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    元スレ藤岡「南カナが好きすぎて、惡の華は満開だ!!!」

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    51 :

    しえんしえんしえん

    52 :

    花が咲いたな

    53 = 32 :

    千秋「汗臭い体操着の匂いなんて嗅ぎたくなるか?」

    内田「あ、でも、私のお父さんの靴下すごく臭いけど、不思議と嗅ぎたくなっちゃうんだよね」

    千秋「そうなのか?」

    内田「癖になる匂いっていうのかな? チアキもそういうのない?」

    千秋「うーん。ああ、そういえば、少し埃っぽいが押入れの中の匂いとか嫌じゃないな」

    内田「そういうのだよ、多分」

    千秋「なるほどな。おい、カナ。別に藤岡は特別不自然な行動をしているわけじゃないみたいだぞ」

    夏奈「へー。そうか、そうか。確かに臭いものほど嗅ぎたくなるのはわからなくもないな」

    千秋「だろ?」

    夏奈「なるほど。うん。藤岡は私のクサい体操服を嗅ぎたくなったわけだな」

    千秋「人間の好奇心とはそういうものだな」

    夏奈「あー、好奇心か。うんうん。それは押さえられるものじゃないね、確かに」

    千秋「うむ。だから、もう忘れよう」

    夏奈「そうだねー。忘れ……られるわけないだろぉー!!! なんだそれ!!! 私の体操服はそこまで臭いのか!? 内田の靴下ぐらい臭いのか!?」

    内田「私の靴下は臭くないよ!!!」

    54 = 46 :

    しえん

    56 = 32 :

    夏奈「こら!! 藤岡!!! 私の体操服は汗をたっぷりと吸収して、中途半端に乾いているから臭くなって当然なんだよぉ!! 確認するまでもないだろ!!!」

    藤岡「ごめん、南!! 魔が差したんだ!!!」

    夏奈「どんな悪魔が私の体操服を嗅げと唆したんだ!!! つれてこぉーい!!! エクソシストな私がブリッジ歩きしながらお払いしてやる!!!」

    千秋「ブリッジするのは悪魔のほうだろ」

    夏奈「なら、藤岡がブリッジしろぉー!!!!」

    藤岡「ごめん!! それで許してくれるならするよ!! 何キロでも歩くよ!!!」

    夏奈「そんなことで許すわけないだろぉー!!!」

    内田「私の靴下は臭くないよ!! ほらほら、チアキ!! 嗅いでみて!!」

    千秋「靴下を顔に近づけるな、バカ野郎!!」ゴンッ

    藤岡「南……あの……」

    夏奈「なんだよ……」

    藤岡「カナの体操服、いい匂いだったから!!!」

    夏奈「し、しるかぁー!!! でてけぇー!!!」

    藤岡「南……!!」

    千秋「おい、カナ。落ち着け」

    57 = 51 :

    しえんしえんしえ

    58 :

    モロバレやないですか・・・

    59 = 46 :

    素直すぎる

    60 = 32 :

    春香「えーと、カナが今日は部屋から出ないって言っていたわ」

    藤岡「……すいませんでした」

    春香「ううん。私のほうこそ、自分でカナの体操服を持っていけば……こんなことには……」

    藤岡「そ、そんな!! 全部、オレです!! オレが悪いんです!!!」

    春香「藤岡くん……」

    藤岡「オレが誘惑に負けて……南の匂いを堪能したばかりに……!!」

    春香「と、とりあえず、暫くは様子を見ましょう。私もカナと話をしてみるから、ね?」

    藤岡「ハルカさん……。いいんです。これは当然の罰ですから……」

    春香「あー、わ、私も! 納豆の匂いとか割と好きよ!! うん!!」

    藤岡「ハルカさん……うぅ……ぅ……」

    春香「ふ、藤岡くん!? しっかりして!!」

    内田「私の靴下、臭くないのに……」クンクン

    千秋「やめろって」

    藤岡「今日は……失礼します……。本当に……すいませんでした……」

    春香「う、うん……。ま、またいらっしゃいね……」

    61 :

    この藤岡は保坂よりひどい

    62 = 51 :

    素直すぎるよ藤岡……

    63 = 46 :

    この藤岡は心配だ…

    64 = 44 :

    これは花が咲くな
    栗の花が

    65 = 31 :

    内田のも嗅げ

    66 = 32 :

    千秋「カナー。藤岡は帰ったぞー」

    内田「カナちゃん。藤岡くん、カナちゃんの体操服はいい匂いがするって言ってたんだし、いいんじゃないかな?」

    春香「カナ。あのね、藤岡くんはすごく反省してたから……その……」

    千秋「おい、カナー。なんとか言ってくれー」

    春香「ダメ、みたいね……」

    内田「藤岡くんになら匂いを嗅がれてもいいよね」

    千秋「まぁ全く知らない奴よりはな。だが、断りもなしに嗅ぐのはマナーがなってないし、カナが怒るのも無理は無い」

    内田「そっかー。藤岡くん、許可とってなかったんだ。それは藤岡くんが悪いかも」

    千秋「そうだな。やはり勝手に匂いを嗅ぐのはいけなかった。こればかりは藤岡を擁護できない」

    春香「そういう問題なの……?」

    千秋「これがマコトとかだったら許可なんてしないし、許可無く嗅いだらそのまま学級裁判にかけてやるがな」

    内田「そーなんだ……」

    春香「でも、男の子なら仕方の無いことなのかしら……? よく分からないわ」

    千秋「そうですね。……そうだ、ハルカ姉さま。トウマに聞いてみませんか? トウマには3人の兄がいますし、男のそういった習性にも詳しいかもしれません」

    春香「そうね。トウマにちょっと聞いてみましょうか」

    67 = 49 :

    支援の花

    68 = 32 :

    冬馬『――今日、そんなことがあったのかよ』

    千秋「それでトウマに聞いてみようって話になって。お前のところの兄貴たちは匂いを嗅いだりするのか?」

    冬馬『えーと……。ハルオが昔、そういうことしてたな……』

    ハルオ『待て。トウマ。それは誤解だ。お前の衣服の匂いを幾度と無く嗅いだことはあるが、それは柔軟剤の香りを楽しんでいただけであってだな』

    アキラ『でも、トウマの匂いがするとか言ってなかったっけ?』

    ハルオ『待て。アキラ。それは誤解だ。トウマの匂いがまだ残っていると言ったのだろう。それでオレはそのとき使っていた柔軟剤を買わないようにしたんだ』

    ナツキ『洗濯してるのはオレだぞ』

    ハルオ『待て。ナツキ。オレは今、必死に誤解を解いているところなんだ。見て分かるだろ』

    冬馬『おい!! うるせーぞ!!!』

    千秋「で、結局、匂いを嗅ぐという行為は普通なのか? それとも異常なのか?」

    冬馬『常識的に考えてみろ。おかしいだろ』

    千秋「いや、まぁ、分かってるけど、認めたくないだけで……」

    冬馬『あぁ……そうだな……。オレだって、藤岡がそんなことしたなんて信じられないし……』

    千秋「……そうだ。いいことを思いついた」

    冬馬『なんだ?』

    69 = 32 :

    内田「それじゃあ、チアキ。また明日ね」

    千秋「ああ。またなー」

    春香「遅いし、私が送っていくわ」

    内田「いいの? ありがとう、ハルカちゃん」

    春香「チアキ、カナのことよろしくね。ご飯もまだ食べてないみたいだから、出てきたら温めてあげて」

    千秋「分かりました」

    内田「おじゃましましたー」

    春香「お留守番、よろしくね」

    千秋「任せてください」

    千秋「――さてと」

    千秋「おい、カナー。食べないのかー?」

    夏奈『いらないから、たべていいよ』

    千秋「アイスもあるぞー。食後に食べよう」

    夏奈『チアキにあげるよ……』

    千秋「お、おい……」

    71 = 32 :

    春香「ただいま。チアキ、カナは?」

    千秋「ダメです……。返事はしてくれるようになりましたが」

    春香「そう……。やっぱり、今はそっとしておきましょうか」

    千秋「そうですね。でも、安心してください。私に妙案があります」

    春香「妙案?」

    千秋「藤岡の行動は確かに色々と問題があったと思います。でも、それは私たちが男の生態についてよくしらなかったからこそです」

    春香「う、うん?」

    千秋「聞けば、トウマの兄もトウマの服の匂いを幾度と無く嗅いだことがあるようですし」

    春香「ホ、ホントに!?」

    千秋「もしかしたら男にとって、普通の行動かもしれません。なので私の学校でも少しアンケートをとってみます」

    春香「ア、アンケート!?」

    千秋「はい。過半数が女の服の匂いを嗅いだことがあると答えれば、それは異常な行動ではなく、正常な行動だった証明になるはず」

    春香「チアキ、必死なのはわかるけど……あの……」

    千秋「証明できればカナもきっと藤岡を許してくれます」

    春香「チアキ!! 無茶しちゃだめだからね!!」

    72 :

    収拾がつかない

    73 = 32 :

    翌日

    夏奈「おはよう……」

    春香「カナ!? は、はやいのね!!」

    夏奈「行ってきます」

    春香「ま、待って!! 朝ごはん食べてから行きましょう!! ね!?」

    夏奈「……うん」

    春香「ねえ、カナ……。あのね……」

    夏奈「いいんだよ、ハルカ。もういいんだよ」

    春香「よくはないと思うけど……」

    夏奈「私が悪いんだ。きちんと帰ってすぐに洗濯籠に入れておかなかった、私が……」

    春香「まぁ……それはそうかも……」

    夏奈「なんだよぉー!!! 慰めてくれないのかよぉー!!!」

    春香「ご、ごめん、カナ」

    夏奈「はぁ……。今日は休もうかな……。流石に」

    春香(ダメとは言えないわ……)

    74 = 31 :

    藤岡藤岡

    75 = 32 :

    小学校

    千秋(カナのやつ、今朝も元気なかったな……。なんとかしてやらないと……)

    吉野「おはよう、チアキ」

    千秋「吉野、おはよう」

    吉野「内田から聞いたよ。昨日、大変だったみたいだね」

    千秋「こら、内田」

    内田「あ! チーアキ! おはよう!!」

    千秋「このバカ野郎!!! なにベラベラとしゃべってるんだ!?」

    内田「よ、吉野にしか言ってないってばぁ!!」

    千秋「そういう問題じゃない」

    吉野「それでどうするの?」

    千秋「アンケート大作戦だ」

    吉野「アンケート?」

    千秋「うむ。男子に訊ねてみるんだ。女子の服の匂いを嗅いだことはあるかとな。まずは……おい、マコトー。ちょっと、こい」

    マコト「おはよう、チアキ!!! オレに何か用か!? 何でも言ってくれ!!!」

    76 = 32 :

    千秋「マコト。お前、女子の服の匂いを嗅いだことはあるか?」

    マコト「え……!?」

    マコト(なんだ、この質問は……!? 嗅いだといえば嗅いでいる……。だって、オレはマコちゃんのとき、チアキによくくっつかれるし、そのとき不可抗力で……!!)

    マコト(あぁー!! まさか!! オレの正体がバレたのかぁー!? だからってこんな遠まわしな質問なんてー!!!)

    千秋「おい、マコト」

    マコト「あ……!? え、えっと……あの……!!」

    千秋「どうなんだ?」

    マコト「そ、それは……あの……」

    千秋「あるのか? 無いのか?」

    マコト「あ……ぅ……」

    吉野「マコトくんは嗅がれる側じゃないの?」

    千秋「どういうことだ?」

    吉野「いや、だって、いつも――」

    内田「吉野!! もう何度も言うけど誰かと勘違いしてない!?」

    吉野「してないよ? マコトくんっていい匂いするし」

    77 = 32 :

    千秋「そうなのか?」

    吉野「うん。横を通り過ぎるときとか、よく香りが届くから」

    内田「そーなの!?」

    マコト「知らなかった!!! オレって母親譲りの芳香を発していたのか!?」

    内田「どれどれー?」クンクン

    マコト「あ、お、おい……!?」

    吉野「今日もいい香りだもんね、マコトくん」クンクン

    マコト「よ、よしのぉ……!?」

    千秋「そ、そんなにか? 私も……」

    マコト「な……!? ま、まま、まってくれ!! チアキぃ!!」

    冬馬「お前ら!! マコトを囲んで何やってんだよ!?」

    内田「え? トウマもマコトくんの匂い嗅いでみる?」

    冬馬「誰が嗅ぐかよ!! マコトの匂いなんて!!」

    千秋「はっ!? あ、危ない……。好奇心に負けてしまうところだった……」

    吉野「残念。マコトくんの匂いを嗅げばすぐにわかるのになぁ」

    78 = 44 :

    なにがわかるんでしょうかねぇ

    79 = 32 :

    冬馬「全く……。びっくりするだろ」

    千秋「悪い。でも、いい匂いだって言われたら気になるだろ」

    冬馬「なるけど、時と場合を考えろよな」

    マコト(危なかった……。チアキに匂いを嗅がれたら、オレがマコちゃんと同じ匂いを発していることが分かってしまう……)

    内田「……」クンクン

    千秋「そうだ。どうして私が男の匂いを嗅がなくてはなけないんだ。まずはアンケートを取らないと」

    冬馬「アンケート? それが昨日言ってたいい考えか?」

    千秋「うむ。大多数が同じ行動をしていればそれは異常な行動ではなくなるんだ」

    冬馬「匂いを嗅いだことがあったにしろ、正直に答えるとは思えないけどな」

    千秋「無論、無記名で大丈夫だ。それぐらいの配慮はしている」

    吉野「でも、チアキ。そのアンケートの使い道は教えるの?」

    千秋「え? それは重要か?」

    吉野「重要だと思うよ。ただの興味本位なアンケートには誰も答えてくれないだろうし」

    千秋「やっぱり?」

    吉野「カナちゃんを元気付けるためっていうなら、もっといい方法があるよ。あのね――」

    80 = 32 :

    高校

    マキ「なに、それ。あの藤岡くんも絵に描いたような中学生だね」

    春香「そうなの? 中学生の男の子ってそういうことをしたいって思ってるの?」

    マキ「そりゃあ、もうね。9割は好きな女の子の服やリコーダーの匂いを嗅ごうと虎視眈々と狙ってるから」

    春香「えぇー!?」

    アツコ「マキ、そうなの?」

    マキ「アツコのブルマなんて、男子が夜な夜な咥えたりされてるね!! 咥えるために行列もできてるね!!!」

    アツコ「そ、そうなの……!? わ、わたし……どうしたら……!!」

    春香「いや、アツコは毎日持って帰ってるでしょ?」

    アツコ「あ、そうだった。マキ、酷い」

    マキ「まぁ、冗談はさておき。カナちゃんはどうなの、ハルカ?」

    春香「やっぱり、ショックみたいで……」

    マキ「魔が差したで許されるものでもないしね。こりゃ、藤岡くんの春は永遠にこないかも」

    アツコ「確かに匂いを嗅ぐのは……」

    春香「でも、でもね、藤岡くんはすごく反省してたから……その、気の毒で……」

    82 = 32 :

    マキ「でも、ハルカ。例え相思相愛でも匂いを見えない場所で嗅がれるのは嫌でしょ?」

    春香「そう……かもしれないけど……」

    マキ「もう外野がどうのこうのはできないね。あとはカナちゃん次第じゃない?」

    春香「そうだけど……」

    アツコ「ハルカ。私も考えてみるから、元気だして」

    春香「ありがとう、アツコ。アツコだけが頼りだから」

    アツコ「そんな。いつもお世話になってるのは私のほうだから」

    マキ「私は無視ですか?」

    春香「マキもいい考えが浮かんだら教えてね」

    マキ「うんっ!」

    春香「はぁ……」

    アツコ「ハルカ……。カナちゃんもそうだけど、藤岡くんのことも心配なんだろうね」

    マキ「でも、藤岡くんが悪いしね。どうもこればっかりは……」

    保坂「そうか。南ハルカは心配しているのか」

    マキ「ええ、そうなんですよ……って、でたぁー!!!」

    83 :

    アツコのブルマなら残りの人生棒に振る価値はある

    84 = 32 :

    保坂「何が出たんだ、マキ?」

    マキ「い、いえ……保坂先輩が……」

    保坂「そうか。オレが出たのか。ふっ。確かにな。オレは何時如何なるときも出る!!! 前へ!!!」バッ!!

    アツコ「きゃっ!?」

    マキ「ちょっと!! 保坂先輩!! 脱がないでください!! きもちわる――迷惑ですから!!」

    保坂「それで。南ハルカは何を心配している? 娘のことか?」

    アツコ「い、いえ……。娘じゃなくて……」

    マキ「実はそうなんです!!」

    保坂「何が原因だ?」

    マキ「何が原因なの!?」

    アツコ「え? えーと、匂いじゃないかな……?」

    マキ「匂いだそうです!!!」

    保坂「匂い? 誰の匂いだ? 南ハルカの匂いか? それとも南ハルカの娘の匂いか?」

    マキ「どっち!?」

    アツコ「え、えっと……カナちゃんのほう、だと思うけど……」

    86 = 32 :

    マキ「だそうです!!」

    保坂「そうか。娘のほうか……。娘の匂いに何か問題があるのか? 南ハルカが歩けば樒の香りが風に乗り、南ハルカが声と共に白檀の芳香を発する」

    保坂「そして!!! 南ハルカが微笑めば!!! それはライラックにも勝る香気を放つわけだ!!!! そんな南ハルカの血を分かつ娘も同様だろう!!!」

    マキ「うぇ……きもちわるい……」

    保坂「そうだろう、マキ!!!」

    マキ「は、はい!! その通りです!!!」

    保坂「いや、そうか。香りが良質であればあるほど、虫はそこへ集る。なるほど、そういうことか」

    アツコ「保坂先輩……あの……?」

    保坂「分かった。娘が発する色香に釣られた虫たちに迷惑しているということか。そしてそんな娘を心配しない親はいないわけだ」

    アツコ「えっと……あの……微妙にあってるような……違うような……」

    保坂「なるほど。理解した。オレに任せろ」

    マキ「な、何をですか……?」

    保坂「まずは匂いを再現しなくてはな。南ハルカの娘の匂いを……そうだ、再現だ……」

    アツコ「保坂先輩……」

    マキ「……きもちわるい」

    87 = 32 :

    春香「はぁ……。やっぱり、男の子は……みんな……」

    ナツキ「ハルカ先輩。うっす」

    春香「ナ、ナツキくん……」

    ナツキ「どうかしたんですか?」

    春香「……ナツキくん!! 女の子の服の匂いは勝手に嗅いだらダメよ!!」

    ナツキ「な……!?」

    春香「ちゃんと許可を取ってからじゃないと嫌われるから!!」

    ナツキ「う、うっす!! 肝に銘じておきます!!」

    春香「それじゃあ……」

    ナツキ(なんだったんだ……?)

    ヒトミ「おい、ナツキー。なにして――」

    ナツキ「……」

    ヒトミ(ナ、ナツキのあの目は……匂いを嗅ぎたいって目だ……!!! なに考えてんだ、あいつぅ……!!)

    ヒトミ「そんな恥ずかしいことできるわけないだろぉー!! ばかぁー!!! ハードルたかいだろー!!!」

    ナツキ「ヒトミ!? どうした!?」

    88 :

    減るもんじゃないしいいだろ

    89 = 32 :

    昼休み 中庭

    速水「匂い?」

    ヒトミ「男って、女の匂いとかに興味あるんすかね?」

    速水「そりゃ、あるんじゃない?」

    春香「あるんですか?」

    マキ「でもなんか変態チックじゃないですかね?」

    速水「まぁ、言葉だけ聞くとね。でも、考えてみてよ。私たちだって男の匂いに胸を打たれることもあるでしょ?」

    ヒトミ「あるんすかね?」

    アツコ「さぁ……」

    速水「そもそも匂いなんてのは異性を惹き付けるためのものでもあるんだし、ある意味匂いに何かしらの興奮を覚えるのは至極真っ当だと思うけど」

    ヒトミ「マジっすか!?」

    マキ「速水先輩もそんな匂いにやられちゃうときがあるんですか?」

    速水「私の場合は主に麦を発酵させた匂いに弱いけど」

    春香(そうか。言われてみればそうかも……。じゃあ、やっぱり藤岡くんがしたことは……別におかしくないわ!)

    ヒトミ(ナツキは普通のことを考えてたんだな……。それなのに私ときたら……。バカバカ。匂いぐらいなんだ! 嗅がせてやればいいじゃないか!!)

    91 = 32 :

    ナツキ(ハルカ先輩もヒトミも一体、オレに何を伝えたかったんだ……?)

    ヒトミ「ナ、ナツキ!!」

    ナツキ「おう、どうした?」

    ヒトミ「ちょ、ちょっとぐらいなら、いいぞ?」

    ナツキ「何がだ?」

    ヒトミ「そういうのは、人間である以上、その、突発的な衝動に駆られるんだろ? そういうのって我慢するのは体に悪いと思うし」

    ナツキ「何を言っているんだ?」

    ヒトミ「袖のところなら、嗅いでいいぞ。別に変な臭いはしないと思うから」

    ナツキ「おい、ヒトミ」

    ヒトミ「ほら、私の袖の匂いを嗅げ。今はこれで我慢しろよ。そのうち、襟元とかも嗅がせてやるから……」

    ナツキ「お、おい……やめ……」

    ヒトミ「ほーら、ナツキ。嗅いでみろって」

    ナツキ「意味が分からないぞ、ヒトミ!!」

    ヒトミ「男はこういうのがいいんだろ!?」

    ナツキ「さっぱりわからないぞ、ヒトミ!!」

    92 = 32 :

    中学校

    夏奈「……」

    ケイコ「ねえ、カナ? なにかあったの? 朝から機嫌悪いみたいだけど」

    夏奈「別に」

    ケイコ「藤岡くんと喧嘩でもしたの?」

    夏奈「喧嘩じゃない。これは戦争だよ」

    ケイコ「何があったの?」

    夏奈「……藤岡がね、私の体操服の匂いを……いや、やっぱり、言わないでおこう……」

    ケイコ「もう全部言っちゃってるけど……。本当にそんなことを、藤岡くんが?」

    夏奈「ああ。だから、今はもうね、藤岡を見れない」

    ケイコ「魔が差しただけじゃないの?」

    夏奈「魔が差したと理由で解決する。それが100点の解決法なのか?」

    ケイコ「そ、それは……」

    藤岡(……カナの体操服、本当にいい匂いだった。忘れられない)

    リコ(藤岡くんのレア顔!!)

    94 = 32 :

    放課後

    ケイコ「カナ、かえろ」

    夏奈「うん……」

    藤岡「……」

    「藤岡ー、部活いこうぜー」

    藤岡「ああ……うん……」

    ケイコ(藤岡くん、元気ないみたい。でも、藤岡くんを弁護はできないし……)

    夏奈「ケイコ、どうした? 帰らないの?」

    ケイコ「う、うん。早く帰ろう」

    夏奈「……なぁ、ケイコ。訊きたいことがあるんだ」

    ケイコ「なに?」

    夏奈「ケイコは私の匂いを嗅ぎたいと思ったことはある?」

    ケイコ「ないけど……」

    夏奈「だよな……。やっぱり、藤岡がおかしいんだ……」

    ケイコ「で、でも、カナの匂いは好きだよ。うん。ずっと嗅いでいても苦にはならないと思う」

    95 = 58 :

    「俺もだよ」

    96 = 32 :

    夏奈「そうなの?」

    ケイコ「だ、だから、えっと、その、急に嗅ぎたくなる人が出てきても不思議じゃないと思う」

    夏奈「そんなに私は体からいい香りを出しているの?」

    ケイコ「た、多分」

    夏奈「本当か? それは誰でも同じ匂いじゃないのか?」

    ケイコ「それは違うと思うよ? ほら人の家も各々匂いがあるように、千差万別じゃないかな?」

    夏奈「よーし。なら、ケイコ」

    ケイコ「な、なに?」

    夏奈「匂いを嗅がせろぉー!!」

    ケイコ「きゃぁー!!」

    夏奈「ふはははー!! 捕まえたぞー!!」

    ケイコ「いやぁー」

    夏奈「どれどれー?」クンクン

    ケイコ「うぅ……」

    夏奈「……うん。これがケイコの匂いか。よーし、次はリコだ。おーい!! リコー!!」

    97 :

    藤岡

    98 = 32 :

    夏奈「ふむ。確かに違うね」

    リコ「もー!? なんなのー!?」

    夏奈「要するに藤岡は私から出る個性的な匂いに我慢できなくなって、あんなことをしたんだな」

    リコ「あんなこと!?」

    ケイコ「うん……。だから、その、事故みたいなものじゃない?」

    夏奈「でも、ケイコ。事故でも起こしちゃダメでしょ」

    ケイコ「そうだけど。あまりその……露骨に責めるのも……」

    夏奈「別に責めてない。ただ口を利きたくないだけだ」

    ケイコ(藤岡くんにとっては一番の責め苦……)

    リコ「ねえ!? あんなことってなに!? なんなの!?」

    夏奈「藤岡が何故、あんなことをしたのかは分かった。今はそれだけでいい」

    ケイコ「カナ……」

    夏奈「さ、帰るか」

    ケイコ「う、うん……」

    リコ「ねえ!! 教えてよ!! 藤岡くんが何をしたの!?」

    99 = 32 :

    南家

    夏奈「ただいま」

    千秋「おかえり、カナ。待ってた」

    夏奈「何か用か? 私は疲れているんだ」

    吉野「カナちゃんに見せたいものがあるんだ」

    夏奈「見せたいもの? 面白くないなら寝るけど」

    内田「きっと面白いから!!」

    冬馬「おう。絶対にビビるぞ」

    夏奈「そこまでいうなら、見てやってもいいけど?」

    千秋「これだ」ペラッ

    夏奈「なんだ、これ?」

    千秋「アンケートだ。カナ、私は独自に男子たちにアンケートをとった。女の服の匂いを嗅いだことがありますか、と」

    夏奈「なんだと?」

    千秋「で、結果はご覧の通りだ。嗅いだことがあるが95パーセントもある。これはつまり、藤岡の行動は正常であったことを示している」

    夏奈「バ、バカな……!! 小学生でもうこんなにも……!?」


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