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    元スレ魔女「ケガァァァァァ!!!」剣士「!?」

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    51 : 以下、名無しにか - 2013/07/29(月) 23:41:03.46 ID:CaMeXmTC0 (+19,+29,-15)
    鶴屋さんにみえてきた
    52 : 以下、名無しにか - 2013/07/29(月) 23:41:04.95 ID:C70HZ4y10 (+19,+29,-5)
    魔女は何系の魔法を使うんだ?
    53 : 以下、名無しにか - 2013/07/29(月) 23:44:31.19 ID:przov+RG0 (+95,+30,-199)
    剣豪「説明以上! さ、どうする? 続ける? 帰る?」

    剣豪「ボクとしても、ターゲット以外を斬る趣味はないからねぇ~」

    剣豪「できれば今のボクの演説に感銘を受けて、大人しく帰って欲しいんだけど」

    剣豪「どう?」

    剣士「……ありがとう」

    剣士「アンタは正しい」

    剣士「町長が俺やアンタらを使って、魔女を亡き者にしたいって気持ち……」

    剣士「力のあるアンタが、力のない人から嫌われたくない気持ち……」

    剣士「よく分かる」

    剣士「町長が俺を捨て駒みたいにしたことにも、しょうがないかって気になった」

    剣士「でもね」

    剣士「今のを聞いてもやっぱり、俺は魔女を助けたいって気持ちが消えない!」

    剣豪「うんうん」
    54 : 以下、名無しにか - 2013/07/29(月) 23:46:43.94 ID:8j8Lmix7O (+18,+28,+0)
    うんうん
    55 : 以下、名無しにか - 2013/07/29(月) 23:47:33.19 ID:przov+RG0 (+95,+30,-142)
    剣士「だから──勝負だ!」チャキッ

    剣豪「ぃよし!」

    剣豪「いい目になった!」

    剣豪「これで精神的には互角! 少しは楽しめるかもしれなーい!」

    剣豪「ささ、早く来たまえ」クイクイ

    剣豪「先に向かった二人は多分、ボクを待たずに魔女に襲いかかるぞぉ!」

    剣士(たしかに……!)

    剣士「うおおおおっ!」ブンッ

    ガキンッ!
    56 : 以下、名無しにか - 2013/07/29(月) 23:48:08.52 ID:zXniDhY70 (+19,+29,-3)
    ちょっといい奴でワロタ
    57 : 以下、名無しにか - 2013/07/29(月) 23:51:37.93 ID:przov+RG0 (+95,+30,-250)
    ~ 魔女の家近く ~

    ガサッ……

    戦士「あれが魔女の家か……」

    戦士「剣豪殿が追いつき次第、奇襲をかけよう」

    闘士「なぁ……」

    闘士「俺らだけで殺って、さっさと帰っちまわねえか?」

    闘士「うまくいきゃ、報酬二人占めできるぜ」

    戦士「だがそうなると、剣豪殿が黙っては……」

    闘士「なぁに、優勝者サマがそんなケチ臭いこといえねえって」

    闘士「だいたい俺はアイツが気にくわねえ」

    闘士「いっつもヘラヘラ、しまりのない笑い浮かべやがって」

    闘士「とてもまともに剣の鍛錬してるツラじゃねえ。才能だけでやってるタイプだ」

    闘士「ずば抜けた才能持ってるからって、調子こきすぎなんだよアイツ」

    戦士「……まあな。たしかにあの態度は腹立たしいものがある」

    闘士「決まりだな、殺るぜ!」
    58 : 以下、名無しにか - 2013/07/29(月) 23:54:24.51 ID:brZiNfpG0 (+16,+26,+0)
    みてるよーがんばれー
    59 : 以下、名無しにか - 2013/07/29(月) 23:55:29.21 ID:przov+RG0 (+95,+30,-92)
    「なんだお前ら」

    戦士&闘士「!?」ビクッ

    戦士「うおあああっ!」ザッ

    闘士「い、いつの間に後ろに!?」ザザッ

    「私になにか用か?」

    「サインか? サイン欲しいのか?」ニコッ

    戦士(なんていい笑顔だ……美しい)

    闘士(つられて笑いそうに──って)

    闘士「サインなんかいるか! 俺らはてめぇの命をもらいに来たんだ!」チャキッ
    60 : 以下、名無しにか - 2013/07/29(月) 23:59:27.99 ID:przov+RG0 (+95,+30,-77)
    戦士「私怨はないが覚悟!」チャキッ

    闘士「笑ってる場合じゃねえぜ、魔女さんよォ!」チャキッ

    「そうか、サインいらないのか」シュン…

    戦士「しいいっ!」ブンッ

    闘士「でりゃああっ!」ブンッ

    「なら、仕方ない」

    「お前たちが、私の命を狙うなら──私も戦う」ニンマリ

    戦士&闘士(なんでこの局面で笑う──!?)



    ズドォンッ!
    61 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:07:41.50 ID:esekvDAZ0 (+20,+30,-140)
    ~ 魔女の森 ~

    ザシュッ!

    剣士「うぐっ……!」ササッ

    剣士(つ、強い……!)

    剣士(なんか今日、今まで生きてきた中で一番調子いいのに……全く通用しない!)

    剣豪「ハッハ、今のはうまくしのいだね。しぶといしぶとい」

    剣豪「でも、君じゃボクには勝てな~い」

    剣豪「さてここでクエスチョン」

    剣豪「ボクは先の大会で優勝したけど、なんで優勝できたと思う?」
    62 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:09:34.94 ID:0kr7rx230 (+19,+29,-15)
    剣豪も魔法使えるのか
    63 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:10:34.01 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-240)
    剣士「え、そんなもん一番強いからじゃ……?」

    剣豪「ちが~う」

    剣豪「あの大会はトーナメント」

    剣豪「つまり唯一ボクだけ、誰にも負けてないのさ!」

    剣豪「一方の君たちは全員、誰かしらに負けてる!」

    剣豪「剣の世界で無敗と一敗! この差はあまりにもデカイ!」

    剣豪「アレがもし実戦なら、生き残ってたのはボク一人!」

    剣豪「単に強いなんて言葉じゃ片付かない差ね、これ」

    剣豪「負けない運命、勝ち続ける運命、とでもいうべきかなぁ~?」

    ビュオンッ! ザシッ!

    剣士「がっ……!」ガクッ
    64 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:11:50.37 ID:XBpY0ad40 (+24,+29,-5)
    おい魔女怪我してるやつがいるぞ
    早くするんだ
    65 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:15:46.03 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,+0)
    剣士「な、なんで……アンタはこんな、強いのに……」ググッ…

    剣士「そんなに……おちゃらけてるんだ……?」チャキッ

    剣豪「逆、逆!」

    剣豪「剣を極めたくば礼儀正しくあれ、厳格であれ、とかよくいうけどさ」

    剣豪「あんなもん、ボクにいわせりゃなに道草食ってんのって感じさ」

    剣豪「本当に剣に没頭したら、他のとこに気ィ回す余裕なんかないんだな」

    剣豪「ボクみたくなるのが普通なんだな」

    剣豪「君も、戦士君も闘士君も、とても剣に没頭してるようにゃ見えんねぇ」

    剣豪「そんな余裕がある君らが、ボクは羨ましいったらなかったよ」

    剣士(そういうもんなのか……?)

    剣士(この理論が正しいかはともかく……この人が強い理由が分かった気がする)

    剣士(さっきの弱い人云々の話を聞く限り、元は案外マジメだったのかもしれない)

    剣士(でも剣の鍛錬に没頭するあまり、そこに全エネルギーを使うために)

    剣士(他の部分がどんどん崩れて、ゆる~くなっていったんだろう)
    66 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:19:32.89 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-175)
    剣士「──よし!」

    剣士「だったら俺も、アンタみたいに素の自分を出す!」

    剣豪「?」

    剣士「俺は危険のない魔女を守りたいといったが、あれはウソだ」

    剣士「本当は──」

    剣士「彼女を助けていい仲になりたいな、と思ったから戦う!」チャキッ

    剣豪「へぇ~……いい感じに力みが抜けたな。好きになれそうだね、今の君」

    剣士「ふんっ!」ブンッ

    キンッ! ザシッ!

    剣豪(このボクが傷を!?)

    剣豪(……これは素晴らしい!)
    67 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:21:52.68 ID:ZkHLaV660 (+11,+26,+0)
    がんばるじゃん
    68 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:22:19.75 ID:vSDSNxH6O (+23,+28,-3)
    朝まで残ってますように
    69 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:22:37.78 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-150)
    剣士「うおおおおっ!」

    キンッ! ギンッ!

    剣豪(剣は己の心)

    剣豪(心構え一つで格段にレベルが上がることもあるっていうけれども)

    剣豪(ホントにあるんだな~……こりゃすごい)

    ガキンッ!

    剣士(よし……戦えてる、戦えてるぞ!)ザザッ

    剣豪「いいね!」ザザッ
    70 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:25:38.42 ID:8QrWpX5a0 (+13,+28,-1)
    なんだホモか
    71 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:28:38.67 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-110)
    すると──

    「待ったぁっ!」

    剣士「魔女さん!?」

    剣豪「ん……」

    剣豪(これが……魔女か。へえけっこう可愛いじゃないか)

    「そっちの奴! お前の仲間はもう私がやっつけた!」ポイッ

    ドサッ……

    戦士「なんと美しい、笑み……」ピクピク…

    闘士「アハ、アハハ……」ピクピク…

    剣豪「あらら……」

    「剣士! ここからは私がやろう!」

    剣士「…………」
    72 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:33:24.37 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-222)
    剣士「待ってくれ、魔女さん」

    剣士「この剣豪って人は、剣に文字通り全てを捧げた人だ」

    剣士「俺とて未熟だけど剣の使い手……それなりのプライドは持ってる」

    剣士「勝負を中断して、後は任せますってわけにはいかない」

    剣士「少し、待っていてくれ」

    「剣士……」

    剣豪「ハッ! いぃーねぇ!」

    剣豪「ちょっと善戦できたぐらいで、もうボクに勝てるつもりか~い?」

    剣豪「ハッハーッ! 実にいいよ、その楽天的思考! 別にイヤミじゃなくてさ!」

    剣士「そんなんじゃねえや」

    剣士「優勝者には優勝者のプライドがあるんだろうが」

    剣士「四位には四位なりのプライドがあるんだ!」
    73 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:37:30.42 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-209)
    剣士「つあっ!」シュバッ

    剣豪「あらよっと」ヒョイッ

    剣豪「後控えてるし、悪いけど終わりにするよ?」

    ザンッ……!

    剣士「ぐ、は……っ!」ドザッ

    「!」

    剣豪「はい終了~!」

    剣豪「いいスジしてたし、できれば生かしてやりたかったけどね……」

    剣豪「さぁ~て、始めようか魔女君! ボクと君でラストバトルだ!」チャッ

    「ゆ……」

    「許さない……お前……」ゴゴゴ…

    剣豪(なんだ? このおぞましいほどの殺気は!?)
    74 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:41:29.68 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-149)
    「剣士、いいヤツだった……」

    「私のご飯を、ほめてくれた」

    「私のサイン、いらないのにもらってくれた」

    「私なんかに、優しくしてくれた」

    「お前、許さない! 許さナイィッ!!!」

    ゴゴゴ……!

    剣豪「ぐっ……!」ビリビリ…

    剣豪(なんだコイツ!? とんでもない殺気だ!)

    剣豪(さっきまでとは別人じゃないか!)

    剣豪(か、体が動かない……!)ビリビリ…

    「覚悟しろ!」
    75 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:42:09.38 ID:pzhhmH2dO (-24,-9,+0)
    支援
    76 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:48:19.56 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-187)
    剣士「ま……」

    剣士「ま、待った!」ヨロ…

    「剣士!」

    剣士「魔女さん、その怖い顔はやめな。君は笑顔の方が絶対いいって」

    「!」

    剣士「剣豪……勝負はこれからだ……!」グッ…

    剣豪「あらら……生きてたかい」

    剣豪「このボクが仕損じるなんてね。どうも今日は調子が悪い」

    剣豪「でもま、立つんなら斬っちゃうよ」チャッ

    「休んでろ、剣士!」

    剣士「…………」ヨロッ…

    剣士「あ、ちょっと待った」

    剣豪「ん?」
    77 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:53:26.21 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-146)
    剣士「あのさ……」

    剣士「俺のサイン、欲しくない?」

    剣豪「サイン!?」ギョッ

    剣豪「だ、だれが君のサインなんか──」

    剣士「今だぁぁぁぁぁっ!」ビュアッ

    ズバァッ!

    剣豪「きゃあ、あ……っ!」ヨロッ…

    剣豪「なんでいきなり、サイン……?」ガクッ

    ドサッ……!

    剣士「…………」

    剣士「勝った!」ビッ

    「卑怯だ!」
    78 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:54:03.32 ID:pzhhmH2dO (-24,-9,+0)
    支援
    79 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 00:59:56.51 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-161)
    「でも、よかった」ホッ…

    「バッサリ斬られてたのに、なんでそんなに元気なんだ?」

    剣士「懐に魔女さんのサインを入れてたおかげさ。おかげで傷が浅かった」スッ…

    「おお!」

    剣士「ついでにコイツで、さっきの作戦を思いついたんだ」

    剣士「いくら性格が破綻してる剣豪でも」

    剣士「いきなりサインやるよっていわれたら、一瞬ぐらい戸惑うはずだってね」

    「四位のプライドはどこいった?」

    剣士「だって、まともじゃ逆立ちしても勝てないし……」

    「ま、いいか!」

    「とりあえずコイツら、剣を奪って、私らを襲ってこれない程度に治癒しておこう」
    80 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:03:53.36 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-196)
    戦士「屈辱だ……」タタタッ

    闘士「覚えてやがれ!」タタタッ

    剣士「魔女さんに傷を治してもらったってこと、忘れんなよ!」

    「治スゥゥゥゥ!」パァァ…

    剣豪「うぅ……!」

    「治った」ニコッ

    剣豪「……ふぅ」ムクッ

    剣豪「……負けた上に情けまでかけられるとは。今日は厄日かなぁ~」

    剣士「剣豪、もう魔女さんを襲わないな?」

    剣豪「ハッハ」

    剣豪「剣もないし、あっても魔女君には勝てないだろう。ボクの完敗さ」
    81 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:07:44.96 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-162)
    「ところで、お前。いや、お前たち、か」

    剣豪「ん?」

    「なんで私、狙った?」

    「私に恨みがあったのか?」

    剣豪「なぁ~んもないさ、なぁ~んもね」

    剣豪「ただ、その気になればボクすら軽く殺せる君の魔力や魔法ってのを」

    剣豪「恐れる人がいたってだけの話さ」

    「……町の人か?」

    剣豪「ハッハ、ご想像にお任せするよ」

    剣士「…………」
    82 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:09:52.41 ID:pzhhmH2dO (-24,-9,+0)
    支援
    83 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:12:12.41 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-116)
    「いや……私、分かってた」

    「みんなに恐れられてるって」

    「私、この森にいない方が、みんな幸せだって」

    剣士「魔女さん! そんなことないって!」

    「いや、そうなんだ」

    「だって私はさっき──」

    「あやうくこの森も町も何もかも、丸ごとふっ飛ばしてしまうところだった」

    剣士「……え?」

    剣豪(あ~あ、やはりね)
    84 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:18:44.35 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-267)
    「前に話したが……」

    「魔法というのは、本来負の効果をもたらすもの」

    「だから正の魔法を使うには、負の感情をわざわざ出さなきゃならない」

    「だからもし、殺意や憎悪といった感情をむき出しで負の魔法──」

    「すなわち、攻撃魔法を放ったら──」

    「おそらく──」

    「お前たちも、森も、町も、全てを灰にしていた……」

    剣士「そんなことに……なるのか……」

    剣豪「ワァ~オ」

    剣士(そうか……俺が魔女さんを退治するっていった時、満面の笑みを浮かべたのは)

    剣士(負の魔法である攻撃魔法を正の感情で放つことで、威力を最小限にとどめ)

    剣士(俺を殺さないためだったのか……)

    剣士(戦士と闘士を倒した時も……多分そうしたんだろうな)
    85 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:23:24.63 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-165)
    剣士「……だったらさ」

    剣士「俺と一緒に旅に出よう!」

    「えぇっ!?」

    剣士「今すぐ町の人と仲良く……ってのは正直難しいだろう」

    剣士「それにここにいると、また魔女さんを狙う連中が来るとも限らない」

    剣士「そうなったら、いずれ魔女さんが殺されるか、あるいは森や町が灰になるか──」

    剣士「俺としても、そんなのはどっちもイヤだ」

    剣士「何より君は、やっぱり笑ってる顔が一番可愛い」

    剣士「俺はそこまで強くないけど、笑われ──笑わせるのは得意な方だからさ!」

    剣士「いつも笑えるようになったら、きっとみんな怖がらず受け入れてくれるさ!」

    「あ、ありが、とう……」グスッ…

    剣士(よし! これで俺と魔女さん二人旅だ!)
    86 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:23:48.15 ID:Wn1aRdl60 (+0,+14,-11)
    しえん
    87 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:28:55.86 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-299)
    剣豪「ハッハーッ! いぃ~ねぇ~」

    剣士「?」

    剣豪「だったらボクもついてくよ」

    剣士「え!?」

    剣士「いや、俺と魔女さん二人だけでいいって……」

    剣士(なんで余計なこといいやがるんだ、コイツ)

    剣豪「だって、旅の途中で弱っちい君がまた死にかけたり死んだりしたら」

    剣豪「魔女君、殺気全開魔法撃っちゃうよ? 君の護衛が必要だろ~う?」

    剣豪「力を使いたくない魔女君に、守ってもらうわけにもいかないだろうしさ」

    剣士「いや、まぁたしかに……否定できんけど」

    「おお、お前も来てくれるのか! よろしく!」スッ…

    剣豪「ハッハ、よろしこ」ガシッ

    剣士(あ~あ、剣豪と魔女さんがくっつく未来が確定した。プランが崩れた)

    剣士(二人の結婚式の司会は俺で決定だな……トホホ)
    88 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:31:30.89 ID:pzhhmH2dO (-24,-9,+0)
    支援
    89 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:34:14.20 ID:esekvDAZ0 (+48,+30,-215)
    「私、嬉しい!」

    「男友達と女友達、同時にできた! こんなの初めてだ!」

    剣士「ハァ?」

    剣士「バカいうな、俺は男だぞ」

    剣士「たしかにヒゲは薄いけど、これでも二日に一回は剃ってんだ!」

    「なにいってるんだ、お前」

    剣士「へ?」

    剣豪「ハッハ、君も失礼な男だねえ~。というより見抜いた魔女君がすごいか」

    「男と女は、生命力の流れが全然ちがうからな。私はすぐ分かる」

    剣士「え、え、え」

    剣士「剣豪、アンタ女かよ!?」

    剣豪「これでも一応ね」

    剣士(近頃の女は強いってよくいうけど──)

    剣士(二人とも気が強いとかじゃなく、武力的な意味で俺よりつえーじゃねえか!)
    90 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:38:57.40 ID:ZKpLNOysO (-24,-9,+0)
    支援
    91 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:39:10.00 ID:He1x6S/r0 (+4,+14,-11)
    しえん
    92 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:40:51.91 ID:esekvDAZ0 (+48,+30,+0)
    剣豪「ハッハ、ドン引きかい? ドンドン引き引きだろ? こんなのが女なんてさ」

    剣豪「一応これでも昔は乙女チックだったりしたんだよ?」

    剣士「いや……たしかに女だってのには驚いたけど、純粋にすげえよ」

    剣士「肉体的な面では絶対に男より不利なアンタが」

    剣士「剣術大会でダントツ優勝する……これがどういうことなのか」

    剣士「いったいどれ程の鍛錬を積み、どれ程の犠牲を払ってきたのか」

    剣士「性格すら変わっちまうほどの剣への執着……俺なんかじゃ敵わないわけだ」

    剣士「そして、魔女さんも──」

    剣士「膨大な魔力を内に秘めながら、それをひた隠しにして暮らしてきた」

    剣士「とてつもない重圧だったことだろう」

    剣士「こんなこと軽々しくいっちゃいけないかもしれないけど」

    剣士「いや、ホントにマジですごい。俺は男として、心から二人を尊敬するよ……!」

    剣豪「バッ、バカか! やめてくれ、むずかゆい!」

    「もっと褒めてくれ! サインやるから!」
    93 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:46:57.82 ID:esekvDAZ0 (+50,+30,-182)
    剣豪「……コホン。これで剣士君。男一人に女二人!」

    剣豪「両手に花じゃないか! モテ期ってやつじゃないのかぁい?」

    剣士「そ、そうだな」

    剣士(花っつうかマンドラゴラだな)

    「とりあえず、どこに行くんだ?」

    剣士「そうだな……これからの季節は暑いし、涼しい場所にでも」

    剣豪「ハッハー、ノープランすぎやしないかい?」

    「よぉ~し、私サインいっぱい書くぞ!」

    剣士(まぁ……多分何とかなるだろ! 俺より強いのが二人もいるし!)



    こうして両手にマンドラゴラ剣士の、ノープラン旅が始まるのであった……。





                                        おしまい
    94 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:47:40.92 ID:ZNpyLQ37I (+25,+27,+0)
    つまんない
    死んで
    95 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:49:38.21 ID:He1x6S/r0 (+6,+16,+0)
    おつ
    96 : 忍法帖【Lv= - 2013/07/30(火) 01:52:24.93 ID:QkUI1sLp0! (+24,+29,-11)
    躊躇なく人に死んでと言えるのって凄いなぁ
    想像力の欠如も才能の一種ってことかなぁ (^ ^)
    97 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:53:12.28 ID:hWP7yIMs0 (+18,+26,-2)
    >>94
    ひどすぎわろたwwwwww
    98 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:53:59.54 ID:tjw6Voc70 (+28,+29,-4)
    >>94
    最後まで読んだのにこの反応

    つまりツンデレ!?
    99 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:56:39.51 ID:evwW6a5m0 (+24,+29,-8)
    つまりVIPを極めすぎて性格がゆがんでしまったわけか
    100 : 以下、名無しにか - 2013/07/30(火) 01:58:23.23 ID:KBgVy3G40 (+24,+29,-17)
    面白かった。最初ケアルガを高速詠唱してるのかと思ったわ
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