私的良スレ書庫
不明な単語は2ch用語を / 要望・削除依頼は掲示板へ。不適切な画像報告もこちらへどうぞ。 / 管理情報はtwitterでログインするとレス評価できます。 登録ユーザには一部の画像が表示されますので、問題のある画像や記述を含むレスに「禁」ボタンを押してください。
VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。
元スレ咲「陽に照らされて花は咲く」
SS スレッド一覧へ / SS とは? / 携帯版 / dat(gz)で取得 / トップメニューみんなの評価 : ★★
レスフィルター : (試験中)
>>600
レスありがと^^
レスありがと^^
照「何? 本気で打ってとでも言いたそうな顔だけど」
咲「……」
照「勘違いしないでね。咲が本気で打たなかったからって、その当てつけをしてるわけじゃない」
照「……もう、疲れたんだ。さっきの試合で力を使いすぎた。……麻雀を憎み過ぎた。
もう牌を触っているだけで、心が軋むように痛む」
照「あれだけ長く力を使ったんだ。その反動も大きい。私の支配もさっきよりずっと弱まってる。
――好きなだけ和了りなよ、咲。終わったら帰るから」
咲「……お姉ちゃん」
照「……当てつけてるわけじゃないって言ったけど、咲がやってる麻雀はこういうことだよ。
真面目に勝敗を競おうとしてる人を侮辱する行為なんだ」
咲「私は……」
照「私はお前の麻雀を認めない。お前のことも嫌いだ。二度と会いたくない」
咲「……」ギュッ
照「だから私はお前に勝ちたかった。お前にだけは負けたくなかった。そのために私は麻雀を打ってきたんだって
思えるほどに、私はお前に勝ちたかった……なのに、結局負けた。今度こそ……もう麻雀を打つ理由すらなくなっちゃった」
>>605の時間が凄い。
咲「……麻雀をやめるの?」
照「さあね。言ったでしょ。もう、疲れたんだ」
咲「……」
咲「……」カチャ
照「……」カチャ
咲「……」カチャ
咲「――ツモ。4800」
照「……」チャラ
咲「……私ね。お姉ちゃんが家を出てってから、清澄に入るまでずっと麻雀を打たなかったんだ」
照「いいから、早く続きを打とう。私はお前と話すためにここにいるわけじゃない」
咲「……」ポチ ジャラジャラジャラ
咲「……あれから私、ずっと自分の麻雀が嫌いで、麻雀そのものが嫌いで……」カチャ
咲「でも、清澄の皆と出会って、麻雀の楽しさを思い出したの」
照「お前はそんなチームメイトの夢を台無しにしたんだ。あのプラマイゼロのせいでね」カチャ
咲さんは人間味がないんだよな
心情描写のなさがそれに拍車をかけてる
心情描写のなさがそれに拍車をかけてる
咲「……あの試合、私は勝つつもりだった」
照「……なに言ってるの? プラマイゼロに調整したくせに」タン
咲「ロン。8000」
照「っ……」
咲「お姉ちゃん、私言ったよね? この勝負、勝ちにいくって」
咲「私は本気だよ。いくらお姉ちゃんでも、本気を出さなかったらすぐトばしちゃうんだから」ゴォッ
照「……」
咲「屋上でお姉ちゃんと話した直後は、私もプラマイゼロにしようって思ってた。そうすれば、
私の伝えたいことがもしかしたらお姉ちゃんに伝わるかもしれないって思ったから」ジャラジャラジャラ
咲「……でも対局中に、清澄の皆のことを思い出したんだ。皆が私を応援してくれたこと……長野
で闘った皆も全国に行きたくて、私はその人たちを倒してここにいるんだってことを思い出したの」カチャ
咲「だから、プラマイゼロなんかしちゃいけないって……なんとしても勝たなきゃいけないって思ったの」タン
照「だったら――」ギリ
照「――だったら、どうしてプラマイゼロなんかやったんだ!!」ゴォッ!
咲「……!」
照「私はお前に勝ちたかった! 本気のお前にだ! 本気のお前と戦えたら……たとえ
負けたとしても、それで納得できたかもしれないんだ」タン
照「なのにお前は……」バチィ
照「――ツモ! 1300!」
咲「……」
照「だいたい、プラマイゼロで何を伝えたかったの? 全然理解できない」ジャラジャラジャラ
咲「……お姉ちゃんに思い出してほしかったの」
照「何を?」カチャ
咲「お姉ちゃんが、本当は麻雀が大好きなんだってことを」
照「……私は、麻雀なんか好きじゃない」
咲「じゃあ、どうして今まで麻雀を続けてきたの?」カチャ
照「……皆して、同じことばかり訊いてくる。もううんざりだ」カチャ
照「お前に勝つためだよ。私も今日まで分からなかったけど、きっとそうなんだってお前と打って気付いた」タン
咲「……違うよ」カチャ
照「……?」
咲「お姉ちゃんが麻雀を打つ理由は、そんなことじゃない」
照「お前に私のなにが分かるって言うの?」カチャ
照「――ツモ。3900」
咲「……たまにお姉ちゃんの記事を雑誌とかで見るたびに、私はいつも悲しかった。
ああ、お姉ちゃんは今もずっと麻雀を憎みながら闘い続けてるんだなって思うと……」
咲「でも、仕方ないのかなって。私がプラマイゼロでしか自分の麻雀を表現できないように……
私自身、プラマイゼロのせいで麻雀を楽しめないように、お姉ちゃんもそうなのかなって」カチャ
咲「でも……原村さんと出会って、初めてプラマイゼロ以外で対局を終わらせて、私すごく
うれしかった。すごく楽しかったの。私でも麻雀を楽しめるんだって。好きになれるんだって気づけて、嬉しかった」タン
照「……それで?」カチャ
咲「だからきっと、お姉ちゃんも麻雀を楽しめるって思ったの。私の麻雀が変われたように、
お姉ちゃんの麻雀もきっと変われるって思ったの」タ
照「……ロン。5800」パラララ
咲「だから私、お姉ちゃんに伝えたかったの。私は、私自身の麻雀を好きになることが
できたよって。お姉ちゃんもきっと自分の麻雀を好きになれるよって」
照「余計なお世話」ジャラジャラジャラ
照「私はお前みたいに牌に愛されてない。牌を憎むことでしか強くなれないんだ。お前みたいに
簡単に自分の麻雀を曲げられない」カチャ
照「それに、私はもう麻雀そのものが嫌いなの。お前とは違う」タン
咲「そんなことないよ。お姉ちゃんは今でも麻雀が好きなはずだよ」カチャ
照「うるさい! 勝手に決めるな!」カチャ
咲「……ツモ。7700」パララ
照「……」チャラ
照「……見ろ。少しでも支配が弱いと、お前は簡単に和了ってしまう。私は……お前や淡とは違う」
照「お前の言う通り、私も昔は麻雀が好きだった。負けたって楽しかった。お前にプラマイゼロに
されても、それでも楽しかった。……お前がプラマイゼロで私に思い出してほしかったのは
そのことでしょ? 私が一番麻雀を好きだった時期のことを……思い出してほしかったんでしょ?」
咲「……」コクン
照「でも、違うんだ。もうなにもかも変わってしまったんだ」カチャ
咲「……」カチャ
照「私は強くなりたかった。大好きだった麻雀をどれだけ憎んでも、強くならなきゃいけないって
思ってた。……なのに結局咲に負けちゃって、ほんと、どうしようもないよ」カチャ
咲「……お姉ちゃんの勝ちだよ」
照「え?」
咲「私はさっきの試合、ちゃんと勝とうとしてたんだよ。嘘じゃない。だから、お姉ちゃんの勝ち
なんだよ」
照「……ならどうして白をカンしたの? あれは私にドラを乗せてプラマイゼロにするためでしょ?」
咲「……うん」
照「……ほらやっぱり」カチャ
咲「でもそれは、勝つためにだよ」
照「意味がわからない」
咲「あそこでプラマイゼロにすれば、きっとお姉ちゃんはあの手を和了らないと思ったんだ」
照「……ッ」
咲「それがあのときお姉ちゃんに勝つただ一つの方法だった。お姉ちゃんは私のプラマイゼロを
防ぐためにきっと手を変えてくる。そのときに私が和了るチャンスが生まれるって思ったの」
咲「でもお姉ちゃんはあの手を和了った。……私の誤算だった。もしお姉ちゃんが昔のままなら。
もし家族で麻雀を打ってたときのままのお姉ちゃんだったら、きっとあの手は和了らなかった。
〝和了れなかった〟。もしそうなっていたら、きっと私が勝ってたはず」
咲「でもお姉ちゃんは白糸台で、私との決着なんかよりもずっと大切なものを手に入れてたんだね。
それがあったからこそ、お姉ちゃんはあの手を和了れたんだよ。私に和了らされたんじゃない。
お姉ちゃんは自分の力で、あの和了りを勝ちとったんだよ」
照「……プラマイゼロは目的じゃなくて、手段だったって言うの?」
咲「……」コクン
照「そんな話……」
咲「お姉ちゃん、私の力を感じて。今、私が手加減してるように見える?」ゴォォ!
照「……」
照(この気配は……確かに大将戦で咲が見せていた力と同じ)
照(でも、いま咲はプラマイゼロなんか目指してない。そもそも、二人麻雀にプラマイゼロなんかない。
つまりいま咲は確かに私に勝とうとしてる)
照(ならあの大将戦も……咲は本気だった……? プラマイゼロは目的だったんじゃなく、
勝利のための手段だった……?)
照(私は……咲に勝っていたの?)
照「……」
――ギ
――ギギィ……
咲「……!」
咲(このプレッシャーは……!)ゾクッ
照「……」バチィ
照(――30符1飜、聴牌)
照「なら……私はここでお前を倒す。開始時の点差も、他家の援護も、プラマイゼロもないこの二人麻雀で、今度こそ」
咲「……うん。打とう、お姉ちゃん。あの頃みたいに」
照「……」カチャ
照(これで30符2飜)タン
>咲「お姉ちゃん、私の力を感じて。今、私が手加減してるように見える?」ゴォォ!
録音してあとで聞かせたい
録音してあとで聞かせたい
咲「……」ギギ、ギ
咲「――カン!」ゴッ
照「……」カチャ
照(――40符4飜)タン
咲「……」カチャ
照(――5飜)
咲「くっ……」ギギギ
照「――ツモ。12000」
咲「……」チャラ
咲:26400
照:23600
照「これでオーラスだ、咲。私の最後の親。和了った方の勝ちだ」
咲「うん」
照「……」カチャ
咲「……」カチャ
照(私の全力の麻雀だ。支配力ももう戻った。この状態なら咲は私に勝てない。それは大将戦で証明済みだ)
咲「……」カチャ
照「……ねえ咲。一つだけ教えて」
咲「なに?」
照「咲は……清澄に入って初めて、麻雀を好きになったの?」
咲「……ううん、違う」
咲「私は家族麻雀の頃から麻雀が好きだった。でもあの頃は何をしても怒られたから、私は
麻雀が嫌いなんだって思いこもうとしてたの」
照「……」カチャ
咲「でも、清澄に入って、私はやっぱり麻雀が好きなんだなって思い出したの。勝つことが楽しいって……
ううん、負けたって、ただ牌を触っているだけで楽しいって、思い出したの」
照「……うん、そうなのかもしれないね」
照(私もきっとそうだ。昔は麻雀が好きで好きで仕方なかった。でも私は麻雀を憎むことでしか
強くなれないから……だから、私は麻雀が嫌いなんだって思いこもうとしたんだ)
咲「……」ゴッ
111234四五六七九北北
照(咲……張ったか。でも、私も聴牌)
778899⑦⑦⑧⑧⑨⑨西
照(これであとはただのめくり合い。先に引いた方の勝ちだ)
咲「あの頃みたいだね、お姉ちゃん。こうしてお姉ちゃんと打つの」
照「……そうだね。本当に、あの頃みたいだ」
あの頃、私は麻雀が大好きだった。
咲と麻雀を打つのが大好きだった。楽しくて仕方なかった。
ひんやりとした牌の感触。牌がカチャリとなる音。聴牌時の高揚感……全部大切な……大切な宝物だった。
咲と打つと、そのときの感覚を思い出してしまう。私が麻雀を大好きだった頃の感覚を。
でもそれを思い出してしまうと、私の麻雀は崩壊してしまう。麻雀を憎めなくなってしまう。
だから私は、無理矢理に麻雀を憎もうとしたんだ。
――〝麻雀を憎むと心が痛む〟……その理由が、本当に分からないの?――
照(……ああ。今なら分かるよ、淡)
類似してるかもしれないスレッド
- 淡「陽に照らされて星は輝く」 (976) - [78%] - 2012/9/23 18:45 ★★
- 咲「お姉ちゃんなんていらない」 (175) - [49%] - 2012/7/15 4:45 ☆
- 咲「働きたくない、絶対に」 (173) - [45%] - 2012/6/8 18:30 ★
- 妹「おふろきもちいいねー」 (1001) - [45%] - 2008/7/23 5:02 ★★★
- 妹「兄さんのことが好きです」 (518) - [45%] - 2010/6/19 16:45 ★★★
- 姉「弟が可愛すぎてもう、ね」 (312) - [45%] - 2011/1/12 4:31 ★
- 姉「弟のニオイがたまらない」 (902) - [45%] - 2011/6/11 7:45 ★
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について