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    元スレ京子「ゴメン…」結衣「…」

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    タグ : - ゆるゆり + - 結京 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    51 = 10 :

    海に来たと言っても、海に入っている時間は少なかった。

    どちらかと言えば、ビーチパラソルの下で

    飲み物を飲みながら、食べ物を食べながら

    いつも通りに、いつも通りのことを話していた。

    それが遊びに行ってすることなの?なんて聞かれたら

    うん、なんて即答はできないかもしれないけれど

    間違いなくその時間は、幸せだった。


    結衣「なんか、飲み物持ってこようか?」

    京子「あー…うん」
       「でも、私も行くよ」

    結衣「ん?私が行ってくるぞ?」

    京子「良いんだって!ほら、行こうぜー」

    結衣「あ、おい、ひっぱるなよ!」


    ここなら、結衣の腕を引いて、顔が赤くなっても

    日焼け!とか、暑かったから!でごまかせるもんね。

    52 = 10 :

    帰り道…

    私たちは時間ぎりぎりの電車に乗った。

    終電ってわけじゃなかったけど

    次の電車が結構遅くになってしまうから。

    私はそれでもいいんだけど…。


    電車に揺られていくうちに、右肩に何かがのる感覚があった。

    隣を見てみると、結衣が私の肩に頭を乗せて寝ている。

    京子「うっ…」

    私は一気に緊張してしまって、背筋を不自然なほどに伸ばしてしまった。

    きっと顔も真っ赤だろう。

    この車両に、人があまりいなくてよかったと思った。

    京子「…うぅ」

    早くつけ!

    いやでも、まだ着くな!!

    53 :

    いいぞ

    54 = 41 :

    エロはなくてよかよ

    55 = 10 :

    ――――――――――――――――――高校2年、冬

    この時期になると、私は

    毎年、あの冬のことを思い出す。

    結衣が涙を流した、あの日のことを。


    京子「…はぁ」

    「どうしたの?ため息、ついちゃって」

    京子「あ、絢」

    彼女は、遠野絢。

    私のクラスの、クラス委員長をしている。

    とても面倒見のいい子。

    「ため息ついていると、幸せが逃げちゃうよ」

    京子「知ってる」

    何となく、あかりを思い出させる、優しさだ。

    京子「いやね、冬が来るとさ…」
       「中三の冬のことを思い出しちゃってさ」

    56 = 10 :

    「中三の、冬?」

    京子「うん…」

    京子「私、本当に行きたかった高校があるんだ」

    京子「それなのに、勉強に集中できなくて」

    京子「案の定、本番もど忘れしちゃってさ」

    京子「それで落ちちゃって…」

    「そうなんだ…」

    京子「うん…」
       「で、その時に…」

    京子「友達、泣かせちゃって」

    「…」

    京子「その子、私と一緒の高校に行きたかったって、言っててさ」

    京子「それを聞いて、私、なんてことをしちゃったんだろうって」

    京子「すっごく後悔して…」

    京子「…って、ゴメン、いきなりこんな話」

    「ううん、ありがとう。話してくれて」

    57 = 10 :

    「仲、いいんだね」

    京子「えっ!?ま、まぁー…まぁねー」

    「あっ、照れてる」

    京子「うッ…て、照れてないです」

    「顔赤いよ?」

    京子「…うぅぅ!絢ー!!」

    「ごめんごめん…」

    「…」

    「牧村さんて、いたでしょ?」

    京子「あー、転校しちゃった子?」

    「うん」

    「私ね、牧村さんと付き合ってるんだ」

    京子「へぇー」

    京子「…」

    京子「え゛っ?」

    58 :

    ゆりゆりか

    59 = 10 :

    「びっくりした?」

    京子「えっ…び、びっくりしました…ハイ」

    「ふふ、でしょ」

    「その人とね、私、一緒の大学に行こうって約束したの」

    京子「一緒の大学に?」

    「うん、そう」

    「そうすれば、遠くに転校しちゃってても」

    「近くに住めるかなー…なんて思って」

    京子「…」

    京子「同じ大学…」

    「歳納さんも、その子のこと好きなんだよね?」

    京子「うん…」

    京子「ジャナカッタ…ど、どうかなー!!」

    「ふふふ…」

    京子「…は、ハイ…」

    60 = 41 :

    かわいい

    61 = 14 :

    ゆりゆり

    62 = 10 :

    「だったら、一緒の大学に行くとか…いいと思う」

    京子「…そっかー…」

    「一緒の高校に行けなくっても」

    「大学なら、一緒のところ、いくらでも狙えるもんね」

    京子「…」

    京子「そうだよな」


    京子「大学受験…頑張ってみようかな」


    京子「ありがと、絢!」

    京子「こうなりゃまずは、勉強だー!」

    「おーっ!」

    「歳納!お前職員室までプリントを取りに来いと、あれほど!」

    京子「ひっ!す、すいません!」

    京子「じゃ、じゃあね!絢!」
       「いろいろ、ありがとね!」

    「ううん、良いよ!じゃあ、頑張ってね!」

    63 = 41 :

    ふむ

    65 = 14 :

    ちなあかはどうしてる

    67 = 10 :

    ―――――――――――――――高校3年、秋。

    結衣と一緒の大学に行くと決めた私は、

    決めたその時から勉強を始めていた。

    中学の反省もあって、地道にコツコツと勉強していた私は

    正規のテストでも、実力テストでも、良い点数をとれるようになっていった。


    京子「でさー、今回のテストも、バッチリだったんだ!」

    結衣『ちゃんと勉強、やってるんだな』

    京子「勿論だろ!へへっ」

    結衣『…あのさ』
       『京子は、どこ大受けるんだっけ』

    京子「ん?あー…」
       「結衣と同じとこ、受けよっかなって思ってるんだけど」

    結衣『えっ!そ、そうなのか?』

    京子「へへ、そのつもり~」

    結衣『あ…そうだったのか』

    京子「結衣は決まってるよな?」

    70 :

    これこれ
    こういうのだよ

    71 = 10 :

    結衣『あー…』

    京子「ん?」

    結衣『じつはその…』

    京子「なんだよ、もったいぶるなよ!」
       「どんな難関大でも行って

    結衣『私も、京子の行く大学にって…思ってたんだけど』

    京子「やる…って…へ?」

    結衣『だから、あんまりはっきりとは決まってない』

    京子「…あー」


    京子「やばいでしょ!もう、秋だよ!!」

    結衣『お、落ち着け、京子!!』
       『とりあえず、オープンキャンパスどこに行ったんだ!?』

    京子「えっと…!大学はあそことあそこと…」

    結衣『私はココとソコ…』


    その日は、一晩中、大学の情報を共有し合って
    どの大学へ行くかという方向性を決めることができました…なんとか。

    72 = 66 :

    くぅ~!疲れました!

    って、ちゃんとやってね!

    73 :

    >>72
    気持ち悪い

    74 = 10 :

    ――――――――――――――――――センター試験、当日。

    あの、ハチャメチャな夜があってから、私は

    二人で決めた大学に行くために、勉強をひたすら頑張った。

    空いた時間があれば、できるだけ勉強をすることに費やした。

    それでも、夜は結衣との電話の時間をとるようにしていた。

    まぁ、前よりはだいぶ短くなっちゃったけど…仕方ない。


    センター試験は、結衣と同じ会場だった。

    違う高校、とは言っても、同じ地域だったから。


    京子「おはよう、結衣」

    結衣「おはよう…さむいな」

    京子「寒いっすねー…」
       「ほら、道もこんなに凍ってるよ~」

    結衣「…すb…気を付けないとな」

    京子「そ、そだな」

    京子「って、うわあぁ!!」ツルン

    75 = 10 :

    結衣「っと!」

    京子「わ…」

    結衣「だ、大丈夫か?」

    京子「な、ナイス結衣…」
       「危うく滑

    結衣「あーごほん!うん?」

    京子「…危ないところだった」

    結衣「…一応な」


    何よりも危ないのは、

    今の状態が結衣の腕の中ってことなんですけど…。


    あったかい…。


    京子「っていやいやいや!!」
       「なにセンター試験前にこんなこと思ってんだよ!!」

    結衣「いきなり何を言い出すんだ…」

    77 = 10 :

    京子「と、とにかく」
       「今日は、精一杯がんばりましょう、結衣さんや」

    結衣「そうだな」

    京子「…」

    京子「今度はさ」

    結衣「ん?」

    京子「絶対に、ぜーったいに」

    京子「結衣と同じ大学に行くから」

    結衣「…」

    結衣「あぁ、当然だろ」


    結衣「受からないはずがないんだよ、お前は」


    京子「…へへっ」
       「結衣もな!」

    結衣「あぁ、それも、当然だろ!」

    79 = 10 :

    センター試験が始まった。

    結衣とは、違う教室だった。

    それは、ちょっとありがたかった…。

    結衣がいたらきっと、気になってしまうからなぁ…。


    私は、今までの私とは全然違っていた。

    何度も繰り返して解いた問題に似たものが

    しわしわになるまで何度も読み返した教科書に載っていたことが

    何度も確認したマーカーのひかれた単語がある。


    約束したんだ、一緒の大学に行くって。

    もう、絶対に結衣を泣かせないって。


    全ての試験が終わったころには、私の手は真っ黒になっていた。

    今日はよくできた。

    明日も、しっかりやる。

    私がすることは、それだけだ。

    82 = 10 :

    ――――――――――――――――大学入試試験、当日

    ついに、試験の本番がやってきた。

    センター試験の判定は、Bだった。まずまずだと思う。

    結衣もB。

    合格圏ではあるけれど、まだまだ油断はできない、そんな判定。


    この大学は、国語か英語、そして小論文が試験の内容だ。

    何度も繰り返して、練習してきた。

    担当の先生に、何度も見てもらって

    時には、担当外の先生にも見てもらった。

    やれるだけのことをしてきた。

    そして今日、それを存分に発揮してくる。


    さすがの私たちも、今日は口数が少なかった。

    結衣の手は、少しだけ震えていた。

    …しょうがないから、思い切り手を握ってやった。

    84 = 10 :

    京子「…大丈夫だって」

    結衣「…あぁ」

    京子「受かるって」

    結衣「あぁ」

    京子「…受かってさ、一緒の大学、行こう」

    結衣「…そうだな」

    京子「…」


    その先に続けたい言葉があったけれど

    それは、受かった後に、とっておこう。



    京子「よし、行こう、結衣」

    結衣「そうだな、行くか、京子」

    85 = 10 :

    試験は、センターよりももっと難しかった。

    何度も、手が止まった。

    変な汗をかいた。

    ドキドキした。

    それでも、あの頃とは違う。

    手が止まっても、あの時みたいに

    戸惑うことなんて無い。

    この気持ちは絶対に揺るがないものだから。



    キーンコーンカーンコーン

    「やめっ!」


    「筆記用具を、机の上に置きなさい」

    86 = 10 :

    ―――――――――――――――合格発表、当日

    京子「うぅー…寒ぅ…」

    結衣「雪降ってるな…」

    合格発表の日は、あいにくの雪だった。

    風が吹いているから、とても寒い。

    周りにいる受験生たちも、鼻を赤くしながら、結果が張り出されるのを待っていた。

    京子「…緊張する?」

    結衣「あぁ…まぁな」

    京子「私も」

    結衣「…だろうな」


    スーツ姿の男の人や、女の人が

    丸めた紙をわきに抱えて、掲示板の前にやってきた。

    京子「来た…!」

    結衣「…っ」

    87 :

    結衣「ゴm」

    88 = 14 :

    どうだ?

    89 = 10 :

    掲示板に、紙が広げられる。

    数字がいくつも並んでいた。

    前の方にいた子たちは、抱きしめあって喜んだり

    ぴょんぴょんと跳ねていたり

    …涙を流したりする子もいた。

    京子「行こう、結衣」

    結衣「お、おい、引っ張るな」

    京子「大丈夫だって」

    京子「せーので見ようよ」

    結衣「…」
       「わかった…」

    掲示板の前に立つ。

    私たちの隣にも、何人も、掲示板に目をやっている人がいた。

    京子「よし、じゃあいくぞ…」

    結衣「…あぁ」

    「せーのっ!!」

    90 = 10 :

    京子「…」

    結衣「…」

    京子「あっ…」

    結衣「っ…!」

    京子「あった、あったよ!結衣!」

    結衣「わ、私も…あった…!!」

    京子「やった、受かったんだ!」

    結衣「そ、そうだ!うかったんだよ、京子!!」

    京子「やったー!!」


    嬉しさのあまり、思いっきり結衣に抱き着いてしまった。

    そうしたら、結衣も思いっきり抱きしめ返してくる。

    …目から涙がこぼれてきた。

    結衣も泣いているけれど

    今回ばっかりは、ノーカウントかな?

    91 = 14 :

    良かった

    92 = 10 :

    私たちは、掲示板の前から、人の少ない場所へと移動していった。

    さすがに、あの場所でいつまでも騒いでいるのも他の人に迷惑が掛かってしまうと思ったから。

    京子「はぁ…よかった…」

    結衣「うん…」

    京子「へへ」
       「これで一緒の大学に行けますね、結衣さん」

    結衣「…そ、うだな」

    結衣「まったく、誰かさんがまた落ちやしないかと心配だったんだぞ、こっちは」

    京子「し、失礼な!」

    京子「今回は私の方が心配する立場だったんじゃないかなぁ?」

    結衣「あとでセンターの点数を見比べてみるか?」

    京子「よっし、受けて立つぞ!」
       「あと、今回の試験の点数開示もな!」


    私には、今日すべきことがもう一つあった。

    試験当日に、言い損ねた…というか、今日言おうと決めたことを

    結衣に、言うんだ。

    94 = 10 :

    京子「あ、あのさー結衣」

    結衣「…どうした、京子」
       「…あらたまって」

    京子「いや、そのー」
       「なんていうかね…へへっ」

    結衣「…」

    京子「あーその…」

    ヤバイ…緊張する。

    ヘタしたら、試験の時より、緊張しているかも。

    なかなか、あー、とか、その、とかの先が出てこない。

    高校受験と同じ状態じゃん…。

    まずい、このままだと、失敗しちゃう。

    早く、早く、言わなくちゃ…。

    京子「…あn

    結衣「あのさ、京子」

    95 = 41 :

    ふんふむ

    96 = 10 :

    京子「…な、何?」

    結衣「私も、言いたいことがあったんだ」

    結衣「京子が言えないなら、さきに言っても…良い?」

    京子「…しょ、しょーがねーなー」
       「…うん」

    結衣「私…さ」

    結衣「京子が、高校落ちて」

    結衣「別の高校行くってなって…すっごく寂しかったんだ」

    結衣「友達はできてもさ、弁当の時も、授業の時も」

    結衣「いっつも、何かが足りないなって、そう思えてきたんだ」

    結衣「学校へ行く道も、騒がしい誰かさんがいないと、こんなにも静かなんだって」

    結衣「振り回されてばっかりだったけど…その日々がすっごく恋しく思えてきたんだ」

    京子「…結衣…?」

    結衣「誘われて、出かける休日も」

    結衣「泊りに来る平日も」

    結衣「すっごく待ち遠しかった」

    97 :

    この時間に良SSを見れるとは
    やはり夜更かしは三文の徳だったか

    98 = 10 :

    結衣「それってきっとさ」

    結衣「私の中で、京子っていう存在が」

    結衣「とっても大切なものだったからなんじゃないかなって…思って」

    京子「…」

    結衣「つまりその…」

    結衣「私は…お前のこと…」


    京子「ねぇ、結衣」

    結衣「…っ…な、何だよ」
       「これから…言おうと思って」


    京子「よければ、なんだけどさ」

    結衣「…ん?」


    京子「私と一緒に―――――――――――――

    99 = 10 :

    ――――――――――――――――――――――――
    ――――――――――――――――――――――
    ――――――――――――――――――――
    ――――――――――――――――――

    こ…ぅこ…

    京子!

    京子「ふぁいっ!?」

    結衣「やっと起きたか…」

    京子「…」
       「おはよう」

    結衣「おはよう」

    京子「あれ…私…」
       「そっか…レポートやってて…」

    結衣「まったく、お前…」

    結衣「資料に涎が…」

    京子「げっ!?ま、まじぃ!?」


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