元スレ兄「地上最強の武道とは!?」妹「もちろん“妹道”よ」
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101 :
>>97
おしかったな
102 :
“妹道”対“弟道”──試合開始。
女社長「さあ、アンタの力を軽く見せてやりなさい!」ヒュッ
ピシィッ!
格闘家「おお、姉さん!」ドドドッ
ドゴォッ!
格闘家のショルダータックルで、兄が車にはねられたようにふっ飛んだ。
兄「ご、はっ……!」ドザァッ
女社長「オ~ッホッホッホッホ!」
女社長「弟はね、生まれた時からアタシが英才教育をつけた格闘技のエリートよ!」
女社長「プロテインを混ぜたミルクを飲ませ」
女社長「おしゃぶりの代わりにマウスピースをくわえさせ」
女社長「ガラガラの代わりにダンベルを持たせたわ!」
女社長「弟はあらゆる武道を超越した、最強の格闘家!」
女社長「そしてそれを自在に操るアタシこそが、地上最強なのよ!」
103 :
社長も要らん子か…
105 = 102 :
女社長「次はラリアットよ!」ヒュッ
ピシィッ!
格闘家「どおりゃあっ!」ブオンッ
ドゴォンッ!
格闘家のラリアットが、兄と妹を丸ごとふっ飛ばした。
兄「ぐふっ……! ケタ違いのパワーだ……!」
妹「どうする……兄さん?」
兄「心配するな、妹道にはこういう時の技もある」
兄「兄妹二人で前後から挟み打ちする、妹道“妹挟み”を使う!」
妹「分かったわ!」ダッ
兄が正面から、妹は背後に回り込んで、格闘家を攻める。
106 :
マウスピース咥えさせる意味あったのか
107 :
この女社長も微妙な強さなのかな
108 = 102 :
女社長「オ~ッホッホッホ! 無駄よ!」ヒュッ
ピシィッ!
格闘家「ぬああっ!」
ガシッ! ガシッ!
格闘家は兄と妹を同時にわしづかみにすると──
ガゴォンッ!
持ち上げて地面に叩きつけた。
兄「が……は……っ!」ピクピク…
妹「ぐえ……っ!」ピクピク…
女社長「あらあら、あっけないわねえ」
女社長「さあ、トドメよ!」ヒュッ
バシィッ!
格闘家「おう、姉さん!」バッ
109 = 102 :
ズドォォンッ!
格闘家のダイビングプレスをかろうじてかわした兄妹。
兄「あ、危なかった……」
妹「ねえ、兄さん」
兄「ん?」
妹「私に……考えがあるの」
妹「次、あの女がアレをやる瞬間を──狙うわよ!」
兄「アレ? ──そうか! ……分かった!」
格闘家(次の姉さんの指示で決めてやる!)
女社長「今度こそ、フィニッシュよ!」ヒュッ
兄「うおおおおおおおおおっ!!!」
妹「ひえええええええええっ!!!」
格闘家(鞭は、まだか……?)
女社長(しまった! 鞭の音を大声でかき消すなんて!)
兄「これぞ、妹道“兄妹わめき”! 今がチャンスだ!」
110 = 102 :
ガシッ……!
抱き合う兄妹。
ギュルルルルルル……!
そして、高速回転。
兄「兄と妹、二人分の体重に遠心力を加える!」
妹「これが、妹道“兄妹竜巻”!」
ギュルルルル……! ズドゴォンッ!
竜巻が、格闘家を直撃した。
格闘家「ぐおわぁっ……!」ドサァッ…
兄「よし!」
妹「でもまだ倒しきれてないわ、一気に攻めるわよ!」
女社長(ま、まずい! こうなったら──)
女社長「みんな、出番よぉ~っ!」
111 = 102 :
「待ってましたぁっ!」 「ヒャッホーッ!」 「リンチだぜぇ!」
ザザザッ……!
観客たちが次々に武道場に降りてきた。
兄「なにい……!?」
女社長「オ~ッホッホッホ! あの観客たちはね、全員ウチの生徒だったのよ!」
女社長「アタシらは弟や妹を武器にしてるんだから」
女社長「当然観客を武器にするってのもアリよねえ?」
女社長「さあ、やっておしまい!」
兄「くっ……!」サッ
妹「こうなったら力の限り、戦うまでよ!」サッ
すると──
112 :
すると・・・?
113 :
仲間の格闘家たちか
114 = 102 :
ドゴォッ! バキィッ! ドカッ!
乱入した観客たちがみるみる倒されていく。
柔道家「敵が助太刀を使うなら、我々も助太刀させてもらうぞ!」
剣道家「念のため、様子を見に来ていてよかったですよ」
空手家「ガッハッハッハッ! こいつらはオレたちに任せておけい!」
合気道家「にわか武道家どもに、真の護身術というものを教えてあげよう」
弓道家「手足を射抜かれたい者だけ、かかってこい!」
ブオンッ! バキィッ! ズドッ! ヒョイッ! ストンッ……!
兄「みんな……かたじけない!」
妹「あの五人が揃ったら、まさしく無敵だわ」
兄(これで俺たちは女社長と格闘家だけに集中できる……!)
女社長「まったく使えないんだから……! こうなったら最後の手段よ!」
115 = 102 :
プスッ……!
格闘家の首筋に、注射器を刺す女社長。
兄「なにを!?」
女社長「オホホホ……ちょっとピンチだから、クスリでパワーアップしてもらったわ」
女社長「こうなったらもう、だれにも止められないわよ!」
女社長「オ~ッホッホ、これが弟道の真髄なのよ!」
格闘家「グオオ……ッ!」ビキビキッ
格闘家「グワオォォォォォッ!」メキメキッ
兄「…………」
兄「ゆ、許せん……」ワナワナ…
兄「実の弟を道具のように扱う非道な武道……断じて許すわけにはいかん!」
兄「いくぞ、妹!」ガシッ
妹「ええ!」
兄「妹道“妹之剣”!」
ブワオンッ!
116 = 103 :
妹をぶん回すのは非道な武道とは言えないのですかね…?
118 = 102 :
格闘家「ガアアアアアアアアッ!」ブオンッ
バチィンッ!
格闘家の強烈な張り手が、剣と化した妹を弾き飛ばす。
妹「きゃああ……っ!」ガクッ
兄「妹っ!」
兄(くっ……妹が動けなくなったら、妹道は使えない!)
兄(妹道がなければ、俺は所詮ただの中途半端武道家……ここまでか……!)
妹(私が……動かないと……兄さん一人じゃ……)ググッ…
父「なにやっとんじゃあああ、お前たちいっ!!!」
兄「親父!?」
妹「父さん、どうしてここに!?」
121 = 102 :
父「お前らにいっとくがな」
父「妹道ってのは、兄が妹に頼り切る武道じゃねえぞ! もちろん逆でもねえ!」
父「兄と妹が信頼し合って、互いを高め合うって武道だ!」
父「どっちかが動けなくなったぐらいで、使えなくなる脆い武道じゃねえんだよ!」
兄&妹「…………!」
妹「分かったわ……父さん」
妹「私、もう動けないけど……私、兄さんを応援する!」
妹「新妹道“兄さん頑張れ”!」
兄「!」ピクッ
兄「うおおおおおおおおっ!」
兄「兄さん、頑張る!」シャキンッ
兄の全身に気力がみなぎった。
122 = 120 :
もはや言ったもん勝ちだな
123 = 102 :
格闘家「ガアアアアッ!」ブオンッ
兄「うおおおっ!」シュッ
妹「兄さん、右よ右! いいわよ、その調子!」
ドゴォッ! バキィッ! ベキィッ!
妹の声援と指示を受け、格闘家と互角に渡り合う兄。
柔道家「どうして一人では微妙なはずの兄が、あの怪物と戦えているんだ……?」
父「あの二人のうち、どっちがセンスが上かっていうとまちがいなく妹だ」
父「だが、兄もまがりなりにも色んな武道武術を取り入れ、練習し、経験してきた」
父「その証拠に、お前らとも多少は戦えただろ?」
剣道家「たしかに戦えていましたね……多少は、ですが」
空手家「単純な腕力やタフネスは及第点だったしな」
父「兄の微妙な強さに、妹の応援が加われば、強敵とも戦えるってワケだ!」
124 :
なにこれ
125 = 112 :
面白い
126 = 102 :
敵だった者たちからも声援が飛ぶ。
合気道家「一度は小生の弟となったんだ、負けるな!」
弓道家「勝て! 貴様は町一番の武道家だ!」
格闘家「ガアアアアッ!」ブオンッ
兄「うおらぁっ!」シュッ
バキィッ!
兄の拳が、格闘家の顎をとらえた。
格闘家「グオォッ……!」ヨロヨロッ…
父「あの格闘家、考えなしに突っ込むから顎にカウンター喰らいやがった」
父「クスリを打ったのは、大失敗だったな……女社長!」
女社長「うぐっ……!」
127 = 102 :
妹「兄さん、ファイトォーッ!」
兄「うおっしゃああああっ!」ダッ
格闘家「グオオオオッ!」グワッ
兄「新妹道“兄貴パンチ”!!!」
ドゴォンッ!!!
兄の渾身の拳が、格闘家の巨体をふっ飛ばした。
格闘家「グオオッ……!」
女社長「きゃああっ! 来ないでぇっ!」
ドズゥ……ン……
格闘家と女社長は、姉弟仲良く気絶した。
勝負あり。
129 = 102 :
格闘家「うぅ……俺は負けた……のか……」
格闘家「姉さん……すまない……」
女社長「いえ、アンタのせいじゃないわ……全て私のせいよ」
女社長「メチャクチャ強いアンタを、わざわざ鞭やクスリで操ったりしたから……」
格闘家「一からやり直そう……姉さん……“弟道”を」
女社長「うん……」
兄「ならば……この町からは手を引いてくれるな?」
女社長「もちろんよ」
女社長「本当の武道家の強さってのが分かったし……経営方針も見直すわ」
兄「そうか……」
兄「もし、また武道を体験したいというなら、いつでもこの町に来てくれ」
女社長「……ありがと」
格闘家「ありがとう……!」
133 :
妹道は武道なのか(いまさら)
134 = 102 :
柔道家「すばらしい一撃だった」
剣道家「妹の応援を己の強さにする……これこそ真の妹道ですね」
空手家「兄一人になら勝てると思ってたが、オレもうかうかしてられねえな」
兄「こちらこそ、皆には感謝してもしきれない」
妹「ありがとうございました!」
弓道家「フッ……今後も貴様との交換日記、続けていくぞ」スッ…
兄「ああ、もちろんだ。次は俺の番だな」パシッ
兄「…………」
兄「──あれ? 親父は? さっきまでいたのに……」キョロキョロ
合気道家「酒を飲みに行くって、どこかに消えてしまったよ」
兄「相変わらず適当な人だ……」
妹「しょうがないんだから……」
135 = 117 :
親父かっけーな
136 = 103 :
最強は親父だろうな
137 :
弓術家ちゃんと嫁道を習得する展開はまだですか
138 = 102 :
妹「じゃあ帰りましょっか、兄さん」
兄「そうだな」
妹「でも、道場はどうする?」
妹「この少子化のご時世、妹道は流行らないわ」
兄「たしかに……」
兄「結局いままでどおり、総合格闘技の方向を目指すしかなさそうだな」
妹「流派の名前はどうしようか?」
兄「……せっかくだし、俺たちで編み出した“新妹道”を名乗ろう」
妹「そうね!」
139 = 102 :
その後──
ワイワイ…… ガヤガヤ……
入門志望者A「ここに入ると妹さんに応援してもらえると聞いて!」
入門志望者B「ぜひ、微妙に強くして下さい!」
入門志望者C「入門すると、応援してもらえて、しかも微妙に強くなれると……」
ワイワイ…… ガヤガヤ……
兄「いや……なんだか変な風に伝わってるんだが──」
妹「とりあえず、しばらくは私、門下生の応援を頑張るわ!」
兄「じゃあ俺も門下生を微妙に強くできるよう、頑張ろう!」
かくして武道家たちの誇りは、封印されし武道“妹道”によって守られた……。
そして今まさに、新たな武道“新妹道”の伝説が始まろうとしている!
< 完 >
142 :
おつ
面白かった
145 = 120 :
乙です 面白かった
146 = 117 :
乙
兄もちゃんと強くてよかった
147 :
うちの妹でも妹道ってできるかな
148 :
面白かった
乙
150 = 112 :
乙!
いい話だった
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