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    元スレ令嬢「ご指導、よろしくお願いしますわ」武術家「よろしく」

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    151 = 2 :

    令嬢「ハァ、ハァ……さすがは武術家さんの弟さん。
       武術家さんの苛烈な拳法とはまた一味ちがい、お強いですわ」

    「いやぁ……俺なんか……」

    武術家「弟なんざ、まだまだ俺の足元にも及ばねえよ」



    武術家「たしかにアンタの蹴りは武器になる!」

    武術家「──が、多用はするなよ! 読まれたら効果は半減しちまうからな!」

    令嬢「はいっ!」



    令嬢「シェフに習ったので、お料理には多少自信がありますの。どうぞ!」コトッ…

    武術家「おお~……!」

    「美味しそう……!」


    この日から、令嬢は道場に通うことになった。

    152 = 2 :

    翌日──

    <東の道場>

    武術家「なぁ……」

    令嬢「はい?」

    武術家「アンタ、もしかして寝技とか得意か?」

    令嬢「えぇ~っ!? ま、ま、まさか! 未体験ですわ、未体験!」
      (まさか……正夢!?)

    武術家「そうか! ならいいんだ……」ホッ…
       (ウソじゃなさそうだな……。よかった……正夢じゃなくて)

    武術家「んじゃ、今日も突きの稽古からだ」

    令嬢「え……あの……寝技……は……?」

    武術家「ウチの流派に寝技はねえぞ」

    令嬢「そう……ですわよね……」

    武術家(なんでガッカリしてんだ? 打撃だけじゃ不安になったのか?)

    試合までの二週間、二人は順調に稽古を重ねた。

    153 = 95 :

    翌日──

    <東の道場>

    試合は、申し込まれた側で行われるのが通例である。

    美形「お久しぶり。元気そうでなによりだ、武術家君」ザッ

    色黒「今日はよろしく」ザッ

    鉢巻「相変わらずちっちゃい道場ッスねぇ」ザッ

    武術家「……ふん。どっちが小さいんだよ。
        俺と親父がいない間に、弟や門下生を脅すような真似しやがって」

    美形「まあまあ、そう怒らないでくれよ」

    美形「もうまもなく審判もやってくるだろうし、準備を始めよう」

    美形「──だけど、おや? そちらはまだ二人しかいないようだが……?
       この間渡された試合順の紙には、令嬢という女性がいたはずだけど」

    武術家「…………」

    「ちょ、ちょっと遅れてるだけだ!」

    美形「ふん、そうかい。 ……来れればいいけどねぇ」
      (昨日、令嬢の親には今日の試合のことをチクっておいたし、
       万一許されて外に出られたとしても……ふふふっ)ニヤッ

    154 :

    わざわざ保守しなくていいから楽でいいな

    155 = 2 :

    そして試合前日──

    <東の道場>

    武術家「今日の稽古は終わりだ。令嬢、家の近くまで送っていくよ」

    令嬢「はい!」

    「明日は俺と兄ちゃんが必ず二勝するから、安心しといて下さい!」

    令嬢「あら、私も出番が欲しいですわ」

    武術家「……ふっ」



    <西の道場>

    鉢巻「この作戦なら、ウチの勝利はまちがいないッスね!」

    色黒「本当に……これでいいんですね?」

    美形「当たり前だ、勝つことが第一なんだからね」

    美形「もっとも──ボクは独自に他にも手を打ってあるがね。
       もしかすると、戦わずして勝利できるかもしれないよ」

    美形「明日、東の道場はこの町から姿を消す。やっと宿願が叶うんだよ、父さん……!」

    道場主「あ、ああ……」

    156 = 95 :

    <豪邸>

    令嬢(どうしましょう……!)

    令嬢「全部の出入り口を、召使に封鎖されて……あら?」

    召使「ぐう……ぐう……」

    召使たちが全員眠り始めた

    令嬢「こ、これはどういうこと……!?」

    シェフ「お嬢様」

    令嬢「シェフ!」

    シェフ「今日の朝食──旦那様ご夫婦とお嬢様のもの以外には
        強力な眠り草を入れておきました。
        旦那様と奥様は先ほど出かけられましたし、もう大丈夫です」

    シェフ「行ってらっしゃいませ」スッ…

    令嬢「……ありがとう!」

    タタタッ……

    シェフ(家の近くでたむろしていた格闘家らしき集団も、
        私からの“差し入れ”で眠らせておいたので、どうかご安心を)

    157 = 130 :

    コキャッ

    160 = 95 :

    <東の道場>

    審判「このまま正午までに届け出のある三人目が来なかった場合、
       東の道場は不戦敗となる」

    「どうしたんだろう、令嬢さん……」

    武術家「おい美形、てめぇまさかなにかやったんじゃねえだろうな!」

    美形「オイオイまさか。まあ、良家のお嬢さんをこんな戦いに
       駆り出すことにならなくてよかったじゃないか」

    美形「君たちは戦わずして敗れることになるがね」

    武術家「くっ……! 審判、俺たちは二人だけでいい! 試合をさせてくれ!」

    審判「ならん。決まりは決まりだからな」

    武術家「ぐっ……!」

    すると──

    ガラッ!

    令嬢「皆さま、お待たせしました!」

    武術家「令嬢!」
    「令嬢さん!」

    美形「…………」チッ

    162 = 95 :

    審判「ではまず、東の道場から試合順を発表してもらおう」

    武術家「ウチはもう通達してあるように、先鋒が弟、中堅は俺、大将に令嬢、だ」

    審判「では、西の道場」

    美形「ウチは……先鋒は色黒、中堅は鉢巻、大将はボクだ」

    武術家「!?」

    武術家「ちょ、ちょっと待て、てめえ!
        てめえんとこの実力ナンバーワンは色黒だろうが! なんで先鋒なんだ!」

    武術家「道場同士の試合は実力順にするのがならわし……。
        だったら、色黒は大将にするか、あるいは俺にぶつけるのがスジだろうがよ!」

    美形「いやいや、つい先日鉢巻が色黒に勝っちゃったからさぁ~」

    武術家「下手なウソこきやがって……!」ギリッ

    美形「それに、実力順にするのはあくまでも通例……破ってもペナルティはない。
       ですよね? 審判さん」

    審判「うむ」

    武術家「な、なんだと……!」
       (俺は鉢巻にまず勝てるだろうが、弟じゃ色黒相手は厳しい!
        これじゃ試合が令嬢まで回っちまう!)

    165 = 95 :

    「大丈夫だよ、兄ちゃん! 俺が……勝てばいいんだから!」

    武術家「……ああ」
    令嬢「弟さん、頑張って下さいませ!」



    審判「先鋒の二人、前へ!」

    「…………」ザッ

    色黒「…………」ザッ

    「お願いします!」

    色黒「……こうして今は敵対しているが、私は東の道場を尊敬している。
       君の父や兄は、優秀な格闘家だ。私も一目置くほどにね」

    「!」

    色黒「だが、君は眼中にない」

    色黒「偉大な二人の影に隠れ、町民や農民相手にぬるい稽古をしているだけ……。
       我々の脅しに屈したことといい、君はこの道場の足手まといに過ぎない。
       悪いが、すぐに終わらせてもらう」

    「ぐっ……!」

    168 = 142 :

    実力順って自分のことを棚に挙げてるような
    こういうの見てるとまた空手やりたくなるけど忘れるんだよなあ

    169 = 95 :

    令嬢「弟さんのお相手……強いんですか?」

    武術家「まちがいなく西の道場一の使い手だ。
        すまねえ、アンタの前に二勝するだなんていっておいて……」

    令嬢「あら、あなたは弟さんを信じていないんですか?」

    武術家「え?」

    令嬢「私は……弟さんは勝つと思います」



    審判「始めっ!」

    色黒「しゃッ!」バッ

    ベチィッ!

    いきなりのハイキック、弟もどうにかガードする。

    「くっ……」ビリビリ…
    色黒「だっ! だだだっ! ──せいいッ!」

    ガッ! バッ! バシィッ! ドゴォッ!

    怒涛の連撃。弟は防ぐだけで全く手が出せない。

    武術家(なにやってやがる……。
        格上の相手に守勢に回ったら、オシマイだろうが……!)

    170 = 95 :

    武術家(──いや!)

    色黒「くっ……」ハァハァ…

    令嬢(相手の方、もう疲れている……!?)

    色黒「せりゃあッ!」ブオンッ
    「…………」スッ…

    色黒「だりゃッ!」ビュアッ
    「…………」ススッ…

    武術家「弟のヤロウ……アイツ、色黒の間合いを見切って──
        打撃の勢いや威力を全て殺してやがる!」

    武術家(そうか……アイツ、日頃ぬるい稽古ばかりしてるかと思ったが、
        町民や農民たちのゆるい打撃をも一流の打撃だと思って、
        真剣に稽古していたんだ!)

    令嬢「す、すごい……!」

    色黒「ぬああッ!」ダンッ

    ブオンッ!

    色黒(またか……! 絶妙なタイミングで間合いをずらされる……!)ハァハァ…

    (門下生たちの発展途上の攻撃に比べれば、
      格闘技の理に乗っ取った、アンタの打撃はずっと見切りやすい!)

    172 :

    バキィッ!

    疲れと焦りで足が止まった色黒に、弟の拳がヒットする。

    色黒「ぐおっ……! ──があっ!」ブオンッ

    スカッ

    色黒「くそっ……」ハァハァ…
      (認めねばなるまい……私はコイツを侮っていた!)

    武術家(色黒が弟をナメてたというのもあるだろう。
        弟がこの試合をいいテンションで臨めてるというのもある)

    武術家(だがそれらを差し引いても強い!)

    武術家(アイツ……きっちり強くなってやがった!)ニィッ

    ガガガッ! バシッ! ガッ! ドゴッ!

    (アンタらが俺が眼中にないってんなら、俺だってアンタらなんか眼中にない!)

    (俺は父ちゃんや兄ちゃんを超えるために、ずっとずっと修業してきたんだ!)

    バキィッ!

    弟の突きが、色黒の顔面にクリーンヒットした。

    色黒「ぐあ……っ!」ドサッ

    173 :

    弟かっけぇwwwwwww

    174 = 95 :

    武術家「いいぞ、ダウンを奪った!」
    令嬢「その調子ですわ!」

    鉢巻「色黒さん、一度落ちつくッスよ!」
    美形「…………」

    すぐさま立ち上がる色黒。

    色黒(私が負ければ、西の道場の勝利は難しくなる……。
       先生や美形さんのためにも、負けるわけにはいかん!)

    色黒「はあああっ!」ダッ
    「!」

    バシィッ! ガガガッ! ドッ! ドガッ!

    色黒の猛攻が、少しずつ弟をとらえ始める。

    (──やっぱりさすがだ! この数分で、俺の動きを学習してる!)

    だが、弟も巧みなフットワークで決定打を許さない。

    審判「──それまでっ!」

    試合時間の10分が経過した。

    色黒(ぐっ……! 私としたことが、なんという無様な試合を!)
    (──よし!)グッ

    美形「…………」ニヤッ

    175 = 171 :

    まさか賄賂

    176 = 95 :

    審判「判定!」

    シ~ン……

    審判「先鋒戦! 勝者、西の道場!」バッ

    武術家「ハァ!?」
    「なっ……!」
    令嬢「え?」

    色黒(な、なんだと……!?)

    美形「ふふふ、よくやったよ。よく倒されないでくれた」

    色黒「美形さん、あなたまさか──」

    武術家「ふざけんなっ!!!」

    武術家「今の試合……たしかに終盤盛り返しはあったが、ほぼ弟が優勢だったろ!
        弟の勝ちだろうがっ!」

    審判「……異議は認めない。すぐ中堅戦の用意をしたまえ」

    武術家「て、てめえ──」

    美形「オイオイ武術家君、審判の判定は絶対だよ?」

    武術家「……なんだと!」

    177 :

    餅に書いたようなクズだな

    178 :

    ふっはっくらえ

    179 = 95 :

    美形「たしかに君の弟君は、優勢ではあったかもしれない。
       だが、戦術に積極性がいささか欠けていたというのも事実だ」

    美形「審判がその辺りを考慮したのなら、この結果も十分ありえる」ニヤッ

    武術家「あのヤロウ……!」ズイッ

    審判「これ以上食い下がるのなら、無条件で君たちの負けにするぞ」

    武術家「ぐっ……」

    「ごめんよ、兄ちゃん、令嬢さん……!」

    令嬢「いえ、いい試合でしたわ。手本にさせていただきます」
    武術家「…………」

    武術家(弟たちを脅して試合を組んで、試合順も通例を無視して、
        挙げ句審判ともグルってか)

    武術家(いいさ、そっちがその気ならやってやるよ……)

    武術家(いくら審判になにかしてても、圧勝すればさすがにどうしようもねえはずだ)

    武術家(たとえ今日、東の道場がなくなるとしても、
        ヤツらには俺の強さと恐ろしさを徹底的に叩き込んでやる)

    武術家(この俺に鉢巻如きを当ててきたことを後悔させてやる……!)ビキッ…

    180 = 171 :

    これKOしても反則負けとか言い出しかねんぞ

    181 :

    審判ごとKOしようか

    182 = 95 :

    鉢巻「あ、あの」ガタガタ…

    美形「なんだい?」

    鉢巻「武術家、すげえツラなんスけど……あれマジで人を殺しかねないツラッスよ。
       元々中堅は捨て試合ッスし……俺、棄権してもいいッスか?」ガタガタ…

    美形「ダメに決まってるだろ。ただでさえ試合順を実力順にしてないんだ。
       ウチの道場が武術家から逃げたなんて風評が立っちゃかなわない」

    美形「大丈夫さ、死にゃあしないよ(……多分)」

    審判「中堅の二人、前へ!」

    鉢巻「…………」ガタガタ…
    武術家(鉢巻ィ……悪いが五体満足で試合場から出さねえぞ)ギロッ

    武術家(最低でも全治数ヶ月には──)

    令嬢「武術家さん、お待ちになって」

    武術家「?」

    令嬢「弟さんに労いの言葉を」

    令嬢「それにまだ……私がいますわ」

    武術家「!」ハッ

    183 = 95 :

    武術家(そうだ)

    武術家(俺はなにを考えていたんだ)

    武術家(弟の健闘を称えもせず、もう道場が負けた時のことばかり──
        こんなもん、弟や後に控えてる令嬢への侮辱でしかない!)

    武術家「…………」

    武術家「弟」

    「!」

    武術家「ナイスファイトだったぞ。よくやった」グッ

    「兄ちゃん……」

    武術家「んじゃ、行ってくる。次の令嬢に繋ぐためにな」

    向かい合う武術家と鉢巻。

    武術家「…………」ザッ
    鉢巻(こ、こうなったら殺される前に……勝負に出るしかない!)ザッ

    審判「始めっ!」

    184 :

    殺せ!!

    185 = 171 :

    いや生き地獄を

    186 = 95 :

    鉢巻「うわぁぁぁっ!」ブオンッ
    武術家「っと」サッ

    鉢巻の捨て身のストレートをあっさりかわすと──

    武術家「──はあっ!」

    ドンッ!

    脇腹に強烈な中段蹴り。

    鉢巻「うげぇっ……!」

    さらにダメ押しの左拳での突きが──

    ピタッ

    寸止めされた。

    鉢巻「あ、あぐぅ……ま、参ったッス……!」ゲホゲホッ

    審判「そ、それまでっ!」バッ

    武術家(鉢巻の最初のストレート……キレたままだったらモロに受けてた。
        ……令嬢に助けられちまったな)

    美形(予想に反してキレイに勝ちやがった……。面白くないな。
       まあいい、次でボクが勝てば全て終わるんだ!)

    187 = 95 :

    令嬢「では、行って参ります」

    「令嬢さん、戦ってもらうことになっちゃってゴメン……!」

    令嬢「いえいえ、修業の成果を発揮できるのが楽しみですわ!」

    武術家「令嬢」

    令嬢「はい?」

    武術家「あとは任せた」

    令嬢「は、はいっ!」カァ…

    美形「おうおう、見せつけてくれるねえ。
       こっちはもうスタンバイオーケーだ。さっさと出てきてくれよ」

    令嬢「分かりましたわ」ザッ

    美形「君もつくづく不運な女だねえ」

    美形「女の身でありながら、こんな真剣勝負の場に立つことの愚かさ……
       たっぷり思い知らせてやるよ」

    令嬢「武術家さんはおっしゃってました。格闘技に男も女もありません」

    美形「……ふん!」

    188 :

    なんかカンフーハッスル見たくなってきた

    189 :

    武術家>>>>>令嬢>弟


    すでにこんな実力だよな

    190 = 173 :

    さすがに令嬢より弟の方が強いだろ

    191 = 95 :

    審判「始めっ!」

    美形「ま、顔は避けてやるから安心しな──よっ!」ダッ

    ベシィッ!

    令嬢「あうっ!」

    美形のローキック、令嬢の顔がゆがむ。

    美形「そらそらそらっ!」ガガガッ
    令嬢「くっ……」

    (速い……ッ! さすが西の道場の跡取りで、ナンバーツーなだけはある!
      令嬢さん、防ぐので精一杯だ!)

    美形「女で、しかもほとんど初心者みたいな奴がこんな試合に出るとか──
       なめてるのかい!?」

    美形「ボクは君みたいな奴がホントムカつくんだよ!」

    ドスッ! ドズッ!

    令嬢のボディに拳が突き刺さる。

    令嬢「ぐ……っ! くっ!」

    (アイツ……いたぶってやがる!)
    武術家「…………」

    192 :

    弟は呼吸法によって剛拳も使えるから

    193 = 95 :

    美形(武術家め、平気な顔しているが内心ハラワタ煮えくり返ってるだろう)

    美形(だが、悪いのはお前なんだからな!)

    美形「ほら、少しは反撃してみな!」

    令嬢「たあっ!」ヒュッ
    美形「ふん」パシッ

    令嬢の突きが、あっさり弾かれる。

    「令嬢さん、腕だけで打っちゃダメだ!」

    (やっぱり……いきなりこんな試合無理だったんだ!
      ただでさえ実力差がありすぎる相手なのに……
      令嬢さん、動きも固いし、フォームもガタガタだ!)
    武術家「…………」

    バシッ! ベシッ! ドカッ!

    令嬢「……ぐうっ」
    美形「──ハハ、ボクが手加減してるからとはいえ、君も粘るねえ」

    令嬢「ハァ……ハァ……ハァ……まだまだ、これからですわ」

    美形(一応警戒していたが、コイツは弱い! だが、どうせ勝つなら……
       武術家により屈辱を味わわせなくちゃ面白くないよなぁ)

    194 = 171 :

    呼吸拳ぶちかましたれ

    195 = 95 :

    美形「君は箱入り娘として、大切に育てられたんだろう? だったら」シュッ

    むにゅっ……

    令嬢の胸を掴む美形。

    ザワッ……!

    「なっ……!」

    色黒「!」
    鉢巻「マ、マジッスか!」

    美形「ふふふ、こんなことされるの、初めてだろ?」モミッ…
    令嬢「…………」

    もにゅもにゅ……

    美形(どうだ、武術家! お前がムリヤリ選手に選んだ女は
       こんな惨めな目に遭っているぞ!)

    「令嬢さん! あ、アイツ、ふざけやがって……!」

    (でも……真っ先に飛びかかりそうな兄ちゃんがなにもいわない……なんでだ?)

    196 = 177 :

    この美形は素人の女の胸をもんだあげく、その女に負けるという汚点を背負っていくのか
    もう格闘家生命が風前の灯火レベル

    197 = 95 :

    武術家(不思議だ……なんで俺はこんなに冷静でいられるんだろう)

    武術家(多分、令嬢に全て託すと決めたからだろうな……。
        だから、今も怒らないでいられる……飛びださずにいられる)

    武術家(いやむしろ……美形があんなマネに走ったのはむしろチャンス!
        令嬢もそれを分かってるはずだ!)

    もにゅむにゅ……

    美形「どうだい? 屈辱だろう? 実力で敵わなかった上にこんなことされて」モミモミ…

    令嬢「別に……これくらいどうってことありませんわ」
    美形「!?」

    令嬢「武術家さんは教えて下さいました。格闘技は痛くて苦しいものなのだと──
       だからこういうことも覚悟していました」

    令嬢「ただし一言だけ」

    令嬢「私の胸を揉んでいいのは──武術家さんだけですわ」

    美形「!?」
    色黒「!」
    鉢巻「へ!?」

    審判「な……」

    「え」
    武術家「!」ブハッ

    198 = 184 :

    素晴らしい

    199 = 171 :

    遠まわしな告白ww

    200 = 95 :

    令嬢は呆気に取られた美形の胸に手を当て──乳首をつねった。

    ギュウゥゥ……!

    美形「いぎゃあぁぁぁぁっ!!!」

    令嬢「油断大敵ですわね」ザッ

    令嬢(でも今の感触……この人、もしかして!)

    美形「よ、よくも……! よ、よ、よくもぉっ!」バッ

    美形が令嬢の顔面めがけ、パンチを放とうとする。

    だが──

    ヒュワァッ ベシィッ!

    令嬢の上段蹴りが、美形の頭部にクリーンヒットした。

    美形「がっ……」グラッ…
      (な、なんて美しい蹴り、だ……。今の今まで弱いフリ、してたのか!?)

    美形(油断した──が、耐えられない威力じゃない!)

    美形(突きはそこまでのレベルじゃないし、蹴りはもう喰わない……。
       “詰み”だ!)


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