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    元スレ悪魔「ふぇぇ…死んじゃいますよぉっ」

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    101 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 22:57:48.27 ID:x54YvXR10 (+60,+30,-119)
    悪魔「何度だって来ますよ? 悪魔ですから!」

    子供「じゃあ…今日こそ持っていくのか?」

    悪魔「違いまーす!」

    子供「じゃあ寝ていい?」

    悪魔「だ、ダメです! とにかく今日もおしゃべりしましょう!」

    子供「…わかったよ」

    悪魔「今日はどんなこと話しましょうかねーうへへー」

    子供「…今度はおまえの話を聞きたい」

    悪魔「うへ? わ、私ですか?」

    子供「そうだよ」

    悪魔「……私の話を聞いても楽しくありませんよ?」

    子供「楽しいか楽しくないかはオレが決めるから」
    102 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 22:58:55.68 ID:enZZ6DUa0 (+3,+13,-12)
    しえん
    103 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 23:03:19.65 ID:x54YvXR10 (+60,+30,-177)
    悪魔「……。そうですか、ではちょっと昔話でもしましょうか」

    子供「悪魔だからすごい昔がありそうだな」

    悪魔「勿論です! 何十年、何百年、何千年と生きてますからね!」

    子供「ホントにー?」

    悪魔「ホントですホント。じゃあそうですね、とある人間の話でもしましょうか」

    子供「人間の?」

    悪魔「はい。そう簡単には忘れられないでしょうね、あの人間のことは」

    悪魔「──人間という生き物は元より〝生き方〟を不必要なほどまでに考える性質です」

    悪魔「どれが正しいか、正しくないか、不正解を恐れ謙遜し、そして学習する」

    悪魔「常に百点満点の道を進もうとする。それが人間です」

    子供「まぁそんなんじゃないの。間違いなんて、したくないし」
    104 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 23:05:23.33 ID:enZZ6DUa0 (-20,-10,-1)
    支援
    105 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 23:07:43.25 ID:x54YvXR10 (+60,+30,-158)
    悪魔「そうですよね。だけど、その人間は違いました」

    悪魔「最初から正しいか正しくないか、考えてないんです」


    悪魔「今行動すればどれだけ苦労を背負い込むのか」

    悪魔「その発言は果たして己の命を脅かす原因になるのか」

    悪魔「何が正しくて。何が間違っていて。そんな思考を働かせる瞬間もなく」



    悪魔「──ただそれが〝自分がやりたいこと〟だと信じきれば良いんだと」



    悪魔「そう言い切った人間が居たんです。過去に、昔に、出会いました」

    悪魔「口だけではなんだって言えます。けれど、その人間は違う」

    悪魔「確かに持っていたんです。他の人間とは違う、その〝チカラ〟を」
    106 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 23:12:16.93 ID:x54YvXR10 (+58,+30,-135)
    子供「…なんかただのカッコつけじゃないの、それ」

    悪魔「ふふ、ですよね。一見ではただのバカですし、それに恥ずかしいやつです」

    悪魔「ただ、それでも」

    悪魔「あの人間は──大きく、そして多大に」

    悪魔「私という一つの悪魔を変化させました」

    子供「…なんだよ、昔の自分は違うっていいたいのか?」

    悪魔「それはもう。色々と、凄かったですよ」にこ

    子供「…?」

    悪魔「例えそれが間違っていた過去だったとしても───」

    悪魔「──私は生きようと、願いました」

    子供「……」

    悪魔「生きる希望は持つべきです。何があろうと、絶対に」
    107 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 23:12:48.17 ID:x54YvXR10 (-4,-24,+1)
    ちょっとtoire
    108 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 23:15:35.58 ID:enZZ6DUa0 (-19,-9,+0)
    はよ
    109 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 23:24:27.78 ID:bLOCJ4uC0 (+18,+28,-12)
    面白い
    しえーん
    110 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 23:29:20.16 ID:/uTF0qGa0 (-22,-10,-1)
    支援
    111 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 23:41:45.12 ID:Z7cxg1LS0 (-22,-10,-1)
    支援
    112 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 23:43:32.88 ID:x54YvXR10 (+42,+27,+0)
    ありがと 書く
    113 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 23:47:08.38 ID:x54YvXR10 (+60,+30,-140)
    子供「……」

    悪魔「なんて、悪魔が入れ知恵しちゃいました。元来、悪魔のささやきには注意せよ! なんて言われてますけれども~」

    子供「いいよ別に。変わんねーから」

    悪魔「…そうですか?」

    子供「うん。おまえがどんな過去なのかは知らないけど、それでも生きようって思ってても」

    子供「オレはそうは思えない。オレは絶対に、絶対に…」

    子供「死ななくちゃいけないんだよ。惨めに、残念に…とかさ」

    悪魔「……」


    ~~~


    悪魔「…ただまいです」

    天使「お疲れ様。どうだった?」

    悪魔「いえ、普段通りでした。私も普通に会話しただけなので」
    114 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 23:52:51.14 ID:x54YvXR10 (+58,+30,-130)
    天使「そう。でも疲れたでしょ、生命もらってもいいわよ」

    悪魔「…えへへ、実はちょっと疲れてるんです。少しだけもらってもいいですか」

    天使「ん、珍しい。また断られると思った」すっ

    悪魔「こうみえても悪魔ですからね。いつだって、その本質は変わらないですよぉ」ぴと

    ヂリッ!

    天使「ッ!」

    悪魔「はわわっ!? ちょ、ごめんなさいっ!?」

    天使「い、今っ…ちょっとぉ!? 吸い過ぎじゃない!? めちゃくちゃ持って行かれたわよ!?」

    悪魔「すっすみませんっ! すみません! 久しぶりだったので加減がっ…あうぅうううっ」

    天使「うぐぐ、頭痛い…ほんっと馬鹿! なにやってんのよっ…!」

    悪魔「ずびばべーんっ!」
    115 : 以下、名無しにか - 2013/08/03(土) 23:56:33.99 ID:x54YvXR10 (+60,+30,-107)
    天使「っもう、明日が最後なのよっ? こんなヘマしたら天罰が冗談じゃなくてくだるんだからねっ!?」

    悪魔「はいぃ~っ」

    天使「はぁ~。もういいわ、あたしもつかれたから帰るから…明日もよろしくね」

    悪魔「は、はいっ。よろしくお願いしますっ!」

    天使「…頼んだわよ、本当に」

    悪魔「はい…!」

    ~~~

    悪魔「ではではー!」ふりふり

    天使「またね」

    悪魔「はいっ」

    とててーっ

    天使「………」

    天使「──はい、了解です。引き続き〝警戒態勢〟をとり続けてます」
    116 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:00:29.33 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-93)
    天使「はい、はい──わかりました」

    天使「ふぅ…」

    天使「世の中、どうなるか分からないものよね」

    天使「……白い髪の悪魔、か」

    ~~~

    悪魔「こん、にち、ば!」

    子供「意味がわからないぞ」

    悪魔「てへへーいつも間違えるのでもう、新しいの考えようかなって」

    子供「あっそ」

    悪魔「あれ? なにを見てるんですか?」

    子供「…アルバム」

    悪魔「ほぇ~いいですねぇ、悪魔は写真には映らないので。羨ましいです~」

    子供「……」
    117 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:02:14.20 ID:rLr5cM3U0 (+24,+29,-2)
    くそっ…寝れねぇ
    118 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:04:21.93 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-125)
    悪魔「…あれ? でもこれって…」

    子供「…そう、オレは写ってない」

    子供「オレの父親と母親が、オレを生む前のアルバム──今日貸してもらったんだ」

    悪魔「そう、なんですか」

    子供「…あの人はオレと写真なんて、取りたがらないし」

    悪魔「……」

    子供「本当は視界に入れるのも嫌なんじゃないかな。きっと」

    悪魔「そんなこと…」

    子供「いや、いいんだよ。オレは別にかなしいわけじゃないし」

    子供「だけどさ、こうやってオレが写ってない──家族写真みたいなの見るとさ」

    子供「オレも、なんつぅうか、オレもさ。おまえと一緒で…」

    子供「…まるで悪魔みたいだな」
    119 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:07:30.37 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-143)
    悪魔「……」

    子供「てか最初からもう…オレは人間じゃなくって、悪魔で生まれてくればよかったんだ」

    子供「そうすればおまえみたいに…色々と吹っ切れて、生きる希望も見つけられたんじゃねーのかなって」

    子供「ま、忘れてくれ。オレは別に生きたいわけじゃないから」

    悪魔「……」

    子供「それで、今日はどうするんだ? またおしゃべりか?」

    悪魔「…いえ、違います」


    悪魔「──今日は魂を貰いに来ました」


    子供「っ……そうか」

    悪魔「……」

    子供「やっと、やっと来たわけか…そっか…なるほどな」パタン
    120 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:10:16.22 ID:FJHP7P9eP (+24,+29,-1)
    モモっぽい
    あっちは死神だけど
    121 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:13:07.18 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-136)
    子供「何時来るかって思ってたけど。そうなんだ、今日がその日なんだな…」

    悪魔「ええ、そうですよ」

    子供「…」

    悪魔「怖い、ですか?」

    子供「…え? あ、うん。そうでもない、かもな」

    子供「だって待ち望んでたことなんだぞ? こわいわけ、ないじゃんか」

    悪魔「……」

    子供「やっと死ねるんだ…それが、望んでたことなんだし」

    子供「だから…だから…」

    悪魔「……こんなこと、悪魔の私が言うのもなんですが」


    悪魔「──辛い時は、辛いと言っていいんですよ」
    122 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:18:37.12 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-167)
    子供「…つらくなんか、ねーよ」

    悪魔「泣いたっていいんです」

    子供「なき、泣きたくなんかねえよ…っ…どの面下げて、泣けるんだ…!」

    悪魔「泣いてもいいじゃあないですか。辛いんですから、泣きたいんですから」

    悪魔「どれだけ重い過去を持ったとしても、後悔しかない自分を持ってたとしても」

    悪魔「──泣いてもいいんです。非難されようが、自分が可愛いと思ってもいいんです」

    悪魔「だって、自分のことを許せるのは。自分しかできないことなんですよ、それは」

    悪魔「他人から軽蔑されようが、一生恨み辛みを吐き出されるようが」

    悪魔「納得できるのは、自分だけなんです。自分で答えを見出すしか、出来ないんです」

    悪魔「それが生きてるって、ことなんですよ」

    子供「……──」

    子供「──なんだよ、いいんだよ、言うなそよそんなこと…優しくするな、やめてくれ…」
    123 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:22:37.30 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-179)
    子供「オレはいっぱいっぱい…人を殺したんだ、自分に取り込んで…生きながらえようとしたんだっ…」

    子供「わかってたのに…自分がやってることが…お、おとうさんがっ…やってることが…」

    子供「やっちゃいけないことだって…なにもかも間違ってるって…!」

    子供「だけどっ! それでもっ…生きたかったんだ、死にたくなかったんだよ!」

    子供「自分は正しいって思えなくても! 間違ってるって、死んで当然だってわかってて!」

    子供「でも! それでもっ…オレは、オレは…!」

    子供「──なにも、しなかった……!」

    悪魔「……」

    子供「だからっ…はやく、ころしてくれ…っ」

    悪魔「……なら」

    悪魔「なら、今からでもやりなおしましょう」ポゥ…
    124 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:27:40.22 ID:WHiauOX60 (+4,+19,+0)
    はよ
    寝れん
    125 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:28:15.80 ID:9pJPalCw0 (-3,+11,+0)
    126 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:28:23.14 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-121)
    子供「……っ…?」

    悪魔「後悔、乗り越えましょう。苦難、立ち向かいましょう」

    キラキラキラ…

    悪魔「生きるんです。己を罪を抱え込んで、全てを投げ出して死ぬよりも」

    悪魔「──更なる闇に、身を投じるんです」

    子供「なにいって…」

    悪魔「私は悪魔です。ですから、このような言い方しか出来ません」

    悪魔「死を乗り越えるんです。踏み台にするんです、全てを足場にして、前へと進むんですよ」

    悪魔「正しいか正しくないか。そんなの知りません、自分で決めればいいんです!」


    ギギギギギギギギギ!!!


    悪魔「──喧嘩を売ってやりましょうよ、全てに」
    127 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:31:11.10 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-129)
    子供「おまえ……なんだ、その光…」

    悪魔「希望は常に手に握られてます。なにかに隠れていても、きっとすぐそばにある」

    悪魔「触れてください。貴方が望む未来が、そこにきっとあるはずですから」

    キィイイイイイイン!

    子供「…なにいってるんだ、オレはおまえに魂を…」

    悪魔「…それは、私のやることじゃあないです」


    メキィ! ミシミシミシ!!


    悪魔「──あちらさんの仕事ですよ」


    バッッコォオオオオオオオオン!!


    「──きっとなにか仕出かすと思ってたわ」
    128 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:31:46.86 ID:EIXyEQ2k0 (+29,+29,-17)
    こんなに面白くないのをみたのも久しぶりだな
    129 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:32:52.06 ID:rLr5cM3U0 (-20,-10,-1)
    支援
    130 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:33:40.02 ID:5SnO/C9D0 (+28,+29,-1)
    >>128
    面白く無いなら見なければいいだろ
    131 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:34:03.28 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-104)
    悪魔「…そうだったんですか、ごめんなさいです」

    「いいのよ別に。だけど、本当にやったら許さないだけ」

    悪魔「……」

    天使「一体全体、なにをするつもりなのかしら?」

    悪魔「人助けですよ。素敵じゃあないですか」

    天使「……」

    悪魔「なんですか?」

    天使「…それが本性ってワケ?」

    悪魔「あはは。待ってくださいよ、天使さん。もしかしてずっと勘違いしてたんですか?」


    悪魔「──私、悪魔ですよ?」


    天使「ッ!」ヒュン!


    ズガァアアアン!!
    132 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:37:06.68 ID:Vkk6ZTqE0 (+24,+29,-14)
    ようやく覚醒したか悪魔
    133 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:37:27.07 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-123)
    天使「ッ…好き勝手やってくれるわね…!」

    悪魔「乗り込んできたのはそっちじゃあないですか」

    天使「この猫かぶりがッ」くんっ

    悪魔「悪魔ですからね」ギン!

    子供「っ…!? っ…!?」

    悪魔「…すみません、なんとか切り抜けますので待っててくださいッ」

    子供「あ、あれ誰だよ!? てかめっちゃ部屋が壊れてるけど!?」

    悪魔「天使ですね。いわゆる、魂の先導者。貴方を殺そうとしている存在ですよ」

    子供「えっ…?」

    悪魔「まぁ、それは…私も一緒だったんですがっ!」

    ギュン!

    天使「っ! 待ちなさい!」
    134 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:41:31.23 ID:fVfpceMT0 (+41,+30,-157)
    子供「うわぁああああ!? そ、空! 飛んで!?」

    悪魔「久しぶりですぅ~羽を生やして飛ぶのもー」

    子供「お、おまっ! 一体何者だよ!? なにしてんの!?」

    悪魔「えへへーなにしてるって、そんなのわかりきってるじゃあないですか」

    悪魔「神に喧嘩を売ってる最中ですよ?」

    子供「へ?」

    ヒュンヒュン!

    悪魔「きゃあ!? あ、あぶぶ!?」

    天使「まちなさーい! もう手加減しないんだから! こうなったら本気よ! 馬鹿!」

    悪魔「い、今のはちょっとひどくないですか!? 消し炭レベルでしたよ!?」

    天使「あったりまえでしょ! ほんっと馬鹿! アンタなにやってんのかわかってるワケ!?」

    天使「神が怒る前に子供を離しなさい! はやく! まだあたしの減棒で許されるはずだから!!」
    135 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:45:40.05 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-131)
    悪魔「じゃあガンガン減らしてあげますぅー!」ギューン!

    天使「あ、コラぁ!?」

    子供「…おまえら仲いいの? 悪いの?」

    悪魔「どっちでしょうね~」

    悪魔「だって悪魔と天使ですよ? そんなの、わかりきってることじゃあないですか」

    ~~~

    悪魔「…このへんでしょうか」ばさっ…ばさっ…

    子供「うぐっ」

    悪魔「ふぅ。疲れました、やっぱり飛ぶのは昔から慣れません…」

    子供「…えっと、それで、どうすんのこれ?」

    悪魔「え? そ、そうですね。とりあえず…」

    子供「とりあえず?」

    悪魔「私の話でもしましょうか」
    136 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:46:52.03 ID:AW2zF0Cn0 (-27,-15,+0)
    137 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:49:03.13 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-156)
    子供「…なんで?」

    悪魔「知りたくありません? なんで、貴方のこと助けたのかって」

    子供「……」

    悪魔「哀れみじゃあないですよ。悪魔にそんなのはありませんから」

    悪魔「私にあるのはただひとつ、それは単純に──生きる希望」

    悪魔「悪魔として、そして貴方が人間として。そこに契約が発生します」

    子供「契約…?」

    悪魔「よく聞きませんか? 悪魔と契約、みたい感じですぅ」

    子供「…お、お伽話とかなら」

    悪魔「それで結構ですよ。私はその契約がしたいんです」

    悪魔「実に悪魔的じゃあありませんか? えへへ」
    138 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:51:41.80 ID:fVfpceMT0 (+43,+30,-127)
    子供「…つまりは、なんだ。オレに生きる希望をくれる、契約? がしたい?」

    悪魔「そのとーりです。よかったです、伝わってくれて」

    子供「その、なんでいきなり?」

    悪魔「いきなりじゃあないですよ。ずっとずっと考えてました」

    悪魔「貴方の病気のこと聞いてから、ずっとです」

    子供「…なんで」

    悪魔「答えてあげたいのですが…どうやら切り抜けないとダメなようですね」

    キィイイイイイ!!

    悪魔「人気のないところまで来ました。ここでなら──」


    悪魔「──本来のチカラの十分の一ぐらい、発揮できるんじゃあないでしょうか」
    139 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:52:32.10 ID:fVfpceMT0 (+39,+29,-14)
    天使「何処にいった…早いわね、くそ」

    天使「居た…!」

    天使「」
    140 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:55:26.26 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-94)
    天使「何処にいった…早いわね、くそ」

    キィイイイイイ!!

    天使「居た…!」

    天使「もう逃さないわよ───なっ…!?」


    ドックン…ドックン…


    天使「なに、これ…」

    天使(あの場所から──多くの生命エネルギーが──奪われていく)

    天使「植物からも…関係ない、全ての生命から奪って、」

    天使「くっ!」キュン!

    天使「──アンタァ! 何やってんのよッ!」

    悪魔「奪ってます、全開を出すために、あたなを退けるために」
    141 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:56:26.60 ID:W3Tc39RI0 (+11,+26,+0)
    おう
    142 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 00:59:18.98 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-163)
    天使「なんてこと、よくもそんなチカラを持ってるものね…!」

    悪魔「えへへ。だって、天使さんからほんの少し貰いましたし」

    悪魔「それを使って起動させれば、あとは、押し出すだけ───」

    悪魔「───過去の私になれる」

    天使「っ……白い!」

    天使「…白い悪魔…!」

    悪魔「…あはは、懐かしいですねぇその呼び名」

    天使「……」

    悪魔「知ってたんですね。私が、その白い悪魔だってことを」

    天使「…当たり前じゃない、過去最凶最悪の悪魔と呼ばれて恐れられた──」

    天使「──大食らいの白い悪魔」

    悪魔「…あはは。恥ずかしい名前ですね、鳥肌がたっちゃいますよ」
    143 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:03:54.38 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-138)
    天使「…本来なら夜でしか出歩けない悪魔が、日中関係なく動き回れるほどに」

    天使「強大なチカラをもった悪魔。それが──あんたよね」

    悪魔「その通りです。今は夜にしか出歩けませんが」

    悪魔「昔は人間みたいな生活をしてたんですよ? 朝に起きて、夜にねる」

    悪魔「なかなかそのクセが抜けなくて、あはは、たまに挨拶を間違っちゃいますけども」

    天使「…アンタ」

    悪魔「天使さん。お願いです、見逃してください」

    天使「…だめよ、やめなさい」

    悪魔「じゃなかったら、天使さんも消しちゃいます」

    天使「……」

    悪魔「私はですね。この人間を生かしたいのです、まだまだ人生を全うして欲しいんです」
    144 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:07:55.17 ID:fVfpceMT0 (+43,+30,-121)
    天使「っ…どうしてそんなこと言うのよ!? アンタは、悪魔なんでしょ!?」

    悪魔「そうですよ。だから契約するんです」

    天使「そんな太古の昔に廃れた話をもってくるなっ!」

    悪魔「酷いです! 悪魔はいつだっって本気なんですよ!」

    天使「ただの馬鹿じゃない! もう、もうやめなさい!」

    悪魔「ダメです」

    天使「ぐっ…」

    悪魔「私はですね。きっと、これも後悔はしてないんです」

    悪魔「この瞬間、なにが正しいなんて。わかりません、間違ってるかもしれません。けど…」

    悪魔「…それが正しいって思うのなら、私は突き進みます」

    悪魔「それが私が信じた生きる希望です」
    145 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:12:54.35 ID:fVfpceMT0 (+43,+30,-157)
    天使「っ…あの白い悪魔がここまで落ちぶれたのは、あの人間のせいなのねッ」

    悪魔「おや。知ってたんですか、有名ですねあの人間も」

    天使「あったりまえじゃない! あの神に堂々と馬鹿みたいに喧嘩をうった阿呆よっ!?」

    悪魔「…かっこいいじゃあないですか」

    天使「うるさいッ! だけど、あの人間は神に敗れた!」

    悪魔「……」

    天使「アンタがあの人間から何を聞いて、何を信じたかは知らないわよ!」

    天使「だけどそれは負けるのよっ! 信じちゃいけない、アンタはもっと気高く生きなさいよっ!」

    天使「こんな惨めでっ…ばかみたいなことっ…なんで、どうして…!」

    悪魔「……」

    悪魔「突き進むしか無いのです。後ろは振り向いては、いけません」
    146 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:14:45.77 ID:6WHp6ydv0 (+19,+29,-2)
    だんだん面白くなってきたな
    147 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:15:12.81 ID:fVfpceMT0 (+45,+30,-79)
    悪魔「全て過去として抱え込む必要があります。だから、未来を見ることしか出来ないのですよ」

    悪魔「えへへ。だから、ごめんなさい」

    天使「っ…!」

    悪魔「大食らいの白い悪魔。そのほんのちょっぴりだけ、見せちゃいますね」



    リン!



    天使「…え」

    天使「うそでしょ…へ? 空…割れて?」


    悪魔「よいしょっとぉおおお!!!」

    天使「きゃあああああああああああ!!?」
    148 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:24:59.86 ID:DaKhbanZ0 (-1,+13,-12)
    しえん
    149 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:26:15.32 ID:67rvxHbA0 (-20,-10,-1)
    支援
    150 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:29:22.04 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-155)
    ~~~~

    悪魔「まぁ、こんなもんですかね」

    子供「…今、空が紫色に染まったんだけど」

    悪魔「あ、見てました…っ? うゆゆ、あんまりカッコ悪いところ見せたくなかったんですけどぉ…」

    子供「な、何がかっこ悪かったんだ?」

    悪魔「本来なら月ぐらい割る勢いだったんですが…ダメですね、年は取りたくないもんですぅ」

    子供「……」

    悪魔「はてさて。それでどうしますか? 生きます?」

    子供「か、軽いぞ…」

    悪魔「えへへ」

    子供「…生きるって、そんな単純じゃないだろ」

    悪魔「決めればいいんですよ。自分で決めれば、それだけでそれが答えなんですから!」
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