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    元スレ久「大阪来て良かったやろ?」 咲「せやなー」

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    1 :

    ID:HNaYw2za0代行

    3 :

    「大阪へ行きたいかー!」 咲「お、おおーっ///」
    http://www.logsoku.com/r/news4vip/1350752595/

    が終わらなかったので終わらせます

    4 = 3 :

    チュンチュン

    「ふわぁー」

    洋榎「おはよ」

    「おはよう。……意外。起きるの早いのね」

    洋榎「あ、ああ。まぁな」

    洋榎(こいつより寝てたら何されるかわからんし)

    「あれー、携帯光ってる」パカッ

    「うげっ」

    (着信52件にメール32件!? 和と照からだ。電源切っといてよかった)

    (なんかあったのかな)

    洋榎「絹たち起こしに行ってくるわ」

    5 = 3 :

    ガチャ

    洋榎「おーいおきr」

    洋榎「うっわ、なんでこいつら抱きあって寝てんの」

    洋榎「クーラーつけっぱやし……」ピッ

    洋榎「あれ、咲、頭が赤黒く――血かこれ」

    洋榎「てことは、」ゴロン

    絹恵「んん~咲ちゃんー」ムニャムニャ

    洋榎「鼻血、出すぎやろ」

    「ふぇ」

    洋榎「お、き、ろ!」

    「――おはようございます」ボー

    絹恵「おはよぅ」

    6 = 3 :

    洋榎「二人まとめてシャワーあびてこい」

    絹恵「っ、なんやこの血、ってうちの!?」

    絹恵「ああ~、咲ちゃんの髪にも……」ゴシゴシ

    洋榎「まだ半渇きやし落ちるやろ。シミになる前にいってこい」

    「顔殴られたみたい」ヒョコ

    洋榎「こいつ、中学のサッカーで顔面セーブきめてから鼻の血管切れやすいんや」

    「おおぅ……」

    絹恵「咲ちゃんひかんといてーな」

    洋榎「はよ、いけ!」



    洋榎「あいつら出てきたら、うちらも入るか」

    キャアアアア

    「……」

    洋榎「またかいな……」

    8 = 3 :

    洋榎「ほーい、おまっとさん」

    絹恵「あ、あれ……」

    洋榎「!!、久、咲、見んな!!」

    洋榎(……おかんがすっぽんぽんで風呂場で寝てる)

    「えーどうしt」

    洋榎「見んな言うとるやろ!下がれ下がれ!」

    洋榎「絹、バスタオル持ってきて。うちは湯船洗っとくから」

    絹恵「……おかーちゃん生きとる?」

    洋榎「死んでたらいびきかかんやろ。ほれ、持ってこい」

    ンゴォ

    絹恵「あ、ほんまや」

    10 = 3 :

    ◇◆◇◆◇◆

    洋榎「おはよう、酔っ払いおばさん。気分はええか?」

    雅枝「……ええわけないやろ、いてまうぞ」

    「お、おはようございます。私、洋榎さんの友達で竹井って言います」

    雅枝「おお、どこかで見たと思ったら清澄さんとこの部長さんか」

    雅枝「遠くはるばるこんなきったない街へようこそ。食いもんしかないけど楽しんでってや」

    洋榎「今は風呂はいっとるけど、大将の宮永も来てんねん」

    雅枝「ああ、あの子か……。決勝可哀想やったなぁ。元気にしとるか?」

    「長野に帰ってから家にとじこもちゃってて、それでようやく連れ出せたんですよ」

    雅枝「はぁ、慰安旅行ちゅうわけやな。大阪選ぶとはセンスええで」

    洋榎「アンタ今汚い言うとったやろ」

    雅枝「ええやん、事実やし。――あたしもどっか旅行したいわー。もう疲れた」

    11 :

    いたいけな文学少女を破壊した白糸台の大将を許すな

    12 = 3 :

    洋榎「子供の手前でんなこと言うのやめーや」

    雅枝「……昨日、まぁ、色々言われてな。おかーちゃんちょいとニートになるわ」

    洋榎「千里山の監督、……クビ?」

    雅枝「一応自主的にな。あんだけ圧かけられて続けられるほど強くあらへんよ」

    洋榎「……そっか。おつかれさん」

    雅枝「なんや気持ち悪い。いつもならもっといじってくるのに。友達の前だからええ顔しとるんか」

    洋榎「なんかそういう気分でもないしな」

    雅枝「ほーん。ありがとな」


    「ときに愛宕さん、もし監督復帰するとして名門と無名、どちらを選びます?」

    雅枝「え、」

    洋榎「おまえ……」

    14 = 3 :

     
    雅枝「どっち言われたらそりゃ名門やろなぁ。まだこの子たち食わせなきゃあかんし。お金いっぱい貰えるとこの方がええよ」

    雅枝「なんでそんなこと聞くん?」

    「お恥ずかしい話なのですが、清澄には指導者がおらず来年は手続きやらが不安でして……。もしよければなーなんて」ウワメ

    洋榎(こいつアタマおかしいんちゃうか。なんでおかんに色目つかっとんねん)

    雅枝「……清澄、ええかもね」

    「ほ、ほんとですか? そしたら私、すっごいうれしいです!」

    洋榎「……」

    雅枝「すぐには決められんし、もし他校から呼ばれたらそっち行くかもわからんよ。可能性があるとしか言えへんね」

    「いえいえ、それだけでも! でも、千里山からうちへなんて質の落差がひどすぎて経歴に傷がついちゃうかも」

    雅枝「おいおい、全国ベスト4が言っていい台詞ちゃうで。まぁ、来年はこの愛宕雅枝が率いて頂点間違いなしや」ガッハッハ

    「ですよね!雅枝さんがいてくれれば心強い事この上ないです」ニヤリ

    洋榎「おいこら、オマエ今『ちょろいな』おもたやろ」ボソボソ

    「失礼ね。勘ぐりすぎよ」

    15 = 3 :

    洋榎(その後は終始、久のペースにもっていかれ、うちが口を出す隙さえなかった)

    洋榎(用意周到に持参していた清澄のパンフレットやら、教員規約の説明までしておかんをその気にさせていた)

    洋榎「うちはお前に乗せられへんぞ」

    「何いってんの。あ、そろそろね」

    ツギハー ヒメマツー オオリノオキャサマハー

    「……」ボー

    絹恵「まだ眠い?」

    「あ、ごめんなさい。少し考え事を」

    絹恵「悩みあんならお姉ちゃんが聞いたるで」

    洋榎「いつから咲の血縁になったんや」

    絹恵「昨日?」

    洋榎(こいつ、まさか手を出しよったんか)

    絹恵「ここにいる間だけはうちがお姉ちゃんになる決めたんや」

    洋榎「ああそう……」

    洋榎(もううちの家族はダメかもしれへんな)

    16 :

    しえん

    17 = 3 :

     
    洋榎「今日からもう部活始まるからな、久は部員に色目使わんように。つうか声かけんな」

    「なにそれ、それじゃあまるで私がたらしみたいじゃない」

    洋榎「自覚ないんかワレ」

    「誰彼かまわずってわけではないのよ」

    洋榎「ほんまかいな。ずいぶん色欲多情な気があるように感じるんやけど」

    「例えば大阪(ここ)に来てから、スキンシップをとったのはあなただけ」

    洋榎「スキンシップって……、昨日の夜、手相見る言うて手握っただけやん」

    「ああいうの、他人の領域を侵すような感じが嫌であまりやらないの」

    洋榎「うちは別にどうでもええんか」

    「洋榎は私のこと受け入れてくれる気がしたから、かな?」

    洋榎「涼しい顔してよくそんな事言えるな」

    「洋榎の前だからね」

    洋榎(名前連呼すんのほんま勘弁してくれ……)

    18 = 3 :

     
    ◇◆◇◆◇◆

    洋榎「と、言うわけで今日明日この二人に合同練習加わってもらうからな。二人と打ちたいやつは予約しとき」

    久・咲「よろしくお願いします」

    ヨロシクオネガイシマース

    洋榎「来年はこいつらぶっとばすぞ、みたいな意気込でかかれよー」

    由子「のよー」

    洋榎「というかなんでうちが進行してんねん。これは恭子の仕事やろ」

    末原「うちはもう部長やないし、それにたぶんこれ新部長の漫ちゃんの仕事ですよ」

    「確かに」

    洋榎「何が『確かに』や。来年ここも心配やわ」

    末原「ほいじゃ、打ち始めますか。最初は宮永さんはうちと由子と漫ちゃんの卓に入って貰いましょう。竹井さんは洋榎と一、二年達と打って指導まわってもらえますか?」

    「ええ、いいわよ」

    洋榎「結局、恭子がまとめるんかい。久、さっき言ったこと覚えてるよな」

    「普通に指導するわ。普通に、ね?」

    洋榎(あんだけ釘刺しときゃ大丈夫やろ。それよりも恭子や、まさか自分から咲と打つ言い出すとはな。成長したでほんま)ジーン

    19 = 3 :

     
    末原(髪の色、どないしたんやろ)

    由子(綺麗なのよー)

    「……髪、どうしたん?昨日は黒かったのに」

    「染めてたのが落ちちゃって……。白くなったのは長野から帰ってからです」

    末原「お、おお、そうなんか」カタカタ

    由子(動揺するとこじゃないのよー)

    「やっぱり変ですかね、この髪色……」

    由子「んなことないのよー。綺麗でカワイイよ」

    末原「せ、せやで。ちょっとびっくりこいたけど、小悪魔というか神域というか魔族的な感じがして、」カタカタ

    由子「恭子、あんた……」

    末原「うん、まぁ、あんま気にせんでええと思うから始めるで」ポチ

    「先輩……」

    20 :

    カタカタ

    21 = 3 :

     
    末原(いかんいかん。今ここで退いたら一生もんの傷になってまう。乗り越えるんや、恐怖を!)


    起家末原→由子→咲→漫

    ……

    末原(うう、やっぱり対面からえげつないオーラを感じる……)

    「よろしくお願いします」ペコ

    末原「あ、ああよろしくな」

    由子「お手柔らかになのよー」

    「おなしゃす」

    「今日のルールはどうします?」

    恭子「アリアリの赤1でウマが、」

    「あ、そうじゃなくて、昨日は二位抜けを意識して打て、ということだったので」

    洋榎「咲ー、今日はトップ狙えっ!」

    恭子「というわけや」

    「――わかりました」ゴォッ

    22 :

    福路選手がアップを始めました

    24 = 3 :

    ◇◆◇◆◇◆
    東一局

    スチャ

    末原(配牌――最悪っ。字牌ばっかで対子もあらへん)

    末原(ツモで九種九牌、いけるか?)

    スッ

    末原「……ぐっ」タン

    由子「気合入りすぎなのよー」

    末原「しゃあないやろ。配牌ごっつ悪いんやもん」

    「……」ピクッ

    「うちは逆にめっちゃええですよ」

    絹恵「こらー。真面目にやってください」←牌譜係り

    25 = 3 :

     
    …………
    八順目

    末原(なんとまぁ、あんだけ配牌わるかったのにほぼツモ切りってわけわからん)

    末原(おっと、由子が真ん中ぶったぎってきた。そろそろあかんな)

    末原(ふりこむよりマシや。さっさと危なっかしいのきっとこ)タン ↓⑥筒

    「ロン。タンヤオのみ1300点です」

    末原「」

    末原「――はい」ジャラ

    「……? 大丈夫ですか?」

    由子「ほんまや。顔真っ青なのよー」

    末原「大丈夫。ちょっとお腹痛かっただけや。もうええよ」


    末原(……っ)

    末原(なんで、なんで誰もつっこまんのや!)

    末原(手出しした⑥筒は三枚目、そんであいつは、)

    末原(二順目から――ずっとツモ切りなんやぞ!?)

    27 = 3 :

     
    末原(あいつ、うちになんか恨みでもあるんか?)

    末原(二順目、宮永は漫ちゃんの手出し⑥筒をスルー)

    末原(そして、六順目にまた漫ちゃんから出とる。それも見逃している)

    末原(⑥筒周りは死んでいなかった。いや、そもそも東一局の平らな時点で相手を選ぶ意味がわからん)

    末原(考えろ、なんでうちを狙ったんや。嫌がらせ?……流石にそこまでの畜生には見えん)

    末原(勝つため、か? いやでも、それしか)パシン

    末原「いてっ」

    洋榎「おいこらなにブツくさっとんのや」

    末原「あ、後輩見てて言うたじゃないすか」

    洋榎「なんか心配になってな、色々と……」ジー


    洋榎「恭子、呑まれるなよ」

    末原「?」

    28 = 3 :

    ◇◆◇◆◇◆

    東三局

    31000 末原
    23900 由子
    23200 咲 親
    21900 漫


    末原(東二の由子の連荘後、満貫ツモ和了りでトップ)

    末原(今回も牌牌は悪くない)タン

    末原「……」

    末原(呑まれるな、か)

    末原(あの東一は揺すぶりってことか)

    末原(ええ根性しとるで。思い知らせたる)

    末原「……」タン

    末原(いや、これたぶんフラグになるな。余計なこと考えせんようにしよ)

    29 = 3 :

    …………
    十三順目

    末原(二回鳴いて、索子の清一に見せかけたタンヤオ聴牌。ドラポンしたからそう簡単には勝負できひんやろ)

    「あかんですよそれー」

    末原「何言うてるんや。勝負せんかい」

    末原(手代わりして両面待ちにもってきたいなー)

    「……」タン

    末原(宮永も索子と字牌ださんし、ベタオリやな)

    由子「ポン」

    末原「え?」

    由子「ポンよ?なんかおかしい?」

    末原「勝負するんかーって」

    「……」ピク

    30 :

    しえん

    31 = 3 :

    由子「たった今、『勝負せんかい』って自分言ってたのよー」

    末原「まぁそうなんやけど」

    末原(由子になんか癖が見抜かれてるんかな。今度自分の顔録画しながら、)

    「リーチします」タン ↓Ⅲ索

    「まじか」

    末原(こいつ、おりてなかったんか)

    末原(つうか、清一に見えへんのかなこれ、びびらなすぎやろ。そもそもどうみても7700以上確定してるんやけど)

    「これかなぁ」タン ↓二萬

    「……」

    末原(そこ通るんかいっ。端っこの危ないやつやないか)

    末原(正直ここは勝負したい。たとえ振り込んでも赤ドラは二枚切られてるし、表ドラはうちが抱えとる)

    末原(ツモ、おし安牌)タン

    32 = 3 :

    …………
    十七順目
    末原(手代わりもせんし、どないしよ、あっ)

    末原(二萬引いたわ。さっき漫ちゃんが捨てたから安パ――)

    末原(……もし、もしやけど、東一みたいに宮永がうちを狙っていたとしたら?)

    末原(可能性はある。そしてあの河)

    末原(今思えばヤオチュウ牌が明らかに少ない。チャンタがあるかもしれへん)

    末原(ラス牌までやりたい、けど、ここで当てられたらメゲちまう)

    末原(幸運にも作った頭が宮永の安牌。ここは凌げる)

    末原「ちょい待ち」

    「リスペクト小瀬川白望すか?」

    絹恵「上重さん、よう相手の名前覚えてるな……」

    由子「海底狙いかもなのよー」

    絹恵「ああ、去年の長野の子ですか」

    「ありゃーマジもんの魔物でしたね。同い年ってのが信じれません」

    末原(あかん、こいつらうるさくて集中できひん)

    33 = 3 :

    末原(悔しいけど、しゃあないオリやな)タン

    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
      ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

    末原(!?っ なんやこの寒気は、)


     一巡後

    末原(ぐぅううっ! 結局当たり牌引くのかよ。クッソ!)タンッ

    末原「……ノーテン」

    「ノーテン」

    由子「テンパイ」

    「テンパイです」バラ…


    末原「か、空テン?」

    「?」

    末原(なんで頭にハテナ浮かべるんや!)

    「ひえー」

    34 = 3 :

     
    ◇◆◇◆◇◆
    南四局一本場 ドラ②筒

    36300 末原
    26900 由子
    22500 咲
    13900 漫 親

    末原「こ、ここここで終わらしたるからの」カタカタ

    洋榎「なんでトップのお前が震えてんのや」

    「絹恵ちゃん、ちょっと牌譜見せてもらっていい?」

    絹恵「ほい、これですわ」

    「ありがと」

    「……ふむふむ」ヨミヨミ

    (咲は出和了り二回でどちらとも末原さんだけか)

    (東一の流れなんてモロね。そしてリンシャンは一度もなし。槓もない)

    (パッと見、昨日よりエグイことしてるわこりゃ……)

    (なんとなくわかってたけど、)

    (嶺上開花を失った咲は弱くなっていない。以前のベクトルとは違えど確実に化けている)

    35 = 3 :

    訂正

    22900 咲

    36 = 3 :

     
    …………
    三順目

    (咲の手、遅くはないけど打点は高くなりそうにない)

    (このまんまじゃ、満貫手も作れるか怪しいわ)

    咲手牌 ④⑥四四四六ⅢⅤⅧⅧⅨⅨ西 ツモ六萬

    (ここは周りの手は早くなさそうだし、安牌用の字牌を抱え込む必要もない)

    「……くる」ボソ

    (長考――打西じゃないのかしら)

    「……」タン ↓四萬

    (す、四萬!?っ、 危ない、表情を出さないようにしないと)

    (……この四萬打ち、まさか聴牌気配のブラフ?)

    (今までの聴牌スピードを考えればそう見えなくもない)

    (一巡前の八萬切りが効いてきて……)

    「……」

    39 = 3 :

     
    洋榎(うっわ、ここで四萬きってくんのかー)

    洋榎(恭子のやつ、目に見えて警戒しとるな)

    末原手牌 ①③⑥⑥⑧七八九ⅠⅡⅡ南北 ツモ発

    洋榎(未だ字牌整理……。咲以外はみんな遅そうやし、ここは根性で和了らなあかん)

    末原「むぅ」タン ↓北

    洋榎(なんとかして南か発を持ってきたいところ)

    「……」タン ↓④筒

    洋榎(けったいやな)

    洋榎(降りろ言うてるようにしか見えへん)

    末原「……」 ツモⅢ索

    洋榎(おっし、手が進んだ。がんばれ恭子!)

    40 = 3 :

     
    …………
    七順目

    末原(逃げんでよかった。これで張った――!)

    末原手牌 ①③⑥⑥⑧七八九ⅠⅡⅢ南南 ツモ②筒

    末原(いける、⑧筒は通る!)

    ゾクッ ゾクゾクゾク

    末原(……)ブルッ

    末原(こ、こんな威圧、たいしたことないわっ。 名門姫松の元部長なめんなや!)タン ↓⑧筒

    「……」ピクッ

    「……」

    「……」ニコ

    末原(なんや、当たりなんか?ちゃうやろ)

    由子「……」

    末原「由子っ、ツモ」

    由子「あ、ごめん。ちょっと意識が飛んでたのよー」チャッ

    41 = 3 :

    末原「なっ……、大丈夫か?」

    由子「恭子が捨て牌握る瞬間なんか悪寒がして、」

    「オカン?」

    末原「発音ちゃうで、そういうとこは関東準拠でええねん」

    「お↑か↓ん→?」

    末原「ちゃうがな、お→か↓ん→や」

    由子「それもなんか違うのよー」

    ワイワイ

    洋榎「……」プルプル

    洋榎「……こらあ、集中せい!」

    42 = 3 :

     
    末原「ああ、ずっと後ろおったんですか」

    洋榎「気付かんかったんかい。ほんまおどれらは一人が口開けばピーチクパーチクやかましいなー」

    由子(洋榎には言われたくないのよー)

    末原(この人にだけは言われたくないわ)

    「先輩にだけは言われたくないです」

    洋榎「おお?ええ根性してるなぁ漫ぅ」

    「あ、声でてました?」

    洋榎「ほう、元主将を侮辱とはえらくなったもんや。後でデコ書きな」

    由子「そんなことより今誰がツモ番のよー?」

    「あ、私です。すいません考えてました」

    末原・由子・漫・洋榎((((影薄っ))))

    「リーチです」グゴゴゴォッ

    末原・由子・漫・洋榎((((前言撤回))))

    44 = 3 :

     
    …………
    八順目

    末原(いっぱつ!……ならずか。まぁ別にリーチしとらんが) ツモ東

    末原(リーチすればシャボでまてる。けど……)チラ

    「……」

    末原(そう誘っとるんか?なぁ、宮永)

    末原(……ええい!リーチすんだったら一巡前にカンチャンで待てばよかったんや。今更引き返すな)

    末原(南で待つ。これは変えられん)タン ↓東

    末原(……通った。というかコレ三枚目やし。なに考えとんのやうちは)

    「……」タン

    末原(一発なしか。よかったー)

    末原(宮永はリーチはするけど、ほとんどツモ和了りせんな)

    末原(さっき漫ちゃんが言ってた通り、槓もせん)

    末原(せんのになんで、こんなこいつのこと怖いんやろ)

    45 = 3 :

     
    …………
    九順目

    由子「リーチなのよー」

    末原「……」ビクッ

    由子「あ、反応したね。びびってんのよー」

    末原「ちゃうわ!」

    末原(むふふ。これで生牌の南が出易くなる)

    末原(……んん?生牌?そういや宮永のやつ字牌整理早かったな)

    末原(いや、まさかな。ハハ……)

    宮永「……」タン

    末原(南出さんかなー)ソワソワ

    47 = 3 :

     
    …………
    十順目

    「こいつだぁっ」タン

    洋榎「なんや気合入ってるな」

    「逆転の一手を製作中ですからねぇ。ウチもいること忘れられたらあかんですよー?」

    洋榎「うわーテンション高いなー。追い詰められたら燃えるタイプか。Mやな」

    「そりゃちょっとおかしいですって」

    末原「……」チャッ ツモⅡ索

    末原(またしてもツモれんかった。漫ちゃん喋るとツモ運悪い気がする……)

    48 = 3 :

     
    末原(宮永のリーチ牌がⅢ索。モロ裏スジや)

    末原(せやけどそのスジのⅤ索は既に切られている)

    末原(カンチャン待ちかもしれへんけど、それじゃあ大した点にはならん。いってチャンタリーチ。三元牌もない)

    末原(しかしドラが一枚しか見えてないから……、いや、四順目に④筒を切ってるから可能性は低いな)

    末原(もし南が通れば、次もかわして由子と宮永の防御無しの殴り合いを眺めてればいい)

    末原(切りたい……!この南を……)

    末原(やけど、正直漫ちゃんの和了りには期待できひん)


    末原(女末原、ここは勝負だ!)タン ↓Ⅱ索

    「……」

    49 = 3 :

     
    末原「と、通った……」

    由子「のよー」チャッ

    由子「……」

    由子「一発!じゃないのよー」チキショイッ ↓南

    末原「……ああっ、それロ 「ロンです」

    末原「……え?」

    「ロンです。頭ハネ、です」バラ


       四四五五六六ⅦⅦⅧⅧⅨⅨ南


    末原「南、え?――単騎?」



    「リーチ平和リャンペーコーで、裏は二枚乗ったから――

    50 = 16 :

    しえん


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