元スレ灼「この世界中の誰よりも、私は赤土晴絵を愛してるから」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
51 :
さるよけー
52 = 49 :
菫「やっぱりお前たちか!」
照「菫!」
淡「わーい! 久っしぶりスミレー!」
菫「全く、相変わらずだなお前たちは」
仕方がない奴らだ、と菫は言う。
言葉とは裏腹に、明らかな親しみの情愛を込めて。
照「いきなり押しかけてごめん、忙しかったよね」
淡「だけど私達も時間があんまりなくてさー」
菫「何、忙しいは忙しいが、少しくらいの時間なら作ってやるさ。何よりも、お前たちが会いに来てくれたんだからな」
53 = 49 :
照「ありがとう。菫はやっぱり優しいね」
淡「部長は社会人になっても部長なんだからね」
菫「ほっとけ。人の性分はそうそう変わらないんだ」
菫「ああ、それと遅れてたな。優勝おめでとう。かつてのチームメイトとして誉高いぞ」
淡「とーぜんだよ! しずにテルーにサッキーに私がいたんだよ? 世界なんて相手にもならなかったもん!」
菫「淡が振り込んだせいで一時は最下位になってたじゃないか、日本チーム」
淡「うぐっ……そ、その後倍にして返したもん!」
照「ふふっ……」
54 :
このどんな場違いでも無理やり小走先輩をねじ込む感覚は……リー棒の人か
56 = 49 :
菫「……懐かしいな。あのインターハイがも10年も前のことか」
照「今じゃ、あの時の虎姫も麻雀を仕事にして続けているのは私と淡だけで、ちょっと寂しいよ」
淡「亦野先輩は世界でバスプロとして世界を駆け回ってるし、たかみ先輩はお茶の農園を経営してるし」
菫「みんな自分の道を見つけたんだ。それに麻雀を止めたわけでもない。
私や尭深や亦野も社会人麻雀チームで打っているよ。仕事が忙しくてなかなか専念出来ないけどな」
照「そうだね……みんな、どんな道を歩いていても麻雀のことは忘れてない」
淡「それだけで、なんか嬉しくなるよね」
菫「そうだ、今日は仕事を早めに終わらせるから、今晩久しぶりに麻雀を打とう。
シャープシュータースミレの鷹の目は未だに健在だということを見せてやる」
照「いいね、それ」
淡「うん!」
淡「きっと、いい思い出になるよ!」
57 :
しえん
58 = 49 :
――再び奈良 松実旅館
玄「世界のーおもちはーどうだったのー、しずちゃん……むにゃむにゃ」
宥「ひさしぶりにー、みんなと集まれて、あったかーい……むにゅ」
憧「しずー、いい加減に私と結婚しろー……ぐふふ」
灼「羽目を外しすぎだよ、3人とも……」
そこはまさしく女性たちの極楽浄土、あるいは地獄絵図とも言う。
床に散らばった一升瓶の数はかぎりなく、テーブルの上はおつまみや麻雀牌が散乱していた。
完全に酔っ払いと化した3人をせっせと灼は仕方ないなぁと苦笑しつつも介抱していたが――。
灼「……あれ? はるちゃんと穏乃がいない……?」
松実旅館の中央に位置する池の前に、2人は居た。
方や神妙な趣で、方や嬉しいのか悲しいのかわからないといったような様子だった。
晴絵「そっか……ついに、小鍛治健夜と打つんだな……」
穏乃「……はい」
59 = 49 :
晴絵「……お前たちは、すでに私よりも遙かに強い」
穏乃「そんなこと、ないですよ。赤土先生は、いつだって私の偉大な目標ですから」
晴絵「お世辞だとしても、そういってくれると嬉しいな……」
――その言葉を最後に、しばしの静寂が訪れた。
再び晴絵が口を開いたのは、ぽちゃんと池の鯉が跳ねた後。
晴絵「正直、私はお前たちに小鍛治健夜を倒して欲しいと思っている」
穏乃「……」
晴絵「お前たちなら出来る、お前たちならあの人を倒して――絶対の孤独から救いだせるって、信じてる」
穏乃「……」
晴絵「けど同時に、戦って欲しくないとも思っている自分がいるんだ。教え子を死地に向かわすな。
私と同じ絶望を味あわせてどうする、輝く未来がある子たちを潰してどうする――って」
穏乃「……先生」
60 = 49 :
穏乃「……私の中にも、いくつもの違う意見をいう自分がいるんです。
小鍛治健夜を、麻雀のトップを目指しているからこそ倒せ、そして救い出せって叫ぶ私。
先生をボロボロにした小鍛治健夜に私が勝てるわけがない、止めておけって叫ぶ私。
先生をボロボロにした小鍛治健夜を許すな、叩きのめして謝らせろって叫ぶ私。いろんな私が、いろんなことを、私に問いかけてくる」
晴絵「それは当然のことだ。人間なんだ、ブレたっていいんだよ」
穏乃「怖いけど、それを望んでいる。恐ろしいけど、武者震いがする。
日本最強――いえ、人類最強の雀士と戦えるのが、怖くって、楽しみなんです」
晴絵「そうか。強いなぁ、穏乃は」
穏乃「……戦います。そして、勝ちます。どうか祈っていてください先生。私達の――勝利を」
晴絵「ああ。私に出来ることなんて、精々――それくらいしかないさ」
灼「……」
62 :
え
64 :
全員死亡フラグたってるじゃないですかーやだー
65 = 49 :
灼「はるちゃん」
晴絵「聞き耳は良くないぞ、灼」
灼「穏乃を止めなくて、いいの?」
晴絵「……止められないよ。穏乃はもう決心してるから」
灼「……っ! 勝てっこないよ! いくら日本チームが全員で小鍛治プロにかかったって! 勝てるわけない! はるちゃんですら! はるちゃんですら――!」
灼「あいつと戦ったせいでボロボロになって! もう余命は数年だってお医者さんに言われたんじゃない!」
晴絵「――」
ダムが決壊したかのような灼の涙を、晴絵は静かに拭う。
小鍛治健夜との二度の戦いは、赤土晴絵の体を完膚なきまでに壊してしまっていた。
余命わずかなんて、医者に言われなくてもわかっていた。自分の体のことは、自分が一番良く知っているのだから。
66 :
!?
68 = 57 :
ここのすこやんは化物だな
69 :
に、人間じゃないっ……
70 = 49 :
灼「いいよ……本当の最強なんて……あんな化け物を相手にしなくても、穏乃達は普通の人間の中で、ちゃんと最強なんだよ……。
嫌だよぉ! 穏乃達がはるちゃんみたいにボロボロになったりしたら……! 私は、私は……!」
晴絵「灼……」
灼「うっ、ううぅ……私は、出来れば止めたいよ。やめさせたいよ……」
ぎゅっと、震える灼を晴絵は優しく抱きとめた。
細く華奢になってしまった晴絵の体。それでも温もりは暖かく灼に伝わった。
灼「それでも……止めても、無理なら私ははるちゃんと一緒に穏乃達の無事を祈るしかない」
晴絵「一緒に祈ろう。穏乃達が無事に帰ってくるようにって」
灼「……ねぇはるちゃん。はるちゃんは、もう一度、戦いに言ったりしないよね? そんなこと、しないよね」
晴絵「しないよ。後の余命は阿知賀でゆっくり過ごすって決めてる。さすがに、もうコリゴリだよ」
灼「絶対だよ! 約束だよ!」
晴絵「……ああ、約束だ」
晴絵「――約束、するとも」
71 :
すこやん「流石に風評被害が酷いんだよ……」
72 :
こーこちゃん何しとるんやろうな
73 :
全然健やかじゃないんだよ
74 = 49 :
衣「皆の者、愛しき人に挨拶は済んだか?」
透華「引き返すなら、今のうちでしてよ」
セーラ「止めるのも勇気や。止めて引き返したりしても、誰も責めたりせえへんで」
照「正直言って、勝てる見込みはゼロに等しい」
豊音「たとえ彼女に勝てた所で、得られるものなんてただの自己満足だよー」
淡「けど、その自己満足こそが、重要なのよね」
75 = 49 :
和「人類最強。それを世界が知らなくても、日本リーグが認めなくても」
咲「私達は知っている。知っているからこそ、小鍛治さんを倒したい。超えてみたい」
穏乃「そして――最強という孤独に囚われている雀士の仲間を、救いたい」
やえ「心配しなさんな、私は小3の頃からマメすらできない」
全員が、全員の顔を見合わせて頷いた。
準備は整っている。覚悟などとっくの昔に済ませてある。
ならば――。
「さぁ、行こうか!」
そんな、整い揃った日本チームの声が木霊する。
目指すは眼前、小鍛治健夜が待ち構えるドーム会場。
76 = 54 :
さすがに今回ばかりは小走先輩がいることに違和感があり過ぎるwwwwwww
77 = 67 :
小走先輩が見事にフラグブレイクしてくれっから(震え声)
78 :
小走先輩よりセーラのが違和感あるだろ
79 = 49 :
咲「――っ!」
ドーム会場に、一歩足を踏み入れただけで感じた重圧。
押しつぶされてしまいそうなほどの濃厚な殺気に似た何か。
健夜「―――まさか世界優勝メンバーが全員、来るなんて思わなかったよ」
照「小鍛治、プロ……」
中央に設置された自動卓に座っていたのは、小鍛治健夜その人だった。
健夜「いいんだね――私の麻雀は、人を壊す麻雀。それを解って、貴方達はここに来たんだね」
穏乃「はい!」
健夜「……馬鹿だよ、みんな。どうしようもなくて、救いようがない。だけど、本当に救いようのない存在は――」
少しは、楽しめるかも知れない――そんなありえない期待の為だけに、日本麻雀界の宝を壊そうとする、小鍛治健夜という化け物なんだ。
その呟きは、誰にも聞こえなかった。
80 :
仮に年齢制限のない大会だったとしたら
○○年代は奇跡が起きてたとか言われるレベルのメンツ
81 = 49 :
セーラ「一番手は、俺と――」
衣「衣と」
豊音「私がいくよー」
健夜「そう、貴方達が――最初の相手」
照「ルールはプロ公式。東南戦を繰り返し。ただし小鍛治プロの勝ちは、私達の全員の持ち点を無くすこと。飛んだ人から抜けていって、最後の1人になるまで打ち続ける」
健夜「そっちの勝ちは誰か1人でも私の点棒を無くすことだね――ハンデで、最初の持ち点は0点でもいいよ?」
セーラ「はっ! お断りや」
衣「同意しよう。そんなルールでは」
豊音「小鍛治プロが、楽しめないよー」
健夜「……そっか。じゃ、始めようか――」
ごくり、と固唾を飲んだ誰かの喉がなる。背に奔るは緊張と死ぬかも知れないという恐怖、そして人類最強を相手にするという武者震い。
82 = 49 :
健夜「……サイコロ回れー」
全自動卓という、イカサマのしようがない公平の機械が親を決める。
サイコロがとまり、数字が示す親は、小鍛治健夜。
穏乃「いきなり、小鍛治プロが親っ!」
咲「頑張って、衣ちゃん、セーラさん、姉帯さん!」
照「では闘牌、開し――」
健夜「ツモ。天和国士無双――16000オール」
84 :
え
86 = 72 :
これはクソゲーですねぇ・・・
87 = 49 :
セーラ「ごはっ!?」
衣「がっ!?」
豊音「うぐっ……!」
びしゃり、と雀卓を染めたのは赤い赤い真っ赤な鮮血だった。
セーラ(は、ははっ。天和は予想してたんやけど――!)
衣(よもや、上がられた時のダメージがこれほどとは……!)
豊音(内臓、何個か、潰れちゃった、かなー……)
健夜「やめるなら、今のうちだよ」
つまらなそうに、最強は告げる。
ゴミでも見るかのような虚ろな瞳を覗かせて。
セーラ「冗談、続行……やっ!」
衣「今ので、気合が乗ったというもの!」
豊音「まだまだ、負けないよー!」
健夜「……2本場」
89 = 54 :
これゴリラ呼ばないと無理ゲーだろ
90 :
スレタイって美穂子だよね?中山美穂子…あれ?
91 = 49 :
健夜「ツモ。天和四喜和、16000千オール。全員、飛び」
92 :
女の子が内臓つぶしあいながら競い合うゲームの国際大会なんてしたらアカンわ・・・
93 = 72 :
だれか首相を呼んできて
94 = 49 :
すみません、点数のこと勘違いしてました。
>>82の所からやり直させてください。
95 = 80 :
天和スーシーホーってことは四暗刻もくっつくから144000の48000オールやろ……
97 = 49 :
健夜「……サイコロ回れー」
全自動卓という、イカサマのしようがない公平の機械が親を決める。
サイコロがとまり、数字が示す親は、小鍛治健夜。
穏乃「いきなり、小鍛治プロが親っ!」
咲「頑張って、衣ちゃん、セーラさん、姉帯さん!」
照「では闘牌、開し――」
健夜「ツモ。天和――16000オール」
98 = 51 :
大四喜ってダブルじゃないん?
99 = 54 :
今年度の咲ルールじゃダブル役満廃止だから別にこのままでも……
100 = 64 :
なんだろう何故か衣達が車田飛びをしているイメージがある
みんなの評価 : ☆
類似してるかもしれないスレッド
- まどか「この世界はとても美しくて、やさしいんだよ」 (290) - [42%] - 2011/5/30 19:45 ★★
- さやか「セイバー、私ね、後悔なんてしてないよ」 (643) - [41%] - 2011/11/22 9:00 ★★
- P「こんなこと言えるの、楓さんしかいませんからね」 (224) - [39%] - 2012/4/28 16:15 ★★
- まどか「さやかちゃんって、いつもその髪留めしてるよね」 (164) - [37%] - 2012/5/31 5:30 ★
- P「アイドルをくすぐって、俺への気持ちを確かめてみる」 (159) - [37%] - 2012/7/22 8:30 ★
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について