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元スレP「もうすぐ、クリスマスがやってくる」
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律子「そのアイドルを悲しませるのは、プロデューサーとして本末転倒じゃないですか?」
その律子の言葉に、俺は非常に腹立たしい気持ちになった。
そんなこと、俺だって分かっている。
だけど、だけど……
P「雪歩を面と向かって愛してしまうと、今まで雪歩と築き上げてきたものが、全部崩れてしまう」
アイドルとプロデューサーの熱愛なんて、雪歩の身を滅ぼす行為だ。
仮に大きな騒ぎにならなくても、それが尾を引いて、もう決してトップアイドルになることはできないだろう。
小鳥さん「そんなものが、どうしたというのですか?」
P「そ、そんなもの!?」
小鳥さん「あなたが言った一言で『一人の女の子としての』雪歩ちゃんは、崩れたんですよ?」
P「そんな、まさか……」
その律子の言葉に、俺は非常に腹立たしい気持ちになった。
そんなこと、俺だって分かっている。
だけど、だけど……
P「雪歩を面と向かって愛してしまうと、今まで雪歩と築き上げてきたものが、全部崩れてしまう」
アイドルとプロデューサーの熱愛なんて、雪歩の身を滅ぼす行為だ。
仮に大きな騒ぎにならなくても、それが尾を引いて、もう決してトップアイドルになることはできないだろう。
小鳥さん「そんなものが、どうしたというのですか?」
P「そ、そんなもの!?」
小鳥さん「あなたが言った一言で『一人の女の子としての』雪歩ちゃんは、崩れたんですよ?」
P「そんな、まさか……」
小鳥さん「まさかもなにも、現に雪歩ちゃん、体調不良で休んでるじゃないですか」
P「でも、俺は、あいつの幸せを思って……」
小鳥さん「嘘ですね」
P「嘘なわけがないでしょう!」
小鳥さん「お姉さんだから分かります。あなたは雪歩ちゃんを理由にして逃げてるだけです」
P「何から逃げてるっていうんですか!」
俺は思わず、椅子から立ち上がった。
それでも小鳥さんは、俺から目を逸らさない。
P「でも、俺は、あいつの幸せを思って……」
小鳥さん「嘘ですね」
P「嘘なわけがないでしょう!」
小鳥さん「お姉さんだから分かります。あなたは雪歩ちゃんを理由にして逃げてるだけです」
P「何から逃げてるっていうんですか!」
俺は思わず、椅子から立ち上がった。
それでも小鳥さんは、俺から目を逸らさない。
律子「プロデューサー!」
律子の声に、俺はハッと我に返った。
P「すまん。つい……」
あの雪歩の時といい、俺はいったい、どうしたのだろう。
律子「これ」
律子は財布から千円札を取り出し、俺にずいと押しつけてきた。
よく見ると、メモも一緒だ。
律子「おつかいにでも行って、頭冷やしてきてください」
律子の声に、俺はハッと我に返った。
P「すまん。つい……」
あの雪歩の時といい、俺はいったい、どうしたのだろう。
律子「これ」
律子は財布から千円札を取り出し、俺にずいと押しつけてきた。
よく見ると、メモも一緒だ。
律子「おつかいにでも行って、頭冷やしてきてください」
俺は、公園のベンチに座り、ぼーっと呆けていた。
傍らには、頼まれたものが入った袋がある。カサカサと微かな風に揺れている。
小鳥さんが俺に言ったことが、まだ頭の中を回っている。
だけど、俺にはまだ分からない。なぜ、なにから、逃げているのか分からない。
P「ああ、どうしたら……!」
ベンチにだらしなく預けた体を、ぶん、と反動で起こす。
そして、そのまま頭を抱え、うずくまる。
??「プロデューサー……?」
聞き覚えのある声に、ゆっくりと顔を上げる。
目の前に、見覚えのある姿が、あった。
傍らには、頼まれたものが入った袋がある。カサカサと微かな風に揺れている。
小鳥さんが俺に言ったことが、まだ頭の中を回っている。
だけど、俺にはまだ分からない。なぜ、なにから、逃げているのか分からない。
P「ああ、どうしたら……!」
ベンチにだらしなく預けた体を、ぶん、と反動で起こす。
そして、そのまま頭を抱え、うずくまる。
??「プロデューサー……?」
聞き覚えのある声に、ゆっくりと顔を上げる。
目の前に、見覚えのある姿が、あった。
貴音「どうしたのですか? なにやら深刻そうですが……?」
今の自分の悩みを、普通なら、アイドルに話したりはしない。
自分の弱いところを見られただけで恥ずかしいのだ。
しかし、
P「……聞いて、くれるか……?」
そのときの俺は、到底普通じゃなかった。
普通なら、泣き顔なんて見せない。
俺はそれから、貴音に悩んでいる理由(わけ)を話した。
ひどく、支離滅裂だったかもしれない。聞き苦しい愚痴だっただろう。
その間、貴音は俺の隣で、ただずっと座って聞いていた
ただ無表情で、一度も俺のほうを見ることなく、遠くを見ていた。
俺は一通り、今までの顛末を話し終わった。
貴音がスッと、俺の方を向いてきた。相変わらず、微笑みもしない。
今の自分の悩みを、普通なら、アイドルに話したりはしない。
自分の弱いところを見られただけで恥ずかしいのだ。
しかし、
P「……聞いて、くれるか……?」
そのときの俺は、到底普通じゃなかった。
普通なら、泣き顔なんて見せない。
俺はそれから、貴音に悩んでいる理由(わけ)を話した。
ひどく、支離滅裂だったかもしれない。聞き苦しい愚痴だっただろう。
その間、貴音は俺の隣で、ただずっと座って聞いていた
ただ無表情で、一度も俺のほうを見ることなく、遠くを見ていた。
俺は一通り、今までの顛末を話し終わった。
貴音がスッと、俺の方を向いてきた。相変わらず、微笑みもしない。
貴音「プロデューサー……あなたは、真に身勝手ですね」
俺は、激しく動揺した。
つまりそれは、まったく情けないことだが、貴音は俺に同情してくれると思っていたのだ。
P「俺の、俺のどこが身勝手だというんだ!?」
貴音の目が、一層鋭いものになる。
貴音「さっきから聞いていれば、雪歩殿がトップアイドルになれない等、どうのこうのと雪歩殿のことばかり……自分はどうなるか、考えたことはないのですか?」
P「俺はどうなってもいい。俺よりも、雪歩だ」
貴音「本当に、自分はどうなってもいいのですか?」
P「……そりゃ、雪歩のファンには恨まれるかもしれないが」
貴音「かも、ではありません。十中八九、恨まれます。運が良くても、ファンに襲われるでしょう」
凄みのある貴音の声に、俺は体が底冷えした。
貴音から初めて感じる、恐怖。
俺は、激しく動揺した。
つまりそれは、まったく情けないことだが、貴音は俺に同情してくれると思っていたのだ。
P「俺の、俺のどこが身勝手だというんだ!?」
貴音の目が、一層鋭いものになる。
貴音「さっきから聞いていれば、雪歩殿がトップアイドルになれない等、どうのこうのと雪歩殿のことばかり……自分はどうなるか、考えたことはないのですか?」
P「俺はどうなってもいい。俺よりも、雪歩だ」
貴音「本当に、自分はどうなってもいいのですか?」
P「……そりゃ、雪歩のファンには恨まれるかもしれないが」
貴音「かも、ではありません。十中八九、恨まれます。運が良くても、ファンに襲われるでしょう」
凄みのある貴音の声に、俺は体が底冷えした。
貴音から初めて感じる、恐怖。
どうでもいいけどお姫ちんはカタカナ→ひらがな表記が基本だった希ガス
P「お、おい。それは考えすぎじゃないか」
貴音「プロデューサー!」
情けない。ただただ情けない。
俺は貴音の怒鳴り声に、怯えてしまった。
貴音「あなたは、甘いです。まるで自分には火の粉がかからぬような言い草」
貴音「私には、あなたが卑怯者にしか見えません」
P「貴音……」
貴音「それでは、失礼いたします」
貴音はベンチから立ち上がり、去ってしまった、一度も俺の方を向くことなく。
俺は貴音の姿が見えなくなるまで、その後ろ姿をただ眺めるしかできなかった。
貴音「プロデューサー!」
情けない。ただただ情けない。
俺は貴音の怒鳴り声に、怯えてしまった。
貴音「あなたは、甘いです。まるで自分には火の粉がかからぬような言い草」
貴音「私には、あなたが卑怯者にしか見えません」
P「貴音……」
貴音「それでは、失礼いたします」
貴音はベンチから立ち上がり、去ってしまった、一度も俺の方を向くことなく。
俺は貴音の姿が見えなくなるまで、その後ろ姿をただ眺めるしかできなかった。
>>60
oh,ご指摘ありがとうございます
oh,ご指摘ありがとうございます
P「卑怯者か……」
P「俺は、ただ雪歩の幸せを考えて……」
その時、静かな公園に不釣り合いなほど軽快なメロディが流れた。
慌てて、俺は携帯電話を取り出す。律子からだ。
P「――もしもし?」
律子「プ、プロデューサー、大変です!!」
思わず、しかめ面で電話から顔を離す。
俺はその顔のまま、電話に戻る。
律子「た、大変なんです! どうしましょう!?」
大変な動揺は伝わってきたが、それしか分からない。
律子をなだめて、落ち着いて聞く、何があったのかと。
P「雪歩が、アイドルを辞める……?」
俺が、崩れた。
P「俺は、ただ雪歩の幸せを考えて……」
その時、静かな公園に不釣り合いなほど軽快なメロディが流れた。
慌てて、俺は携帯電話を取り出す。律子からだ。
P「――もしもし?」
律子「プ、プロデューサー、大変です!!」
思わず、しかめ面で電話から顔を離す。
俺はその顔のまま、電話に戻る。
律子「た、大変なんです! どうしましょう!?」
大変な動揺は伝わってきたが、それしか分からない。
律子をなだめて、落ち着いて聞く、何があったのかと。
P「雪歩が、アイドルを辞める……?」
俺が、崩れた。
俺は急いで、雪歩の家へと向かった。
心臓の動悸は、きっと走ったせいではない。
雪歩の家の、大きな門の前まできた。
俺は、息を整えながら、インターホンを押した。
しばらくして、渋い男の声がした。
雪歩の、父の声だ。
P「な、765プロのプロデューサーです! あの、雪歩に会わせてください!」
雪歩父「……すまないが、帰ってくれ」
ブツリという音と共に、会話はそれで終わった。
俺はもう一度、インターホンを押した。
心臓の動悸は、きっと走ったせいではない。
雪歩の家の、大きな門の前まできた。
俺は、息を整えながら、インターホンを押した。
しばらくして、渋い男の声がした。
雪歩の、父の声だ。
P「な、765プロのプロデューサーです! あの、雪歩に会わせてください!」
雪歩父「……すまないが、帰ってくれ」
ブツリという音と共に、会話はそれで終わった。
俺はもう一度、インターホンを押した。
失礼でも、不作法でも、俺は何度もインターホンを押し続けた。
すると、門がガチャリと、わずかに開いた。
まだ俺と同い年くらいの、黒服に身を包んだ若者が、二人出てきた。
男>1「プロデューサーさん、すみませんが、お引き取り願えませんか」
P「雪歩に、会わせてください!」
男>2「お嬢は、疲れています。お引き取りを」
男達は、両側から俺の腕を掴み、門の前から引き離そうとする。
俺は抵抗した。
P「離してくれ! 雪歩に会うまで、俺は帰らない!」
男>1「……会って、どうするんです?」
P「会って、話を聞くんだ! なぜアイドルを辞めるのか! それを、聞くんだ!」
俺を掴む男達の力が、少し強くなった。
だが、顔は悲しそうに、俺を見ていた。
すると、門がガチャリと、わずかに開いた。
まだ俺と同い年くらいの、黒服に身を包んだ若者が、二人出てきた。
男>1「プロデューサーさん、すみませんが、お引き取り願えませんか」
P「雪歩に、会わせてください!」
男>2「お嬢は、疲れています。お引き取りを」
男達は、両側から俺の腕を掴み、門の前から引き離そうとする。
俺は抵抗した。
P「離してくれ! 雪歩に会うまで、俺は帰らない!」
男>1「……会って、どうするんです?」
P「会って、話を聞くんだ! なぜアイドルを辞めるのか! それを、聞くんだ!」
俺を掴む男達の力が、少し強くなった。
だが、顔は悲しそうに、俺を見ていた。
男>2「残念です。プロデューサーさん……」
P「本当に残念に思ってるなら、雪歩をそう思う気持ちがあるなら、離してくれ!」
俺の言葉に、男達の表情が、また一層、暗いものになった。
なぜだ。どうして、そんな顔をする!?
男>1「……高木社長を、呼べ」
男>2「はい……どうしてですか、プロデューサーさん……」
がたいのいい男二人が、涙ぐんでいた。
俺は、わけが分からなかった。
ほどなくして、俺は車で駆け付けた高木社長に胸倉を掴まれ、連行された。
社長まで涙ぐんでいたのを、はっきりと覚えている。
P「本当に残念に思ってるなら、雪歩をそう思う気持ちがあるなら、離してくれ!」
俺の言葉に、男達の表情が、また一層、暗いものになった。
なぜだ。どうして、そんな顔をする!?
男>1「……高木社長を、呼べ」
男>2「はい……どうしてですか、プロデューサーさん……」
がたいのいい男二人が、涙ぐんでいた。
俺は、わけが分からなかった。
ほどなくして、俺は車で駆け付けた高木社長に胸倉を掴まれ、連行された。
社長まで涙ぐんでいたのを、はっきりと覚えている。
自宅謹慎。
社長から俺に下された処分は、無期限の自宅謹慎だった。
俺は自宅で、まるで廃人のような生活を送った。
起きているのか寝ているのか、生きているのか死んでいるのか……分からない。
雪歩の引退は、社長の根回しのおかげか、まだマスコミにはバレていなかった。
しかし、もうあと二週間を切った、クリスマスイヴの番組に出られないとなると、それがバレるのも時間の問題だろう。
P「…………」
虚ろな目で見る部屋の景色は、灰色。
机の上のカッター、床に放り出された長めのタオル……
俺は何も考えずに、いや、考えすぎて疲れた頭で、手を伸ばす。
もう、何もかも…………どうでもいい。
社長から俺に下された処分は、無期限の自宅謹慎だった。
俺は自宅で、まるで廃人のような生活を送った。
起きているのか寝ているのか、生きているのか死んでいるのか……分からない。
雪歩の引退は、社長の根回しのおかげか、まだマスコミにはバレていなかった。
しかし、もうあと二週間を切った、クリスマスイヴの番組に出られないとなると、それがバレるのも時間の問題だろう。
P「…………」
虚ろな目で見る部屋の景色は、灰色。
机の上のカッター、床に放り出された長めのタオル……
俺は何も考えずに、いや、考えすぎて疲れた頭で、手を伸ばす。
もう、何もかも…………どうでもいい。
春香「プロデューサーさーん!」
P「!」
伸ばした手が、止まる。
玄関から聞こえる。あの声は……・
春香「お願いします! 開けてください! プロデューサーさん!」
チャイムとドアの連打。俺の名前を連呼。
ゆらりと俺は、立ちあがった。
春香「――プロデューサーさん!」
ドアを開けた直後、みぞおち辺りに強い衝撃を感じた。
続いて、強く体を締め付けられる感触。
春香「プロデューサーさん! プロデューサーさん!」
俺の腹に顔をうずめ、泣きじゃくっている。
春香の姿が、そこにあった。
P「!」
伸ばした手が、止まる。
玄関から聞こえる。あの声は……・
春香「お願いします! 開けてください! プロデューサーさん!」
チャイムとドアの連打。俺の名前を連呼。
ゆらりと俺は、立ちあがった。
春香「――プロデューサーさん!」
ドアを開けた直後、みぞおち辺りに強い衝撃を感じた。
続いて、強く体を締め付けられる感触。
春香「プロデューサーさん! プロデューサーさん!」
俺の腹に顔をうずめ、泣きじゃくっている。
春香の姿が、そこにあった。
Pに対する周囲の要求が厳しすぎる……相手が雪歩だから仕方ないかもしれんが
春香「はい、どうぞ。ろくなもの食べてないんでしょう?」
机の上に、湯気の立った料理が置かれていく。
色鮮やかな料理が、4、5品ほど並ぶ。
春香「食べてください、プロデューサーさん」
P「……」
腹が空いていなかったわけではないが、箸を持つ気力さえ無かった。
それを見て春香は、微笑みながら、自分の箸を取った。
春香「はい、アーン」
春香は、優しい目で笑っていた。
俺は、口を開けた。
机の上に、湯気の立った料理が置かれていく。
色鮮やかな料理が、4、5品ほど並ぶ。
春香「食べてください、プロデューサーさん」
P「……」
腹が空いていなかったわけではないが、箸を持つ気力さえ無かった。
それを見て春香は、微笑みながら、自分の箸を取った。
春香「はい、アーン」
春香は、優しい目で笑っていた。
俺は、口を開けた。
口の中に、甘辛い味覚が広がる。
ゆっくり咀嚼する。飲み込む。
春香「はい、アーン」
俺は、再び口を開ける。
まるで、親鳥から餌をもらう、雛。
俺は、泣いた。
遠い昔に枯れ果てたと思っていた涙が、あふれた。
歪む視界の中で、春香はさらに笑顔になったような、そんな気がした。
ゆっくり咀嚼する。飲み込む。
春香「はい、アーン」
俺は、再び口を開ける。
まるで、親鳥から餌をもらう、雛。
俺は、泣いた。
遠い昔に枯れ果てたと思っていた涙が、あふれた。
歪む視界の中で、春香はさらに笑顔になったような、そんな気がした。
あれから、春香はほぼ毎日、俺の家に来てくれた。
いつのまにか、俺の心の大部分は、春香が占めていた。
春香「はい、プロデューサーさん。今日はオムライスですよ!」
P「ありがとう、春香」
料理以外にも、洗濯、掃除などの家事を、一手に引き受けてくれた。
もう俺は、春香無しでは生きられないのかもしれない。
いつのまにか、俺の心の大部分は、春香が占めていた。
春香「はい、プロデューサーさん。今日はオムライスですよ!」
P「ありがとう、春香」
料理以外にも、洗濯、掃除などの家事を、一手に引き受けてくれた。
もう俺は、春香無しでは生きられないのかもしれない。
何気なくつけていたテレビから、天気予報士の声が聞こえる。
『今日の天気は、曇り時々、雨か雪でしょう』
雪。
スプーンを持ったまま、俺の手は止まった。
春香「……ねえ、プロデューサーさん」
机の対面に座っていた春香が、近づいてきた。
俺の隣に、近すぎるほどくっついてきた。
春香「……忘れましょうよ」
俺は、ゆっくりと首を回した。春香の顔を、見る。
春香は、静かに笑っていた。
『今日の天気は、曇り時々、雨か雪でしょう』
雪。
スプーンを持ったまま、俺の手は止まった。
春香「……ねえ、プロデューサーさん」
机の対面に座っていた春香が、近づいてきた。
俺の隣に、近すぎるほどくっついてきた。
春香「……忘れましょうよ」
俺は、ゆっくりと首を回した。春香の顔を、見る。
春香は、静かに笑っていた。
春香「辛いことをいつまでも引きずるなんて、体によくありません」
とうとう、俺に抱きついてきた。
スプーンが、手から滑り落ちた。
春香「私は、雪歩と違う。何があっても、一生側に居ます」
P「だけど、俺と、春香は、プロデューサーと、アイドル……」
春香「心配しないでください」
上目づかいで、俺を覗きこんでくる春香。
彼女の口の端が、釣り上った。
春香「ばれても、全部私のせいにしちゃえばいいんです……」
とうとう、俺に抱きついてきた。
スプーンが、手から滑り落ちた。
春香「私は、雪歩と違う。何があっても、一生側に居ます」
P「だけど、俺と、春香は、プロデューサーと、アイドル……」
春香「心配しないでください」
上目づかいで、俺を覗きこんでくる春香。
彼女の口の端が、釣り上った。
春香「ばれても、全部私のせいにしちゃえばいいんです……」
俺は、春香から視線を逸らすことができなかった。
ただ、ただ、固まっていた。
春香「そうすれば、少なくとも非難されるのは私。あなたは傷つかない……」
俺は、傷つかない……
春香「私が、あなたを一生守ってあげます……!」
春香が、俺を守ってくれる……
だんだんと、春香の顔が、近づいてくる。
春香はそっと、目を閉じた。
春香「プロデューサー……好きです」
ただ、ただ、固まっていた。
春香「そうすれば、少なくとも非難されるのは私。あなたは傷つかない……」
俺は、傷つかない……
春香「私が、あなたを一生守ってあげます……!」
春香が、俺を守ってくれる……
だんだんと、春香の顔が、近づいてくる。
春香はそっと、目を閉じた。
春香「プロデューサー……好きです」
そのときだった。向かいの窓に、小さな水滴がぶつかった。
それは、ポツポツと何度も窓を打ち付ける。
春香の頬は、薄紅色に染まっている。
窓が、濡れていく。
うっすらと流れるその様子は、まるで涙のようで……
薄紅色の頬。
うっすらと流れる涙。
――『……です……』
――『好きです、プロデューサー』
P「……ち、違う」
春香「え?」
それは、ポツポツと何度も窓を打ち付ける。
春香の頬は、薄紅色に染まっている。
窓が、濡れていく。
うっすらと流れるその様子は、まるで涙のようで……
薄紅色の頬。
うっすらと流れる涙。
――『……です……』
――『好きです、プロデューサー』
P「……ち、違う」
春香「え?」
P「違う!」
俺は、春香を押しのけた。
頭を覆い、かぶりをふる。
P「違う……違う…違う、違う違う違う!!!」
P「そうじゃない!」
初めて、俺は、自分の浅はかさに気がついた。
反吐が、言葉として出る。流れ出る。
P「自分のことしか、考えていなかった……雪歩の幸せを案じるふりをして、自分しか守っていなかった……! 自分の保身しか考えていなかった……」
俺は、春香を押しのけた。
頭を覆い、かぶりをふる。
P「違う……違う…違う、違う違う違う!!!」
P「そうじゃない!」
初めて、俺は、自分の浅はかさに気がついた。
反吐が、言葉として出る。流れ出る。
P「自分のことしか、考えていなかった……雪歩の幸せを案じるふりをして、自分しか守っていなかった……! 自分の保身しか考えていなかった……」
P「何が、今まで積み重ねてきたものだ……! そんなもの、只の俺のわがまま……!」
俺は立ち上がり、唇を噛みしめた。
歯がぎりぎりと、音を出す。
春香「プ、プロデューサーさん!?」
P「雪歩ぉ!」
俺は、車の鍵を掴み、そのまま家を飛び出した。
そして、駐車場に止めてある車に飛び乗る。
パジャマだろうが裸足だろうが、そんなことはお構いなしに、俺は車を走らせた。
雪歩の家は、そこまで遠くない。
俺は立ち上がり、唇を噛みしめた。
歯がぎりぎりと、音を出す。
春香「プ、プロデューサーさん!?」
P「雪歩ぉ!」
俺は、車の鍵を掴み、そのまま家を飛び出した。
そして、駐車場に止めてある車に飛び乗る。
パジャマだろうが裸足だろうが、そんなことはお構いなしに、俺は車を走らせた。
雪歩の家は、そこまで遠くない。
春香「……」
貴音「これで、良かったのですか……?」
春香「た、貴音さん!? いつのまに玄関に……」
貴音「いくら自分から、悪者役を買って出ると言ったとしても……あまりにも春香が可哀そうです。事務所の皆も、心配しています」
春香「……いいんです。少しの間だけだったけど、私、プロデューサーさんに尽くすことができましたから」
春香「それに、私が好きなプロデューサーは、自宅に引きこもっているんじゃなくて……」
春香「あんな風に、雪歩が好きな、プロデューサーなんですから……!」
貴音「……今ぐらいは、泣いてもいいのですよ?」
春香「…………ひゃい」
貴音「お疲れ様です。春香……」
貴音「これで、良かったのですか……?」
春香「た、貴音さん!? いつのまに玄関に……」
貴音「いくら自分から、悪者役を買って出ると言ったとしても……あまりにも春香が可哀そうです。事務所の皆も、心配しています」
春香「……いいんです。少しの間だけだったけど、私、プロデューサーさんに尽くすことができましたから」
春香「それに、私が好きなプロデューサーは、自宅に引きこもっているんじゃなくて……」
春香「あんな風に、雪歩が好きな、プロデューサーなんですから……!」
貴音「……今ぐらいは、泣いてもいいのですよ?」
春香「…………ひゃい」
貴音「お疲れ様です。春香……」
ほどなくして、俺は、雪歩の家の近くまできた。
普通に雪歩の家を訪ねても、門前払いされることは容易に想像できた。
ならば、普通に訪ねなければいいこと。
俺は、車のアクセルを目いっぱい踏んだ。
そして、ためらうことなく、門に体当たりをした。
けたたましい音と共に、エアバッグが飛び出し、俺は、激しく体を揺さぶられた。
普通に雪歩の家を訪ねても、門前払いされることは容易に想像できた。
ならば、普通に訪ねなければいいこと。
俺は、車のアクセルを目いっぱい踏んだ。
そして、ためらうことなく、門に体当たりをした。
けたたましい音と共に、エアバッグが飛び出し、俺は、激しく体を揺さぶられた。
アイマスでやる必要性が無いな。 二次創作でキャラ崩壊って倹約家のスネ夫かよ
車が止まり、車体を打つ雨音が、鮮明に聞こえてきた。
門は、車の後ろで、変な形にひしゃげていた。
男>1「な、なんですかい!?」
男>2「こ、これは……!?」
家屋の方向から、傘もささずに、あの二人の黒服達が走ってきた。
潰れた車と曲がった門を見て、唖然としている。
俺は、驚く黒服二人を尻目に、車から降りた。
幸い、大きな怪我はしていないようだった。
門は、車の後ろで、変な形にひしゃげていた。
男>1「な、なんですかい!?」
男>2「こ、これは……!?」
家屋の方向から、傘もささずに、あの二人の黒服達が走ってきた。
潰れた車と曲がった門を見て、唖然としている。
俺は、驚く黒服二人を尻目に、車から降りた。
幸い、大きな怪我はしていないようだった。
>>94
言ってること合ってるのに下手な比喩で台無しwwwあれしかももしもしwww
言ってること合ってるのに下手な比喩で台無しwwwあれしかももしもしwww
>>1は(かっけぇ……)とでも思ってるんだろうな
男>1「プ、プロデューサーさん……!」
男>2「あなた、なんてことを!」
P「雪歩に……雪歩に会わせてくれ」
男>1「お嬢を……お嬢を説得しにきたんですか!?」
男>2「そんなことしても、決してお嬢は!」
P「違う!!」
俺は、その場に座り込み、頭を下げた。
額を地面にこすりつけて、土下座をする。
P「俺は、雪歩に謝りに来たんだ!」
二人の男の表情は分からないが、あたふたしている様子は伝わってきた。
車で特攻してきたと思ったら、土下座をしている男に、明らかに面喰らっていた。
男>2「あなた、なんてことを!」
P「雪歩に……雪歩に会わせてくれ」
男>1「お嬢を……お嬢を説得しにきたんですか!?」
男>2「そんなことしても、決してお嬢は!」
P「違う!!」
俺は、その場に座り込み、頭を下げた。
額を地面にこすりつけて、土下座をする。
P「俺は、雪歩に謝りに来たんだ!」
二人の男の表情は分からないが、あたふたしている様子は伝わってきた。
車で特攻してきたと思ったら、土下座をしている男に、明らかに面喰らっていた。
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