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    元スレ郁乃「末原ちゃん再生計画」

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    101 :

    切実

    102 = 89 :

    恭子「強い人ですね、透華さんは……」

    恭子「私なんかとは違って……」

    透華「あれだけの戦いをした貴方を弱いだなんて誰も思いませんわ」

    透華「ただ少し運が悪かったようですけど」

    恭子「運?」

    透華「今となっては周知の事実ですけど、宮永さんは宮永照と姉妹であることを親しい人以外には語ろうとしませんでした」

    透華「噂に聞くには、あの二人の間には相当な暗い過去があったそうです」

    恭子「……」

    透華「宮永さんはお姉さんと仲直りするために再び麻雀を始めた」

    透華「それでも、全国に来てからお姉さんと対決する日が近付くにつれ精神的にかなり不安定になっていたようですわ」

    103 = 89 :

    透華「去年の衣を知ってる貴方なら分かるでしょうが」

    透華「彼女たちがそのような状態で麻雀を打つとそれは恐ろしい力になります」

    透華「俗に言う、魔物という存在に」

    恭子「……」

    透華「それに加え、去年までの衣が他者の心を軽んじ、踏み躙るようなような麻雀を打っていたのに対し」

    透華「準決勝の宮永さんは目的を邪魔する強敵である貴方を真っ直ぐに捉え、もっと明確で暗い感情を貴方にぶつけた」

    透華「衣をずっと見てきたわたくしでさえも正直ぞっとしましたわ」

    透華「普段はとぼけたようにぽわんとした彼女があんな事になるなんて想像もできませんでした」

    透華「個人戦決勝でお姉さんと戦い、和解してからは今までの彼女に戻ったようですけど」

    恭子「……」

    104 = 100 :

    断固支援

    105 = 89 :

    透華「まだ、宮永さんが、麻雀のことが怖いですか?」

    恭子「何やよう分からんくなってきましたわ……」

    透華「貴方にはこれだけは知っておいてもらいたいですわ」

    恭子「……?」

    透華「衣の孤独な心を救ったのも、やはり宮永さんの麻雀でした」

    恭子「……」

    透華「衣は彼女に出会い、敗れ、そして自分が一人じゃないことを知りました」

    恭子「……」

    透華「わたくしは彼女のことを恩人に思っていますし」

    透華「今日だって彼女や原村和がいるからわたくしは安心して長野に帰ることができます」

    透華「彼女の麻雀にはそういう力もあるんです」

    恭子「……」

    106 = 89 :

    透華「そんなものは所詮魔物同士の戯れだと貴方はお思いになるでしょうか?」

    恭子「それは……」

    透華「長野予選の決勝、衣と宮永さんと同卓した二人は対局後に笑って会場を去りました」

    恭子「……」

    透華「その裏では死ぬほど悔しい気持ちもあったでしょう、涙も流れたでしょう」

    透華「それでも、あの瞬間はみんな笑っていましたわ」

    恭子「……」

    透華「貴方はどうでしたか?」

    恭子「……」

    透華「あの試合が終わった直後のことを思い返して、貴方はどのように感じていましたか?」

    108 = 89 :

    恭子「私は……」

    恭子「ようやったって自分を褒めてやりたかった……」

    恭子「高校最後の試合で自分の全てを出し切ってぶつかれたことが気持ち良かった……」

    恭子「こんなすごい選手を相手に最高の麻雀が打てたことを誇りに思った……」

    恭子「麻雀って、楽しいと思った……」ポロポロ

    透華「ええ、わたくしにもそう見えましたわ」

    109 = 89 :

    透華「魔物と呼ばれる彼女たちの麻雀」

    透華「圧倒的な力量差に絶望する者もいるでしょう」

    透華「二度と牌を握れなくなる者もいるでしょう」

    透華「それでも」

    透華「その麻雀に多くの人が魅了され」

    透華「誰かの憧れや目標になり」

    透華「対局した者の持てる力を全て引き出してぶつけさせてくれる」

    透華「わたくしはそんな彼女たちのことを『魔物』などではなく」

    透華「『牌に愛された者』、そう呼んであげたいんですの」

    恭子「……」

    111 :

    ええ話や

    113 = 89 :

    透華「もうすぐ赤阪さんも戻ってくる時間ですわね」

    透華「そろそろ出ましょうか?」

    恭子「あの…」

    恭子「ほんまに、ありがとうございました!」

    透華「お礼を言われるようなことは何もしてませんわ」

    透華「わたくしも貴方のような方とお話しできでとても楽しかったですわ」

    恭子「透華さんたちも、来年は本気で全国優勝狙ったらどうですか?」

    恭子「さっきまでめそめそしてた私がゆーのも何ですけど、ええもんですよ」

    恭子「負けたらめちゃめちゃ悔しいですけど」

    透華「そうですわね、衣ももう心配いりませんしそれも面白そうですわね」

    恭子「でも、姫松高校と当たったときはちゃんと負けたってくださいよ」

    透華「ふふ、それはお約束しかねますわ」

    116 = 89 :

    郁乃「ごめ~ん末原ちゃん待たせてもうて~」

    恭子「いえ、私も今来たとこなんで」

    郁乃「あら、ちょっと目離した隙にまた可愛くなってへん?」

    恭子「何をアホなことゆーてるんですか?早よ大阪に帰りますよ」

    郁乃「も~相変わらずつれへんな~」

    恭子「はぁ、ほんま疲れますわ」

    恭子(ほんまこの人は……)

    120 = 89 :

    ~麻雀部部室~


    バン

    洋榎「おう!みんな帰ったでー!」

    「おかえりお姉ちゃん!聞いたで!代表選手に選ばれるなんてめっちゃすごいやん!」

    洋榎「そんなもん当たり前や!」

    洋榎「てかうちが補欠扱いてどーゆーことやねん!協会のおばはんどもはほんま見る目ないわ」

    由子「それでも十分すごいのよー」

    「そうですよ主将!」

    恭子「漫ちゃん」ギロ

    「あ、愛宕先輩」

    121 :

     

    122 = 89 :

    洋榎「…!」

    恭子「お疲れ、洋榎」

    洋榎「恭子あんた、もう大丈夫なんか?」

    恭子「お陰さまで、心配かけてごめんやで」

    洋榎「よっしゃ!おい漫、今すぐそこ代われや!!」

    「えー!私かて今打ち始めたばっかですよ」

    洋榎「そんなん知るかい!」

    「先輩は合宿の武勇伝でも後輩に聞かせたっといてくださいよ」

    洋榎「そんなもんどーでもええねん!私は今すぐ恭子と打ちたいんや!」

    洋榎「おう由子もここ座りーや!」

    由子「分かったのよー」

    123 = 89 :

    洋榎「何や恭子うつむいて。やっぱまだ具合悪いんか?」

    恭子「ちゃうちゃう。ちょっと目にゴミが入っただけや……」

    恭子(うちかてあんたと打つんが楽しくて……)

    恭子(あんたと一緒にやってこれたんが嬉しくて……)

    恭子(ありがとーな、洋榎)

    124 = 89 :

    郁乃「相変わらず賑やかにやっとるね~」

    絹恵「代行、お姉ちゃんの付き添いご苦労さまです」

    郁乃「ええんよ~、それが私の仕事やし」

    郁乃「みんなもう知っとると思うけどおねーちゃんが世界ジュニアの代表に選ばれました」

    郁乃「はいみんな拍手~」

    パチパチパチパチ

    ワーワー

    郁乃「それと、もう一個みんなに嬉しいニュースがあんねやけど――」

    125 = 121 :

     

    126 = 89 :

    コンコン

    恭子「失礼します」

    郁乃「どないしたん?末原ちゃんから話があるなんて珍しい」

    恭子「どないしたも何も」

    恭子「何でもっと早よゆーてくれんかったんですか?」

    恭子「来週から善野監督が復帰して、代行が学校からおらんくなるやなんて」

    郁乃「いや~みんなを驚かせたろ思てギリギリまで黙ってたんよ~」

    郁乃「どや、びっくりしたやろ?」

    恭子「そりゃびっくりしますよ」

    127 = 89 :

    郁乃「末原ちゃんは善野監督のこと好きやもんな~」

    恭子「そうやなくて、急すぎるやないですか!」

    恭子「インターハイ以来、いろんなことが起こりすぎて」

    恭子「頭ん中ぐちゃぐちゃなって」

    恭子「よーさん悩んで」

    恭子「正直まだ心ん中で整理しきれてないです」

    恭子「それでも、代行が私のためにあれこれしてくれはったんは分かります」

    郁乃「……」

    恭子「感謝してるんです」

    恭子「私が笑って引退できるんは代行のおかげなんです」

    128 :

    しえん

    129 = 89 :

    恭子「そない急におらんくなるやなんて何も返せへんやないですか」

    郁乃「何ゆーてんの」

    郁乃「末原ちゃんは私の教え子やで」

    郁乃「教え子にモノ教えんのに見返りなんていらへんよ」

    郁乃(その言葉だけでもらいすぎなぐらいやわ)

    恭子「でも……」

    郁乃「おねーちゃん待ってんねやろ」

    郁乃「ああ見えて長旅で疲れてるんやから早よ家に帰したり」

    恭子「分かりました……」

    恭子「それでは失礼します」

    クル

    恭子「監督!今までご指導ありがとうございました!!」

    130 = 121 :

        

    131 = 89 :

    郁乃「最後の最後に監督やなんて」

    郁乃「ふふ」

    郁乃(こんだけ自分の感情で動いたんはいつぶりやろ)

    郁乃(初めて末原ちゃんに会ったときは深入りする前に逃げ出そかなんて考えたもんや)

    郁乃(そうすべきやったんかもしれへんけど)

    郁乃(………)

    郁乃(今回はさすがにちょっと疲れたわ)

    郁乃(でもまあしゃーないか)



    郁乃「だって、末原ちゃん可愛いんやもん」

        

        ~END~

    136 = 97 :

    すばらっ!
    ええなこれは
    乙でした

    137 = 91 :

    乙、よかった

    138 = 110 :

    よかった。
    これは個人的に殿堂入り。

    140 = 128 :

    おつ

    142 = 100 :

    素晴らしい
    乙乙

    143 = 95 :

    乙乙
    面白かった
    代行いいね

    144 :

    これはいいSS
    おつー

    145 :

    今から読む保守

    146 :

    お金持ち、家族思い、性格も良い
    金髪jk

    透華さん最強やな

    147 = 145 :

    よかった
    綺麗な代行は貴重やけん本当によかった

    148 :

    透華お嬢様すばら
    さすが俺の嫁

    150 :

    すばらすぎる…
    でもまだカンしてない!カンしてないよ!大学生になった末原ちゃんとの後日談あるんちゃうか?!


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