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    元スレ男「死亡フラグを立て続けないと死ぬ病気?」

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    101 = 96 :

    「──って、そんなことできるか!」グッ

    幼馴染「早く手を離して! どんどん青くなってる! 死んじゃうよ!」

    「死んだっていい!」

    幼馴染「!」

    「俺はお前を見捨てるなんて死亡フラグなんざ、絶対に立てない!」

    「この昔馴染みの遊園地で死亡事故起こすってのもゴメンだしな……!」

    「お前は助かった後、インタビューでなにいうかだけ考えてろ!」

    幼馴染「う……うん!」

    (分かる……)ズキッ…

    (もう全身まんべんなく青いのが行き渡ってる)ズキズキ…

    (でも、あと少しだけ──)

    「ふんぬぁぁぁっ!」グイイッ

    103 :

    なんだと....

    105 :

    命と引き換えに恋人を助ける

    106 :

    地面まで二メートルくらいだったりして

    107 = 96 :

    ドザァッ……

    (よし……! 引っぱり上げられた……!)

    「危なかった……でももう大丈夫だぞ!」

    幼馴染「う、うぅ……ありがとうぅぅ……!」ギュッ

    「お、おいおい」

    幼馴染「……あれ?」

    「どうした?」

    幼馴染「青いのが……きれいさっぱりなくなってるよ」

    「え……!?」キョロキョロ

    「……ホントだ、なんでだ!?」

    幼馴染「あの青いのって、結局どういう病気だったの?」

    「…………」

    (……こいつにだけは話しておくか)

    「実は──……」

    108 :

    男落ちそう

    109 = 96 :

    翌日──

    <病院>

    医者「まだ油断はできませんが、まさか治ってしまうとは……」

    医者「不思議なこともあるものですな」

    「ええ」

    医者「命がかかっている極限状況における高揚感が病気に作用した」

    医者「──というわけではないでしょうな」

    医者「今までこの病気で亡くなった患者だって、命がかかっていたでしょうから」

    「…………」

    「俺、思うんですけど」

    「俺はあの瞬間、あいつを助けられたら自分は“死んでもいい”と思いました」

    「自分から死を望む」

    「これこそがこの病気を治す方法だったんじゃないか、と思うんです」

    医者「…………」

    111 :

    面白いぞ

    112 :

    いい話だな~

    113 = 96 :

    医者「私の考えは逆ですな」

    「え?」

    医者「病も気から、という言葉もあるように」

    医者「死んでもいいなどというネガティブな感情は、マイナスの効果しか生みません」

    医者「私はむしろ──」

    医者「その瞬間のあなたは是が非でも“生きたかった”のではないかと思うのです」

    医者「なぜなら友達を引き上げる前に、あなたが病気で死んでしまったら」

    医者「あなたの友達もまた、墜落死していたでしょうからな」

    「ですが──」

    医者「あなたのおっしゃりたいことは分かります」

    医者「これまでこの病気で亡くなった方とて、生きたかったでしょうし」

    医者「それに人間、というより生き物はだれだって生きたいに決まっている」

    医者「生きたいと思うだけで病気が治れば苦労はしません」

    医者「しかし、心の底の底から自身の生存を望むことができるほど」

    医者「人間は強くないと思うのです」

    115 :

    ちょっと見ない間にとんでもない良い話になってた
    最初の頃終わらせようとしてごめんよ・・・・

    116 :

    いい

    117 = 96 :

    医者「なかったことにしたい、穴があったら入りたい、人生をやり直したい」

    医者「死にたい、とまではいかないとしても──」

    医者「人間ならだれだって、いつもどこかで自分を否定しているものです」

    医者「自分が一番大事といいつつ、状況次第では命をあっさり諦めてしまうものです」

    医者「この病気についても、今までに亡くなられた患者は宣告された時点で」

    医者「死にたくないと思うと同時に、心のどこかで諦めてしまったのではないでしょうか」

    医者「しかし、友達を助けたいと思った時のあなたは」

    医者「この瞬間だけは、たとえ末代までの恥になろうとも絶対に生き残る──」

    医者「死亡フラグすら通用しない、純度100%の覚悟があったのでしょう」

    医者「だから病気の方から逃げ出してしまったのではないでしょうか」

    118 :

    戦勝祝いに俺様の大好物のパインサラダでも用意しとくんだな!

    120 :

    つまり生存フラグか

    121 = 98 :

    >>1にはおれの大切な金時計を預けるぜ、後で返してもらうからなくすなよ!

    122 :

    今日は全員カレー喰ってもいいぞ

    123 = 96 :

    医者「……と、たかが仮説なのにしゃべりすぎましたな、失敬」

    「いえ……俺も、お医者さんの説の方が正しいような気がします」

    「死にたい、なんて思って病気が治るわけないですよね」

    「ありがとうございます」

    医者「いえいえ」

    医者「さて、検査でも異常はありませんでしたし、もう大丈夫だとは思いますが」

    医者「しばらくは経過を見るために通院して下さい」

    医者「それに、あなたの体験が奇病克服のカギとなることは間違いありませんので」

    「はい!」

    124 :

    なんかめちゃめちゃ良い話になってる

    125 :

    寝ることができない

    126 = 96 :

    数日後──

    <学校>

    友人「やべぇ~!」ワシャワシャ

    友人「予習忘れた上に、さっき廊下であの先生と目が合っちゃったからな~」

    友人「絶対当てられる……」

    友人「こりゃ死亡フラグだ……!」ガクッ…

    「おいおい、まだ諦めるには早すぎるだろ」

    「世の中には死亡フラグを立てまくって、生きてる奴だっているんだしな」

    幼馴染「そうそう」

    友人「ホントにそんな奴いるのかよ~」

    友人「それにしても、デートでますます仲良くなりやがって」

    友人「今度の休みは、またどっか行くのか?」

    128 = 106 :

    泉に落ちるのか?

    129 = 96 :

    「今度は俺たち、レカワ公園でデートしようと思ってる」

    幼馴染「ちょっと遠いけどね」

    友人「レカワ公園!?」

    友人「やめとけやめとけ!」

    友人「あそこでデートしたカップルは必ず別れる、なんて伝説があるじゃねえか!」

    &幼馴染「だからいい」

    友人「へ?」

    「そのぐらいの死亡フラグ、乗り越えてみせるさ。な?」

    幼馴染「うんっ」

    友人「ハハハ……ホント変わった奴らだよ」





    <おわり>

    130 :

    おつ、やるじゃない

    132 = 106 :

    おつかれ

    133 :

    面白かった

    134 :


    寝れる

    135 = 114 :

    おつん

    137 = 102 :

    面白かったよ

    138 = 115 :

    本当に面白かった
    これは出来る>>1だった
    乙!

    139 :

    コンパクトに纏まっててよかった乙

    140 :

    星新一を思わせるショート感だった

    141 = 116 :

    おっつ~

    142 :

    おつかれ、面白かった

    143 :

    面白かった!
    >>1乙!

    146 :

    予想の数倍おもしろかったよ


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