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    元スレ灼「この世界中の誰よりも、私は赤土晴絵を愛してるから」

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    51 :

    さるよけー

    52 = 49 :

    「やっぱりお前たちか!」

    「菫!」

    「わーい! 久っしぶりスミレー!」

    「全く、相変わらずだなお前たちは」

     仕方がない奴らだ、と菫は言う。
     言葉とは裏腹に、明らかな親しみの情愛を込めて。

    「いきなり押しかけてごめん、忙しかったよね」

    「だけど私達も時間があんまりなくてさー」

    「何、忙しいは忙しいが、少しくらいの時間なら作ってやるさ。何よりも、お前たちが会いに来てくれたんだからな」

    53 = 49 :

    「ありがとう。菫はやっぱり優しいね」

    「部長は社会人になっても部長なんだからね」

    「ほっとけ。人の性分はそうそう変わらないんだ」

    「ああ、それと遅れてたな。優勝おめでとう。かつてのチームメイトとして誉高いぞ」

    「とーぜんだよ! しずにテルーにサッキーに私がいたんだよ? 世界なんて相手にもならなかったもん!」

    「淡が振り込んだせいで一時は最下位になってたじゃないか、日本チーム」

    「うぐっ……そ、その後倍にして返したもん!」

    「ふふっ……」

    54 :

    このどんな場違いでも無理やり小走先輩をねじ込む感覚は……リー棒の人か

    56 = 49 :

    「……懐かしいな。あのインターハイがも10年も前のことか」

    「今じゃ、あの時の虎姫も麻雀を仕事にして続けているのは私と淡だけで、ちょっと寂しいよ」

    「亦野先輩は世界でバスプロとして世界を駆け回ってるし、たかみ先輩はお茶の農園を経営してるし」

    「みんな自分の道を見つけたんだ。それに麻雀を止めたわけでもない。
      私や尭深や亦野も社会人麻雀チームで打っているよ。仕事が忙しくてなかなか専念出来ないけどな」

    「そうだね……みんな、どんな道を歩いていても麻雀のことは忘れてない」

    「それだけで、なんか嬉しくなるよね」

    「そうだ、今日は仕事を早めに終わらせるから、今晩久しぶりに麻雀を打とう。
      シャープシュータースミレの鷹の目は未だに健在だということを見せてやる」

    「いいね、それ」

    「うん!」





    「きっと、いい思い出になるよ!」

    57 :

    しえん

    58 = 49 :

     ――再び奈良 松実旅館

    「世界のーおもちはーどうだったのー、しずちゃん……むにゃむにゃ」

    「ひさしぶりにー、みんなと集まれて、あったかーい……むにゅ」

    「しずー、いい加減に私と結婚しろー……ぐふふ」

    「羽目を外しすぎだよ、3人とも……」

     そこはまさしく女性たちの極楽浄土、あるいは地獄絵図とも言う。
     床に散らばった一升瓶の数はかぎりなく、テーブルの上はおつまみや麻雀牌が散乱していた。
     完全に酔っ払いと化した3人をせっせと灼は仕方ないなぁと苦笑しつつも介抱していたが――。

    「……あれ? はるちゃんと穏乃がいない……?」





     松実旅館の中央に位置する池の前に、2人は居た。
     方や神妙な趣で、方や嬉しいのか悲しいのかわからないといったような様子だった。

    晴絵「そっか……ついに、小鍛治健夜と打つんだな……」

    穏乃「……はい」

    59 = 49 :

    晴絵「……お前たちは、すでに私よりも遙かに強い」

    穏乃「そんなこと、ないですよ。赤土先生は、いつだって私の偉大な目標ですから」

    晴絵「お世辞だとしても、そういってくれると嬉しいな……」

     ――その言葉を最後に、しばしの静寂が訪れた。
     再び晴絵が口を開いたのは、ぽちゃんと池の鯉が跳ねた後。

    晴絵「正直、私はお前たちに小鍛治健夜を倒して欲しいと思っている」

    穏乃「……」

    晴絵「お前たちなら出来る、お前たちならあの人を倒して――絶対の孤独から救いだせるって、信じてる」

    穏乃「……」

    晴絵「けど同時に、戦って欲しくないとも思っている自分がいるんだ。教え子を死地に向かわすな。
        私と同じ絶望を味あわせてどうする、輝く未来がある子たちを潰してどうする――って」

    穏乃「……先生」

    60 = 49 :

    穏乃「……私の中にも、いくつもの違う意見をいう自分がいるんです。
       小鍛治健夜を、麻雀のトップを目指しているからこそ倒せ、そして救い出せって叫ぶ私。
       先生をボロボロにした小鍛治健夜に私が勝てるわけがない、止めておけって叫ぶ私。
       先生をボロボロにした小鍛治健夜を許すな、叩きのめして謝らせろって叫ぶ私。いろんな私が、いろんなことを、私に問いかけてくる」

    晴絵「それは当然のことだ。人間なんだ、ブレたっていいんだよ」

    穏乃「怖いけど、それを望んでいる。恐ろしいけど、武者震いがする。
        日本最強――いえ、人類最強の雀士と戦えるのが、怖くって、楽しみなんです」

    晴絵「そうか。強いなぁ、穏乃は」

    穏乃「……戦います。そして、勝ちます。どうか祈っていてください先生。私達の――勝利を」

    晴絵「ああ。私に出来ることなんて、精々――それくらいしかないさ」






    「……」

    62 :

    64 :

    全員死亡フラグたってるじゃないですかーやだー

    65 = 49 :

    「はるちゃん」

    晴絵「聞き耳は良くないぞ、灼」

    「穏乃を止めなくて、いいの?」

    晴絵「……止められないよ。穏乃はもう決心してるから」

    「……っ! 勝てっこないよ! いくら日本チームが全員で小鍛治プロにかかったって! 勝てるわけない! はるちゃんですら! はるちゃんですら――!」






    「あいつと戦ったせいでボロボロになって! もう余命は数年だってお医者さんに言われたんじゃない!」

    晴絵「――」

     ダムが決壊したかのような灼の涙を、晴絵は静かに拭う。
     小鍛治健夜との二度の戦いは、赤土晴絵の体を完膚なきまでに壊してしまっていた。
     余命わずかなんて、医者に言われなくてもわかっていた。自分の体のことは、自分が一番良く知っているのだから。

    66 :

    !?

    68 = 57 :

    ここのすこやんは化物だな

    69 :

    に、人間じゃないっ……

    70 = 49 :

    「いいよ……本当の最強なんて……あんな化け物を相手にしなくても、穏乃達は普通の人間の中で、ちゃんと最強なんだよ……。
      嫌だよぉ! 穏乃達がはるちゃんみたいにボロボロになったりしたら……! 私は、私は……!」

    晴絵「灼……」

    「うっ、ううぅ……私は、出来れば止めたいよ。やめさせたいよ……」

     ぎゅっと、震える灼を晴絵は優しく抱きとめた。
     細く華奢になってしまった晴絵の体。それでも温もりは暖かく灼に伝わった。

    「それでも……止めても、無理なら私ははるちゃんと一緒に穏乃達の無事を祈るしかない」

    晴絵「一緒に祈ろう。穏乃達が無事に帰ってくるようにって」

    「……ねぇはるちゃん。はるちゃんは、もう一度、戦いに言ったりしないよね? そんなこと、しないよね」

    晴絵「しないよ。後の余命は阿知賀でゆっくり過ごすって決めてる。さすがに、もうコリゴリだよ」

    「絶対だよ! 約束だよ!」

    晴絵「……ああ、約束だ」




    晴絵「――約束、するとも」

    71 :

    すこやん「流石に風評被害が酷いんだよ……」

    72 :

    こーこちゃん何しとるんやろうな

    73 :

    全然健やかじゃないんだよ

    74 = 49 :

    「皆の者、愛しき人に挨拶は済んだか?」

    透華「引き返すなら、今のうちでしてよ」

    セーラ「止めるのも勇気や。止めて引き返したりしても、誰も責めたりせえへんで」

    「正直言って、勝てる見込みはゼロに等しい」

    豊音「たとえ彼女に勝てた所で、得られるものなんてただの自己満足だよー」

    「けど、その自己満足こそが、重要なのよね」

    75 = 49 :

    「人類最強。それを世界が知らなくても、日本リーグが認めなくても」

    「私達は知っている。知っているからこそ、小鍛治さんを倒したい。超えてみたい」

    穏乃「そして――最強という孤独に囚われている雀士の仲間を、救いたい」

    やえ「心配しなさんな、私は小3の頃からマメすらできない」

     全員が、全員の顔を見合わせて頷いた。

     準備は整っている。覚悟などとっくの昔に済ませてある。

     ならば――。

    「さぁ、行こうか!」

     そんな、整い揃った日本チームの声が木霊する。

     目指すは眼前、小鍛治健夜が待ち構えるドーム会場。

    76 = 54 :

    さすがに今回ばかりは小走先輩がいることに違和感があり過ぎるwwwwwww

    77 = 67 :

    小走先輩が見事にフラグブレイクしてくれっから(震え声)

    78 :

    小走先輩よりセーラのが違和感あるだろ

    79 = 49 :

    「――っ!」

     ドーム会場に、一歩足を踏み入れただけで感じた重圧。

     押しつぶされてしまいそうなほどの濃厚な殺気に似た何か。

    健夜「―――まさか世界優勝メンバーが全員、来るなんて思わなかったよ」

    「小鍛治、プロ……」

     中央に設置された自動卓に座っていたのは、小鍛治健夜その人だった。

    健夜「いいんだね――私の麻雀は、人を壊す麻雀。それを解って、貴方達はここに来たんだね」

    穏乃「はい!」

    健夜「……馬鹿だよ、みんな。どうしようもなくて、救いようがない。だけど、本当に救いようのない存在は――」

     少しは、楽しめるかも知れない――そんなありえない期待の為だけに、日本麻雀界の宝を壊そうとする、小鍛治健夜という化け物なんだ。

     その呟きは、誰にも聞こえなかった。

    80 :

    仮に年齢制限のない大会だったとしたら
    ○○年代は奇跡が起きてたとか言われるレベルのメンツ

    81 = 49 :

    セーラ「一番手は、俺と――」

    「衣と」

    豊音「私がいくよー」

    健夜「そう、貴方達が――最初の相手」

    「ルールはプロ公式。東南戦を繰り返し。ただし小鍛治プロの勝ちは、私達の全員の持ち点を無くすこと。飛んだ人から抜けていって、最後の1人になるまで打ち続ける」

    健夜「そっちの勝ちは誰か1人でも私の点棒を無くすことだね――ハンデで、最初の持ち点は0点でもいいよ?」

    セーラ「はっ! お断りや」

    「同意しよう。そんなルールでは」

    豊音「小鍛治プロが、楽しめないよー」

    健夜「……そっか。じゃ、始めようか――」

     ごくり、と固唾を飲んだ誰かの喉がなる。背に奔るは緊張と死ぬかも知れないという恐怖、そして人類最強を相手にするという武者震い。

    82 = 49 :

    健夜「……サイコロ回れー」

     全自動卓という、イカサマのしようがない公平の機械が親を決める。
     サイコロがとまり、数字が示す親は、小鍛治健夜。

    穏乃「いきなり、小鍛治プロが親っ!」

    「頑張って、衣ちゃん、セーラさん、姉帯さん!」

    「では闘牌、開し――」










                           健夜「ツモ。天和国士無双――16000オール」

    84 :

    86 = 72 :

    これはクソゲーですねぇ・・・

    87 = 49 :

    セーラ「ごはっ!?」

    「がっ!?」

    豊音「うぐっ……!」

     びしゃり、と雀卓を染めたのは赤い赤い真っ赤な鮮血だった。

    セーラ(は、ははっ。天和は予想してたんやけど――!)

    (よもや、上がられた時のダメージがこれほどとは……!)

    豊音(内臓、何個か、潰れちゃった、かなー……)




    健夜「やめるなら、今のうちだよ」

     つまらなそうに、最強は告げる。
     ゴミでも見るかのような虚ろな瞳を覗かせて。

    セーラ「冗談、続行……やっ!」

    「今ので、気合が乗ったというもの!」

    豊音「まだまだ、負けないよー!」

    健夜「……2本場」

    89 = 54 :

    これゴリラ呼ばないと無理ゲーだろ

    90 :

    スレタイって美穂子だよね?中山美穂子…あれ?

    91 = 49 :

     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
              健夜「ツモ。天和四喜和、16000千オール。全員、飛び」

    92 :

    女の子が内臓つぶしあいながら競い合うゲームの国際大会なんてしたらアカンわ・・・

    93 = 72 :

    だれか首相を呼んできて

    94 = 49 :

    すみません、点数のこと勘違いしてました。
    >>82の所からやり直させてください。

    95 = 80 :

    天和スーシーホーってことは四暗刻もくっつくから144000の48000オールやろ……

    97 = 49 :

    健夜「……サイコロ回れー」

     全自動卓という、イカサマのしようがない公平の機械が親を決める。
     サイコロがとまり、数字が示す親は、小鍛治健夜。

    穏乃「いきなり、小鍛治プロが親っ!」

    「頑張って、衣ちゃん、セーラさん、姉帯さん!」

    「では闘牌、開し――」










                           健夜「ツモ。天和――16000オール」

    98 = 51 :

    大四喜ってダブルじゃないん?

    99 = 54 :

    今年度の咲ルールじゃダブル役満廃止だから別にこのままでも……

    100 = 64 :

    なんだろう何故か衣達が車田飛びをしているイメージがある


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