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元スレ幼女「にーさん」
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幼「あ! ここです、このスーパーです!」
「良かった、お役に立てたようで」
幼「ありがとうございました! それでは──」
「せっかくだから、おじさんが飲み物とお菓子を買ってあげようか」
幼「え?」
「おじさんがお金を払うから、君はお金を出さなくて済むんだよ」
幼「……」
「あ、別に怪しいことなんてしないからね。買ったらそれっきり、君に全部あげておじさんは帰るから──」
幼「ごめんなさい」
幼「幼が今ここにいるのは、にーさんにおつかいをたのまれたからです」
幼「のみものやおかしはだいたい幼のほしいものですが、このお金はにーさんのお金なんです」
幼「にーさんのために、どうしてもおつかいをせいこうさせたいんです。なので──」
幼「ありがとうございます。でも、ごめんなさい」
「……」
「……君は偉いね」
「良かった、お役に立てたようで」
幼「ありがとうございました! それでは──」
「せっかくだから、おじさんが飲み物とお菓子を買ってあげようか」
幼「え?」
「おじさんがお金を払うから、君はお金を出さなくて済むんだよ」
幼「……」
「あ、別に怪しいことなんてしないからね。買ったらそれっきり、君に全部あげておじさんは帰るから──」
幼「ごめんなさい」
幼「幼が今ここにいるのは、にーさんにおつかいをたのまれたからです」
幼「のみものやおかしはだいたい幼のほしいものですが、このお金はにーさんのお金なんです」
幼「にーさんのために、どうしてもおつかいをせいこうさせたいんです。なので──」
幼「ありがとうございます。でも、ごめんなさい」
「……」
「……君は偉いね」
さっきから頭の中が「♪ドーレミファソラシド~」エンドレスなんだが
男(ふう。ようやく解放された)
男(全く、怪しい人って何の話だよ。俺は幼ちゃんを見守ってるだけなんだから、知ってるはずないだろ)
男(って幼ちゃん! 幼ちゃんはどこ行った!?)
男(確か、思いっきり逆方向に向かっていったよな。くそっ、速く探──)
幼「んしょ、よいしょっ」
男(あれれれれっ? な、なんでスーパー側から──あ、隠れないと)
幼「重い、けど……」
幼「にーさんのためですっ」
男(結局、よくわからない内に買えたんだ……幼ちゃん、ええ子や)
幼「それで、いっぱい、ほめてもらいます」
幼「いいこだって、なでなでしてもらって、おかしを食べて……」
幼「めいよへんじょうするんです!」
男(……幼ちゃん)
男(やっぱり間違えてるよ)
男(全く、怪しい人って何の話だよ。俺は幼ちゃんを見守ってるだけなんだから、知ってるはずないだろ)
男(って幼ちゃん! 幼ちゃんはどこ行った!?)
男(確か、思いっきり逆方向に向かっていったよな。くそっ、速く探──)
幼「んしょ、よいしょっ」
男(あれれれれっ? な、なんでスーパー側から──あ、隠れないと)
幼「重い、けど……」
幼「にーさんのためですっ」
男(結局、よくわからない内に買えたんだ……幼ちゃん、ええ子や)
幼「それで、いっぱい、ほめてもらいます」
幼「いいこだって、なでなでしてもらって、おかしを食べて……」
幼「めいよへんじょうするんです!」
男(……幼ちゃん)
男(やっぱり間違えてるよ)
幼「はあ、はぁっ、着いた……」
男(おめでとう幼ちゃん、よくがんばったね!)
がちゃ
幼「にーさん、ただいまっ!」
男(────ん?)
男(俺が先に戻らなきゃダメじゃん!? しかも鍵掛けてなかったし!)
がちゃ
男「た、ただいまー……」
幼「……にーさん。幼がおつかい中だったのに、どうしてにーさんまでそとに出てたんですか」
幼「もしかしてしんぱいだからって、幼に着いてったんじゃないですか……?」
男「……は、はは、幼ちゃんは賢いね、ニュータイプなのかな」
幼「女のちょっかんです!」
男(──それから、俺は幼ちゃんの手や足や椅子となった)
男(尤も、お使いの疲れによるものなのか、幼ちゃんがすぐに寝付いてしまったので、非常に短い間のことだったが──)
男(おめでとう幼ちゃん、よくがんばったね!)
がちゃ
幼「にーさん、ただいまっ!」
男(────ん?)
男(俺が先に戻らなきゃダメじゃん!? しかも鍵掛けてなかったし!)
がちゃ
男「た、ただいまー……」
幼「……にーさん。幼がおつかい中だったのに、どうしてにーさんまでそとに出てたんですか」
幼「もしかしてしんぱいだからって、幼に着いてったんじゃないですか……?」
男「……は、はは、幼ちゃんは賢いね、ニュータイプなのかな」
幼「女のちょっかんです!」
男(──それから、俺は幼ちゃんの手や足や椅子となった)
男(尤も、お使いの疲れによるものなのか、幼ちゃんがすぐに寝付いてしまったので、非常に短い間のことだったが──)
もじっ
幼「にーさん、その」
男「ん、なに?」
幼「……トイレ、借りてもいいですか?」
男「返してくれる?」
幼「? あの、んーとっ。ちゃんと、かえします」
男「どうやって?」
幼「っ!? ど、どうやって?」
幼「にーさんが幼のおうちに来たときに、トイレをかしますから」
男「そんなの当たり前だよ。それじゃ返すことにならないよ」
幼「……いじめないでくださいっ! 幼のことがキライになっちゃったんですか!?」
男「ううん、意地悪してごめんね、好きだよ。行っておいで」
幼「っあ……ば、ばかです。にーさんの、ばか」
幼(……好きだなんて、い、言うから……気がぬけて、すこしだけ……)
男(小さい子相手に何やってんだろ俺)
幼「にーさん、その」
男「ん、なに?」
幼「……トイレ、借りてもいいですか?」
男「返してくれる?」
幼「? あの、んーとっ。ちゃんと、かえします」
男「どうやって?」
幼「っ!? ど、どうやって?」
幼「にーさんが幼のおうちに来たときに、トイレをかしますから」
男「そんなの当たり前だよ。それじゃ返すことにならないよ」
幼「……いじめないでくださいっ! 幼のことがキライになっちゃったんですか!?」
男「ううん、意地悪してごめんね、好きだよ。行っておいで」
幼「っあ……ば、ばかです。にーさんの、ばか」
幼(……好きだなんて、い、言うから……気がぬけて、すこしだけ……)
男(小さい子相手に何やってんだろ俺)
男「うー、トイレトイレ」
幼「……にーさんっ!」
男「お、ガイナ立ち」
幼「ここを通りたければ、幼のクイズにこたえてください!」
男(……この前の恨みかな?)
男「うん、いいよ。すぐに答えてやる」
幼「ふふっ、幼のクイズはむずかしいですよ。では、はじめます」
幼「幼の好きなホウセキはいったい何でしょうか?」
男「宝石? 女の子だしなぁ、綺麗な宝石だったらどれも好きなんじゃない?」
幼「ぶぶーっ、はずれです。幼にだってこだわりはあるんですよ! ヒントはにーさんです!」
男「え、俺? ……んー、全然わかんないや」
幼「くふふ、じゃあにーさんのまけですね、ここは通してあげません──って」
すたすた
幼「だめですっ、だめですってばあっ! せいかいしたら! せいかいしないとだめなのっ!」
男(必死に押さえようとしてる幼ちゃんマジ天使。答えわからんままだけど)
幼「……にーさんっ!」
男「お、ガイナ立ち」
幼「ここを通りたければ、幼のクイズにこたえてください!」
男(……この前の恨みかな?)
男「うん、いいよ。すぐに答えてやる」
幼「ふふっ、幼のクイズはむずかしいですよ。では、はじめます」
幼「幼の好きなホウセキはいったい何でしょうか?」
男「宝石? 女の子だしなぁ、綺麗な宝石だったらどれも好きなんじゃない?」
幼「ぶぶーっ、はずれです。幼にだってこだわりはあるんですよ! ヒントはにーさんです!」
男「え、俺? ……んー、全然わかんないや」
幼「くふふ、じゃあにーさんのまけですね、ここは通してあげません──って」
すたすた
幼「だめですっ、だめですってばあっ! せいかいしたら! せいかいしないとだめなのっ!」
男(必死に押さえようとしてる幼ちゃんマジ天使。答えわからんままだけど)
幼「……むむむ」
男「何読んでるのかと思ったら。幼ちゃん、そいつ嫌いなんじゃなかったっけ」
幼「キライです、どうしてにーさんのお部屋にあるのかわからないくらいキライです」
男(昔俺が好きだった絵本だからなぁ)
男「でもそれ読むの二回目だよね。どうして急に?」
幼「もう一度、かんがえてみたくなったのです。幼とこのアクマ──ピーターパンは、どっちがただしいのか」
男「悪魔て。別にピーターパンは悪いヤツじゃないと思うけど」
幼「ずっと子どものままでいるという、ネバーランドにつれていかれちゃうんですよ?」
幼「幼は大人になれないなんてイヤです。ずっと子供だと、好きな人とケッコンできません!」
幼「だいたいネバーランドってなんですか、ねばねばしてそうでなおさらイヤです!」
男(ピーターパンにここまで怒り心頭な子初めて見た)
男「幼ちゃんが大人になるってことは周りも大人になるんだよ」
男「そしたらその頃の俺はおじさんになってるし、幼ちゃんを膝の上に乗せることもできない。それなら子供のままでいた方がいいんじゃないかな」
幼「……ううう。だからピーターパンはアクマなんです。幼をこんなにもかっとうさせるから……」
男「……あと、ピーターパンは子供達を無理やり攫っていく訳じゃないからね」
男「何読んでるのかと思ったら。幼ちゃん、そいつ嫌いなんじゃなかったっけ」
幼「キライです、どうしてにーさんのお部屋にあるのかわからないくらいキライです」
男(昔俺が好きだった絵本だからなぁ)
男「でもそれ読むの二回目だよね。どうして急に?」
幼「もう一度、かんがえてみたくなったのです。幼とこのアクマ──ピーターパンは、どっちがただしいのか」
男「悪魔て。別にピーターパンは悪いヤツじゃないと思うけど」
幼「ずっと子どものままでいるという、ネバーランドにつれていかれちゃうんですよ?」
幼「幼は大人になれないなんてイヤです。ずっと子供だと、好きな人とケッコンできません!」
幼「だいたいネバーランドってなんですか、ねばねばしてそうでなおさらイヤです!」
男(ピーターパンにここまで怒り心頭な子初めて見た)
男「幼ちゃんが大人になるってことは周りも大人になるんだよ」
男「そしたらその頃の俺はおじさんになってるし、幼ちゃんを膝の上に乗せることもできない。それなら子供のままでいた方がいいんじゃないかな」
幼「……ううう。だからピーターパンはアクマなんです。幼をこんなにもかっとうさせるから……」
男「……あと、ピーターパンは子供達を無理やり攫っていく訳じゃないからね」
幼「~~~、」
男(気分良く鼻歌をバックミュージックに、いつも通り絵を描いている幼ちゃんだが)
男(この緑色の人らしき物体は……うん、最早ツッコまないけど、何だか聞くのも躊躇われるなぁ)
幼「ふぅ、かんせいしましたっ。あ、にーさん」
男「えーと、今回の幼ちゃんの作品は?」
幼「ずばり、幼のミライです!」
男「この幼ちゃん、看護士みたいな格好してるね」
幼「幼のしょうらいのユメはかんごふさんなんです」
男「へー、幼ちゃんはナースになりたいんだ、初めて聞いたよ」
幼「だいすきな人がビョーキにかかっても、すぐに治すことができますから。しにそうになっても、ずっといっしょです」
男(……少々、なりたい理由がヤンデレ的というか。この歳でそれはいいのだろうか)
男「じゃあこの、ベッドに横たわってると思われる緑色のナニカは?」
幼「もちろんにーさんです、ケッコン済みです!」
男「ああーやっぱり期待を裏切らないね幼ちゃんは。幼ちゃんが肌色で俺が緑色って、これもう狙ってやってるよね」
男「──っていうか、この俺は病気なの? 死にそうなの? 急になぜか未来が怖くなってきたよ」
男(気分良く鼻歌をバックミュージックに、いつも通り絵を描いている幼ちゃんだが)
男(この緑色の人らしき物体は……うん、最早ツッコまないけど、何だか聞くのも躊躇われるなぁ)
幼「ふぅ、かんせいしましたっ。あ、にーさん」
男「えーと、今回の幼ちゃんの作品は?」
幼「ずばり、幼のミライです!」
男「この幼ちゃん、看護士みたいな格好してるね」
幼「幼のしょうらいのユメはかんごふさんなんです」
男「へー、幼ちゃんはナースになりたいんだ、初めて聞いたよ」
幼「だいすきな人がビョーキにかかっても、すぐに治すことができますから。しにそうになっても、ずっといっしょです」
男(……少々、なりたい理由がヤンデレ的というか。この歳でそれはいいのだろうか)
男「じゃあこの、ベッドに横たわってると思われる緑色のナニカは?」
幼「もちろんにーさんです、ケッコン済みです!」
男「ああーやっぱり期待を裏切らないね幼ちゃんは。幼ちゃんが肌色で俺が緑色って、これもう狙ってやってるよね」
男「──っていうか、この俺は病気なの? 死にそうなの? 急になぜか未来が怖くなってきたよ」
ぴんぽーん
男「はいはーい」
母「こんばんは。夜遅くにすみません」
男「ああお隣さん。どうしたんですか?」
母「あの、いきなりで申し訳ないんですけれども。晩ご飯はもうお摂りになられましたか?」
男「いえ、まだですよ。献立すら決めていませんでした」
母「でしたら、うちの晩ご飯を食べに来て頂けませんか?」
男「──へっ?」
母「まだ料理の途中なんですが……今日は娘も手伝ってくれまして、」
母「まともなお礼も未だに出来ていないものでしたから、迷惑でなければ、ぜひ」
男「……い、いいんですか? そこまでしてもらっちゃって」
母「はい、日頃の感謝の気持ちを込めて、歓迎しますよ。少しお話もしたかったので」
男「じゃあ、ご馳走になろうかな……あ、こんな室内着じゃだらしないですよね。すみません、もう少しマシな服に着替えてきます」
母「いえいえ、ご謙遜なさらずに。そのままで大丈夫ですよ、その方が娘も喜ぶと思います」
男(……喜ぶのか?)
男「はいはーい」
母「こんばんは。夜遅くにすみません」
男「ああお隣さん。どうしたんですか?」
母「あの、いきなりで申し訳ないんですけれども。晩ご飯はもうお摂りになられましたか?」
男「いえ、まだですよ。献立すら決めていませんでした」
母「でしたら、うちの晩ご飯を食べに来て頂けませんか?」
男「──へっ?」
母「まだ料理の途中なんですが……今日は娘も手伝ってくれまして、」
母「まともなお礼も未だに出来ていないものでしたから、迷惑でなければ、ぜひ」
男「……い、いいんですか? そこまでしてもらっちゃって」
母「はい、日頃の感謝の気持ちを込めて、歓迎しますよ。少しお話もしたかったので」
男「じゃあ、ご馳走になろうかな……あ、こんな室内着じゃだらしないですよね。すみません、もう少しマシな服に着替えてきます」
母「いえいえ、ご謙遜なさらずに。そのままで大丈夫ですよ、その方が娘も喜ぶと思います」
男(……喜ぶのか?)
がちゃ
男「お邪魔します」
男(そういや初めてだ、お隣さんの部屋に入るの)
ぱたぱた
幼「お母さん、棚がたかくておちゃわん取れないよ……──!」
男「やあ幼ちゃん、こんばんは」
幼「……」
男(……あれ?)
母「こーら、しっかり挨拶なさい」
幼「こ、こんばんは」
男(何か、初めて会ったときみたいだな)
母「どうぞどうぞ、お入りください」
男「はい。ではお言葉に甘えて」
幼「……」
男(あの浮かない表情の裏で、実は喜んでいるんだろうか)
男「お邪魔します」
男(そういや初めてだ、お隣さんの部屋に入るの)
ぱたぱた
幼「お母さん、棚がたかくておちゃわん取れないよ……──!」
男「やあ幼ちゃん、こんばんは」
幼「……」
男(……あれ?)
母「こーら、しっかり挨拶なさい」
幼「こ、こんばんは」
男(何か、初めて会ったときみたいだな)
母「どうぞどうぞ、お入りください」
男「はい。ではお言葉に甘えて」
幼「……」
男(あの浮かない表情の裏で、実は喜んでいるんだろうか)
母「もうすぐ出来ますので、どうぞソファに」
男「あ、あはは、人の家でもお客さん気分で、何か照れちゃいますねこういうの」
母「ふふ、ゆっくりしていってください」
男「今夜は幼ちゃんも手伝ってるんだって?」
幼「……はい、お母さんのお手伝いをしてます」
男「そっか、偉いね」
幼「……いえ」
男(幼ちゃんって、お母さんの前でも普段の接し方をしてくるはずだけど)
男(家の中に招き入れるとなると、流石に恥ずかしいのかな)
幼「座らないのですか?」
男「……あ、座るよ。ちょっと考え事してた」
幼「幼のこと、でしょうか」
男「うん、まぁ、そうだね。幼ちゃんのことだよ」
幼「……そんなこと、考えないでくださいっ」
男「えっ。ご、ごめん……?」
男「あ、あはは、人の家でもお客さん気分で、何か照れちゃいますねこういうの」
母「ふふ、ゆっくりしていってください」
男「今夜は幼ちゃんも手伝ってるんだって?」
幼「……はい、お母さんのお手伝いをしてます」
男「そっか、偉いね」
幼「……いえ」
男(幼ちゃんって、お母さんの前でも普段の接し方をしてくるはずだけど)
男(家の中に招き入れるとなると、流石に恥ずかしいのかな)
幼「座らないのですか?」
男「……あ、座るよ。ちょっと考え事してた」
幼「幼のこと、でしょうか」
男「うん、まぁ、そうだね。幼ちゃんのことだよ」
幼「……そんなこと、考えないでくださいっ」
男「えっ。ご、ごめん……?」
男「──一人暮らしをしてるので、流石に俺も自炊をしてるんですが」
男「これ以上の料理を作れたことは一度もありません」
母「え、ええっと?」
男「……すごく美味しいです! 頬が落ちそうですよ、冗談じゃなくって!」
母「あらあら、恐縮です。喜んでいただけて良かった。ねえ、幼?」
男「そういや幼ちゃんも一応料理したっちゃしたんだよね」
幼「……幼はじゃがいもの皮をむいて、細かくきりました」
男「やっぱりこれ幼ちゃんが切ったんだ。まあ幼ちゃんらしくてわかりやすいというか、小さくて食べやすいよ」
男(成人にとっては小さすぎるくらいだけど、それで困るということはないし)
幼「それは、よかったです。けど──」
幼「ねえお母さん、もう話そうよ……」
母「食事中でしょ、終わってからでもいいじゃない」
幼「やだっ、幼はくるしいの、ガマンできないの!」
幼「にーさんとはなれちゃうなんて、ホントはイヤなんだから!」
男(な、なんだなんだ、何の話だ?)
男「これ以上の料理を作れたことは一度もありません」
母「え、ええっと?」
男「……すごく美味しいです! 頬が落ちそうですよ、冗談じゃなくって!」
母「あらあら、恐縮です。喜んでいただけて良かった。ねえ、幼?」
男「そういや幼ちゃんも一応料理したっちゃしたんだよね」
幼「……幼はじゃがいもの皮をむいて、細かくきりました」
男「やっぱりこれ幼ちゃんが切ったんだ。まあ幼ちゃんらしくてわかりやすいというか、小さくて食べやすいよ」
男(成人にとっては小さすぎるくらいだけど、それで困るということはないし)
幼「それは、よかったです。けど──」
幼「ねえお母さん、もう話そうよ……」
母「食事中でしょ、終わってからでもいいじゃない」
幼「やだっ、幼はくるしいの、ガマンできないの!」
幼「にーさんとはなれちゃうなんて、ホントはイヤなんだから!」
男(な、なんだなんだ、何の話だ?)
母「幼、静かになさい。すみません、騒がしくしてしまって」
母「……あの、お食事中に申し訳ないんですが、少しだけお話を聞いてもらえませんか?」
男「は、はい。どういったお話でしょうか」
母「急でごめんなさい。私達、引っ越すことになったんです」
男「──引っ越し?」
幼「……」
母「私の勤務先が変わってしまいまして、以前よりも遠い場所にあるんですが、」
母「この地域からそこまでの往復時間を考えると、本格的に娘を養う時間が足りなくなる恐れが考えられましたので……」
幼「にーさんがいるのに……」
母「……この子はこう言うのですけれども、それだと最早迷惑どころの話ではなくなりますから」
母「引っ越しを決めたんです」
男(……だから幼ちゃんは気丈に振る舞ってたんだ)
男「幼ちゃんを預かることは全然迷惑とは思っていませんよ。前に言った通り、ある意味良い経験になってますし」
男「だけどそういう事情があるとなると、俺が簡単に首を突っ込める話では無い様ですね……」
幼「……にーさん」
母「……あの、お食事中に申し訳ないんですが、少しだけお話を聞いてもらえませんか?」
男「は、はい。どういったお話でしょうか」
母「急でごめんなさい。私達、引っ越すことになったんです」
男「──引っ越し?」
幼「……」
母「私の勤務先が変わってしまいまして、以前よりも遠い場所にあるんですが、」
母「この地域からそこまでの往復時間を考えると、本格的に娘を養う時間が足りなくなる恐れが考えられましたので……」
幼「にーさんがいるのに……」
母「……この子はこう言うのですけれども、それだと最早迷惑どころの話ではなくなりますから」
母「引っ越しを決めたんです」
男(……だから幼ちゃんは気丈に振る舞ってたんだ)
男「幼ちゃんを預かることは全然迷惑とは思っていませんよ。前に言った通り、ある意味良い経験になってますし」
男「だけどそういう事情があるとなると、俺が簡単に首を突っ込める話では無い様ですね……」
幼「……にーさん」
男(こんな言い方をして凄く悪いけど、幼ちゃんは親族じゃなくて、あくまでお隣さんの娘さんなんだ)
男(出来ることなら俺だって、お隣さんの為に何とかして幼ちゃんを預かってあげたい。でも)
男(その状況になったとしたら、娘の顔を見る時間が減ってしまう母親が、一番辛い気持ちを背負うことになる)
母「本当に突然決まったものでして、色々と慌ててはいたんですが」
母「せめて男さんにお礼をしたかったので料理を振る舞わせていただきました」
男「わざわざ引っ越しの準備等の忙しい最中にそこまでしてもらって、何だか申し訳ないです……」
母「こちらの方こそ、こんな形のお礼になってしまってすみません」
男(……もう決まってしまったことだから、寂しがってなんかいられない。俺に出来ることと言ったら────)
男「──ご飯を食べ終えたら、俺の部屋で幼ちゃんと少し話をしたいのですが、良いでしょうか」
幼「……」
母「はい、構いませんよ。ほら幼、シャキっとしなさい。お兄さんがお話したいって」
幼「……幼は話したくない」
男「はは、嫌われちゃったかな」
幼「ち、ちがっ。……いえ、なんでもありません」
男(出来ることなら俺だって、お隣さんの為に何とかして幼ちゃんを預かってあげたい。でも)
男(その状況になったとしたら、娘の顔を見る時間が減ってしまう母親が、一番辛い気持ちを背負うことになる)
母「本当に突然決まったものでして、色々と慌ててはいたんですが」
母「せめて男さんにお礼をしたかったので料理を振る舞わせていただきました」
男「わざわざ引っ越しの準備等の忙しい最中にそこまでしてもらって、何だか申し訳ないです……」
母「こちらの方こそ、こんな形のお礼になってしまってすみません」
男(……もう決まってしまったことだから、寂しがってなんかいられない。俺に出来ることと言ったら────)
男「──ご飯を食べ終えたら、俺の部屋で幼ちゃんと少し話をしたいのですが、良いでしょうか」
幼「……」
母「はい、構いませんよ。ほら幼、シャキっとしなさい。お兄さんがお話したいって」
幼「……幼は話したくない」
男「はは、嫌われちゃったかな」
幼「ち、ちがっ。……いえ、なんでもありません」
母「──迷惑を掛けずに、ちゃんとお兄さんの言うことを聞くのよ」
幼「……うん」
男(最初に幼ちゃんを預かった日もこんなやり取りしてたっけな)
男「すぐに終わる話ですよ。遅くはなりませんから、大丈夫です」
幼「おじゃま、します」
男「うん、上がって。普段通りでいいよ」
幼「……にーさんは、さびしくないのですか?」
男「幼ちゃんと離れることが? もちろん寂しいよ」
幼「ぜんぜんさびしくなさそうです、いつものにーさんです……」
男「大人はね、ずっと大人のままなんだ」
男「人の前で無闇に泣いたり寂しがったり出来ないんだよ、大人だからね」
幼「……それなら、幼だって大人です。泣きませんから……」
男「そっか、幼ちゃんは強い子だ」
男(本当に“強い子”だな)
幼「……うん」
男(最初に幼ちゃんを預かった日もこんなやり取りしてたっけな)
男「すぐに終わる話ですよ。遅くはなりませんから、大丈夫です」
幼「おじゃま、します」
男「うん、上がって。普段通りでいいよ」
幼「……にーさんは、さびしくないのですか?」
男「幼ちゃんと離れることが? もちろん寂しいよ」
幼「ぜんぜんさびしくなさそうです、いつものにーさんです……」
男「大人はね、ずっと大人のままなんだ」
男「人の前で無闇に泣いたり寂しがったり出来ないんだよ、大人だからね」
幼「……それなら、幼だって大人です。泣きませんから……」
男「そっか、幼ちゃんは強い子だ」
男(本当に“強い子”だな)
男「これこれ。幼ちゃんがお絵描きしたものとか、全部取っておいたんだ」
幼「えっ、ぜんぶ?」
男「持ち込んできたおもちゃもそのまま置いてあるんだけど、どうする? 持って帰る?」
幼「んっと、その、」
幼「メイワクでなければ、にーさんが持っていてくれませんか?」
男「いいの?」
幼「幼を、わすれてほしくないんです。どうか、思い出にしてください……」
男「……うん、ありがとう。ずっと取っておくよ」
男「あと、幼ちゃんに渡しておきたい物があるんだ」
幼「どれですか?」
男「はい、これ」
幼「……カギ?」
幼「えっ、ぜんぶ?」
男「持ち込んできたおもちゃもそのまま置いてあるんだけど、どうする? 持って帰る?」
幼「んっと、その、」
幼「メイワクでなければ、にーさんが持っていてくれませんか?」
男「いいの?」
幼「幼を、わすれてほしくないんです。どうか、思い出にしてください……」
男「……うん、ありがとう。ずっと取っておくよ」
男「あと、幼ちゃんに渡しておきたい物があるんだ」
幼「どれですか?」
男「はい、これ」
幼「……カギ?」
男「俺の──この家の鍵だよ」
幼「カギがないとにーさんが家にはいれなくなっちゃいます」
男「大丈夫大丈夫。俺はしっかり自分の鍵を持ってるよ、それはスペアの合い鍵」
幼「どうしてカギをくれるんですか?」
男「幼ちゃんがいつでも遊びに来れるようにね」
幼「……幼は、ひっこしちゃうんですよ。とおい所に行っちゃうんですよ」
男「大きくなったらきっと遠出も簡単だよ」
幼「にーさんがひっこしたら、このカギは使えなくなっちゃいます」
男「たぶん、引っ越さないと思うよ。約束しようか?」
幼「……やくそくします」
男「わかった、俺はここを離れない。約束ね」
幼「に、にーさん。ホントですよ? ゼッタイですよ?」
男「オッケー。本当に、絶対に離れないから」
男「だから、いつかまた遊びにおいで」
幼「……!」
幼「カギがないとにーさんが家にはいれなくなっちゃいます」
男「大丈夫大丈夫。俺はしっかり自分の鍵を持ってるよ、それはスペアの合い鍵」
幼「どうしてカギをくれるんですか?」
男「幼ちゃんがいつでも遊びに来れるようにね」
幼「……幼は、ひっこしちゃうんですよ。とおい所に行っちゃうんですよ」
男「大きくなったらきっと遠出も簡単だよ」
幼「にーさんがひっこしたら、このカギは使えなくなっちゃいます」
男「たぶん、引っ越さないと思うよ。約束しようか?」
幼「……やくそくします」
男「わかった、俺はここを離れない。約束ね」
幼「に、にーさん。ホントですよ? ゼッタイですよ?」
男「オッケー。本当に、絶対に離れないから」
男「だから、いつかまた遊びにおいで」
幼「……!」
男「あ、お母さんには内緒にしておいてね。返すように言われちゃうと思うから」
幼「……あの、にーさん」
男「ん?」
幼「あた、頭、幼の頭、なでなでしてください」
男「うん、いいよ」
なでなで
幼「……幼がもっとちっちゃかった頃、今はいないお父さんに、こんな風に頭をなでてもらっていた覚えがあるんです」
男「へえ、幼ちゃんのお父さんか」
幼「そのときの幼は泣き虫だったから、たくさんなでなでしてもらいました」
男「うん」
幼「……お父さん」
男「……うん?」
ぎゅ
幼「……あの、にーさん」
男「ん?」
幼「あた、頭、幼の頭、なでなでしてください」
男「うん、いいよ」
なでなで
幼「……幼がもっとちっちゃかった頃、今はいないお父さんに、こんな風に頭をなでてもらっていた覚えがあるんです」
男「へえ、幼ちゃんのお父さんか」
幼「そのときの幼は泣き虫だったから、たくさんなでなでしてもらいました」
男「うん」
幼「……お父さん」
男「……うん?」
ぎゅ
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