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元スレ魔女「ケガァァァァァ!!!」剣士「!?」
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剣豪「説明以上! さ、どうする? 続ける? 帰る?」
剣豪「ボクとしても、ターゲット以外を斬る趣味はないからねぇ~」
剣豪「できれば今のボクの演説に感銘を受けて、大人しく帰って欲しいんだけど」
剣豪「どう?」
剣士「……ありがとう」
剣士「アンタは正しい」
剣士「町長が俺やアンタらを使って、魔女を亡き者にしたいって気持ち……」
剣士「力のあるアンタが、力のない人から嫌われたくない気持ち……」
剣士「よく分かる」
剣士「町長が俺を捨て駒みたいにしたことにも、しょうがないかって気になった」
剣士「でもね」
剣士「今のを聞いてもやっぱり、俺は魔女を助けたいって気持ちが消えない!」
剣豪「うんうん」
剣豪「ボクとしても、ターゲット以外を斬る趣味はないからねぇ~」
剣豪「できれば今のボクの演説に感銘を受けて、大人しく帰って欲しいんだけど」
剣豪「どう?」
剣士「……ありがとう」
剣士「アンタは正しい」
剣士「町長が俺やアンタらを使って、魔女を亡き者にしたいって気持ち……」
剣士「力のあるアンタが、力のない人から嫌われたくない気持ち……」
剣士「よく分かる」
剣士「町長が俺を捨て駒みたいにしたことにも、しょうがないかって気になった」
剣士「でもね」
剣士「今のを聞いてもやっぱり、俺は魔女を助けたいって気持ちが消えない!」
剣豪「うんうん」
剣士「だから──勝負だ!」チャキッ
剣豪「ぃよし!」
剣豪「いい目になった!」
剣豪「これで精神的には互角! 少しは楽しめるかもしれなーい!」
剣豪「ささ、早く来たまえ」クイクイ
剣豪「先に向かった二人は多分、ボクを待たずに魔女に襲いかかるぞぉ!」
剣士(たしかに……!)
剣士「うおおおおっ!」ブンッ
ガキンッ!
剣豪「ぃよし!」
剣豪「いい目になった!」
剣豪「これで精神的には互角! 少しは楽しめるかもしれなーい!」
剣豪「ささ、早く来たまえ」クイクイ
剣豪「先に向かった二人は多分、ボクを待たずに魔女に襲いかかるぞぉ!」
剣士(たしかに……!)
剣士「うおおおおっ!」ブンッ
ガキンッ!
~ 魔女の家近く ~
ガサッ……
戦士「あれが魔女の家か……」
戦士「剣豪殿が追いつき次第、奇襲をかけよう」
闘士「なぁ……」
闘士「俺らだけで殺って、さっさと帰っちまわねえか?」
闘士「うまくいきゃ、報酬二人占めできるぜ」
戦士「だがそうなると、剣豪殿が黙っては……」
闘士「なぁに、優勝者サマがそんなケチ臭いこといえねえって」
闘士「だいたい俺はアイツが気にくわねえ」
闘士「いっつもヘラヘラ、しまりのない笑い浮かべやがって」
闘士「とてもまともに剣の鍛錬してるツラじゃねえ。才能だけでやってるタイプだ」
闘士「ずば抜けた才能持ってるからって、調子こきすぎなんだよアイツ」
戦士「……まあな。たしかにあの態度は腹立たしいものがある」
闘士「決まりだな、殺るぜ!」
ガサッ……
戦士「あれが魔女の家か……」
戦士「剣豪殿が追いつき次第、奇襲をかけよう」
闘士「なぁ……」
闘士「俺らだけで殺って、さっさと帰っちまわねえか?」
闘士「うまくいきゃ、報酬二人占めできるぜ」
戦士「だがそうなると、剣豪殿が黙っては……」
闘士「なぁに、優勝者サマがそんなケチ臭いこといえねえって」
闘士「だいたい俺はアイツが気にくわねえ」
闘士「いっつもヘラヘラ、しまりのない笑い浮かべやがって」
闘士「とてもまともに剣の鍛錬してるツラじゃねえ。才能だけでやってるタイプだ」
闘士「ずば抜けた才能持ってるからって、調子こきすぎなんだよアイツ」
戦士「……まあな。たしかにあの態度は腹立たしいものがある」
闘士「決まりだな、殺るぜ!」
魔女「なんだお前ら」
戦士&闘士「!?」ビクッ
戦士「うおあああっ!」ザッ
闘士「い、いつの間に後ろに!?」ザザッ
魔女「私になにか用か?」
魔女「サインか? サイン欲しいのか?」ニコッ
戦士(なんていい笑顔だ……美しい)
闘士(つられて笑いそうに──って)
闘士「サインなんかいるか! 俺らはてめぇの命をもらいに来たんだ!」チャキッ
戦士&闘士「!?」ビクッ
戦士「うおあああっ!」ザッ
闘士「い、いつの間に後ろに!?」ザザッ
魔女「私になにか用か?」
魔女「サインか? サイン欲しいのか?」ニコッ
戦士(なんていい笑顔だ……美しい)
闘士(つられて笑いそうに──って)
闘士「サインなんかいるか! 俺らはてめぇの命をもらいに来たんだ!」チャキッ
戦士「私怨はないが覚悟!」チャキッ
闘士「笑ってる場合じゃねえぜ、魔女さんよォ!」チャキッ
魔女「そうか、サインいらないのか」シュン…
戦士「しいいっ!」ブンッ
闘士「でりゃああっ!」ブンッ
魔女「なら、仕方ない」
魔女「お前たちが、私の命を狙うなら──私も戦う」ニンマリ
戦士&闘士(なんでこの局面で笑う──!?)
ズドォンッ!
闘士「笑ってる場合じゃねえぜ、魔女さんよォ!」チャキッ
魔女「そうか、サインいらないのか」シュン…
戦士「しいいっ!」ブンッ
闘士「でりゃああっ!」ブンッ
魔女「なら、仕方ない」
魔女「お前たちが、私の命を狙うなら──私も戦う」ニンマリ
戦士&闘士(なんでこの局面で笑う──!?)
ズドォンッ!
~ 魔女の森 ~
ザシュッ!
剣士「うぐっ……!」ササッ
剣士(つ、強い……!)
剣士(なんか今日、今まで生きてきた中で一番調子いいのに……全く通用しない!)
剣豪「ハッハ、今のはうまくしのいだね。しぶといしぶとい」
剣豪「でも、君じゃボクには勝てな~い」
剣豪「さてここでクエスチョン」
剣豪「ボクは先の大会で優勝したけど、なんで優勝できたと思う?」
ザシュッ!
剣士「うぐっ……!」ササッ
剣士(つ、強い……!)
剣士(なんか今日、今まで生きてきた中で一番調子いいのに……全く通用しない!)
剣豪「ハッハ、今のはうまくしのいだね。しぶといしぶとい」
剣豪「でも、君じゃボクには勝てな~い」
剣豪「さてここでクエスチョン」
剣豪「ボクは先の大会で優勝したけど、なんで優勝できたと思う?」
剣士「え、そんなもん一番強いからじゃ……?」
剣豪「ちが~う」
剣豪「あの大会はトーナメント」
剣豪「つまり唯一ボクだけ、誰にも負けてないのさ!」
剣豪「一方の君たちは全員、誰かしらに負けてる!」
剣豪「剣の世界で無敗と一敗! この差はあまりにもデカイ!」
剣豪「アレがもし実戦なら、生き残ってたのはボク一人!」
剣豪「単に強いなんて言葉じゃ片付かない差ね、これ」
剣豪「負けない運命、勝ち続ける運命、とでもいうべきかなぁ~?」
ビュオンッ! ザシッ!
剣士「がっ……!」ガクッ
剣豪「ちが~う」
剣豪「あの大会はトーナメント」
剣豪「つまり唯一ボクだけ、誰にも負けてないのさ!」
剣豪「一方の君たちは全員、誰かしらに負けてる!」
剣豪「剣の世界で無敗と一敗! この差はあまりにもデカイ!」
剣豪「アレがもし実戦なら、生き残ってたのはボク一人!」
剣豪「単に強いなんて言葉じゃ片付かない差ね、これ」
剣豪「負けない運命、勝ち続ける運命、とでもいうべきかなぁ~?」
ビュオンッ! ザシッ!
剣士「がっ……!」ガクッ
剣士「な、なんで……アンタはこんな、強いのに……」ググッ…
剣士「そんなに……おちゃらけてるんだ……?」チャキッ
剣豪「逆、逆!」
剣豪「剣を極めたくば礼儀正しくあれ、厳格であれ、とかよくいうけどさ」
剣豪「あんなもん、ボクにいわせりゃなに道草食ってんのって感じさ」
剣豪「本当に剣に没頭したら、他のとこに気ィ回す余裕なんかないんだな」
剣豪「ボクみたくなるのが普通なんだな」
剣豪「君も、戦士君も闘士君も、とても剣に没頭してるようにゃ見えんねぇ」
剣豪「そんな余裕がある君らが、ボクは羨ましいったらなかったよ」
剣士(そういうもんなのか……?)
剣士(この理論が正しいかはともかく……この人が強い理由が分かった気がする)
剣士(さっきの弱い人云々の話を聞く限り、元は案外マジメだったのかもしれない)
剣士(でも剣の鍛錬に没頭するあまり、そこに全エネルギーを使うために)
剣士(他の部分がどんどん崩れて、ゆる~くなっていったんだろう)
剣士「そんなに……おちゃらけてるんだ……?」チャキッ
剣豪「逆、逆!」
剣豪「剣を極めたくば礼儀正しくあれ、厳格であれ、とかよくいうけどさ」
剣豪「あんなもん、ボクにいわせりゃなに道草食ってんのって感じさ」
剣豪「本当に剣に没頭したら、他のとこに気ィ回す余裕なんかないんだな」
剣豪「ボクみたくなるのが普通なんだな」
剣豪「君も、戦士君も闘士君も、とても剣に没頭してるようにゃ見えんねぇ」
剣豪「そんな余裕がある君らが、ボクは羨ましいったらなかったよ」
剣士(そういうもんなのか……?)
剣士(この理論が正しいかはともかく……この人が強い理由が分かった気がする)
剣士(さっきの弱い人云々の話を聞く限り、元は案外マジメだったのかもしれない)
剣士(でも剣の鍛錬に没頭するあまり、そこに全エネルギーを使うために)
剣士(他の部分がどんどん崩れて、ゆる~くなっていったんだろう)
剣士「──よし!」
剣士「だったら俺も、アンタみたいに素の自分を出す!」
剣豪「?」
剣士「俺は危険のない魔女を守りたいといったが、あれはウソだ」
剣士「本当は──」
剣士「彼女を助けていい仲になりたいな、と思ったから戦う!」チャキッ
剣豪「へぇ~……いい感じに力みが抜けたな。好きになれそうだね、今の君」
剣士「ふんっ!」ブンッ
キンッ! ザシッ!
剣豪(このボクが傷を!?)
剣豪(……これは素晴らしい!)
剣士「だったら俺も、アンタみたいに素の自分を出す!」
剣豪「?」
剣士「俺は危険のない魔女を守りたいといったが、あれはウソだ」
剣士「本当は──」
剣士「彼女を助けていい仲になりたいな、と思ったから戦う!」チャキッ
剣豪「へぇ~……いい感じに力みが抜けたな。好きになれそうだね、今の君」
剣士「ふんっ!」ブンッ
キンッ! ザシッ!
剣豪(このボクが傷を!?)
剣豪(……これは素晴らしい!)
剣士「うおおおおっ!」
キンッ! ギンッ!
剣豪(剣は己の心)
剣豪(心構え一つで格段にレベルが上がることもあるっていうけれども)
剣豪(ホントにあるんだな~……こりゃすごい)
ガキンッ!
剣士(よし……戦えてる、戦えてるぞ!)ザザッ
剣豪「いいね!」ザザッ
キンッ! ギンッ!
剣豪(剣は己の心)
剣豪(心構え一つで格段にレベルが上がることもあるっていうけれども)
剣豪(ホントにあるんだな~……こりゃすごい)
ガキンッ!
剣士(よし……戦えてる、戦えてるぞ!)ザザッ
剣豪「いいね!」ザザッ
すると──
魔女「待ったぁっ!」
剣士「魔女さん!?」
剣豪「ん……」
剣豪(これが……魔女か。へえけっこう可愛いじゃないか)
魔女「そっちの奴! お前の仲間はもう私がやっつけた!」ポイッ
ドサッ……
戦士「なんと美しい、笑み……」ピクピク…
闘士「アハ、アハハ……」ピクピク…
剣豪「あらら……」
魔女「剣士! ここからは私がやろう!」
剣士「…………」
魔女「待ったぁっ!」
剣士「魔女さん!?」
剣豪「ん……」
剣豪(これが……魔女か。へえけっこう可愛いじゃないか)
魔女「そっちの奴! お前の仲間はもう私がやっつけた!」ポイッ
ドサッ……
戦士「なんと美しい、笑み……」ピクピク…
闘士「アハ、アハハ……」ピクピク…
剣豪「あらら……」
魔女「剣士! ここからは私がやろう!」
剣士「…………」
剣士「待ってくれ、魔女さん」
剣士「この剣豪って人は、剣に文字通り全てを捧げた人だ」
剣士「俺とて未熟だけど剣の使い手……それなりのプライドは持ってる」
剣士「勝負を中断して、後は任せますってわけにはいかない」
剣士「少し、待っていてくれ」
魔女「剣士……」
剣豪「ハッ! いぃーねぇ!」
剣豪「ちょっと善戦できたぐらいで、もうボクに勝てるつもりか~い?」
剣豪「ハッハーッ! 実にいいよ、その楽天的思考! 別にイヤミじゃなくてさ!」
剣士「そんなんじゃねえや」
剣士「優勝者には優勝者のプライドがあるんだろうが」
剣士「四位には四位なりのプライドがあるんだ!」
剣士「この剣豪って人は、剣に文字通り全てを捧げた人だ」
剣士「俺とて未熟だけど剣の使い手……それなりのプライドは持ってる」
剣士「勝負を中断して、後は任せますってわけにはいかない」
剣士「少し、待っていてくれ」
魔女「剣士……」
剣豪「ハッ! いぃーねぇ!」
剣豪「ちょっと善戦できたぐらいで、もうボクに勝てるつもりか~い?」
剣豪「ハッハーッ! 実にいいよ、その楽天的思考! 別にイヤミじゃなくてさ!」
剣士「そんなんじゃねえや」
剣士「優勝者には優勝者のプライドがあるんだろうが」
剣士「四位には四位なりのプライドがあるんだ!」
剣士「つあっ!」シュバッ
剣豪「あらよっと」ヒョイッ
剣豪「後控えてるし、悪いけど終わりにするよ?」
ザンッ……!
剣士「ぐ、は……っ!」ドザッ
魔女「!」
剣豪「はい終了~!」
剣豪「いいスジしてたし、できれば生かしてやりたかったけどね……」
剣豪「さぁ~て、始めようか魔女君! ボクと君でラストバトルだ!」チャッ
魔女「ゆ……」
魔女「許さない……お前……」ゴゴゴ…
剣豪(なんだ? このおぞましいほどの殺気は!?)
剣豪「あらよっと」ヒョイッ
剣豪「後控えてるし、悪いけど終わりにするよ?」
ザンッ……!
剣士「ぐ、は……っ!」ドザッ
魔女「!」
剣豪「はい終了~!」
剣豪「いいスジしてたし、できれば生かしてやりたかったけどね……」
剣豪「さぁ~て、始めようか魔女君! ボクと君でラストバトルだ!」チャッ
魔女「ゆ……」
魔女「許さない……お前……」ゴゴゴ…
剣豪(なんだ? このおぞましいほどの殺気は!?)
魔女「剣士、いいヤツだった……」
魔女「私のご飯を、ほめてくれた」
魔女「私のサイン、いらないのにもらってくれた」
魔女「私なんかに、優しくしてくれた」
魔女「お前、許さない! 許さナイィッ!!!」
ゴゴゴ……!
剣豪「ぐっ……!」ビリビリ…
剣豪(なんだコイツ!? とんでもない殺気だ!)
剣豪(さっきまでとは別人じゃないか!)
剣豪(か、体が動かない……!)ビリビリ…
魔女「覚悟しろ!」
魔女「私のご飯を、ほめてくれた」
魔女「私のサイン、いらないのにもらってくれた」
魔女「私なんかに、優しくしてくれた」
魔女「お前、許さない! 許さナイィッ!!!」
ゴゴゴ……!
剣豪「ぐっ……!」ビリビリ…
剣豪(なんだコイツ!? とんでもない殺気だ!)
剣豪(さっきまでとは別人じゃないか!)
剣豪(か、体が動かない……!)ビリビリ…
魔女「覚悟しろ!」
剣士「ま……」
剣士「ま、待った!」ヨロ…
魔女「剣士!」
剣士「魔女さん、その怖い顔はやめな。君は笑顔の方が絶対いいって」
魔女「!」
剣士「剣豪……勝負はこれからだ……!」グッ…
剣豪「あらら……生きてたかい」
剣豪「このボクが仕損じるなんてね。どうも今日は調子が悪い」
剣豪「でもま、立つんなら斬っちゃうよ」チャッ
魔女「休んでろ、剣士!」
剣士「…………」ヨロッ…
剣士「あ、ちょっと待った」
剣豪「ん?」
剣士「ま、待った!」ヨロ…
魔女「剣士!」
剣士「魔女さん、その怖い顔はやめな。君は笑顔の方が絶対いいって」
魔女「!」
剣士「剣豪……勝負はこれからだ……!」グッ…
剣豪「あらら……生きてたかい」
剣豪「このボクが仕損じるなんてね。どうも今日は調子が悪い」
剣豪「でもま、立つんなら斬っちゃうよ」チャッ
魔女「休んでろ、剣士!」
剣士「…………」ヨロッ…
剣士「あ、ちょっと待った」
剣豪「ん?」
剣士「あのさ……」
剣士「俺のサイン、欲しくない?」
剣豪「サイン!?」ギョッ
剣豪「だ、だれが君のサインなんか──」
剣士「今だぁぁぁぁぁっ!」ビュアッ
ズバァッ!
剣豪「きゃあ、あ……っ!」ヨロッ…
剣豪「なんでいきなり、サイン……?」ガクッ
ドサッ……!
剣士「…………」
剣士「勝った!」ビッ
魔女「卑怯だ!」
剣士「俺のサイン、欲しくない?」
剣豪「サイン!?」ギョッ
剣豪「だ、だれが君のサインなんか──」
剣士「今だぁぁぁぁぁっ!」ビュアッ
ズバァッ!
剣豪「きゃあ、あ……っ!」ヨロッ…
剣豪「なんでいきなり、サイン……?」ガクッ
ドサッ……!
剣士「…………」
剣士「勝った!」ビッ
魔女「卑怯だ!」
魔女「でも、よかった」ホッ…
魔女「バッサリ斬られてたのに、なんでそんなに元気なんだ?」
剣士「懐に魔女さんのサインを入れてたおかげさ。おかげで傷が浅かった」スッ…
魔女「おお!」
剣士「ついでにコイツで、さっきの作戦を思いついたんだ」
剣士「いくら性格が破綻してる剣豪でも」
剣士「いきなりサインやるよっていわれたら、一瞬ぐらい戸惑うはずだってね」
魔女「四位のプライドはどこいった?」
剣士「だって、まともじゃ逆立ちしても勝てないし……」
魔女「ま、いいか!」
魔女「とりあえずコイツら、剣を奪って、私らを襲ってこれない程度に治癒しておこう」
魔女「バッサリ斬られてたのに、なんでそんなに元気なんだ?」
剣士「懐に魔女さんのサインを入れてたおかげさ。おかげで傷が浅かった」スッ…
魔女「おお!」
剣士「ついでにコイツで、さっきの作戦を思いついたんだ」
剣士「いくら性格が破綻してる剣豪でも」
剣士「いきなりサインやるよっていわれたら、一瞬ぐらい戸惑うはずだってね」
魔女「四位のプライドはどこいった?」
剣士「だって、まともじゃ逆立ちしても勝てないし……」
魔女「ま、いいか!」
魔女「とりあえずコイツら、剣を奪って、私らを襲ってこれない程度に治癒しておこう」
戦士「屈辱だ……」タタタッ
闘士「覚えてやがれ!」タタタッ
剣士「魔女さんに傷を治してもらったってこと、忘れんなよ!」
魔女「治スゥゥゥゥ!」パァァ…
剣豪「うぅ……!」
魔女「治った」ニコッ
剣豪「……ふぅ」ムクッ
剣豪「……負けた上に情けまでかけられるとは。今日は厄日かなぁ~」
剣士「剣豪、もう魔女さんを襲わないな?」
剣豪「ハッハ」
剣豪「剣もないし、あっても魔女君には勝てないだろう。ボクの完敗さ」
闘士「覚えてやがれ!」タタタッ
剣士「魔女さんに傷を治してもらったってこと、忘れんなよ!」
魔女「治スゥゥゥゥ!」パァァ…
剣豪「うぅ……!」
魔女「治った」ニコッ
剣豪「……ふぅ」ムクッ
剣豪「……負けた上に情けまでかけられるとは。今日は厄日かなぁ~」
剣士「剣豪、もう魔女さんを襲わないな?」
剣豪「ハッハ」
剣豪「剣もないし、あっても魔女君には勝てないだろう。ボクの完敗さ」
魔女「ところで、お前。いや、お前たち、か」
剣豪「ん?」
魔女「なんで私、狙った?」
魔女「私に恨みがあったのか?」
剣豪「なぁ~んもないさ、なぁ~んもね」
剣豪「ただ、その気になればボクすら軽く殺せる君の魔力や魔法ってのを」
剣豪「恐れる人がいたってだけの話さ」
魔女「……町の人か?」
剣豪「ハッハ、ご想像にお任せするよ」
剣士「…………」
剣豪「ん?」
魔女「なんで私、狙った?」
魔女「私に恨みがあったのか?」
剣豪「なぁ~んもないさ、なぁ~んもね」
剣豪「ただ、その気になればボクすら軽く殺せる君の魔力や魔法ってのを」
剣豪「恐れる人がいたってだけの話さ」
魔女「……町の人か?」
剣豪「ハッハ、ご想像にお任せするよ」
剣士「…………」
魔女「いや……私、分かってた」
魔女「みんなに恐れられてるって」
魔女「私、この森にいない方が、みんな幸せだって」
剣士「魔女さん! そんなことないって!」
魔女「いや、そうなんだ」
魔女「だって私はさっき──」
魔女「あやうくこの森も町も何もかも、丸ごとふっ飛ばしてしまうところだった」
剣士「……え?」
剣豪(あ~あ、やはりね)
魔女「みんなに恐れられてるって」
魔女「私、この森にいない方が、みんな幸せだって」
剣士「魔女さん! そんなことないって!」
魔女「いや、そうなんだ」
魔女「だって私はさっき──」
魔女「あやうくこの森も町も何もかも、丸ごとふっ飛ばしてしまうところだった」
剣士「……え?」
剣豪(あ~あ、やはりね)
魔女「前に話したが……」
魔女「魔法というのは、本来負の効果をもたらすもの」
魔女「だから正の魔法を使うには、負の感情をわざわざ出さなきゃならない」
魔女「だからもし、殺意や憎悪といった感情をむき出しで負の魔法──」
魔女「すなわち、攻撃魔法を放ったら──」
魔女「おそらく──」
魔女「お前たちも、森も、町も、全てを灰にしていた……」
剣士「そんなことに……なるのか……」
剣豪「ワァ~オ」
剣士(そうか……俺が魔女さんを退治するっていった時、満面の笑みを浮かべたのは)
剣士(負の魔法である攻撃魔法を正の感情で放つことで、威力を最小限にとどめ)
剣士(俺を殺さないためだったのか……)
剣士(戦士と闘士を倒した時も……多分そうしたんだろうな)
魔女「魔法というのは、本来負の効果をもたらすもの」
魔女「だから正の魔法を使うには、負の感情をわざわざ出さなきゃならない」
魔女「だからもし、殺意や憎悪といった感情をむき出しで負の魔法──」
魔女「すなわち、攻撃魔法を放ったら──」
魔女「おそらく──」
魔女「お前たちも、森も、町も、全てを灰にしていた……」
剣士「そんなことに……なるのか……」
剣豪「ワァ~オ」
剣士(そうか……俺が魔女さんを退治するっていった時、満面の笑みを浮かべたのは)
剣士(負の魔法である攻撃魔法を正の感情で放つことで、威力を最小限にとどめ)
剣士(俺を殺さないためだったのか……)
剣士(戦士と闘士を倒した時も……多分そうしたんだろうな)
剣士「……だったらさ」
剣士「俺と一緒に旅に出よう!」
魔女「えぇっ!?」
剣士「今すぐ町の人と仲良く……ってのは正直難しいだろう」
剣士「それにここにいると、また魔女さんを狙う連中が来るとも限らない」
剣士「そうなったら、いずれ魔女さんが殺されるか、あるいは森や町が灰になるか──」
剣士「俺としても、そんなのはどっちもイヤだ」
剣士「何より君は、やっぱり笑ってる顔が一番可愛い」
剣士「俺はそこまで強くないけど、笑われ──笑わせるのは得意な方だからさ!」
剣士「いつも笑えるようになったら、きっとみんな怖がらず受け入れてくれるさ!」
魔女「あ、ありが、とう……」グスッ…
剣士(よし! これで俺と魔女さん二人旅だ!)
剣士「俺と一緒に旅に出よう!」
魔女「えぇっ!?」
剣士「今すぐ町の人と仲良く……ってのは正直難しいだろう」
剣士「それにここにいると、また魔女さんを狙う連中が来るとも限らない」
剣士「そうなったら、いずれ魔女さんが殺されるか、あるいは森や町が灰になるか──」
剣士「俺としても、そんなのはどっちもイヤだ」
剣士「何より君は、やっぱり笑ってる顔が一番可愛い」
剣士「俺はそこまで強くないけど、笑われ──笑わせるのは得意な方だからさ!」
剣士「いつも笑えるようになったら、きっとみんな怖がらず受け入れてくれるさ!」
魔女「あ、ありが、とう……」グスッ…
剣士(よし! これで俺と魔女さん二人旅だ!)
剣豪「ハッハーッ! いぃ~ねぇ~」
剣士「?」
剣豪「だったらボクもついてくよ」
剣士「え!?」
剣士「いや、俺と魔女さん二人だけでいいって……」
剣士(なんで余計なこといいやがるんだ、コイツ)
剣豪「だって、旅の途中で弱っちい君がまた死にかけたり死んだりしたら」
剣豪「魔女君、殺気全開魔法撃っちゃうよ? 君の護衛が必要だろ~う?」
剣豪「力を使いたくない魔女君に、守ってもらうわけにもいかないだろうしさ」
剣士「いや、まぁたしかに……否定できんけど」
魔女「おお、お前も来てくれるのか! よろしく!」スッ…
剣豪「ハッハ、よろしこ」ガシッ
剣士(あ~あ、剣豪と魔女さんがくっつく未来が確定した。プランが崩れた)
剣士(二人の結婚式の司会は俺で決定だな……トホホ)
剣士「?」
剣豪「だったらボクもついてくよ」
剣士「え!?」
剣士「いや、俺と魔女さん二人だけでいいって……」
剣士(なんで余計なこといいやがるんだ、コイツ)
剣豪「だって、旅の途中で弱っちい君がまた死にかけたり死んだりしたら」
剣豪「魔女君、殺気全開魔法撃っちゃうよ? 君の護衛が必要だろ~う?」
剣豪「力を使いたくない魔女君に、守ってもらうわけにもいかないだろうしさ」
剣士「いや、まぁたしかに……否定できんけど」
魔女「おお、お前も来てくれるのか! よろしく!」スッ…
剣豪「ハッハ、よろしこ」ガシッ
剣士(あ~あ、剣豪と魔女さんがくっつく未来が確定した。プランが崩れた)
剣士(二人の結婚式の司会は俺で決定だな……トホホ)
魔女「私、嬉しい!」
魔女「男友達と女友達、同時にできた! こんなの初めてだ!」
剣士「ハァ?」
剣士「バカいうな、俺は男だぞ」
剣士「たしかにヒゲは薄いけど、これでも二日に一回は剃ってんだ!」
魔女「なにいってるんだ、お前」
剣士「へ?」
剣豪「ハッハ、君も失礼な男だねえ~。というより見抜いた魔女君がすごいか」
魔女「男と女は、生命力の流れが全然ちがうからな。私はすぐ分かる」
剣士「え、え、え」
剣士「剣豪、アンタ女かよ!?」
剣豪「これでも一応ね」
剣士(近頃の女は強いってよくいうけど──)
剣士(二人とも気が強いとかじゃなく、武力的な意味で俺よりつえーじゃねえか!)
魔女「男友達と女友達、同時にできた! こんなの初めてだ!」
剣士「ハァ?」
剣士「バカいうな、俺は男だぞ」
剣士「たしかにヒゲは薄いけど、これでも二日に一回は剃ってんだ!」
魔女「なにいってるんだ、お前」
剣士「へ?」
剣豪「ハッハ、君も失礼な男だねえ~。というより見抜いた魔女君がすごいか」
魔女「男と女は、生命力の流れが全然ちがうからな。私はすぐ分かる」
剣士「え、え、え」
剣士「剣豪、アンタ女かよ!?」
剣豪「これでも一応ね」
剣士(近頃の女は強いってよくいうけど──)
剣士(二人とも気が強いとかじゃなく、武力的な意味で俺よりつえーじゃねえか!)
剣豪「ハッハ、ドン引きかい? ドンドン引き引きだろ? こんなのが女なんてさ」
剣豪「一応これでも昔は乙女チックだったりしたんだよ?」
剣士「いや……たしかに女だってのには驚いたけど、純粋にすげえよ」
剣士「肉体的な面では絶対に男より不利なアンタが」
剣士「剣術大会でダントツ優勝する……これがどういうことなのか」
剣士「いったいどれ程の鍛錬を積み、どれ程の犠牲を払ってきたのか」
剣士「性格すら変わっちまうほどの剣への執着……俺なんかじゃ敵わないわけだ」
剣士「そして、魔女さんも──」
剣士「膨大な魔力を内に秘めながら、それをひた隠しにして暮らしてきた」
剣士「とてつもない重圧だったことだろう」
剣士「こんなこと軽々しくいっちゃいけないかもしれないけど」
剣士「いや、ホントにマジですごい。俺は男として、心から二人を尊敬するよ……!」
剣豪「バッ、バカか! やめてくれ、むずかゆい!」
魔女「もっと褒めてくれ! サインやるから!」
剣豪「一応これでも昔は乙女チックだったりしたんだよ?」
剣士「いや……たしかに女だってのには驚いたけど、純粋にすげえよ」
剣士「肉体的な面では絶対に男より不利なアンタが」
剣士「剣術大会でダントツ優勝する……これがどういうことなのか」
剣士「いったいどれ程の鍛錬を積み、どれ程の犠牲を払ってきたのか」
剣士「性格すら変わっちまうほどの剣への執着……俺なんかじゃ敵わないわけだ」
剣士「そして、魔女さんも──」
剣士「膨大な魔力を内に秘めながら、それをひた隠しにして暮らしてきた」
剣士「とてつもない重圧だったことだろう」
剣士「こんなこと軽々しくいっちゃいけないかもしれないけど」
剣士「いや、ホントにマジですごい。俺は男として、心から二人を尊敬するよ……!」
剣豪「バッ、バカか! やめてくれ、むずかゆい!」
魔女「もっと褒めてくれ! サインやるから!」
剣豪「……コホン。これで剣士君。男一人に女二人!」
剣豪「両手に花じゃないか! モテ期ってやつじゃないのかぁい?」
剣士「そ、そうだな」
剣士(花っつうかマンドラゴラだな)
魔女「とりあえず、どこに行くんだ?」
剣士「そうだな……これからの季節は暑いし、涼しい場所にでも」
剣豪「ハッハー、ノープランすぎやしないかい?」
魔女「よぉ~し、私サインいっぱい書くぞ!」
剣士(まぁ……多分何とかなるだろ! 俺より強いのが二人もいるし!)
こうして両手にマンドラゴラ剣士の、ノープラン旅が始まるのであった……。
おしまい
剣豪「両手に花じゃないか! モテ期ってやつじゃないのかぁい?」
剣士「そ、そうだな」
剣士(花っつうかマンドラゴラだな)
魔女「とりあえず、どこに行くんだ?」
剣士「そうだな……これからの季節は暑いし、涼しい場所にでも」
剣豪「ハッハー、ノープランすぎやしないかい?」
魔女「よぉ~し、私サインいっぱい書くぞ!」
剣士(まぁ……多分何とかなるだろ! 俺より強いのが二人もいるし!)
こうして両手にマンドラゴラ剣士の、ノープラン旅が始まるのであった……。
おしまい
躊躇なく人に死んでと言えるのって凄いなぁ
想像力の欠如も才能の一種ってことかなぁ (^ ^)
想像力の欠如も才能の一種ってことかなぁ (^ ^)
>>94
ひどすぎわろたwwwwww
ひどすぎわろたwwwwww
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