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    元スレ悪魔「ふぇぇ…死んじゃいますよぉっ」

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    151 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:34:21.59 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-169)
    子供「…なんでそう、言い切れるんだよ」

    悪魔「言い切れるからですよ」

    子供「オレは…オレはおまえと違う。人間で、あくまじゃない…」

    悪魔「ふふふ」

    子供「な、なんだよ?」

    悪魔「なら悪魔になればいいじゃあないですか」

    子供「…はっ? なんだよなればいいって…!」

    悪魔「なれますよ、絶対に。私と貴方は、とても似てますからねっ」

    悪魔「自慢じゃないですけど、私。過去になら人の人生を9桁吸い取ってます」

    子供「きゅっ…?!」

    悪魔「大食らいの所以はそこなんです。たくさんたくさん、それもたーくさん…」

    悪魔「…人の命を散らしてきました」

    悪魔「だって、死にたくなかったんです。それに、なにも考えなかった」

    悪魔「殺されないよう、退治されないよう、いっぱいチカラを手に入れる必要があったんです」
    152 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:39:37.17 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-172)
    悪魔「だから何も考えず、ただひたすらに、吸いとり続けた」

    悪魔「だからあの──大地震の時はかっこうの餌場でした」

    子供「えっ? おまえもそこに、居たのか?」

    悪魔「居ましたよ。だけど、びっくりなことに…誰ひとり死んでなかったんですよ」

    悪魔「信じられますか? あんな大地震なのに、誰ひとり死んでなかった」

    悪魔「地震によっての被害は皆無。しかも、それをやってのけたのがただの人間」

    悪魔「その人間は言ったんです。私に、最高の凶悪なオーラを出した全盛期の私に向かって──」


    「──やべぇ! 超おっぱいでかい人がいる!!」


    子供「……………」

    悪魔「びっくりです。なんだと思いますよね、けれど、余裕だったんですよ」

    悪魔「あの大地震で救い続ける時も、神に天罰をくだされようが」

    悪魔「ずっとあの人間は前を見続けていた」
    153 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:42:49.83 ID:oUsInAzC0 (+14,+29,+0)
    謎のバトル展開
    154 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:44:56.11 ID:FELivUab0 (+6,+16,+0)
    おもしろい
    155 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:45:12.91 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-169)
    子供「…だからナニモンなんだ、そいつ」

    悪魔「ただの人間ですよ。私にしてみれば、ちょっと不思議な力を持った人間です」

    悪魔「まぁ結局のところですよ。私はあの人間に──強く感銘を受けました」

    子供「…なんか素直に納得出来ないんだけど」

    悪魔「ふふ、ですが。貴方を救ったのもきっとその人間ですよ」

    子供「…!?」

    悪魔「それがどうした、って私は想いますけど」

    子供「……」

    悪魔「とにかく。私はそこで生まれ変わろうと願いました」

    悪魔「九桁も殺しておいて、好き勝手やっておいて、その全てをなかったことにしようとしました」

    悪魔「…それがこの姿と、この喋り方です。今の私を見たら過去の私は激怒するでしょうね、きっと」
    156 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:52:56.79 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-202)
    悪魔「永遠に在ると思っていたチカラが消滅して、」

    悪魔「ひ弱な身体へと変化し、死に絶える寸前まで落ちぶれて」

    悪魔「私はそれでも、今を生きています」

    悪魔「──過去を背負って、それでも、一度決めたことを曲げずに頑張って」

    悪魔「──人とは餌ではない。きっとそれは、何か別の意味が存在するって」

    悪魔「私は感謝したんです。その人間に、初めて他の存在に感謝したんですよ」

    悪魔「ああやって、怖がるだけじゃあない。もっとたくさんの事を知って見て、生きていくべきだって」

    悪魔「怖がって、生きたいために他の存在を殺し続けた私には──」

    悪魔「──十分な光だったんですよ」

    ポゥ…

    子供「っ…」

    悪魔「その光を貴方にも見せてあげたい…」

    悪魔「私はそう信じています」
    157 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 01:58:11.37 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-133)
    悪魔「怖いのはわかります、けれど」

    悪魔「前を向いてください」

    子供「前を…」

    悪魔「自分の過去は、自分でしか取り繕えません。修復なんて無理です、でも、死んでなかったことにはならないんですよ…」

    悪魔「責任を感じるのであれば、前を向いて──生きるんです…!」

    子供「…生きる…っ」

    悪魔「覚悟を決めるんです、この手をとれば。貴方は生まれ変わる」

    子供「………」

    悪魔「信じてください。自分の希望を!」

    子供「っ……オレは…!」

    子供「オレは……オレは! もっと、もっと…生きたいって…!」

    子供「自分の中の…命の責任を…持ってやれるんだって…!」

    子供「……っ!」
    158 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:00:33.82 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-131)
    悪魔「…怖いなら私も付いていきます」

    ぎゅっ

    悪魔「悪魔は楽しいですよ? ちゃらんぽらんに生きてみましょうよ、ね?」

    子供「……」

    子供「……───」




    ピキン!




    子供「───」

    悪魔「…え? あれ?」

    子供「───」

    悪魔「ど、どうしたんですか!? いきなり顔色が──」


    「──おお、神よ…なんてことを…」
    159 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:04:49.89 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-186)
    悪魔「えっ…?」

    天使「私はまだやれた…! なぜ手を出したのですか!?」

    悪魔「天使さん…?」

    天使「神よっ! 貴方は下すべきことではない! 貴方は私に任せるべきだった!」

    悪魔「……」

    子供「───」

    悪魔「…どうしたん、ですか・・? え、ちょっと待って下さい。なにしてるんですか…?」

    天使「握られた。あの子供の魂は、今。神の手のひらの中よ…」

    悪魔「なにいって…えっ? それはどういう…?」

    天使「なんて、こと。これじゃあ…転生も出来ない…」

    悪魔「……」

    天使「…落ちぶれたアンタでも安易に想像つくでしょ…神とは…」


    ゴォオオオオオオ!!!


    天使「──死を司る閻魔」
    160 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:10:00.08 ID:67rvxHbA0 (+17,+27,-1)
    神かっけー
    161 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:10:07.02 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-158)
    悪魔「きゃああ!?」

    天使「これじゃあ欠片も残らない…なんて、なんてことを…」

    悪魔「黒い炎が──だめぇっ!!」

    天使「ッ! やめなさい! アンタも一瞬でチリになるわよ!?」

    悪魔「あ……ああっ……!!」

    天使「っ…ここまでする必要があったのですか、神ッ…貴方はどうなされたんですか…ッ」

    天使「あの大地震だって…なにもあそこまでする必要などッ…!」


    ゴォオオオオオ!!!


    悪魔「あ……」

    悪魔(燃えていく、ダメ、あの人間は…貴方は、貴方は死なせたくない)
    162 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:14:24.63 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-144)
    「てか最初からもう…オレは人間じゃなくって、悪魔で生まれてくればよかったんだ」

    「そうすればおまえみたいに…色々と吹っ切れて、生きる希望も見つけられたんじゃねーのかなって」


    悪魔「……」


    「だけどっ! それでもっ…生きたかったんだ、死にたくなかったんだよ!」

    「自分は正しいって思えなくても! 間違ってるって、死んで当然だってわかってて!」

    「でも! それでもっ…オレは、オレは…!」

    「──なにも、しなかった……!」


    悪魔「っ……!!」


    「っ……オレは…!」

    「オレは……オレは! もっと、もっと…生きたいって…!」

    「自分の中の…命の責任を…持ってやれるんだって…!」


    悪魔「ッッ……!!!」

    悪魔「──いかせない、絶対にッ!!」
    163 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:17:58.27 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-125)
    悪魔「──はぁぁ……ふぅう……」

    天使「…え」


    ギチギチギチギチギチギチ!!!


    天使「あ、あんた…なにして…」

    悪魔「ッ……!」

    悪魔(神様…貴方が全ての命を司る…最高のチカラの持ち主だというのなら……!)


    悪魔「少しだけ我慢比べでもしません、か……ッ?」


    天使「や、やめっ」

    悪魔「ッ………はぁぁぁぁぁなぁぁぁぁあせぇぇぇぇぇ!!!」



    ギュルギュルギュル!!
    164 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:22:18.00 ID:gtJhRSPk0 (+39,+30,-176)
    天使(こ、これって…! 白い悪魔を中心に、凄い勢いでエネルギーが…!)

    悪魔「ふぐぐぐッ!!」

    天使「む、無茶よ!? アンタ神からエネルギーぶん取るつもり!?」

    悪魔「やってやりますよ! なにせ大食らいですよぉっ!? がっつりもらってやります!」

    天使「ほんっと馬鹿ぁ! 無理に決まってるじゃない!! アンタの身体が持つはずがない! 死ぬわよっ…いや、死ぬよりももっと…!」

    悪魔「ああああああああああああッ! これでもかぁああああ!!」

    天使「馬鹿馬鹿!!」

    悪魔「ごふぅっ!?」

    天使「きゃああ!? だ、大丈夫なの!?」

    悪魔「まだまだッ…ですよ、まだ満腹には程遠いですねぇ…!」


    ギュルギュルギュル


    悪魔(…いかせませんよ、なにが神ですかっ! 何が閻魔ですか!)
    165 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:25:29.26 ID:kisOQtIl0 (+19,+29,-1)
    セリフだけで進めるなんて惜しいなぁ
    166 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:26:28.21 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-160)
    悪魔(チカラのあったとして、それが死の対象になってたまりますか!)

    悪魔「救わなければでしょう!! 神とはそのような程度なんですか!!」

    悪魔「なめるなぁあああああああ!!」


    ゴォオオオオオオ!!!


    天使「っ……」

    天使「無理よ…あんたは確かに凄いやつだけど、それは結局悪魔でのことじゃない…」

    天使「神に逆らうことなんて…そんな…そんなこと無理に決まってるじゃない!!」

    悪魔「っ……っ……!!」

    天使「もうやめてよ!! あんたはこんなの望んじゃいないでしょ!?」

    天使「生きるって言ったじゃない! こんな無駄死なんて、あんたの望んだ未来なの!?」

    天使「──人間はそこまでして救わなきゃいけない存在なの!?」

    悪魔「…えへへ、そうですよ?」

    天使「え…」
    167 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:31:48.74 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-91)
    悪魔「天使さん…その通りです。ここまでしなきゃダメなんですよ。きっと」

    天使「なんで…」

    悪魔「私はそう信じてるんです。そう思うことが、大切なんです」


    悪魔「今は今ですよ。きっと、信じた先には──」


    天使「だ、だめ! もうこれ以上は…!」


    悪魔「──大切な〝希望〟があるんですから」





    ゴォオオオオオオ!!
    ギュルルルルル!!



    悪魔「…生きてください、未来を見てください!」



    キィン!
    168 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:33:35.45 ID:FJHP7P9eP (-22,-12,-1)
    169 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:34:13.85 ID:faj6YbLp0 (+29,+29,-4)
    やばい
    こんなに面白いの読んだの久しぶりだ
    170 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:36:43.64 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-87)
    悪魔「きっっっっっっと! そこには!!」ぎゅっ

    悪魔「貴方だけの光があるはずです!!!」

    天使「やめ────」




    ドッゴオオオオオオオオオオン!!



    ~~~~~
    ~~~
    ~~



    天使「……」

    「………」

    天使「…はぁ」

    天使「あたしが…そうね、確認できたのはここまで。後はあんたが知ってるんじゃないかしら」

    「…そうですね」
    171 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:42:32.36 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-151)
    天使「平気? 身体に違和感とか無い?」

    「大丈夫みたいですぅ。なんだか、身体がふわふわしてるぐらいで」

    天使「そう、そうなの。だけど、あれね」

    「なんでしょうか?」

    天使「…いや、なんでもないわ」

    「そう、ですか」

    天使「神は、どうご覧になってるのかしらね」

    「さあ、どうなんでしょうか」

    天使「前代未聞よ。なんの干渉もなしに、対個人で──魂の変換させるなんて」

    「……」

    天使「あんたのことをなんて呼べばいいのかしら」

    天使「魂が人間で。器が悪魔」

    「…好きに呼んだらいいと思いますよ」
    172 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:43:07.71 ID:cD7gis1b0 (+14,+29,-13)
    なんだ人修羅か
    173 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:47:19.34 ID:gtJhRSPk0 (+43,+30,-170)
    天使「……難しいわね」

    「じゃあ悪魔でいいですよぉ。こんな口調ですし、なんでか」

    天使「そうね、じゃあいつもどおり呼ばせてもらうから」

    「……あいつはどうしたんですかねぇ」

    天使「わからないわ。けれど、あーもう…ほんっと馬鹿」

    「え?」

    天使「いちいち感じるのよねッ…あんたの器から! アイツの魂の波長が!」

    「…居るんですか?」

    天使「知らないわよ。特殊すぎて意味不明、ほんっとちんぷんかんぷんよ」

    天使「だけど、まぁ、そうね。居るんじゃないかしら、あんたの隣に」

    「………」

    天使「最高におせっかいね。あんた覚悟しなさいよ、いつまでもその子見守り続けるわよ」

    天使「……アタシも一般だった時、どれだけ世話になったか…」ぼそっ
    174 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:53:53.46 ID:iw5602Wo0 (+6,+21,+0)
    ジルワン
    175 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:53:53.89 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-129)
    「………」ぎゅっ

    「わかり…ました…」

    天使「っはぁ~…それじゃあもう行くわね。色々と後始末しなくちゃだし」

    「……」

    天使「それと、あんたこれからどうするのよ? そんな格好だけど、元の場所に戻るの?」

    「……もう帰りません」

    「あの場所は抱え込む過去として、今度は前に進もうと思うんですぅ」

    天使「そ。辛いわよ、アイツは乗り越えられてたけど。あんたには出来るわけ?」

    「えへへ。そんなのわからないですよ、だって」

    「考えてもわからないですし。それに、考えても意味ないと思います」

    「前に進むこと。それを信じる自分だけが……正しいんだって」

    「だから───だから〝オレ〟は…」


    悪魔「…生きる希望ってやつを、信じて生きてやるんですぅ!」
    176 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:56:41.30 ID:gtJhRSPk0 (+45,+30,-68)
    おわーり
    ご支援ありがとう御保守ありがとう
    長くてすみませんでした


    あとこれは
    「青信号だな、えっ?」の続きでもあります。
    気になった方は読んでみてね!

    次は、神に勝った世界線でも書きたいです。


    質問あったらどうぞ、なかったら落としてくださったら
    それではではノシ
    177 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:57:21.57 ID:XAVjJgIt0 (+19,+29,-4)
    悪魔と少年は融合したって感じ?
    178 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 02:57:35.84 ID:FJHP7P9eP (+19,+29,+0)
    あれだったのか
    179 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 03:02:05.25 ID:67rvxHbA0 (+24,+29,-14)
    やっと寝れる
    180 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 03:02:20.03 ID:Vkk6ZTqE0 (+24,+29,-1)

    天使は悪魔に惚れてるな
    181 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 03:03:07.77 ID:faj6YbLp0 (+29,+29,-18)
    なかなかのものを読ませてもらった
    乙でした
    182 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 03:03:21.02 ID:FELivUab0 (-4,+5,-1)
    183 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 03:04:03.91 ID:T5oyf5jd0 (+19,+29,-3)
    いいもん見れた 乙
    185 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 04:34:45.35 ID:8VDQPNVkO (+24,+29,-4)
    素晴らしかった


    謝礼画像貼れなくてスマン
    186 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 06:56:44.48 ID:4RW1gTxc0 (-9,+5,-1)
    187 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 07:43:16.01 ID:rLr5cM3U0 (+10,+15,-2)
    乙!
    面白かった!
    188 : 以下、名無しにか - 2013/08/04(日) 09:15:00.48 ID:tUuiteV70 (+24,+29,-4)
    おつお
    今までで一番いい作品じゃった
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