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    元スレ咏「恋人になって欲しいんだけど」えり「そうですか」

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    1 :

    たつか

    2 = 1 :

    えり「なんです?こんな時間に、急に呼び出して」

    「まぁまぁー」フリフリ

    えり「今度のお仕事で何か?それなら、昼間の打ち合わせで仰ってくれれば…」

    「いやいや。そうじゃないんだよねぃ」

    えり「はい…?」

    3 = 1 :

    「まずね。こんな時間に呼び出して悪かったね~」

    えり「……いえ。構いませんよ」

    「そう?ならいいんだけどさ」

    えり「それより、何故呼び出されたのかという方が…」

    「おっけーおっけー。そんじゃさっそく」

    えり「…………」

    「針生えりちゃん?」

    えり「……はぁ」

    「私の…」

    4 = 1 :

    「恋人になって欲しいんだけど」

    えり「そうですか」

    「で、返答は?もちろん……」

    えり「お断りします」

    「おっけー………は?」

    えり「要件は、それだけでしょうか?」

    「え?あ、そうだけど…は?」

    えり「では、失礼します。明日も仕事ですので」

    「ちょ、ちょっと!」

    えり「……あ」

    5 = 1 :

    えり「三尋木プロ」

    「な、なに…?」

    えり「また後日、仕事でお会いしましょう。先程の打ち合わせ通りにお願いします」

    えり「では」スッ

    コツコツコツ…

    「…………」ポツン

    「…………は?」

    6 = 1 :

    …………………

    居酒屋

    みさき「で、あっけなくフラレた。と」

    理沙「直球!」プンスコ

    「おぅおぅ言ってくれるねぃ。こちとら少しは凹んでるんだぜ?」

    みさき「少し、でしょう?」

    理沙「あとは?」

    「あンのアマぁぁぁぁぁ!!!」バンッ

    みさき「でしょうね」

    理沙「珍しい!」

    7 = 1 :

    「この三尋木咏さまを振るたァいい度胸してんじゃねーかあのアナウンサーはよォ!」

    理沙「荒れてる!」プンスコ

    みさき「無理もないでしょう」

    みさき「狙ったエモノは逃さない、女にだらしない三尋木咏が初めてフラレたんですから」

    「わっかんねー全てがわっかんねー」グビグビ

    理沙「一気!」

    みさき「案の定、荒れてますねぇ。…良い物見れた」クスッ

    理沙「みさき、黒い!」ガーン

    8 = 1 :

    みさき「だって……ふふ。自信満々に『イイ女めっけたから味見ー』なんて言ってた人が…」クスクス

    「うっせーよみさき」

    みさき「ごめんあそばせ、三尋木プロ?」

    理沙「怖い!!」

    「んだよ…くそっ、三尋木咏が、この私が恋人にしてやるって言ってやったんだぜ?セフレでもなく、コイビト!光栄に思わんかねぃ!?」

    理沙「下品!」プンスコ

    9 = 1 :

    みさき「でも、たしかにそうですね」

    みさき「三尋木プロと言えば、日本有数のトッププロ。日本代表の先鋒として活躍するほどの有力者」

    みさき「更には容姿にも恵まれて、引く手数多のウハウハ生活。…金持ちだし」

    みさき「そんな方の恋人…そういう形でないにしても、一介のアナウンサーにとっては非常に魅力的でしょうに」

    「だよな?だよなぁ!?」

    みさき「私は嫌ですが」

    「こっちこそ」

    理沙「!?」

    10 = 1 :

    みさき「私には理沙さんがいますし」

    理沙「みさき…!」

    「このやろ…惚気る気かよ」

    みさき「滅相もありませんよ、“フラレた”人の前で」

    「グハッ……」グサッ

    理沙「みさき!!」プンスコ

    みさき「そうですね、からかいすぎましたね。すみません三尋木プロ」

    「……あとで覚えとけよ……」

    みさき「あら怖い。覚悟しておきます」

    11 = 1 :

    「あーあ……呑まなきゃやってらんねーなー」ゴクゴク

    みさき「理沙さんもどうですか?」

    理沙「呑む!」

    「酔わせてお持ち帰りコースか?みさきぃ」

    みさき「どこかのトッププロじゃあるまいし」

    理沙「だから、下品!!」

    「……アイツもいっそそのくらいしちまえば良かったかねぃ」

    12 = 1 :

    みさき「針生さんを?」

    「おー。アイツ、そういうの許さないだろうけどなー」ニシシ

    理沙「当たり前!」

    みさき「そういえば、針生さんのそういう話は一切聞きませんね」

    「へぇー。アナウンサーの中でもそうなん?」

    みさき「ええ。この世界も短くないでしょうに」

    13 = 1 :

    「局が違くてもそーゆーのわかっちゃんうん?」

    みさき「ま、私は特に情報が多いのもありますけど」

    みさき「針生さんは……あ」

    「ん?」

    みさき「……いえ。別に」

    「なんだよぉー気になるじゃんかー」

    みさき「しつこいと嫌われますよ」

    理沙(みさき、楽しそう)

    14 = 1 :

    「……………はぁあ~」

    みさき「弱ってますね」

    「ったりめーだろ」

    理沙「無理もない!」

    「面白くねー…」

    みさき「初めての失恋ですか。やれやれ」

    「ちげーよ、こちとら惚れちゃいねーんだから。一回楽しんでポイできりゃよかったんだよ」

    理沙「最低!」プンスコ

    みさき「そうですね、最低ですね。クズですね」

    「知らんし」

    15 :

    こんな鶴屋さんみたくない

    16 = 1 :

    みさき「それで?」

    「ん?」

    みさき「なんで告白なんてしちゃったんですか?」

    「え、なにが」

    みさき「今までのあなたなら、酒で酔わせるとか家で打ち合わせだとか。いくらでもやってきたでしょう?」

    理沙「うわぁ…」ヒキ

    「ひでーなノヨリさん」

    みさき「いえ、当然です」

    17 = 1 :

    「……ま、その手もあったんだけどねぃ。今どき珍しい、お堅いヒトだったもんで、酒誘っても断られてさー」

    みさき「ははぁ」

    「ま、コンビになったわけだし、昼飯くらいは一緒したことあるけどねぃ」

    理沙「仲良し!」

    「まーねぃ。最低限のコミュニケーションは取ったさ。知らんけど」

    18 = 1 :

    みさき「じゃ、嫌いではないんですね」

    「気に入ってるよー。美人だし。スタイルいいし。肌綺麗だし」

    理沙「外見ばっか…」

    「中身ぃー?堅くて面倒臭そう」

    みさき「言いたい放題ですね」

    「でも興味はあるさ。あーゆータイプはぜってー恋したら可愛くなるって」ニシシ

    みさき「じゃあ?」

    「ん?」

    19 = 1 :

    みさき「どうするんですか?」

    「なにが」

    みさき「フラレて、残念でしたーはい終わりー。なんですか?」

    「え」

    みさき「情けないですねー」

    「なっ…」

    みさき「狙ったエモノは逃さないんじゃなかったんですか?」

    理沙「……みさき?」

    みさき「このまんま素直に引き下がると。でも仕事は一緒に。滑稽ですね」

    「…………」

    20 = 1 :

    みさき「まさか、一度フラレただけで諦めるとは。いやいやー、予想外」

    「おい」

    みさき「もしかして、本気で凹んじゃいました?ちょっとは、とか言ってたのは強がりですか?」

    「おい!」

    みさき「まっさかねぇ。あの三尋木咏がそんな」

    「わぁーったよ!!」

    みさき「………」ニヤ

    みさき「………はい?」

    21 = 1 :

    「やってやる」

    みさき「……なにを、です?」

    「針生えり。…落としてやるよ。私が!」

    みさき「……へぇ?」

    「覚えとけ、アイツの浮いた話の第一号はこの私」

    「三尋木咏だ!」

    ダッ

    みさき「………単純ですねぇ」

    理沙「………みさき?」

    23 = 1 :

    みさき「はい?」

    理沙「なんで?」

    みさき「…焚きつけた理由ですか?」

    理沙「そう!」

    みさき「だって、萎えてぐちぐちと文句言ってる三尋木プロって」

    みさき「気持ち悪いじゃないですか」

    理沙「直球!」

    みさき「……まぁ、それがひとつと」

    24 = 1 :

    みさき「いい経験だと思うんですよねぇ」

    理沙「?」

    みさき「さっきも言いましたが、三尋木プロはトッププロで容姿にも恵まれ、お金持ちです」

    理沙「ウハウハ!」

    みさき「そんな人が、初めて失敗したんです。…それで、初めて必死に成功させようとしているんですよ?」

    理沙「…………」

    みさき「それで更には」

    理沙「?」

    25 = 1 :

    みさき「三尋木プロが結局フラレたらフラレたで、あの自信家が良い気味ですし」

    理沙「!?」

    みさき「成功したら成功したで、針生さんに浮いた話ができて大騒ぎになるでしょうし」

    理沙「みさき!?」

    みさき「楽しそうだと思いませんか?」

    理沙「…………」プンスコ

    理沙「わかんねー!」

    26 = 1 :

    ――――

    (なんだよ、なんだよ!)

    (言いたい放題言いやがって!わっかんねー)

    (そんだけ言われて引き下がったら女じゃないねぃ!)

    (ぜってー落としてやるよ…針生えり!)

    27 = 1 :

    (………)

    (…………)

    (……………)

    (あれ、そういや、女ってなにすりゃ落ちるの?)

    (……うーん……)

    (……ま、いっか)

    「なんとかなるっしょ。知らんけど」

    28 = 1 :

    ~数日後

    えり「おはようございます」

    スタッフ「おはようございまーす。あ、針生さん!今日もよろしく」

    えり「よろしくお願いします」

    えり(……相変わらず、三尋木プロは来てないと。ギリギリに来るの、どうにかならないかな……)

    「おっはよー」

    えり(あ、いつもより早い……)

    えり「おはようござ……!?」ビクッ

    29 = 1 :

    「おはよう、お姫様」キリッ

    えり「はっ……はいっ!?」

    「驚かせたくてねぃ…受け取ってくれる?」

    えり「あ、あの…っ」

    「白の薔薇の花言葉知ってる?」

    えり「い、いえ……」

    「『恋の吐息』」

    えり「」ゾワゾワッ

    31 = 1 :

    「とりあえず、受け取ってくれる?」

    えり「……あ…の…三尋木プロ?」

    「んん?」

    えり「………なんの、マネですか」

    「え」

    えり「これから、本番です。時間がないんです。……お気持ちはありがたいですが、今は受け取れません。…控室で準備を済ませてきてください」

    「あの……」

    スタッフ「針生さーん」

    えり「はい、今行きます」タッ

    「ちょっ」

    「…………」ポツーン

    32 = 1 :

    「……うーむ……」

    (マニュアルにあったとおりにやってみたんだけどねぃ…)

    (なんかミスったか?それとも、薔薇好きじゃないとか?)

    「……わっかんね」

    (次は何しようかねぃ…)

    33 = 1 :

    えり「…………」

    えり(びっくり、した)

    えり(何がしたいんだろう、あの人…)

    えり(会ってまだ大した日数もたってない。それなのに。…この間のあれだってそう)

    えり「……なんなのよ……」

    えり(ほんと、よくわからない…)

    34 = 1 :

    ~仕事終了

    えり「…お疲れ様でした」

    「おつかれぃ~」

    えり(いつもどおり、打ち合わせ通りにいかなかった…)

    「ねーえりー」

    えり「……え?」

    「このあとさー」

    えり「いや、あの…今、なんて?」

    35 = 1 :

    「あー。いーでしょ?えり」

    えり「いーでしょって…急にそんな」

    「だめかねぃ?普通名前呼び捨てくらいするっしょー。こっちも咏でいいからさー」

    えり「そんなこと!」

    「いいでしょ?」

    えり「うぐ…」

    「えーり♪」

    えり「」ゾワッ

    37 = 1 :

    えり「…あの、からかっているのでしたらいい加減にしてください」

    「からかってないぜー?本気本気」

    えり「…じゃあせめて、呼び捨てはちょっと」

    「うーん?えりりんとか」

    えり「えりり…っ」ゼック

    「かわいーじゃん、えりりん!」

    えり「三尋木プロ!?」

    「これもダメかよーわがままだなー」

    えり「」イラッ

    39 = 1 :

    ………………

    (……怒らせてしまった)

    (かわいーじゃんか、えりりん)

    (ちぇー、いけすかねーやつぅー)

    (昼飯でも誘おーと思ったのに、先に帰りやがってさー)

    (いーや。帰ろ帰ろーっと)

    ガチャ

    (……ん?)

    40 = 1 :

    (あれ、たしかここに……)

    「ねぇ」

    スタッフ「はい?」

    「ここにおいてあった薔薇、どこ行ったか知らねー?」

    スタッフ「薔薇?……ああ、白い薔薇の花でしたら、針生さんが持って帰りましたよ」

    「うそ!?」

    スタッフ「はい。…ついさっきなので、急げば追いつくと思いますが…」

    「い、いや、いい!さんきゅ」

    42 :

    樫野弘揮

    43 = 1 :

    (へぇ…持って帰ったんだ)

    (メーワクそうだったくせに、持って帰ったんだ)クスッ

    (へぇ~…!)ニヤニヤ

    スタッフ(ど、どうしたんだ一体…)

    (真面目くさって、人の行為は無下にはしないってか!そうかそうか!)

    (ちょっと、掴めたかねぃ…!)

    45 = 1 :

    ………………
    …………
    ……

    えり(どういうこと…?)

    えり(ここ最近…おかしい…!)

    えり(私は、ごく普通に生活をしていただけのはず!今までと大差ない、仕事を、生活を!)

    えり(なのに…!)


    えり「なんで、こんなに疲れてるんだろう……」グッタリ

    47 = 1 :

    えり(原因はわかってる…わかってるんだけど…)

    えり(なぜ私がこんな目に…?)

    ピリリッピリリッ

    えり(……電話……誰……?)

    えり「はい、もしもし……あ、お久しぶりです…お茶?いいですけど……今から?」

    えり「………わかりました。行きます……」

    ピッ

    えり「……………」

    えり「……………はぁ」グッタリ

    48 = 1 :

    ~喫茶

    はやり「ひさしぶりー☆」

    えり「どうも…瑞原プロ」

    はやり「あれ、おつかれ?」

    えり「……まぁ、たしかに」

    はやり「懐かしい顔してるー☆」

    えり「……懐かしい?」

    49 = 1 :

    はやり「はやりが昔えりちゃんにさせてたような顔☆」

    えり「…………ああ、なるほど」

    えり(瑞原プロは数年前、実況の仕事でコンビを組んでいた)

    えり(そのとき……)

    えり「……たしかに。似たようなことになっていますね」

    はやり「はやや?」


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