私的良スレ書庫
不明な単語は2ch用語を / 要望・削除依頼は掲示板へ。不適切な画像報告もこちらへどうぞ。 / 管理情報はtwitterでログインするとレス評価できます。 登録ユーザには一部の画像が表示されますので、問題のある画像や記述を含むレスに「禁」ボタンを押してください。
VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。
元スレ男「サラリーマンとは、闘い也!」
SS スレッド一覧へ / SS とは? / 携帯版 / dat(gz)で取得 / トップメニューみんなの評価 : ★★
レスフィルター : (試験中)
< 自宅 >
ジリリリリ……!
男「起床ッ!」バッ
起床とは、闘い也!
布団をすみやかに脱出し、目覚めから0.15秒未満で直立すべし!
夢への未練、目覚めから0.25秒未満で断ち切るべし!
辛く険しい現(うつつ)と、向き合わねばならぬのだから……。
男「完全覚醒ッ!」キリッ
ジリリリリ……!
男「起床ッ!」バッ
起床とは、闘い也!
布団をすみやかに脱出し、目覚めから0.15秒未満で直立すべし!
夢への未練、目覚めから0.25秒未満で断ち切るべし!
辛く険しい現(うつつ)と、向き合わねばならぬのだから……。
男「完全覚醒ッ!」キリッ
男「洗顔ッ!」
洗顔とは、闘い也!
妻が用意せし熱く煮えたぎった湯の摂氏、限界突破の800℃!
これを躊躇なく顔面に浴びせられる漢でなくば、サラリーマンは務まらない!
バシャッ! バシャッ! バシャッ!
男「適温ッ!」
洗顔とは、闘い也!
妻が用意せし熱く煮えたぎった湯の摂氏、限界突破の800℃!
これを躊躇なく顔面に浴びせられる漢でなくば、サラリーマンは務まらない!
バシャッ! バシャッ! バシャッ!
男「適温ッ!」
妻「ヒゲを剃りましょうね、あなた」チャキッ
男「頼むよ」
ヒゲ剃りとは、闘い也!
エプロン姿の新妻が持ちし、金剛石をも断ち切る名刀『愛妻』!
これを秒速500kmを超える速度で振り回し、ヒゲを剃るのである!
むろん、妻の手元が僅かでも狂わば、男の首が飛ぶことスペースシャトルの如し!
サラリーマンとは常に死と隣り合わせである!
たとえ不慮の事故で命失おうとも、一片の悔いなし!
ヒュバババババッ!
妻「ヒゲ剃り完了」チン…
男「剃り残し、無しッ!」ツルツルッ
男「頼むよ」
ヒゲ剃りとは、闘い也!
エプロン姿の新妻が持ちし、金剛石をも断ち切る名刀『愛妻』!
これを秒速500kmを超える速度で振り回し、ヒゲを剃るのである!
むろん、妻の手元が僅かでも狂わば、男の首が飛ぶことスペースシャトルの如し!
サラリーマンとは常に死と隣り合わせである!
たとえ不慮の事故で命失おうとも、一片の悔いなし!
ヒュバババババッ!
妻「ヒゲ剃り完了」チン…
男「剃り残し、無しッ!」ツルツルッ
男「いただきます」
妻「バターを塗ったトーストと玉露は、よく合いますのよ」
男「ありがとう」
朝食とは、安らぎ也!
朝のニュースを眺めながらの、ブレックファストとティータイム!
会社という戦場に旅立つ前の、ほんの一時の至福である!
焼け石に水、と嘲笑(わら)う者があるかもしれない。
だが、笑いたいものには笑わせておけばよい!
笑う門には、福が来るのだから……。
妻「バターを塗ったトーストと玉露は、よく合いますのよ」
男「ありがとう」
朝食とは、安らぎ也!
朝のニュースを眺めながらの、ブレックファストとティータイム!
会社という戦場に旅立つ前の、ほんの一時の至福である!
焼け石に水、と嘲笑(わら)う者があるかもしれない。
だが、笑いたいものには笑わせておけばよい!
笑う門には、福が来るのだから……。
男「行ってきます」ザッ
妻「行ってらっしゃい」
出勤とは、闘い也!
夫婦の別れに涙はいらぬ!
夫の外出を見届けた妻は、即座に白装束となり液体窒素を体に浴びせるのである!
これすなわち、祈願!
我が身を凍結する代わり、夫を生還させよという自己犠牲的発想!
夫の身を案ずる余り、誰に命じられたわけでもなく身についた習慣である!
ザバァァァ……!
妻「あなた……どうかご無事で」
妻「行ってらっしゃい」
出勤とは、闘い也!
夫婦の別れに涙はいらぬ!
夫の外出を見届けた妻は、即座に白装束となり液体窒素を体に浴びせるのである!
これすなわち、祈願!
我が身を凍結する代わり、夫を生還させよという自己犠牲的発想!
夫の身を案ずる余り、誰に命じられたわけでもなく身についた習慣である!
ザバァァァ……!
妻「あなた……どうかご無事で」
< 電車 >
ガタンゴトン……
満員電車とは、闘い也!
座席、壁際、手すり、つり革、乗客同士の寄りかかり!
生き馬の目を抜くようなポジションの奪い合い!
コーナーキックを待ち受ける、プロサッカー選手に匹敵する攻防!
中年(さて降りるか……)スッ…
男(チャンス!)ダダダッ
男(ポジション、ゲット!)スチャッ
座れはせずとも!
男はドアの両側、通称“寄りかかれるスペース”をゲット!
本日、絶好調!
ガタンゴトン……
満員電車とは、闘い也!
座席、壁際、手すり、つり革、乗客同士の寄りかかり!
生き馬の目を抜くようなポジションの奪い合い!
コーナーキックを待ち受ける、プロサッカー選手に匹敵する攻防!
中年(さて降りるか……)スッ…
男(チャンス!)ダダダッ
男(ポジション、ゲット!)スチャッ
座れはせずとも!
男はドアの両側、通称“寄りかかれるスペース”をゲット!
本日、絶好調!
しかし──
満員電車には恐ろしい罠(トラップ)が存在する!
女子高生「きゃあ~!」
女子高生「この人、痴漢ですぅ! お尻をさわってきました~!」
男「!」
男(痴漢など、私はやっていない……!)
女子高生「…………」ニヤッ
男は見た!
女子高生のデーモン笑み! 犯罪! 冤罪! 万歳!
満員電車には恐ろしい罠(トラップ)が存在する!
女子高生「きゃあ~!」
女子高生「この人、痴漢ですぅ! お尻をさわってきました~!」
男「!」
男(痴漢など、私はやっていない……!)
女子高生「…………」ニヤッ
男は見た!
女子高生のデーモン笑み! 犯罪! 冤罪! 万歳!
ザワザワ…… ドヨドヨ……
絶体絶命!
痴漢冤罪の罠にかからば、懲戒免職、家庭崩壊、実刑判決は免れない!
もはや男は、蜘蛛の巣に捕らわれた哀れな蝶々!
男(先手を取られた──ならばッ!)
男「ああ、私を痴漢をした」
女子高生「え?」
男「さわったばかりではない」
男「私はこの可憐な少女を──押し倒し、接吻し、なぶり、犯したッ!」
女子高生「!?」
女子高生の言いがかりを“先の先”とするならば──
男はあえて冤罪を受け入れることで“後の先”を取ったのである!
これすなわち、カウンター! 威力は倍増され、敵に返還される!
絶体絶命!
痴漢冤罪の罠にかからば、懲戒免職、家庭崩壊、実刑判決は免れない!
もはや男は、蜘蛛の巣に捕らわれた哀れな蝶々!
男(先手を取られた──ならばッ!)
男「ああ、私を痴漢をした」
女子高生「え?」
男「さわったばかりではない」
男「私はこの可憐な少女を──押し倒し、接吻し、なぶり、犯したッ!」
女子高生「!?」
女子高生の言いがかりを“先の先”とするならば──
男はあえて冤罪を受け入れることで“後の先”を取ったのである!
これすなわち、カウンター! 威力は倍増され、敵に返還される!
女子高生(この人、私のウソをあえて全部受け止めてくれた……!)ドキン…
女子高生「ごめんなさいっ! 全部、ウソなんですっ!」
女子高生「なんか最近ムシャクシャしてて、つい──」
男「気にするな。過ちを悔いる心、それだけで私は嬉しい」
男の度量にて、不良女子高生の凍てついた心は春の雪解け水が如く溶解した。
この女子高生、この事件を機に自らの半生を猛省し、
後にノーベル平和賞を受賞することになるが──それはまた別の話。
女子高生「本当にあなたの女になったらダメですか?」
男「悪いが、私には愛する妻がいる」
パチパチ……! パチパチ……!
拍手喝采である。
満員電車では皆が敵同士、だからとて祝福の心を忘れたわけではない。
女子高生「ごめんなさいっ! 全部、ウソなんですっ!」
女子高生「なんか最近ムシャクシャしてて、つい──」
男「気にするな。過ちを悔いる心、それだけで私は嬉しい」
男の度量にて、不良女子高生の凍てついた心は春の雪解け水が如く溶解した。
この女子高生、この事件を機に自らの半生を猛省し、
後にノーベル平和賞を受賞することになるが──それはまた別の話。
女子高生「本当にあなたの女になったらダメですか?」
男「悪いが、私には愛する妻がいる」
パチパチ……! パチパチ……!
拍手喝采である。
満員電車では皆が敵同士、だからとて祝福の心を忘れたわけではない。
男(む、あの座席が空いたッ!)キリッ
男(初速1,200m/sで動けば、あの座席に座れるッ!)ダッ
シュザッ!
男「!」
エリート「…………」ニコッ
男(先に座られた……! 速いッ……!)
エリート「残念、この座席はボクのものです」
エリート「でも……どうしても座りたければ、ボクの膝の上に座ってかまいませんよ」
タッチの差で座席に奪われた男を見上げながら見下ろす、エリートの露骨な挑発である。
だが男はあえて──
男「座らせてもらう」スッ…
男(初速1,200m/sで動けば、あの座席に座れるッ!)ダッ
シュザッ!
男「!」
エリート「…………」ニコッ
男(先に座られた……! 速いッ……!)
エリート「残念、この座席はボクのものです」
エリート「でも……どうしても座りたければ、ボクの膝の上に座ってかまいませんよ」
タッチの差で座席に奪われた男を見上げながら見下ろす、エリートの露骨な挑発である。
だが男はあえて──
男「座らせてもらう」スッ…
直後、尻全体に鋭利な痛みが走った!
自らの尻を確認するや否や、目に飛び込んできたのは無数の画鋲!
男「貴様ッ! いつの間に膝の上に画鋲を……ッ!」
エリート「最初からですよ」
エリート「しかし、ボクの挑発に乗り、冷静さを失っていたアナタは気づかなかった」
エリート「社会人にあるまじき、注意力散漫だ……」
エリート「先ほど女子高生を手玉に取った実力を見込んで、試してみたんですが──」
エリート「どうやら期待外れだったらしい。ガッカリだ」
男「あ……あ、あ……」
ガーン!
男の目に涙を浮かばせたるは、尻の痛みでなく心の痛み!
完 全 敗 北 ! ! !
自らの尻を確認するや否や、目に飛び込んできたのは無数の画鋲!
男「貴様ッ! いつの間に膝の上に画鋲を……ッ!」
エリート「最初からですよ」
エリート「しかし、ボクの挑発に乗り、冷静さを失っていたアナタは気づかなかった」
エリート「社会人にあるまじき、注意力散漫だ……」
エリート「先ほど女子高生を手玉に取った実力を見込んで、試してみたんですが──」
エリート「どうやら期待外れだったらしい。ガッカリだ」
男「あ……あ、あ……」
ガーン!
男の目に涙を浮かばせたるは、尻の痛みでなく心の痛み!
完 全 敗 北 ! ! !
< 駅 >
キヨスクとは、闘い也!
目的駅についた男、まっすぐ会社には向かわずキヨスクへ直行!
理由はもちろん、完全敗北を喫した我が身を奮い立たせるため──
おばちゃん「いらっしゃいませ」
男「棚にある栄養ドリンクを──全部ッ!」
おばちゃん「あいよッ!」
宇宙最強の栄養素と名高いタウリンが、男の打ちひしがれた心を復活させる!
これぞモーニングドーピング!
サラリーマンにとって、ドーピングは反則ではない。日常である!
キヨスクとは、闘い也!
目的駅についた男、まっすぐ会社には向かわずキヨスクへ直行!
理由はもちろん、完全敗北を喫した我が身を奮い立たせるため──
おばちゃん「いらっしゃいませ」
男「棚にある栄養ドリンクを──全部ッ!」
おばちゃん「あいよッ!」
宇宙最強の栄養素と名高いタウリンが、男の打ちひしがれた心を復活させる!
これぞモーニングドーピング!
サラリーマンにとって、ドーピングは反則ではない。日常である!
< 会社 >
男「おはようございます」
同僚「よう」
OL「おはよう!」
係長「おはよう」
課長「うむ、おはよう」
男「……しかし、私はキヨスクに寄ったせいで始業時間には間に合ったとはいえ」
男「いつもの出勤時刻より五分ほど、遅れてしまいました」
男「よって、私に対して『おはよう』は相応しくないのです」
男「やり直しを要求させていただくッ!」
挨拶とは、闘い也!
漫然と決まり文句を交わす習慣にあらず!
自分に相応しくないとあらば、断じて拒否せねばならない!
男「おはようございます」
同僚「よう」
OL「おはよう!」
係長「おはよう」
課長「うむ、おはよう」
男「……しかし、私はキヨスクに寄ったせいで始業時間には間に合ったとはいえ」
男「いつもの出勤時刻より五分ほど、遅れてしまいました」
男「よって、私に対して『おはよう』は相応しくないのです」
男「やり直しを要求させていただくッ!」
挨拶とは、闘い也!
漫然と決まり文句を交わす習慣にあらず!
自分に相応しくないとあらば、断じて拒否せねばならない!
同僚「おおそう! 待ちくたびれたぜ」
OL「おおそう!」
係長「おおそう」
課長「うむ、おおそう」
男の心意気を飲み込んだ課の仲間4名!
即座に『おはよう』を『おおそう』に切り替える、チーター以上の瞬発力!
男の目に、またもうっすらと涙が光る……。
男(みんな……ありがとう……)キラッ…
OL「おおそう!」
係長「おおそう」
課長「うむ、おおそう」
男の心意気を飲み込んだ課の仲間4名!
即座に『おはよう』を『おおそう』に切り替える、チーター以上の瞬発力!
男の目に、またもうっすらと涙が光る……。
男(みんな……ありがとう……)キラッ…
電話取りとは、闘い也!
電話のベルが鳴ってからでは遅すぎる!
先方が電話をかけてきた瞬間では遅すぎる!
真のサラリーマンたる者、先方が電話をしてくるのを見切って、
こちらから電話をかけねばならない!
先手必勝の精神が、予知能力の如き直感を生むのである!
男「お電話ありがとうございます」
客『おお、今まさに君に電話をかけようとしていたところだよ』
客『やられたよ……完敗だ!』ニィッ
男(勝利ッ!)
電話のベルが鳴ってからでは遅すぎる!
先方が電話をかけてきた瞬間では遅すぎる!
真のサラリーマンたる者、先方が電話をしてくるのを見切って、
こちらから電話をかけねばならない!
先手必勝の精神が、予知能力の如き直感を生むのである!
男「お電話ありがとうございます」
客『おお、今まさに君に電話をかけようとしていたところだよ』
客『やられたよ……完敗だ!』ニィッ
男(勝利ッ!)
デスクワークとは、闘い也!
男のパソコンの実力たるや──
ワード二段! エクセル四段! パワーポイント六級!
すなわち、2×4×6=四十八!
これはかの忠臣蔵の赤穂浪士四十七名をも上回る、驚異的数値である!
なお──
男(ここでエンターキーを押すッ!)
男「はっ!」
メキィッ!
男はエンターキーだけは、肘(エルボー)で押すという
非常に厳しい制約を課している! 壊したキーボードの数、実に数千!
男のパソコンの実力たるや──
ワード二段! エクセル四段! パワーポイント六級!
すなわち、2×4×6=四十八!
これはかの忠臣蔵の赤穂浪士四十七名をも上回る、驚異的数値である!
なお──
男(ここでエンターキーを押すッ!)
男「はっ!」
メキィッ!
男はエンターキーだけは、肘(エルボー)で押すという
非常に厳しい制約を課している! 壊したキーボードの数、実に数千!
男(この書類、10部ほどコピーするか)ダダダッ
同僚「この資料、コピーしねえと!」ダダダッ
男「!」
同僚「俺の方が0.18秒、コピー機に着くのが早かった」
同僚「だが──お前だって急いでるんだろ? 俺に勝てたら先にコピーしていいぜ」
男「望むところッ!」
コピー取りとは、闘い也!
己とコピー機の一対一(タイマン)を邪魔する者あらば、
命を奪う覚悟、奪われる覚悟を以って、駆逐すべし!
譲り合いなどあってはならぬ!
コピー機とは、真の強者にのみ心を開いてくれるのだから……。
同僚「この資料、コピーしねえと!」ダダダッ
男「!」
同僚「俺の方が0.18秒、コピー機に着くのが早かった」
同僚「だが──お前だって急いでるんだろ? 俺に勝てたら先にコピーしていいぜ」
男「望むところッ!」
コピー取りとは、闘い也!
己とコピー機の一対一(タイマン)を邪魔する者あらば、
命を奪う覚悟、奪われる覚悟を以って、駆逐すべし!
譲り合いなどあってはならぬ!
コピー機とは、真の強者にのみ心を開いてくれるのだから……。
同僚「お前相手に手加減はできない……使わせてもらうぜ、ネクタイを」シュルッ…
男「本気のようだな」
ネクタイとは正装にあらず、武装也!
鞭の如く扱い打撃! 手錠の如く扱い緊縛! 縄の如く扱い絞殺!
たった一本のネクタイで、かのように多彩な攻撃が可能である!
まして同僚はネクタイ術に関しては、右に出る者なし!
男の額に、じんわりと冷や汗が浮かぶ!
同僚「そうらッ!」ヒュバッ
バチィィッ!
男「ぬう……ッ!」
蛇のように動くネクタイ! 男の皮膚が弾け飛ぶ!
男「本気のようだな」
ネクタイとは正装にあらず、武装也!
鞭の如く扱い打撃! 手錠の如く扱い緊縛! 縄の如く扱い絞殺!
たった一本のネクタイで、かのように多彩な攻撃が可能である!
まして同僚はネクタイ術に関しては、右に出る者なし!
男の額に、じんわりと冷や汗が浮かぶ!
同僚「そうらッ!」ヒュバッ
バチィィッ!
男「ぬう……ッ!」
蛇のように動くネクタイ! 男の皮膚が弾け飛ぶ!
同僚「よっと」ヒュッ
ガシッ……!
男(右腕を絡め取られた!)
同僚「ネクタイ一本釣りッ!」ブオンッ
ドガッシャァンッ!
ネクタイで絡め取った男を投げ飛ばし、そのままコピー機に叩きつける残虐技!
しかし、大ダメージにもかかわらず、男は反撃の狼煙を上げようとしていた!
男「ぐふっ……。ならば私も使わせてもらおう、ネクタイを!」
同僚「!」
同僚(コイツの戦闘術は素手専門だったはずだが──)
同僚「おもしれえ! やってみなッ!」
ガシッ……!
男(右腕を絡め取られた!)
同僚「ネクタイ一本釣りッ!」ブオンッ
ドガッシャァンッ!
ネクタイで絡め取った男を投げ飛ばし、そのままコピー機に叩きつける残虐技!
しかし、大ダメージにもかかわらず、男は反撃の狼煙を上げようとしていた!
男「ぐふっ……。ならば私も使わせてもらおう、ネクタイを!」
同僚「!」
同僚(コイツの戦闘術は素手専門だったはずだが──)
同僚「おもしれえ! やってみなッ!」
男「今私が締めているこのネクタイは──」
男「去年、私の誕生日に、妻が買ってくれたものなのだ」
男「妻よ……私は勝つッ! 勝ってコピーを完遂するッ!」ゴゴゴ…
同僚(ネクタイを通じて奥さんからの愛を受け取り、パワーアップッ!)
同僚(これもまた立派なネクタイ術じゃねーか! さすがだぜ!)
同僚「俺、この会社に入ってよかった! お前みたいな好敵手に出会え──」
ボゴォッ!
同僚「た」
一撃!
吹き飛ばされた同僚の体はコピー機と激突し、コピー機を跡形もなく粉砕した!
同僚「……ん、だから、な……」ガクッ
男「最後まで台詞を言い切るその執念! さすが我が同期ッ!」
男「去年、私の誕生日に、妻が買ってくれたものなのだ」
男「妻よ……私は勝つッ! 勝ってコピーを完遂するッ!」ゴゴゴ…
同僚(ネクタイを通じて奥さんからの愛を受け取り、パワーアップッ!)
同僚(これもまた立派なネクタイ術じゃねーか! さすがだぜ!)
同僚「俺、この会社に入ってよかった! お前みたいな好敵手に出会え──」
ボゴォッ!
同僚「た」
一撃!
吹き飛ばされた同僚の体はコピー機と激突し、コピー機を跡形もなく粉砕した!
同僚「……ん、だから、な……」ガクッ
男「最後まで台詞を言い切るその執念! さすが我が同期ッ!」
同僚「しっかし、コピー機ぶっ壊しちまったな」
男「仕方あるまい。私が弁償しよう」
同僚「いや、俺が先に勝負ふっかけたんだ。俺が弁償するよ」
すると、コピー機になにやら異変!
二人の漢の熱気を浴び、このまま壊れてなどいられぬと──
機械にあるまじき掟破りの自己再生!
メキメキ……!
コピー機『我、再臨す!』
コピー機『さあ書類を乗せろ。どんな書類でもコピーしてやろう!』
同僚「死の淵からよみがえったことで、自我まで芽生えてやがる!」
男「うむむ、このコピー機こそコピー機の中のコピー機ッ!」
男「仕方あるまい。私が弁償しよう」
同僚「いや、俺が先に勝負ふっかけたんだ。俺が弁償するよ」
すると、コピー機になにやら異変!
二人の漢の熱気を浴び、このまま壊れてなどいられぬと──
機械にあるまじき掟破りの自己再生!
メキメキ……!
コピー機『我、再臨す!』
コピー機『さあ書類を乗せろ。どんな書類でもコピーしてやろう!』
同僚「死の淵からよみがえったことで、自我まで芽生えてやがる!」
男「うむむ、このコピー機こそコピー機の中のコピー機ッ!」
企画書とは、闘い也!
小脳大脳を捻り上げ、絞り出した、己の創意工夫(アイディア)!
いざ、課長に提出!
課長「ふむ……」ピラッ…
男「いかがでしょう、課長?」
課長「企画自体はよろしい……」
課長「あとは──君の企画に対する“熱意”を示すだけだ。来たまえ」
男「応ッ!」
相手は上司、しかも同僚との死闘のダメージも残る!
だが、相手が社長であろうとも奥歯をもぎ取れるのが、真のサラリーマン!
だが、装甲車にハネられても戦うことができるのが、真のサラリーマン!
男は真のサラリーマンであった……!
小脳大脳を捻り上げ、絞り出した、己の創意工夫(アイディア)!
いざ、課長に提出!
課長「ふむ……」ピラッ…
男「いかがでしょう、課長?」
課長「企画自体はよろしい……」
課長「あとは──君の企画に対する“熱意”を示すだけだ。来たまえ」
男「応ッ!」
相手は上司、しかも同僚との死闘のダメージも残る!
だが、相手が社長であろうとも奥歯をもぎ取れるのが、真のサラリーマン!
だが、装甲車にハネられても戦うことができるのが、真のサラリーマン!
男は真のサラリーマンであった……!
課長はシャチハタ使い!
両手に持った時価数百円のシャチハタによる高速突きで、精密に急所を狙う!
ひとたび急所に押印されれば、落命は必至!
バババババッ!
課長「さあさあ、どうしたのかね?」バババッ
課長「避けてばかりでは、企画は通らんぞ」バババッ
男(速いッ!)
男(会社帰りのバッティングセンターで銃弾をバットで打ち返す鍛錬を繰り返し──)
男(鍛えに鍛え上げた我が動体視力!)
男(にもかかわらず、課長の突きを完全に見切れないッ! 反撃のスキがないッ!)
課長「打つ手なしか。君には失望させられたよ……ガッカリだ」バババッ
男「!」
両手に持った時価数百円のシャチハタによる高速突きで、精密に急所を狙う!
ひとたび急所に押印されれば、落命は必至!
バババババッ!
課長「さあさあ、どうしたのかね?」バババッ
課長「避けてばかりでは、企画は通らんぞ」バババッ
男(速いッ!)
男(会社帰りのバッティングセンターで銃弾をバットで打ち返す鍛錬を繰り返し──)
男(鍛えに鍛え上げた我が動体視力!)
男(にもかかわらず、課長の突きを完全に見切れないッ! 反撃のスキがないッ!)
課長「打つ手なしか。君には失望させられたよ……ガッカリだ」バババッ
男「!」
エリート≪どうやら期待外れだったらしい。ガッカリだ≫
今朝の完全敗北、フラッシュバック!
あの痛みが、あの屈辱が、あの不甲斐なさが、男の後退した心と体に火を灯す!
男「見くびらないで下さい、課長!」ダッ
課長「無策で突っ込むか」
課長「無策には、無情で答えるのみ」
メキィッ……!
課長のシャチハタが、男の額にクリティカルヒット!
ひび割れる頭蓋骨!
しかし、割れた男の頭に浮かぶは、勝利の二文字!
今朝の完全敗北、フラッシュバック!
あの痛みが、あの屈辱が、あの不甲斐なさが、男の後退した心と体に火を灯す!
男「見くびらないで下さい、課長!」ダッ
課長「無策で突っ込むか」
課長「無策には、無情で答えるのみ」
メキィッ……!
課長のシャチハタが、男の額にクリティカルヒット!
ひび割れる頭蓋骨!
しかし、割れた男の頭に浮かぶは、勝利の二文字!
男「取ったァッ!」ガシッ
課長(これは──関節技!?)
関節技(サブミッション)──腕ひしぎ逆十字!
頭と引き換えに、右腕をゲットだぜ!
課長「参った、ギブアップだ!」パンパンッ
男「折るッ!」グンッ
ボギィッ……!
課長の右腕、あらぬ方向にヘアピンカーブ!
男の勝利である!
課長(これは──関節技!?)
関節技(サブミッション)──腕ひしぎ逆十字!
頭と引き換えに、右腕をゲットだぜ!
課長「参った、ギブアップだ!」パンパンッ
男「折るッ!」グンッ
ボギィッ……!
課長の右腕、あらぬ方向にヘアピンカーブ!
男の勝利である!
課長「……よくやった」プラーン…
課長「もし私のギブアップで、折るのを躊躇していたら企画は通さなかった」
課長「君の熱意、受け取ったよ。この企画書はあとで部長に上げよう」ニッ
男「課長」
男「課長の右腕……音を立てて骨を外しただけで、折ってはいませんッ!」
課長「フッ……どうやら、今日のところは私の完敗のようだな」
キーン…… コーン…… カーン…… コーン……
係長「課長、昼ごはんにしましょう」ガタッ
課長「うむ」
OL「あたし、友達と食べてこようっと」ガタッ
同僚「俺は外で食ってくるけど、お前は?」ガタッ
男「私には愛妻弁当がある」
課長「もし私のギブアップで、折るのを躊躇していたら企画は通さなかった」
課長「君の熱意、受け取ったよ。この企画書はあとで部長に上げよう」ニッ
男「課長」
男「課長の右腕……音を立てて骨を外しただけで、折ってはいませんッ!」
課長「フッ……どうやら、今日のところは私の完敗のようだな」
キーン…… コーン…… カーン…… コーン……
係長「課長、昼ごはんにしましょう」ガタッ
課長「うむ」
OL「あたし、友達と食べてこようっと」ガタッ
同僚「俺は外で食ってくるけど、お前は?」ガタッ
男「私には愛妻弁当がある」
昼休み──
男(妻よ……)
男(君の作ってくれた弁当で、午後への活力を養わせてもらうよ)
男「いただきます」ペコッ
弁当とは、愛の結晶也!
わずか20cm四方の箱から漂う、溢れんばかりの妻の愛!
蓋を開ける前からすでに男の全身は紅潮し、完熟トマトにも似た様相!
いざ、開封!
男「…………」パカッ
男(中身が──)
男(無いッ!)
男(妻よ……)
男(君の作ってくれた弁当で、午後への活力を養わせてもらうよ)
男「いただきます」ペコッ
弁当とは、愛の結晶也!
わずか20cm四方の箱から漂う、溢れんばかりの妻の愛!
蓋を開ける前からすでに男の全身は紅潮し、完熟トマトにも似た様相!
いざ、開封!
男「…………」パカッ
男(中身が──)
男(無いッ!)
箱の中には手紙が一枚あるのみ!
果たして事件の真相とは!?
『申し訳ございません、あなた』
『本日のお弁当、我ながらあまりに出来がよかったので』
『自分で全部食べてしまいました』
『かくなる上は、いかなる処罰をも受ける所存です』
この手紙を読み、男の脳裏に芽生えた感情──
哀ではない! 楽でもない! ましてや怒などでは断じてない!
圧倒的、喜!
果たして事件の真相とは!?
『申し訳ございません、あなた』
『本日のお弁当、我ながらあまりに出来がよかったので』
『自分で全部食べてしまいました』
『かくなる上は、いかなる処罰をも受ける所存です』
この手紙を読み、男の脳裏に芽生えた感情──
哀ではない! 楽でもない! ましてや怒などでは断じてない!
圧倒的、喜!
思わず自分で食べてしまうほどの料理を作り上げた妻への祝福!
わざわざ手紙で事情を説明する妻に対しての感服!
そしてなにより、申し訳なさそうに台所でつまみ食いをする妻を想像するだけで──
こんな台詞が飛び出てしまう!
男「最高じゃないか……!」
男の胃袋は満たされていた……。
もはや、フルマラソンを百回完走しても使いきれないほどのカロリーが、
男の肉体に充填されていた!
ついでに頭蓋骨も完治!
これで午後も戦える!
わざわざ手紙で事情を説明する妻に対しての感服!
そしてなにより、申し訳なさそうに台所でつまみ食いをする妻を想像するだけで──
こんな台詞が飛び出てしまう!
男「最高じゃないか……!」
男の胃袋は満たされていた……。
もはや、フルマラソンを百回完走しても使いきれないほどのカロリーが、
男の肉体に充填されていた!
ついでに頭蓋骨も完治!
これで午後も戦える!
午後開始!
係長「じゃあぼくと出かけようか。今日こそ契約を取ろう」
男「はい、同行させていただきます」
外回りとは、闘い也!
本日回る企業は二社!
一社目は『中小企業』!
中堅ながら堅実な経営で地盤を固める会社である!
そしてクライマックスを飾る二社目は──『一流企業』!
日本有数の大企業であり、この企業にとってみれば男の会社などノミの如し!
だからこそ、燃える!
係長「じゃあぼくと出かけようか。今日こそ契約を取ろう」
男「はい、同行させていただきます」
外回りとは、闘い也!
本日回る企業は二社!
一社目は『中小企業』!
中堅ながら堅実な経営で地盤を固める会社である!
そしてクライマックスを飾る二社目は──『一流企業』!
日本有数の大企業であり、この企業にとってみれば男の会社などノミの如し!
だからこそ、燃える!
< 営業車格納庫 >
男「エンジントラブルッ!?」キュルルル…
運転とは、闘い也!
車は機械、故障は付き物!
いくらキーを回しても、車は沈黙! シカト! 完全無視!
このままでは中小企業との商談時刻に間に合わぬ確率、実に120%!
どうする、サラリーマン!?
男「私が……車を持ち上げて運びますッ!」
係長「よくいった」ニコッ
係長「もし電車で行きましょう、タクシーで行きましょう、などといいだしたら」
係長「ぼくは君を軽蔑し、社内に置いていくところだった」
男「エンジントラブルッ!?」キュルルル…
運転とは、闘い也!
車は機械、故障は付き物!
いくらキーを回しても、車は沈黙! シカト! 完全無視!
このままでは中小企業との商談時刻に間に合わぬ確率、実に120%!
どうする、サラリーマン!?
男「私が……車を持ち上げて運びますッ!」
係長「よくいった」ニコッ
係長「もし電車で行きましょう、タクシーで行きましょう、などといいだしたら」
係長「ぼくは君を軽蔑し、社内に置いていくところだった」
重さ1.5トンの営業車を担ぎ、中小企業への道を急ぐ二人の漢!
二人の足の速さ、およそ時速400km! 東京大阪間を一時間で駆け抜ける速度!
係長「たまには車に乗るのではなく、車を乗せるってのもいいもんだろう?」
男「はい」
係長「おっと、そこの十字路を右だ」
男「はい」
男(係長……温和ではあるが、同僚や課長にも劣らぬ、真のサムライッ!)
係長「照れるじゃないか、サムライだなんて」
男「心を読まないで下さい」
係長「ごめん」
サラリーマンの中には、ごくまれに心を読める人間がいるという!
係長もその一人!
一説によると、本の読みすぎで心を読めるようになったとか……。
二人の足の速さ、およそ時速400km! 東京大阪間を一時間で駆け抜ける速度!
係長「たまには車に乗るのではなく、車を乗せるってのもいいもんだろう?」
男「はい」
係長「おっと、そこの十字路を右だ」
男「はい」
男(係長……温和ではあるが、同僚や課長にも劣らぬ、真のサムライッ!)
係長「照れるじゃないか、サムライだなんて」
男「心を読まないで下さい」
係長「ごめん」
サラリーマンの中には、ごくまれに心を読める人間がいるという!
係長もその一人!
一説によると、本の読みすぎで心を読めるようになったとか……。
< 中小企業 >
ズシンッ……!
駐車場に車を置き、いざ出陣!
男「この会社……こんなところに池なんてありましたっけ?」
係長「いや……ぼくの記憶ではなかったはずだけど」
中小社長「それは私の涙ですよ」
男「なんですってッ!?」
すかさず男が池の水を舐める! まさしく涙の味!
男の敏感な舌は、さっぱりした塩味に隠れた、ある感情を見逃さなかった!
男「この涙は……感動の味がいたします」
係長「さすが、体液ソムリエの資格を持っているだけのことはあるね」
ズシンッ……!
駐車場に車を置き、いざ出陣!
男「この会社……こんなところに池なんてありましたっけ?」
係長「いや……ぼくの記憶ではなかったはずだけど」
中小社長「それは私の涙ですよ」
男「なんですってッ!?」
すかさず男が池の水を舐める! まさしく涙の味!
男の敏感な舌は、さっぱりした塩味に隠れた、ある感情を見逃さなかった!
男「この涙は……感動の味がいたします」
係長「さすが、体液ソムリエの資格を持っているだけのことはあるね」
中小社長「感動したのは……あなたたちに対してです」
男「我々に!?」
中小社長「私はプライベートではドライブが趣味でして、車の声を聞く能力があります」
中小社長「あなたたちの営業車はこういっています」
中小社長「故障して走れないボクを、見捨てず運んでくれてありがとう、と」
男「ああっ……!」グスッ
係長「ううっ……!」グスッ
中小社長「例の件ですが、あなたたちのおっしゃる条件で契約しましょう!」
男「ありがとうございますッ!」
契 約 完 了 ! ! !
男「我々に!?」
中小社長「私はプライベートではドライブが趣味でして、車の声を聞く能力があります」
中小社長「あなたたちの営業車はこういっています」
中小社長「故障して走れないボクを、見捨てず運んでくれてありがとう、と」
男「ああっ……!」グスッ
係長「ううっ……!」グスッ
中小社長「例の件ですが、あなたたちのおっしゃる条件で契約しましょう!」
男「ありがとうございますッ!」
契 約 完 了 ! ! !
ブロロロロ……!
係長「契約できたし、車も治してもらったし、よかったよかった」
男「ええ」
係長「しかし……次の『一流企業』はこううまくはいかないだろう」
係長「ちゃんと遺書は書いてきたかい?」
男「不要」
男「むろん死する覚悟はありますが、むざむざ死ぬつもりはありませんから」
係長「いい答えだ」ニコッ
二人は知っている!
『一流企業』の恐ろしさを!
中途半端なサラリーマンではたとえ命を百個持ち込もうとも、
受付嬢に会うだけで全てを使いきってしまうと……。
係長「契約できたし、車も治してもらったし、よかったよかった」
男「ええ」
係長「しかし……次の『一流企業』はこううまくはいかないだろう」
係長「ちゃんと遺書は書いてきたかい?」
男「不要」
男「むろん死する覚悟はありますが、むざむざ死ぬつもりはありませんから」
係長「いい答えだ」ニコッ
二人は知っている!
『一流企業』の恐ろしさを!
中途半端なサラリーマンではたとえ命を百個持ち込もうとも、
受付嬢に会うだけで全てを使いきってしまうと……。
ブロロロロ…… キキィッ!
男「なんですか、あの真っ黒なビルは?」
男の瞳に映り込んできたのは、信じがたき光景!
漆黒に塗り潰されたビルの中で、幽鬼のように痩せ衰えた社員たちが
まるで生気の感じられない目で労働、労働、また労働! 労働地獄絵図!
係長「ああ、あのビルは……『ブラック企業』だ」
係長「彼らは社畜といって、365日24時間休みなく働かせ続けられるのさ」
係長「むろん、給料なしでね」
男「……そんなことが許されるんですか!?」
係長「許せはしないが……こうして堂々と経営しているのが許されてる証拠だ」
係長「政府や警察に多額の賄賂を贈っているんだろう」
男「ゆ、許せない……! 私は許すことができませんッ!」
男「なんですか、あの真っ黒なビルは?」
男の瞳に映り込んできたのは、信じがたき光景!
漆黒に塗り潰されたビルの中で、幽鬼のように痩せ衰えた社員たちが
まるで生気の感じられない目で労働、労働、また労働! 労働地獄絵図!
係長「ああ、あのビルは……『ブラック企業』だ」
係長「彼らは社畜といって、365日24時間休みなく働かせ続けられるのさ」
係長「むろん、給料なしでね」
男「……そんなことが許されるんですか!?」
係長「許せはしないが……こうして堂々と経営しているのが許されてる証拠だ」
係長「政府や警察に多額の賄賂を贈っているんだろう」
男「ゆ、許せない……! 私は許すことができませんッ!」
寄り道とは、闘い也!
男は激怒した!
同情心からではない!
彼にとってサラリーマンとは誇り高きもの! 人生そのもの! 歩むべき道である!
そのサラリーマンに家畜未満の待遇を与え侮辱するブラック企業の行いが、
男には我慢ならなかったのだ!
堪忍袋の緒、完全切断!
プッチーン!
男「係長、私は行きます! 行かせて下さい!」
係長「やれやれ寄り道してる時間などないというのに──」
係長「いいだろう、行ってきなさい!」
男「感謝ッ!」
男は激怒した!
同情心からではない!
彼にとってサラリーマンとは誇り高きもの! 人生そのもの! 歩むべき道である!
そのサラリーマンに家畜未満の待遇を与え侮辱するブラック企業の行いが、
男には我慢ならなかったのだ!
堪忍袋の緒、完全切断!
プッチーン!
男「係長、私は行きます! 行かせて下さい!」
係長「やれやれ寄り道してる時間などないというのに──」
係長「いいだろう、行ってきなさい!」
男「感謝ッ!」
類似してるかもしれないスレッド
- 唯「クリームソーダおいしいよ~」 (288) - [56%] - 2010/6/5 20:00 ★★
- 男「ヤンデレは怖いな」幼「え?」 (233) - [54%] - 2013/4/11 0:15 ★
- 男「ラブドール買っちゃった.....」 (188) - [53%] - 2012/4/28 16:45 ☆
- 男「ブサメンで悪かったな!」 (304) - [53%] - 2009/3/13 20:00 ★★★×5
- 男「指パッチンでイカせる力?」 (134) - [52%] - 2012/2/17 1:00 ☆
- 唯「メダロットてんそう!」 (546) - [51%] - 2010/6/4 3:45 ★
- 男「クリスマスまであと…」 (418) - [51%] - 2011/12/5 5:15 ★
- 唯「ポケモンマスターになるよ!」 (616) - [50%] - 2010/11/1 2:47 ★
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について