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    元スレ照「はなせばわかる」

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    1 :

    「咲ー、起きてるかー?」コンコン

    (返事が無い)

    「……」

    「まったく」

    ガチャ

    「おーい」

    「……うん、」

    「起きろ咲ー」ユサユサ

    「んんー」

    「あかん」

    2 = 1 :

    「いけ、淡」

    「サキー!!」ダキ

    「んんん!?」

    「この寝ぼすけー!起きろー」

    「うわっ、淡ちゃん!?」

    「なにが『うわっ』だよ! 二十三にもなってまだ一人で起きれないのかーっ」

    「起きる、起きるよ! だから離れて」ムギギ

    「うるしゃーい。こいつは罰だー」スリスリスリ

    「……」

    「いいなぁ」

    3 = 1 :

     
    「どうだ、堪能できたか」プルプル

    「なんでちょっと怒ってるの」

    「怒ってなんかないよ」

    「どうせ姉妹だからとか余計なこと考えて、素直になれないんだよ」

    「むっ、知った口を」

    「大当たりだね。昔はもっと本音だだ漏れのポンコツだったのにずいぶん大人しくなったもんだ」

    「さ、流石にこの年で朝のお目覚めチューはできない……」

    「いや、そこまで言ってないけど、もしかしてマジな願望?」

    「淡……」

    「どしたん」

    「忘れてくれ」

    「ひひひー。これ一つ貸しね」

    4 = 1 :

     
    「用意はできたか」

    「うむ」

    「できたよー」

    「よし、では運転だが、」

    「私ー!」

    「淡はついこの前電柱にぶつけたばかりじゃないか。ここはわた」

    「私が運転するよ! 正直おねえちゃんの運転も……」

    「なっ!?」

    (姉としての威厳が……まずい)

    「大丈夫だ咲、以前のようなミスはしない」

    6 = 1 :

     
    「スッテカーばりばりのミニ煽ったりしない?」

    「うん」

    「渋滞巻き込まれても、歩道のりあげない?」

    「もちろん」

    「高速のインターチェンジで後輪滑らせながら曲がらない?」

    「そんなことしたっけ……?」

    「約束やぶったら、今後一切お姉ちゃんが運転する車には乗らないよ」

    「そんなぁ」

    「いやいや交通ルールだからね」

    「……本当仲いいなぁ二人は」クスクス

    「……///」

    7 = 1 :

    スッテカー

    ステッカー

    9 = 1 :

     
    ブロロロ

    「というわけでレッツゴーだ!」

    「……あれ、今日はどこ行くんだっけ?」

    「どこって大阪だよ。昨日までその話しかしてなかったじゃないか」

    「いやー、アルコール入ってべろんべろんだったからさぁ、私って酔うと完っっ全に記憶なくなっちゃうんだ」

    「そんな、すごいだろ、って顔されても……」

    「私なんかすぐ寝ちゃうから全然飲めなかったよー」

    「へ? じゃあ誰が布団まで運んでくれたの?」

    「……私だよ。お前らちっとも動かないから大変だったんだぞ」

    「テルの数少ない長所欄に酔わないって項目が増えたね」

    「……なかなか今日は挑発的だね淡……」ゴゴゴ

    「ちょっと、さっきの誓い忘れた?」

    「ぐっ……。そうだ、今日はまともな運転を心がけないと」

    「あ、後ろから4tトラックが煽ってきてるよテル!」

    「なんだとおおおおお!!?」ギュルルルル!

    10 :

    成人か

    12 = 1 :




    「予想はしていました」

    「はい」

    「淡ちゃんも煽らないように」

    「はい。ごめんなさい」

    「運転は私がします」

    「はい」ショボーン

    「言ったそばからだよ」プンスカ

    (うへー、やっちまっただー)

    13 = 1 :

     
    「咲ー」ウルウル

    「……」

    「そんなに怒らないでよー」

    「……怒ってないよ」

    「怒ってる、だって」

    「だってなに?」

    「私の目、見てくれないし、口調怖いし」ウジウジ

    「ふー、……じゃあちょっときついこと言うよ」

    「……」

    「お姉ちゃんはね、いつも受身なんだよ。行動が一手遅れて相手が嫌な顔してようやく慌てだす」

    14 = 1 :

     
    「あれだけ注意したのに、周りに流されちゃって、ようやく非があるとわかったら必死に相手の顔色を伺う」

    「さ、咲?」

    「私はね、お姉ちゃんのそういうところ大嫌い」

    「勝手で、自己中心で、事なかれの主義のお姉ちゃんが、」

    「――嫌い」

    「……悪いとこ全部直す」

    「遅いよ」

    「え、」

    「もう手遅れ。わかってるでしょこれ、夢の中だってこと」



    「……へ?」

    18 = 1 :

     
    「淡ちゃんどこ行ったかわかる?」

    「あれ……?さっきまで隣に座ってたのに」

    「気付かないんだね。ずっと私のことしか考えてなかったから」

    「夢っ、――嘘でしょ?」

    「いい加減大人になれよ」

    「こんな都合のいい未来なんてあるわけない」

    「嘘だ、だって昨日もお酒飲んで、旅行の話もして、」

    「その前の日は? 一体どこから大阪へ行こうだなんてことになったの?」

    「未だに7年前のことを引きづってるの?」

    「自分の意志は竹井先輩に流されたくせに、『あそこで辞めさせておけば』なんて本気で考えてるの?」

    「遅い、遅すぎる。チャンスはいくらでもあった。一番身近なお姉ちゃんが発言強いのに、結局は竹井先輩のいいなりじゃないか」

    19 :

    え?

    え?

    20 = 1 :

     
    「どう? 夢の中で妹ごときに説教されている気分は」

    「でもこれもお姉ちゃんの意志なんだよね。ただの自己否定。選択ミスを犯した贖罪のつもり」

    「7年前の夏、インハイ決勝で淡ちゃんに壊された私を救い出したのは竹井先輩で、」

    「お姉ちゃんは指をくわえて見てるだけだった。自力で何もせずに思考を止め、崩壊していく妹に慌てふためく」

    「やめて」

    「やめない。なぜならお姉ちゃんが望んでいるから。お姉ちゃんの希望だから私が夢に出るんだよ」

    「お願い、やめ、」グイ

    「お姉ちゃんはさあ、誰のために生きてるの?――――――


    21 = 17 :

    あれか

    22 = 1 :

    http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1352603040/
    「大阪来て良かったやろ?」 咲「せやなー」

    前スレです。貼るの忘れてました

    23 = 10 :

    あれだったのか…

    24 = 1 :

    ◇◆◇◆◇◆
    九月二十日

    「おはようございます」

     「おはよう。一月ぶりぐらいかしら」

    「ええ。開幕前の調整があって忙しくて」

     「大変ねぇ。……じゃあ、面会簿に名前お願い」

    「……はい」カキカキ

     「はいバッジ。荷物はここね」

    「これ、持って入っていいですか? 昨日焼いたケーキなんです」

     「いいけど……、フォークの扱いには注意して。一応ね一応」

    「プラスチックで先が丸いやつだから安全だと思います」

     「……あの子もいい先輩を持ったわ」

    「私の可愛い後輩ですから」

     「淡ちゃん、昔みたいに戻れるといいわね」

    「それまで通い続けるつもりです」

    25 :

    続くとは思ってなかった

    26 :

    淡ちゃんスペースデブリになってしまったん?

    27 = 1 :

     
    「淡、入るよ」

     「うん」

    「おはよう」

    「おはよ」

    「……」

    「……」

    「……えっと」

    「ははっ。あいかわらずテルは自分から話し出すの苦手だよね」

    「うん、苦手。……あ、これケーキ」イソイソ

    「おお~~。中見ていい?」

    「いいよ」

    「!!、綺麗に作れてるだと……!?」

    28 = 16 :

    淡ちゃんが金角ちゃんの代わりになるss思い出しましたわ

    29 = 1 :

    「練習したからね。喜んでほしくて」

    「こういうのはすごいブサイクなんだけど、食べてみたらおいしいっていう展開だと思ったんだけどなー」

    「ぷっ、なにそれ」

    「あるあるだよー。お約束ってやつ」

    「ちょっと作りすぎちゃったかな」

    「大丈夫大丈夫、冷蔵庫になんも入ってないし、テルーの作ったお菓子大好きだからさ」

    「ありがと、じゃ、食べる?」

    「うぃ~」

    「……じゃあお茶を、」ガクッ

    「っと、大丈夫? 立てる?」

    「……だいじょうぶだいじょうぶへいきへいき」

    「淡?」

    「……ん。悪いんだけど代わりに淹れてもらえる?」

    「あ、ああ」
    ――――――
    ――――
    ――

    31 = 1 :

     
    「そろそろ時間だ」

    「……早いね。もう二時間たっちゃったんだ。久しぶりに会えたのに」

    「最近これなくて悪かった。来週、暇な時間にまた来るよ」

    「そっか。前から思ってんだけど、照って仕事何してるの?」

    「え……? この前言ったよね……?」

    「んん?? そうだっけ」

    「プロの……麻雀の選手だって」

    「マージャン? なにそれ」

    「うそ、この前は麻雀のことは覚えてたのに……、なんで、」

    「ちょっとテル、そんな顔しないでよ。私、変なこと言った?」

    「……私達は高校三年間、何をしてきた?」

    「高校……、えっと」

    「――――――――――――夏の、」

    32 = 1 :

     
    「――誰、この人」

    「どうし、」

    「私の中で、目の前でっ、知らない、テルに似てる、誰、あっ―――――サキ」

    「……ァああああああああああっ!」

    「落ち着いて!」

    「ごめんなさいごめんなさい許して許して許してゆるして!」

    「淡、おいっ!!!」

    「私の中に入ってこないで!お願い!謝るから!なんでもするから!」

    「だ、だれか」

     「どうしたました! っ、」

    「淡が、おかしくなっちゃって」

    「離してっ、殺されるぅっ」

     「くそ、暴れるな」


    「――いっ……いつになったらよくなるんだ。いつになったら、」

    34 = 26 :

    結局具体的にどんな能力だったの?精神に進入するとこまでは分かるけど

    35 = 1 :

    五年前の夏に当時高校三年だった大星淡の精神は崩壊した。
    大将戦の決勝卓、トップを維持できず二着で終わった。
    五連覇をかけた戦いだった。ただ、その結果全てが淡を破壊した原因ではない。

    卓には私の妹もいた。宮永咲。淡と同じ高校三年。

    前半戦の卓を離れる瞬間に、何かを淡に囁いた。
    あれが原因。それしかない。
    わかっていたのに。こうなることはありえたのに。止めることができなかった。

    私の妹は人の心を喰う魔物だと知っていたのに。


    決勝終了直後に淡は病院へ担ぎ込まれ、当の加害者は何食わぬ顔で個人戦に参加、そして一回戦を終えた直後に姿を眩ました。


    そして五年が経った。私はプロになり、チームメイトの原村和とともに麻雀を打ち続けている。

    あれから、妹とは一度も会っていない。
    何かしら事件に巻き込まれたのか、それとも自身の意志だろうか。
    けれども生きている。それだけはわかる。

    36 :

    前の見てるとどうも咲さんに傾いてしまう

    37 :

    完全読みと相手の精神破壊じゃない?
    +相手のツモ運抑制だと思った

    38 :

    あの続きか
    待ってた

    39 = 33 :

    のどっちプロになったんか

    40 = 26 :

    この淡は完全に自業自得だからなぁ まだまだ足りないレベル

    41 = 1 :

     
    ◇◆◇◆◇◆
    十月二十二日 午後三時
    ハートビーツ大宮 選手寮

    「あ、寮の鍵、どこだっけ……」ゴソゴソ

    「実家っぽい……。どうしよ」

    「……和いるかな」ピッピッ

    オカケニナッタデンワハ オキャクサマノツゴウニヨリ……

    「あれー? 電源切ってるなんて珍しいな」

    「むー」

     ブロロロロ

    「監督の車だ、良かった~」

     キキッ

    はやり「照ちゃん? 何してるのかな☆?」

    「鍵忘れちゃって……」テヘヘ

    45 = 33 :

    はやりん笑えない歳に・・・

    46 = 8 :

    はやりん今でも星飛ばしてんのかよ…

    47 = 16 :

    >>44
    (ごめんねペッコリン)

    48 = 1 :

    はやり「管理人さんに言えばいいのにー。そんなことより、物忘れ多すぎだぞ☆」

    「またかって顔されちゃうから……。物忘れは昔からです。はい」

    はやり「直そうねー☆」

    「精進します。……そういや和知りませんか? さっきから電話にでないし、いつもなら寮にいるはずなんですけど」

    はやり「朝に着信あったよ。はやり、朝弱いから起きれなくて気付かなかった☆」

    「でも、電源切ってるなんておかしいですよね」

    はやり「そうだね、あと1時間でミーティング始まるのに……」

    「もしかしたら迷子かも。探してきます」

    はやり「ちょおっと待ったー!☆」ガシ

    「ぐふへ」

    はやり「あなたは大人しく待機。はやりが適当に車でこのへん回っとくから」

    「ごほごほ」

    はやり「それにね、迷子になるのは照ちゃんぐらいだよ☆」

    (だから余計に心配なんだよなぁ)

    49 = 38 :

    悪い予感がする

    50 = 1 :

     
    「ふむ……」ペラ

    「この前のは砂糖が多すぎたのか……、なんて初歩的なミスを」

    「今度は何を作っていこうかな。……ミルフィーユ」


     『お姉ちゃん、今度これ作ってよ!』


    「……咲」

    「……ちっ」

    「――忘れろ忘れろ」グシグシ


     『お姉ちゃん、どうしたの?』


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