元スレ男「ヤンデレは怖いな」幼「え?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
152 = 1 :
後輩「あの……、先輩」
後輩「私たちの出会いって、覚えてますか?」
男「……ああ、確か春だったな」
男「つっても、お前が落としたハンカチを拾ってあげただけど?」
後輩「ん……、ほかにもありますよ」
後輩「殆ど友達のいなかった当時は、結構不安だったんですからね?」
男「まあ、分かる。アウェー感あるからな」
後輩「はい。そこで先輩の存在は結構、私の中で大きかったですよ?」
153 = 1 :
男「部活に入部したいからって、いちいち俺を呼んだこともあったな」
後輩「ありましたね」
後輩「なんだかんだいって、先輩付き合ってくれますから」
後輩「この前のクレープのことも」
男「尻にひかれるタイプかな、俺って」
後輩「そうなんじゃないんですか?」クスクス
男「そこは否定してほしかった」
154 = 91 :
バッドエンドのにおい
155 = 1 :
後輩「でも、先輩は優しいですから」
後輩「いろんな人に、好かれてるんでしょうね」
男「……ん?」
後輩「えへへ。私知ってますから、先輩がもう、」
後輩「とびっきり優しいのは!」
男「……いや、俺は優しくなんかないさ」
男「鈍感で馬鹿だ」
後輩「鈍感で何が悪いんですか。それも、先輩の良いところですし」
後輩「鈍感な先輩だからこそ、優しいと私は思ったんですよ」
156 = 1 :
後輩「……ですから、先輩」ズイ
男「こ、後輩……?」
後輩「……私は、ですね」
後輩「先輩のこと……」
後輩「…………」
後輩「…………」
男「……後輩?」
159 :
幼ちゃんと幸せになってくれ
161 :
>>15
かなーしみーのー
162 = 1 :
さるくらった
164 = 1 :
後輩「――応援、してますから」
男「は……?」
後輩「この前の先輩を見て、薄々感づいていたんです」
後輩「先輩……、幼先輩のことが好きなんでしょう?」
男「なっ!? いや、そんなわけでは」
後輩「もう隠せませんよ」クスクス
男「はめたなっ!?!」
後輩「だって、先輩。ずっと幼先輩のこと、見てるんですから」
165 = 146 :
おっおっおっ
166 = 1 :
男「……く」
男「そうだよ。俺は、幼が好きだ」
後輩「―――っ」
後輩「です、よね。やっぱり、そうでした」
男「……けど、振られたよ」
後輩「そんなはず、ないじゃないですか」
男「え?」
後輩「先輩は、幼先輩にはっきり断られたのですか?」
167 = 1 :
男「……違う」
後輩「……ならどうして」
男「信用、されてなかったんだ」
男「俺は、あいつの相談にも乗ってあげられないほど、無力で……」
後輩「…………」
後輩「ねえ、先輩」
男「……何?」
後輩「先輩は、馬鹿ですか」
男「は?」
168 :
俺「は?」
172 = 1 :
後輩「友先輩も言ってましたけど、本当に鈍感なんですね」
後輩「まあ、私はそんなところが好きなんですけど」
後輩「話し戻しますが、」
後輩「先輩はもう一度、幼先輩と話をするべきです」
男「話って、何を」
後輩「話は話です。それまで私に聞いてどうするんですか」ズッ
男「こ、後輩っ、近い近い」
後輩「とにかく、想っていることを伝えて、それで木端微塵に砕けたら」
後輩「私が………」
後輩「いえ」
174 = 1 :
後輩「……?」
キィィ
後輩「(ドアが、勝手に開いて……?)」
男「後輩?」
後輩「(……風?)」
後輩「……っ!」
後輩「せんぱーいっ!!!」
男「わっ、な、なんだよっ!?」
175 = 1 :
後輩「いいから早くっ! 幼先輩の後を追ってください!」
男「追うって……、まさか幼がここにっ!?」
後輩「そのまさかですよ、見られました」
男「……」
後輩「まあ、先輩が良いっていうなら、私は誤解されたままで構いませんが」
男「誤解って」
後輩「私たちの姿を見て逃げ出したんですから、誤解は誤解ですよ」
後輩「とにかく。追うんですか? 追わないんですか?」
男「追うに決まってるだろ……っ!」ダッ
後輩「……ん。先輩ならそういうと思っていました」
シーン……
177 = 1 :
後輩「先輩が優しいから、かな」
後輩「……幼先輩なんて気にしなければよかったのに」
後輩「あーあ……、私馬鹿だ」
後輩「人のこと言えないなぁー……」
後輩「…………」
後輩「……今夜は、」グスッ
後輩「……思いっきり泣けそう」
179 = 1 :
幼「(やっぱり、男は……っ!)」
幼「(後輩と、付き合ってたんだ)」
幼「(……あんな、近くまで寄って)」
幼「(……後輩と、男。仲良さそうだった)」
幼「っ…」ジワ
幼「……どうすれば、いいんだろう」
181 = 1 :
幼「おとこがいないと、やだ」
幼「おとこ……」
幼「やなのに、嫌なのに……っ!」
幼「(でも、男を傷つけてまで、男を手に入れようとはしたくない)」
幼「(その間違いを男が気づかせてくれたから、)」
幼「(それがただの自己満足だと教えてくれたから、)」
幼「(……でも)」
幼「諦め、きれない、の……っ」
183 = 1 :
幼「……男が、私を見てくれないなら」
幼「私は――」
幼「……もう」
幼「(もうこれ以上、仲良くなれない)」
幼「(前のように、二人っきりで何かするわけでもなく、)」
幼「(部屋で一緒にいることもできない)」
幼「……なら、いい。もう、こんな……」
185 :
かーなーしーみのー
186 = 1 :
男「(くっ! どこいきやがった、幼……!)」
男「(……中庭? 教室? 体育館裏?)」
男「(あいつが行きそうな場所……)」
男「(まずは近くから探そう)」
男「(教室にも中庭にもいなかった)」
男「(……そして、体育館裏にも行ったが、)」
男「(幼の姿はない)」
188 = 1 :
男「(……なら、あとは)」
男「…く、」タッタッタ
男「(思い当たる節は、ひとつしかない)」
男「幼……っ!」
幼「……おとこ?」
幼「……なんで、ここ、に」
男「やっぱり、裏庭にいたんだな、お前……」
男「この、ばっかやろう。探したぞ」
幼「……なんで」
189 = 1 :
幼「………」
男「やっぱ、普通じゃない」
男「幼。俺の勘違いじゃないんだ」
男「お前は、あの夜からずっと様子がおかしいぞ」
男「……俺なら相談に乗る。何か、話してくれないか」
幼「…………」
幼「…………」
男「(この無言は、この沈黙は、)」
男「(言いたくないのではなく、言いづらいのか……?)」
191 :
しっえーん
192 = 146 :
④寝れない
194 = 1 :
幼「おとこは、後輩と付き合ってるんでしょ……?」
幼「わたしなんかに、構ってていいの?」
男「付き合ってないよ、後輩とは」
幼「……うそ」
男「嘘じゃない」
幼「そんな優しさ、いらないから」
195 = 1 :
男「……だから」
幼「ききたくない!ききたくない!ききたくない!」
幼「もうやめてよっ!!!」
幼「なんなのっ!?」
幼「そんなに、私を苦しめて楽しいのっ!?」
幼「後輩のことが好きなくせに、なんで私に構うのよ……っ!!」
幼「もう、どっかいってよ……!」
男「嘘は言ってないから」
幼「……もういい」
197 = 1 :
幼「私、ずっと誤解してた」
幼「大切なモノは隠すんじゃないの」
幼「奪われる前に、私のモノを奪おうとするソイツを……消しちゃえばいいの……」
幼「たとえ奪われた後でも……、消して、奪い返せば……」
男「幼っ!!!」
幼「……っ!?」ビクッ
男「俺、馬鹿で鈍感だから」
男「良い言葉なんて見つからない。気の利いたことなんて言えない」
男「だから思ったまま言うからな」
199 = 1 :
男「幼」
幼「……やめ、てよ」
男「こっち向け」
幼「やだっ」
男「このわがままめ」
男「……幼っ」
幼「……」
男「俺さ……、お前のことが好きなんだ」
男「それはもう、ずっと前から。大好きだった」
幼「………え」
男「ああもう。ハッキリ言ったからな」
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