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    元スレ兄「地上最強の武道とは!?」妹「もちろん“妹道”よ」

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    1 :

    道場──

    道場の中央で、正座をして向き合う兄妹。

    「妹よ」

    「なに? 兄さん」

    「我が道場が目指した道は、古今東西の武術武道を取り入れた総合格闘技──」

    「──のはずだった」

    「しかし、結果的に中途半端になり、今や他の道場におくれを取る始末!」

    「このままではいかん」

    「どれもこれも取り入れるのではなく、一つの道に絞らねば未来はない!」

    「今こそ問おう」

    「地上最強の武道とは!?」

    「もちろん“妹道”よ」

    「“妹道”!?」

    2 :

    もちろん〝

    3 :

    爆発

    4 :

    もろちん

    6 = 1 :

    「なんだ、“妹道”というのは」

    「文字通り、妹を使って戦うという武道よ」

    「つまり、兄さんが私を使って戦うわけね」

    「よく分からんが、分かった」

    「しかし、肝心の戦い方が分からん」

    「“妹道”の技を伝える秘伝書なら、ここにあるわ」スッ…

    「おお」

    「しかし、なんでこんなものをお前が持っている?」

    「今、兄さんはこの道場の15代目なわけだけど」

    「元々、この道場は総合格闘技ではなく“妹道”の道場だったらしいわ」

    「なんだと?」

    7 :

    戦車道

    8 = 1 :

    「いったいどういうことだ? ちゃんと説明してくれ」

    「つまり、3代目までは“妹道”を教える道場だったのだけど」

    「4代目から14代目、つまり父さんの代まで当主に妹が生まれなかったから」

    「“妹道”は継承されず、封印されてしまったってことみたい」

    「結果、4代目からはとりあえず色んな格闘技を取り入れようってことになって」

    「方向性がふらふらしたまま、今みたいな微妙な強さの道場になったみたい」

    9 = 1 :

    「今の話、まったくの初耳だが、だれから聞いたんだ?」

    「昨日、父さんに聞いたわ」



    『あ、そ~いやお前らって兄妹だから、“妹道”できんじゃん』

    『“妹道”は地上最強の格闘技だぞ、多分』



    「──って教えてくれたわ」

    「相変わらず適当な人だ……」

    「だからまだ若輩者である俺が、道場を受け継ぐはめに……」ブツブツ…

    「愚痴はみっともないわ、兄さん」

    「すまん」

    10 = 1 :

    「まあいい」

    「せっかくだから、“妹道”とやらを極めてみるか」

    「そうしましょ」

    「ではさっそく、秘伝書を──」ペラッ…



    かくして、兄妹の“妹道”会得のための厳しい修業が始まったのだった。



    ─────

    ───

    12 :

    「とりあえず実践してみましょよ」

    「ああ、そうだな」

    「なになに、『まず、服を脱ぎます』か・・・・・・」

    「さすがにこれは・・・・・・」

    「わかったわ、はい」

    「!?」

    14 = 1 :

    半年後──

    「ついに、秘伝書にある“妹道”全ての技を極めたな」

    「ええ、免許皆伝ね」

    「これで兄さんは“妹道十段”よ」

    「うむ」

    「じゃあさっそく行きましょう」

    「? どこにいくのだ?」

    「もちろん、他流試合よ」

    「!?」

    15 = 1 :

    「この町には柔道、剣道、空手道、合気道、弓道の道場があるわ」

    「その全てを“妹道”で打ち破るのよ」

    「しかし、妹よ」

    「この町では俺たち含め六つの道場が互いに牽制し合い」

    「絶妙な均衡を保ってきた」

    「六つの道場の間で他流試合はしてはならぬ、というのが不文律だった」

    「もし均衡が崩れれば、他の地域の道場の進出を許す恐れがあるからだ」

    「それを破るというのか?」

    「そのとおりよ、兄さん」

    16 = 1 :

    「だって、このままじゃウチの道場はやっていけなくなるわ」

    「もはや、この“妹道”で強さを示し、門下生を集めるしかないのよ」

    「たしかに……」

    「分かった、妹よ」

    「ゆこう、他流試合に!」

    「ええ、兄さん」

    「“妹道”の強さで、道場を建て直すのよ!」

    17 :

    姉道は出てきますか(小声)

    18 :

    姉道との戦いがラストバトルだろ……

    19 = 1 :

    柔道道場──

    柔道家「他流試合だと? 威勢がいいな、小僧」

    柔道家「この町内では他流試合がタブーなのは、知っているはず」

    柔道家「もし挑むのなら、どんな重傷を負わされても文句はいえぬ」

    柔道家「なにもかもが中途半端な名無し武道で、私に勝てるとでも?」

    「中途半端だったのは、昨日までだ」

    柔道家「ほう……では、どんな武道を身につけたというのだ?」

    「妹道!」

    柔道家「妹道……だと!?」

    21 = 1 :

    「ゆえに、俺は妹を武器として使う」

    「異存はないな」

    柔道家「それはもちろんかまわんが……」

    柔道家(妹道……いったいどんな武道だ?)

    「さあ、来てくれ」

    「ええ」スッ…

    「だが、まずは俺だけで戦う。いきなり妹道を披露することもない」

    「分かったわ」

    柔道家「よかろう……来い!」ザッ

    22 = 1 :

    「でやあっ!」ガシッ

    柔道家「おおっ!」パシッ

    「うおっ!?」ガクッ

    ズデンッ……!

    柔道家の出足払いが決まった。

    「まだまだっ!」バッ

    柔道家「ふんっ!」ブオンッ

    ドザッ……!

    さらに、払い腰で倒される兄。

    「あだだ……っ!」

    柔道家(この男、なんという微妙な強さだ!)

    柔道家(決して手は抜けないが、本気でやるとほとんど手応えがない……!)

    23 = 1 :

    柔道家「さっさと降参しろ! お前の実力は帯に短しタスキに長しで、微妙すぎる!」

    「まだ背中はついていないから、一本ではない!」

    柔道家「ふん、減らず口を」

    柔道家「ならば背中から全力で叩きつけて、しゃべれないようにしてやろう!」ガシッ

    ブオンッ!

    柔道家必殺、一本背負い。

    「妹よっ!」

    「ええ、兄さん!」ダッ

    ボフッ……!

    柔道家(なにいっ! 妹が兄と床の間に滑り込んで、クッションになっただと!?)

    「これぞ、妹道“衝撃吸収妹”!」

    25 :

    これはひどい

    26 = 1 :

    柔道家「おのれぇ! よもや妹にそのような使い方があったとは!」

    柔道家「ならばまず、妹から投げ飛ばしてやる!」ダダダッ

    「来たわ、兄さん!」

    「ああ、分かってる」

    「投げ飛ばされる前に──俺が投げる!」

    「うおおおおっ!」グイッ

    柔道家(妹を持ち上げただと!?)

    「妹道“妹投げ”!」ブオンッ

    ピッチャーのようなフォームで、柔道家めがけ妹を投げつける。

    柔道家「ちょ、ちょっ、待っ──」

    ゴシャッ!

    27 :

    なにこの妹番長

    28 :

    なるほどこれは……2対1だな

    29 = 1 :

    柔道家「うぐ……っ!」

    柔道家「実の妹をそこまで武器として使いこなしているとは……みごと……」

    柔道家「人を投げることは慣れてるが、人を投げつけられることは初めてだった……」

    柔道家「私の完敗だ……」

    「いや……あなたも強かった」

    「また試合をしよう」

    「……妹よ、大丈夫か」

    「ええ、平気」ボタボタ…

    「鼻血が垂れてるが」

    「こんなのティッシュでかめば、すぐ止まるわ」チーン

    30 = 25 :

    すげえ!!少年漫画みたい!!

    31 = 20 :

    すももももももを思い出す

    33 :

    この兄妹はどこに行こうとしてるんだ

    34 = 1 :

    剣道道場──

    剣道家「ほう、他流試合?」

    剣道家「面白い。ちょうど刺激が欲しかったのです」

    剣道家「しかし、剣道家に挑むとは少々無謀が過ぎますね」

    剣道家「“剣道三倍段”という言葉をご存知ですか?」

    剣道家「剣道三段であるボクに、剣道家でないあなたがたが張り合うには」

    剣道家「なにかしらの武術武道の九段の腕前が必要だという意味です」

    「ちなみに、俺は妹道十段だ」

    剣道家「…………」

    剣道家「け、“剣道四倍段”の間違いでした」

    (即座にサバを読むとは! この男、あなどれん!)

    35 = 4 :

    剣道家かわいいな

    36 = 1 :

    剣道家「それにしても、妹道とは初耳ですね」

    剣道家「いったいどんな武道なのです?」

    「妹を武器として使う武道だ」

    「あなたも竹刀を使うんだ。文句はないな」

    剣道家「もちろんです」スッ…

    正眼の構えを取る剣道家。

    「よし……まずは俺だけで戦おう」

    「分かったわ、兄さん」

    37 = 1 :

    剣道家「キエェェェーッ!」ブンッ

    バシィッ!

    「おごぉっ!」

    剣道家「メェェーンァッ!」ビュアッ

    ドゴッ!

    「ぎゃうっ!」

    剣道家「イャアアーッ!」ブオッ

    ベシィッ!

    「あが……っ!」

    剣道家(避けてるんだか、避けてないんだか……なんという微妙な反応速度!)

    38 = 1 :

    剣道家(ならば、使わせてもらいましょう……突きをね!)

    剣道家(ノドを突いて、一撃で仕留めてあげましょう!)

    剣道家「キェアアァーッ!」ビュバッ

    「妹よ!」

    「うん!」バッ

    ドスッ……!

    剣道家の竹刀が、妹の腹に突き刺さった。

    「間一髪、妹道“妹之盾”が間に合ったな」

    剣道家(なっ……! 妹を使って突きをガード!?)

    剣道家(ならもう一撃……)グッ

    剣道家「──ん?」グッグッ

    剣道家(竹刀が──抜けない!?)

    39 = 32 :

    マジかよ

    40 = 1 :

    剣道家「くそっ……抜けろっ! ──抜けんっ!」グッグッ

    「私が本気で腹を固めたら、もう抜けないわ」

    「これぞ、妹を利用して敵の武器を奪う、妹道“妹盗り(いもうとり)”!」

    「そして──」ガシッ

    妹の足首を掴む兄。

    ブオンッ! ブオンッ!

    剣道家(まるで、妹を剣のように振り回している……!)

    「たっぷりと遠心力をつけた妹を、相手に叩きつける大技──」

    「妹道“妹之剣”!」

    ブオワンッ!

    剣道家(白刃取り──できるわけないっ!)

    ドゴォンッ!

    剣道家「ぐはぁ……っ!」ドサッ…

    41 = 25 :

    妹道の初代どんな奴だよ

    42 = 1 :

    剣道家「ふふ……やはり……三段では十段には勝てません、でしたか……」

    剣道家「ウソなどつくものでは……ありませんね……」

    剣道家「やはり突くのは、竹刀に限る……」

    「いや……いい突きだったよ」

    「おかげで、妹がトイレから出てこない」

    ジャ~……!

    「全部出たか?」

    「うん、すっかり便秘が治ったわ」

    「剣道家さん、お手洗い貸してくれてありがとう」

    剣道家「いえいえ」

    43 = 32 :

    面白い

    44 = 1 :

    空手道場──

    空手家「押忍ッ!」

    空手家「ガッハッハッハッハッ! 他流試合!?」

    空手家「いいだろう、受けて立つ!」

    空手家「ただし──」ブンッ

    ドガッシャアンッ!

    積まれていた瓦二十枚を、手刀で砕く空手家。

    空手家「こうなることは覚悟の上だろうなァ!?」

    「もちろんだ」

    「妹を武器と化す妹道にて、あなたの空手道に挑む!」

    45 = 1 :

    空手家「ガッハッハ、かかってこい!」

    「おおっ!」ザッ

    ガッ! バシッ! ドッ! パシッ! ガッ!

    兄が拳でラッシュを仕掛ける。

    空手家(空手、ボクシング、ムエタイ、中国拳法の要素が微妙に混ざった──)

    空手家(なんて微妙なラッシュなんだ!)ガッ

    空手家(なんか微妙に捌きづらい!)パシッ

    空手家「だが、微妙じゃオレは倒せねえぜっ!」

    ベシィッ!

    空手家の下段蹴りで、兄がよろめく。

    「ぐおお……っ!」ヨロヨロ…

    46 :

    どこからこんな発想が出てくるんですかね(褒め言葉)

    47 = 1 :

    空手家「だりゃあっ!」ビュッ

    ベシィッ!

    「あぎゃっ!」

    空手家「どうりゃあっ!」ブオッ

    ドゴンッ!

    「おぶっ!」

    空手家「せいやぁっ!」ブンッ

    バキィッ!

    「あがふっ!」

    空手家「効いてはいるが、倒れねえ。微妙にタフなヤロウだ……」

    空手家「さあ、とっとと使ってみろ! 妹道ってのをよ!」

    48 = 1 :

    「妹っ!」

    「はい、兄さん!」ダダダッ

    空手家「来たか。さあお手並み拝見──」ニィッ

    「空手家さん……」

    「好きです」ニコッ

    空手家「えっ」ポッ…

    「チャンスッ!」ダダダッ

    ガシィッ……!

    空手家を背後から羽交い締めにする兄。

    空手家「し、しまった!」ググッ…

    空手家(しかもコイツ……力はけっこう強い……!)ググッ…

    「妹を目くらましにして背後を取る、妹道“妹くらまし”!」

    「今だぁっ! 妹よ、やれぇーっ!」

    49 = 33 :

    兄も微妙に強いってのがいいな

    50 = 1 :

    「ええ、兄さん」

    「兄が動きを止めた敵を、妹である私が狩る……」

    「これが、妹道“妹狩人”!」

    空手家(ぐっ……通常の武術では武器はあくまで武器、自分で動くことはない)グッ…

    空手家(だが、妹を武器にする妹道は、武器である妹が自分で動く!)ググッ…

    空手家(つまり、二対一で戦うことができる!)ググッ…

    空手家(これが妹道の、本当の恐ろしさってわけか……しくったぜ!)グッ…

    「はああああっ! 妹道“妹掌底”!」シュッ

    ズドンッ!

    空手家の腹に、掌底がめり込んだ。

    空手家「ぐはぁ……っ!」ガクッ

    「“妹掌底”の衝撃は内部へ浸透し、打撃箇所より離れるほど威力を増す!」

    「──あ」

    「ごふぅぅぅぅぅっ!!!」ブバァァァッ


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