じゃがいも14個確認
当日
6:00 食事担当:宮藤&リネット じゃがいも14個確認
7:30 食料支給到着。主に調味料で、野菜類は無し & 朝食 扶桑料理 じゃがいも使用せず
8:00 午前訓練開始。
11:00?~11:30? ハルトマン起床&食事
12:30 昼食(屋外) 扶桑料理の弁当
13:30 午後訓練開始
14:00 ハルトマン訓練参加
18:00 訓練終了
19:30 夕食 扶桑料理 調理開始 じゃがいも使用せず
20:00 ミーナ&坂本 食糧倉庫確認 じゃがいも0個
21:00 夕食
22:30 ハルトマン 自室待機処分(仮)
翌日
9:00~ 議会開始
19:30 夕食 扶桑料理 調理開始 じゃがいも使用せず
20:00 ミーナ&坂本 食糧倉庫確認 じゃがいも0個
21:00 夕食
22:30 ハルトマン 自室待機処分(仮)
翌日
9:00~ 議会開始
ペリーヌ「これでもまだハルトマン中尉が無実とでも言うんですの?」
バルク「11時半に起きて残っていた朝食を食べていたとしても、そこから訓練参加まで2時間半というのはあまりにも空白の時間が多すぎる。」
エイラ「これはもう言い逃れできないぞ、ミヤフジ~。」
芳佳「なにかが、なにかがおかしいんです。」
坂本「何がだ?」
芳佳「それは……わからないですけど…。」
坂本「…宮藤…。」
バルク「宮藤、ふざけるのもいい加減にしてくれ。」
ルッキーニ「ねえよしかー。絶対ハルトマン中尉が犯人だよー。はやく話し合い終わらせようよー。」
シャーリー「ちょ、ルッキーニ!」
リーネ「芳佳ちゃん…。」
芳佳「えっと……そうだ! ハルトマンさんが盗むところ、もしくは食べるところを見たという人はいないんですか!?」
坂本「事件の目撃者はいない。」
芳佳「だったらまだ証拠不十分です! ハルトマンさんが犯人と決めつけるには早いですよ!」
坂本「しかしだな宮藤。」
ミーナ「宮藤さん。実は、ハルトマンさんが食堂から自室に向かうところを見たと言っている人がいるの。」
芳佳「えっ?」
ミーナ「廊下を掃除していた男性なんだけど、訊くところによると、12時過ぎごろに苦しそうにしながら部屋へ向かっていたらしいの。」
芳佳「『苦しそう』ってどんなかんじですか!?」
ミーナ「彼曰く、手をお腹に当てながら、ふらふらと歩いていたらしいわ。」
芳佳「そんな…。」
坂本「なるほど、やはり隠したのではなく、すべて食べていたのか。」
バルク「おのれハルトマン…! ますます怒りが湧いてきた…!」
リーネ「お、落ち着いてください!バルクホルンさん!」
バルク「落ち着いてなどいられるか! 私のしつけが甘かったようだ! すまないミーナ、私も反対に1票だ。奴に3日間の刑罰はぬるすぎる。私はもっときつい刑を要求する!」
リーネ「なっ…えっ…」
ミーナ「えっと…。賛成8票、反対2票…っと。」
坂本「でもこの反対の2票は全く意見が一致してない。」
エイラ「ますますややこしい方向に向かっているナ。」
シャーリー「…。」
ルッキーニ「もうやだぁ~~~。 はやく遊びたいよ~。海に行きたいよ~。」
ペリーヌ「ルッキーニ少尉! あなたまじめに議会に参加していますの!?」
ルッキーニ「うるさい、つんつんメガネ~」
ペリーヌ「なっ!」
坂本「おちつけふたりとも。とにかく、全員が納得する結果になるまでこの議会は終われないんだ。協力してくれ。」
ペリーヌ「少佐がそうおっしゃいますのなら…。」
ルッキーニ「でたでた~坂本少佐にデレるペリーヌ~。」
ペリーヌ「あなた! 口をつつしみなさい!」
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