元スレ憧「しずちょこ!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
102 = 4 :
 ̄ ̄ ̄ ̄
【7】
恥ずかしいねってシズが言うから、恥ずかしいねってあたしも返事したけれど。
手だけはどちらも繋いだまま離さなかった。
穏乃「このハートのお菓子美味しいよ!」
憧「ま・か・ろ・ん!」
穏乃「そうそれマカロン!」
憧「風情もへったくれもないんだから、もう」
それでも、笑顔でマカロンを食べるシズを見ていると、
頑張ってよかったなと心から思うことができた。
103 = 14 :
マカロン食べたくなる
106 = 4 :
ところで。
1つ驚いたのが、シズもあたしに特別なチョコを用意していたということだった。
穏乃「これね、私が好きなチョコの詰め合わせなんだ!」
憧「どれどれ。グミチョコに、チョコバットメジャーに、チョコボールに……」
憧「あんたは子供か!」
穏乃「まだ10代だから子供だよ」
憧「はいはい。そろそろ大人としての落ち着きも持たなきゃだよ」
そんなお小言を言いながらも、結局この先もあたしは、
シズに振り回されて、シズを甘やかして、シズと一緒にはしゃいでしまうんだろうなという確信があった。
憧「あたしも大概、計算の出来ない女だよねー」
穏乃「そうかな?」
とぼけた顔して、まったくもう。
いつだってあたしの計算を狂わせるのはあんたなんだからね。
107 = 4 :
そして分かれ道に差し掛かる。
あたしの家は右の道の先、シズの家は左の道の先だ。
憧「なんか、まだ話したりないな」
穏乃「そうだよね」
どちらからともなく立ち止まり、だらだらと会話を引き伸ばす。
別れの時間を引き伸ばす。
明日また話せるとわかっていても、引き伸ばしてしまう。
憧「にしても。残念だなー」
暗い空を見上げ、呟く。
憧「今が明るければ、もしかしたら雨上がりの虹が見えたかもしれないのに。もう夜だもん分からないや」
穏乃「虹、かあ。見えてないだけで今も虹は空にかかってるのかなあ」
憧「かもしれないね」
あたし達は2人して、見えもしない夜空の虹を空に描いた。
109 :
すばらしい
110 = 4 :
憧「今日の夜空の虹は……」
穏乃「うん?」
憧「目で見ることのできない、今夜の虹は……」
あたしはそこで言葉を区切ると、街灯の下まで歩き、シズの方に振り返る。
虫を引き寄せる薄ぼんやりした明かりの下から、シズに精一杯の笑顔を向ける。
憧「きっと世界中で2人だけの宝物だね」
なんて、恥ずかしすぎるセリフかな。
口にしてから、一瞬後悔が頭をよぎったりもしたけれど、
穏乃「うん! これは2人だけの宝物だ!」
そうやってシズが頷いてくれれば、恥ずかしさなんて粉微塵に吹き飛ぶんだ。
111 :
すばら
112 = 18 :
すばら
114 = 4 :
穏乃「あーこっ」
とっとっとと小走りでシズが駆け寄ってきた。
嬉しい半面、もう時間も早くないよねという、現実的な心配もしてしまう。
憧「さすがにそろそろ帰んなきゃ、お互い家族に心配かけちゃうわよ」
穏乃「もー! 憧がそれを言う?」
憧「あっはは……。そうだね、帰りを引き伸ばしたのはあたしも同罪だ」
穏乃「でしょでしょ。だからバイバイの前にあと1つだけ付き合ってよ」
憧「あいさ」
穏乃「よっしゃー!」
憧「それで、いったいあたしは何に付き合えば――」
115 :
やえ「呼ばれた気がした」
116 :
>>115
あらたそといちゃついてなさい
117 :
イノスタが思い浮かびました
119 = 4 :
 ̄ ̄ ̄ ̄
【8】
ふわり。
揺れるポニーテールが、視界の片隅で揺れる。
「……?」
一瞬。
時が止まったかのようで。
何が起こったのかわからなくて。
「んっ」
唇。柔らかい。熱を感じる。
シズが首を抱きかかえるようにして、あたしの頭を引き寄せている。
真っ赤なシズの顔が、目と鼻の先に見える。
「ぷはっ……」
あたしの唇からシズの唇へ。
ぬらりとよだれの糸がブリッジみたいに繋がっているのを見て、ようやく実感した。
「シズ……、今の……」
「えへへ。憧にキスしちゃった」
120 = 63 :
最高です
121 = 3 :
キマシ
122 = 116 :
エンダアアアアアアアアアアアアアア
123 = 94 :
イヤアアアアアアアアア
124 = 14 :
ああもう
126 = 18 :
すばら…すばら…すばらしいー!!
127 = 4 :
ドッドッドッドッ。
今度こそいよいよ壊れた早鐘のようになった心臓を、服の上から握り締める。
頬に流れる血潮がマグマになったみたいに熱い。
「これで寂しくないね」
そう小首を傾げる、頼りない街灯に照らされたシズの笑顔は。
なんだか愛おしすぎて儚いほどで。
「もしかして、嫌だった……?」
「!!」
不安げに尋ねてきたシズに、あたしはブンブンと首を横に降る。
「嬉し、かったよ……、シズ」
「よかった」
そして緊張からまだ上手く動かない顔で、自分なりに精一杯の笑顔をつくった。
128 = 63 :
憧がブンブン首振ったらでんでん太鼓みたいなるな
129 = 116 :
台無しやないか
131 = 4 :
ねえ、シズのことだから気が付いてないんだろうけどさ。
さっきのキス、どんな香りがしたと思う?
あんたの髪の香りに混じってふんわり鼻孔をくすぐったのは、チョコレートの甘い匂い。
「シズ……。今の、あともう一度だけおかわりしてもいい、かな?」
「……」
「しず……?」
「うああー! いまさら恥ずかしさがこみ上げてきた―!」
「ぷっ。あはは、なんだそりゃ」
「えへへへー」
あたしはこの特別な幸せに、心の中でしずチョコと名付けた。
憧「しずちょこ!」
おわり
132 = 11 :
おつ
このあと初瀬ルートですね
134 = 3 :
乙
お幸せに
135 = 94 :
乙
実にすばらな憧穏でした
やはりバレンタインが絡むと絵が更に映える
137 = 116 :
乙ですよー
すばらでしたー
138 = 63 :
乙乙乙乙乙!!!!!
しずも憧もかわいい!
モブまで可愛かった!
乙です!
139 = 18 :
乙すー
141 = 14 :
乙
憧穏最高
142 = 6 :
乙乙
たいへんすばら!
143 = 33 :
乙乙
バレンタイン最高や!
144 :
憧は晩成の親友に本命チョコを渡すべき
決してわt初瀬さんから憧を奪ったジャージ猿ではない
145 :
>>144
捨てられた子は諦めなさいな
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