元スレ郁乃「末原ちゃん再生計画」
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51 = 1 :
郁乃「そーゆーメンタルケアみたいなことやってる知り合いもおるにはおるんやけど」
郁乃「見るからに胡散臭そうな人らばっかやで。それでもええ?」
恭子(あの代行でも胡散臭そうて……)
恭子「それは遠慮しときます」
郁乃「そんで二人に話やねんけど」
郁乃「ホンマやったらめでたいことなんやけど、今の末原ちゃんにはちょっと酷かもしれんな」
恭子「?」
郁乃「二人が国内選抜の強化選手に指定されたって協会から通知が来たんや、この冬行われる世界ジュニアに向けての」
洋榎「おおー」
恭子「何で私が……?」
52 :
咲さん魔王みたいやないか
53 = 1 :
郁乃「まだ正式に決まったわけやないで。2週間後に東京で行われる合宿で全国から選ばれた選手が集まって10日間特訓をする」
郁乃「その特訓の様子をみて補欠も含めた10名の選手が代表として世界ジュニアに出場するっちゅー流れや」
郁乃「もちろんその合宿に行かんと最終的に選ばれることはない」
恭子「ちょっと待ってください!何で私なんかが選ばれるんですか?」
郁乃「そりゃ~あの宮永咲ちゃんにあそこまで戦えた選手ってことが高く評価されとるからや」
郁乃「1年生で団体戦・個人戦のダブル優勝。まともにやり合えたんは宮永照、大星淡、そして末原ちゃんの3人しかおれへん」
恭子「そんな、私なんて全然……」
郁乃「どうや?合宿に参加したい?」
洋榎「もちろんうちは行くで!世界とかワクワクするやん!」
郁乃「末原ちゃんは?」
恭子「……選ばれたんは光栄ですけど、私は辞退させてください」
恭子「とてもそんな大それたもんに参加できる状態やありません……」
54 = 1 :
洋榎「ほんまにええんか?」
洋榎「こんな機会めったにないし、2週間後までには回復しとるかもしれんやん」
恭子「ええねん、たとえ元気でも私はそんなんに選ばれるような選手ちゃうて」
恭子「洋榎が頑張ってんのを私は大阪から応援させてもらうわ」
洋榎「恭子……」
郁乃「分かった。協会にはそう連絡しとくわ」
郁乃「話はこれだけやしもう二人とも帰ってええよ」
郁乃「と言いたいとこやけど末原ちゃん、この後ちょっとだけ時間ある?」
56 = 1 :
恭子「まだ何かあるんですか?」
郁乃「末原ちゃんを元気づけたろ思て」
恭子「もう私は麻雀部を引退した身ですよ。そこまでしてもらう義理はないと思いますけど」
郁乃「そんなことないで。末原ちゃんが苦しんでんのを黙って見過ごす気なんてあらへん」
恭子「……」
郁乃「麻雀が怖いと感じる原因は分かってるん?」
恭子「そりゃあ最後の試合のせいやと思いますけど」
郁乃「大まかに言うたらそこや、でももっとピンポイントで言うことができる」
恭子「どーゆーことですか?」
郁乃「末原ちゃんはあの試合の牌譜を見た?」
恭子「試合翌日に目を通しましたけど、まだ気持ちも落ち着いてへんかったしあんまり気分も良いもんやないんでしっかりとは……」
57 = 1 :
郁乃「後半戦南一局のことは覚えとる?」
恭子「それはもちろん、宮永が靴下を脱いだ局ですから。結果的には臨海が和了りましたけど」
郁乃「あの局で何か感じたことはなかったか」
恭子「宮永が脱いだ瞬間に何かこうぶわっと空気が変わったんが分かって……」
恭子「そういえば局の途中で、背筋が凍るような強烈な気配を宮永から感じました」
恭子「結局あの感覚は一瞬だけでしたけど」
郁乃「あのときの点数状況は1位が臨海、2位がうち、3位が清澄。微差で三校が団子状態やった」
郁乃「そんで、6巡目の宮永ちゃんの手牌はこれや。ちなみに直前に9sを捨てとる」
888m456678s8p中中中 ドラ 6s
58 = 1 :
恭子「369sの三面張を拒否しての8p単騎……」
郁乃「そして末原ちゃんが危険を察知してテンパイを崩した牌が8m」
恭子「嶺上狙い、ですか……?」
郁乃「こういう打ち方やったら普段から宮永ちゃんがやってることや」
郁乃「でも、異常なんは……」
恭子「臨海が10巡目に中を切っとる……!」
郁乃「そう。微差のトップ目からの満貫を見逃して完全に末原ちゃんを狙い撃ってるんや」
恭子「………」
郁乃「この局は臨海が安手で和了って、かわされたんに気付いた宮永ちゃんは次局から真っ直ぐ和了るほうへ切り替えたようやけど」
郁乃「今までの打ち筋、あの子の性格から考えてもここまでするとは思わへんかった」
恭子「私が決勝に残るんを嫌がったってことですか?」
郁乃「そんな生やさしいもんやない」
60 = 1 :
郁乃「感じたんやろ?宮永ちゃんから今までとは異質な気配を」
恭子「……」
郁乃「槍槓狙い撃ち、リーチ後宮永ちゃんからの差し込みを見逃しての三暗刻ツモ」
郁乃「嶺上も点数調整も狂わされたあの子の末原ちゃんへのストレスや動揺は誰の目にも明らかやった」
恭子「……」
郁乃「せやから、潰そうとした」
郁乃「末原ちゃんの心を折ろうとした」
恭子「……」
郁乃「画面越しに私が感じたあれは間違いなく、殺気や」
恭子「……」ゾクッ
61 = 14 :
咲さん怖い
62 = 1 :
郁乃「関係者ん中ではあの小鍛治健夜以来の素材やと呼ばれる魔物が、全神経を研ぎ澄ませてあんたを喰らおうとした」
恭子「……」
郁乃「魔物の牙がまだ末原ちゃんの心に刺さったままなんよ」
恭子「でも……」
恭子「確かに異様な気配は感じましたけど対局中は全然平気でした」
郁乃「それは末原ちゃんも興奮状態にあって集中力も格段に増しとったからや」
郁乃「それでも、今までの末原ちゃんならその場で呑み込まれとったかもしれん」
郁乃「でもあのとき、末原ちゃんは宮永ちゃんに対する自信も手応えも感じとった」
郁乃「せやから、宮永ちゃんの殺気に対しても耐えることができた」
恭子「……じゃあ、今になって何で?」
63 :
魔王怖い
65 = 1 :
郁乃「魔物と呼ばれる存在の力は強大や」
郁乃「対局後すぐに一生牌を握れなくなるモンもおれば、ここぞっちゅー場面でトラウマが蘇り体がすくむモンもおる」
郁乃「プロや実業団で活躍してる中にでもそういった苦しみを抱えたままの人かておる」
恭子「そんな……」
郁乃「魔物は人の心の弱さに巣食う」
郁乃「末原ちゃんの心の弱い部分が宮永ちゃんの、麻雀の恐ろしさを覚えてしもうてるんや」
恭子「やっぱ最後まで、私は自分の弱さに苦しめられるんですね……」
郁乃「いっそ心が鈍うできとったら、こんな思いはせんで済んだかもしらん」
郁乃「それでも、これだけは勘違いせんといてや」
恭子「……?」
郁乃「末原ちゃんの自分の弱さを見つめられる心は、あんたの何よりの強さや」
66 = 14 :
しえしえ
67 = 1 :
恭子「ありがとうございます……」
恭子「それでも私は……」
恭子「もう麻雀を楽しんで打つことはできないんですか……」
郁乃「考えがないわけやない」
恭子「あるんなら今すぐ教えてください!私はもう一度……!」
恭子(洋榎と、由子と、みんなと)
恭子(麻雀がしたい……)
68 = 1 :
郁乃「今はまだ何もできへん」
恭子「……」
郁乃「長いことごめんな。今日はもう帰り」
恭子「分かりました……」
郁乃「それと、おねーちゃんを合宿所に連れていくとき東京まで私も引率せなアカンねんけど」
郁乃「末原ちゃんも付いてき」
恭子「えっ、何でですか?」
郁乃「ええからええから、これは監督命令や」
69 :
きっと復活して天衣無縫に目覚めてくれるはず
70 = 1 :
郁乃(ここまでは予想しとった展開やね……)
郁乃(後は……)
郁乃「確かこの辺にしまっておいたはず」ガサゴソ
郁乃「お~あったあった、これや」
prrrrrrrr
prrrrrrrr
?「はい」
郁乃「もしもし~」
71 = 1 :
~日本高等学校麻雀協会~
会員A「強化指定選手の通知を送った学校から全て返事がきました」
会員B「おー、ご苦労さん」
会員A「ほとんどの選手が喜んで参加しますとのことですが、2名だけ辞退を申し入れた選手がいますね」
会員B「ほぉ、それは誰だ?」
会員A「大阪の姫松高校の末原恭子選手と、もう一人は―――」
72 = 1 :
~東京~
郁乃「さぁ、二人とも着いたで~」
洋榎「おー、ここが合宿会場かー」
洋榎「思てたよりでかいし良さそうなとこやんけ」
洋榎「何か一気にテンション上がってきたわー!」
恭子「ちょっと落ち着きーな洋榎、一緒におって恥ずかしいわ」
恭子「そこらに全国で有名な選手がうじゃうじゃしとんのに」
洋榎「かめへんかめへん。うちらかて有名選手や!」
恭子「せやから余計恥ずかしいねん……」
郁乃「忘れもんはないか?おねーちゃん」
洋榎「ばっちしや!ここまで送ってもろてありがとうございます」
73 = 1 :
郁乃「ええんよ。お礼やったら代表に選ばれて戻って来てや」
洋榎「おう、任しといてください!」
恭子「洋榎!」
恭子「応援しとるから、いつもみたいに勝って帰ってくるんやで」
洋榎「当たり前や!武勇伝ぎょーさん持って帰ったるから耳の穴よう掃除しときや」
恭子「うん、楽しみに待っとるわ」
洋榎(『帰ったらまた一緒に打とな』って言いたいとこやけど……)
洋榎(うちも待っとるで、がんばれ恭子)
洋榎「ほな、行ってきます!」
74 = 1 :
郁乃「ホンマたくましい子やね~」
恭子「はい」
恭子(あの背中に、何度励まされたことか……)
郁乃「そんでや末原ちゃん、これからのことなんやけど」
郁乃「私はちょっと用事があるから、帰るまで2~3時間ぐらい適当に時間潰しといてくれへん?」
恭子「は?」
郁乃「ど~しても外せん用事があってな。ほなまたここで」
恭子「ちょっ、何のために私はここまで来たんですか?」
恭子「行ってしもた……」
恭子「いきなり時間潰せって言われてもどうせーゆうねん……」
恭子「ん?」
恭子(会場から誰か出てきた)
恭子(もう集合時間は回っとるはずやけど)
75 = 41 :
しずよけ
76 :
バイバイシズチャー
77 = 1 :
透華「まったく、もう9月も終わりといいますのに都会の夏は暑くて敵いませんわ、ハギヨシ!」
ハギヨシ「はっ、日傘でございます、透華お嬢様」
透華「ありがとう。あら?」
透華「貴方、姫松高校の末原恭子さんですわよね?」
恭子「はい、そうですが……」
透華「わたくしは――」
恭子「龍門渕透華さん?」
透華「あら、わたくしのことを存じておりますの?」
恭子「そりゃあ去年のインターハイでうちらを破った高校ですから」
恭子「私は試合には出てませんでしたが」
透華「そうでしたわね。ところで貴方、もし時間が空いてるようでしたらお茶をご一緒しませんこと?」
恭子「はぁ、別に構いませんけど……」
78 = 1 :
恭子(龍門渕透華――)
恭子(龍門渕高校麻雀部の監督、部長、副将を務める2年生)
恭子(大企業・龍門渕グループのオーナーの一人娘にして、あの天江衣の従姉妹でもある)
恭子(そして――)
恭子(私の他に強化指定選手に選ばれたのを辞退したもう一人の選手)
恭子(スタイルは典型的なデジタル打ち)
恭子(せやけど、波に乗るとデジタルを度外視した派手な和了りをバンバン決めることもある厄介な打ち手)
79 :
80 = 1 :
恭子(何より、時折のぞかせるデジタルともオカルトとも違った異質な力)
恭子(去年のインターハイ準決勝の臨海との対決)
恭子(そして、今年の準決勝の前日に代行からもらった長野合同合宿の牌譜)
恭子(藤田プロ、宮永咲、天江衣)
恭子(この化け物じみた3人を相手に彼女は4戦連続トップを獲っとる)
恭子(あのときは洋榎が言うとったように対戦相手の負けてる試合の牌譜を見とけって意味やと思ったけど……)
恭子(何を考えとるんや、あの人は)
82 = 17 :
てっきり咲さんがとどめを刺しにきたのかと思ったわ
84 = 1 :
~喫茶店~
透華「ふー、相変わらず東京の夏は暑いですわね」
恭子「大阪も似たようなもんなんで私は慣れてますけど」
恭子「あの」
透華「何ですの?」
恭子「代行とはどんな関係で?」
透華「代行?おたくの赤阪さんのことですの?」
透華「別に知り合いでも何でもありませんわ」
透華「去年のインターハイの準決勝の後で声を掛けられて半ば無理やり名刺を交換させられただけですわ」
恭子「はぁ」
透華「それが少し前に突然電話を掛けてきてわたくしもびっくりしましたわよ」
85 = 1 :
恭子「代行は何て?」
透華「今日ここで貴方がぶらぶらしてるはずだから暇つぶしに付き合ってあげてほしい、ってそれだけですわ」
透華「まったくあの人のすることは意味が分かりませんわ」
恭子「それは、とんだご迷惑をお掛けしましてほんますいません……」
透華「貴方が謝ることはなくてよ」
透華「まあ、せっかく東京に来たんですしこうして他校の方と交流するのも悪くないでしょう」
透華(それに、人の心を見透かしたようなあの笑顔……)
透華(意味は分からずとも意味がないようなことをする人には思えませんし)
恭子「龍門渕さんは何で東京に?」
透華「透華で構いませんわ。名字で呼ばれるのは会社のことがちらついてあまり好きではありませんの」
恭子「分かりました。透華さんは選抜は辞退されたと聞きましたけど」
86 = 14 :
しえん
87 = 1 :
透華「衣の付き添いですわ。あの子は見た目通り本当に子供ですから世話が焼けますの」
透華「本当ならわたくしの目の届かない場所へやるのは不安なんですが、今回の合宿は宮永さんや原村和もいてますし大丈夫でしょう」
恭子(宮永……)ザワ
透華「貴方はどうして東京に?」
恭子「私も付き添いです。といっても代行に無理やり連れてこさされたんですけど」
透華「何故、選抜を辞退されたんですの?」
恭子「……」
恭子「恥ずかしい話なんですが……」
恭子「私は今麻雀をまともに打つことすらできへんのです……」
89 :
透華「それは……」
透華「今年の準決勝が原因と考えてよろしいんですの?」
恭子「…………はい」
透華(なるほど、そういう話ですか……)
透華「わたくしも清澄高校を応援するために東京に来ていましたから、あの試合は会場で拝見させていただきました」
透華「本当に見事な戦いっぷりでしたわよ、あの宮永さん相手に」
恭子「ありがとうございます……」
恭子「それでも今は、麻雀が怖くてしゃーないんです……」
透華「……」
90 = 89 :
恭子「失礼ですけど、長野合同合宿の透華さんの牌譜を見ました」
恭子「何であの力に頼ろうとしないんですか?」
透華「……」
恭子「何で今回の強化合宿辞退したんですか?」
透華「……」
恭子「何で天江衣みたいな化けモンとずっと麻雀してきて平気でいられるんですか!?」
透華「……」
恭子「あっ」
恭子「すいません!すいません!」
恭子「つい熱ーなって何て失礼なことを……」
透華「構いませんわ」
93 = 89 :
透華「貴方の疑問にお答えするには、まず龍門渕高校の麻雀部についてお話しなくてはいけませんわね」
透華「わたくしたちが麻雀部の活動を開始した理由は、勝って全国優勝するためではありませんの」
恭子「えっ」
透華「わたくしたちが麻雀をする理由は、全てあの子の、衣のためですわ」
恭子「……」
透華「幼い頃に両親を亡くした衣は、従姉妹であるわたくしの家に引き取られてきました」
透華「うちに来たときのあの子の心は、それはそれは孤独なものでした」
透華「誰とも分かり合えず、あの子が大好きだった麻雀でさえそれは人を傷つける凶器にしかなりませんでした」
透華「わたくしが衣と麻雀を打って平気な理由、でしたか?」
恭子「……」
94 = 89 :
透華「家族だから、としか言いようがありませんわね」
透華「もちろん、わたくしも初めてあの子の麻雀に触れたときは恐ろしいと感じました」
透華「でもそれ以上に、普段のあの子の幼い姿や麻雀を終えたときの寂しげな表情を見ていると」
透華「家族として、この子の心を救ってあげたいと思うんですの」
恭子「……」
透華「そして、衣と麻雀で楽しく遊べる相手を探すためにスタートしたのがわたくしたちの麻雀部ですわ」
恭子「でもあの力やったら、天江衣に勝つことができたんやないですか?」
透華「衣を少しは楽しませることぐらいはできたかもしれませんわね」
透華「それでも、満月の夜の衣には敵いませんし、たとえ勝てたとしてもわたくしの力では衣の心が救われることはなかったでしょう」
透華「あの子の力の全てをぶつけてもさらにそれを上回る力」
透華「そういう存在に出会うことがあの子には必要だったんですわ」
恭子「……」
95 :
透華マジ女神
96 = 89 :
透華「一番側にいるわたくしまで麻雀に堕ちてしまっては元も子もありませんしね」
恭子「せやから、あの力に頼ることを頑なに拒否したんですか?」
透華「そうですわ。それに、わたくしは合理的に物事を考えるのが好きですの」
透華「衣と同じ血が流れてるこの身に何かがいたとしても、それに自我を奪われて得た勝利になんて興味はありませんわ」
恭子「言うてることは分かります」
恭子「それでも私は、透華さんを羨ましいと感じてまう……」
恭子「何の才能も無い私には、それはどう足掻いても届かんもんやから……」
透華「……」
恭子「もっと強なりたいって思わんかったんですか?」
恭子「インターハイ2回戦で宮永に屈辱を味わった夜、私は本気でそう思いました」
恭子「どんな犠牲を払ってでもあいつを負かす力が欲しいって……」
99 = 89 :
透華「昔はそういう衝動に駆られたこともありましたわ」
透華「そんなときに出会ったのがのどっちでした」
恭子「のどっちって、確かネット麻雀界で最強と呼ばれてるハンドルネームでしたっけ?」
恭子(清澄の原村がのどっちやっちゅー噂も聞いたことあるけど)
透華「ええ、デジタル打ちの最高峰と呼ばれる彼女の麻雀」
透華「わたくしが目指すべき目標であると同時に、倒すべき最大のライバル」
透華「彼女の存在があったからわたくしは自分の打ち方を、自分の信念を貫くことができましたの」
透華「本当に感謝してますの」
恭子「それじゃあ、強化指定選手に選ばれたんを辞退したのも」
透華「ええ、協会のお偉いさん方が求めてる麻雀がわたくしの本当の麻雀じゃないからですわ」
透華「恐らく、あの合宿の成績から藤田プロが推薦なさったんでしょうけど」
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