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元スレ律子「彼氏のフリをしてください!」
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律子「もう、ほんと……それだけなんだから……」
P「……じゃあ、あれを観ようか」
律子「え? ほ、本気ですか?」
P「ああ。あれさ、ちょうど俺も観てたんだよ。円盤も買ったぞ」
律子「え、円盤って……よくそういう言い方、知ってますね。……意外と、そういうのに理解ある人?」
P「うん、まあ……そういう律子こそ」
律子「た、たまたまですっ」
P「そうか、たまたまか……ならしかたないな」
律子「そ、そうです、しかたない……で、それで!」
律子「……本当に観るんですか? いいの? あんなのデートっぽくないんじゃ」
P「デートだデートだって気を遣わなくていいって言ったのは、律子だろ?」
律子「まあ……そうですけど」
律子「……」クルン
律子「……ふふ……」
P(背を向けてひそかに喜んでる律っちゃんかわいい!)
猿の木星・・・ひょっとして>>1はすばせかをやった事ある?
P「じゃあ、俺チケット買ってくるから。律子は適当に時間潰しててくれよ」
律子「私も行きますよ。ひとりで並ばせるわけには……」
P「いやでも、結構長いぞ?」
律子「それでも、です。あなただけに負担かけさせるなんて、そんなの私が嫌なんです」
P「……そっか。それじゃあ、よろしく頼む」
律子「……ふふっ、へんなの。そんなことでよろしく、なんて言っちゃって」
P「い、いいだろべつに!」
涼「映画館に来たけど……うわ、すごい人だ。ふたりは、何を観るのかな?」
涼「というか映画なら別に、僕も一緒に観る必要はないよね。外で待ってれば……ってあれ?」
涼「……猿の木星? なにこれ……」
ざわざわ……
P「それでさ……そのとき千早が……」
律子「へー、そんなことが……ふふっ。そうなのよね、意外とあの子、笑いの沸点低いんだわ」
P(律子とふたりで行列に並んでいるが……こんなときでも、話題になるのは、やっぱりアイドルのことだった)
P(仕事の話、と言ってしまえば色気もないけど……)
P(それでもやっぱり、俺達はこういう話をしているときが一番自然でいられるし、楽しい気持ちでいられるのであった)
P「それにしても……」チラ
律子「なんですか?」
P「……律子の私服。かわいいな」
律子「ええ!? な、何を突然……!?」
P(今日のりつこ)
P(俺は、将来のご両親に失礼にならない程度にはしっかりとした格好をしているが、それに対して律子は……)
P(ふわふわしたスカートを持つワンピース、その上から薄手の白いカーディガンを羽織るといった格好だった)
P(髪型もいつものようなパイナップルではなく、長い髪を軽く結んで、胸の上に垂らしている)
P(律っちゃんかわいい!)
律子「そ、そんなにジロジロ見ないでくださいよ……」
P「いやあ、こういうのも新鮮だな! ふだんのスーツももちろんカッコかわいいけどさ!」
律子「……ほーんと、そういうことをペラペラ言えちゃうんですよね。お世辞は結構ですっ」
P「いやいや、冗談じゃないし、お世辞でもないぞ。写真に撮って部屋に飾っておきたいよ」
律子「な、何を言ってるんですか!? 一歩間違えたら、せ、セクハラよ!?」
P「あ、いやいや! まあそういう気持ちもあるけど、そうするつもりは決してないから!」
律子「も、もう……!」
律子「実際にやるとかやらないとかの問題じゃないでしょっ」
P「そんなに怒らないでくれよ」
律子「べ、べつに怒ってるわけじゃ……!」
P「あはは、じゃあそれは照れ隠しか? なーんて……」
律子「……」プイ
P「……」
P(なんだよ今の表情と仕草! かわいい!)
律子「……セクハラです」
P「あ、う、うん……もう言わないよ」
律子「そーです、言っちゃダメです」
律子「私以外の、例えばアイドルの子たちに言ったら、女の子によっては大変なことになりますからね」
P「……ということは、律子になら言ってもいいのか?」
律子「なっなな、なんでそういう解釈になるんですか!? そ、それだって……その……」
P「……」
律子「……あ、あんまり言っちゃダメです……。恥ずかしいなぁ、もう……」
P「……」
P(キュンキュンする)
律子「……なんとか、言ってくださいよ。これじゃあ私、恥ずかしいまんまじゃない……」
P「……言わない、律子以外には。そう心に決めた、いま」
律子「なんで倒置法……? そ、そういうことじゃなくてですね……!」
「お次のお客様ー。大変おまたせしました、こちらのカウンターへどうぞー」
P「は、はいっ! それじゃあ……行こうか」
律子「……ええ」
P(なんだか、へんな空気になってしまった。ちょうど順番が来て助かった……のかもしれない)
P(……やっぱり、律子はかわいいな)
P「はあ……結婚したい」
律子「!?」
P「あ、いやいや! なんでもない! なんでもないぞ!」
律子「そ、そうですか……」
>>66
かわぇぇ
かわぇぇ
緑っぽい髪色をした女性OL「猿の木星をお願いしますっ! 大人一枚で!」
女の子に間違われそうな男の子「え、えっと……その、猿の木星を……はい」
P(随分人気があるみたいだな、猿の木星)
「お客様?」
P「あ、すみません。えっと、『劇場版アイドルマスター』を……はい、大人二枚……え、席?」
律子「……」ニコニコ
P「なあ律子、席どのあたりが――
律子「!」
P「……どのあたりがいい? 真ん中は埋まってて、前と後ろがあるんだけど」
律子「ど、どど、どこでも結構です」
P「そっか。それじゃあ……ここの……はい、後ろあたりで」
律子「べつに、喜んでませんけど!?」
P「何も言ってないじゃないか……」
「ありがとうございました。では、ごゆっくりとお楽しみください」
P「はい、ゆっくりします」
律子「何言ってるんですか……」
P「……さて、と」
律子「あ、待ってください。お金を……」
P「え? いいって、そんなの」
律子「よくないです。チャチャっと払っちゃうもんだから、さっきは出せなかったけど……はい」
スッ
P「……なあ、律子」
律子「なんですか?」
P「デートのときって、男が払うもんなんだろ? だから、いいって」
律子「……それは、きっと偏見です。それにこれは……本当のデートじゃないでしょう?」
律子「だから、受け取ってください」
P「でもなあ……」
律子「そうしないと、私の気が済まないんです。男性に奢ってもらって、それが当たり前なんて」
P「……わかった。それじゃあ、そのお金でドリンクでも買ってくれよ」
律子「ドリンク?」
P「ああ。さすがに二時間以上だから、何か飲み物も必要だろ?」
律子「……」
P「それならイーブンだ。だからさ」
律子「……あんなの、ふたつ買っても、チケット代に比べたらまだまだ足りないじゃない」
P「じゃあ、ポップコーンも付けてくれ。塩味な」
律子「そういう問題じゃ……!」
P「いいからいいから……ほら、開演までもう時間もないぞ。並ぼう」
律子「……」
ざわざわ……
律子「……あなたって」
P「ん?」
律子「……意外と、頑固なんですね」
P「こういうときくらい、カッコつけさせてくれよ」
ざわざわ……
律子「私相手にカッコつけて、どうするんですか」
P「……律子の前だからだよ」
律子「……それ、私以外に言ったら、勘違いされてしまいますよ」
P「……律子はどう思ったんだ?」
律子「……」
律子「もう、順番ね」
P「……そうだな」
P「……」
律子「……」
P(……なんだか、またへんな空気になってしまった)
P(俺が言ったこと……さすがに、律子も引いてしまったか? くそう、なんであんなこと……)
P(失敗、したかな――
ざわざわ……!
P「っ! ……それにしても、さっきからなんだ、この騒がしさ」
律子「そ、そうですね。尋常じゃないざわめき……」
きゃー! き、如月千早ちゃんですよね!?
うわっ、ホントだ! さ、サインを!
「通してください! きょ、今日はプライベートだから……ああ、見失っちゃう……!」
P「」
律子「」
P「……どうしよう」
律子「どうしよう、って?」
P「あそこにうちの看板アイドルがいる気がする」
律子「……そうですね。変装してるつもりなんだろうけど、雰囲気丸出しだわ、あの子……」
P「もみくちゃにされてるぞ……助けに行かないと」
律子「……」
律子「――待って」
グイ
P「え? でも、千早も困ってるだろうし……」
律子「行かないでください」
P「……律子?」
律子「……千早なら、大丈夫。こういうことは、何度もありましたから」
P「でも……」
律子「私達が行ったら、さらに大げさなことになるでしょう? だから……」
P「……」
P「千早……」
律子「……今日は……今日だけは、あなたは、プロデューサーじゃなくて」
律子「私の彼氏でしょう……?」
P「……っ」
律子「……どうしてもというなら、止めないけど」
P「……」
P「千早なら、きっと大丈夫だな」
律子「!」
P「うん、絶対そうだ……あぁほら、もう映画館を出て行っちゃったし」
律子「……」
P「見なかったことにしよう! 俺達が見たのは、千早の幻だ」
律子「……ぷぷ、な、なんですかそれ?」
P「あはは、なんだろうな、本当に」
律子「もう、わけわかんない……ふふっ。あなたも、私も……」
P「律子、トイレ済ませておけよ?」
律子「それもなんというか、ギリギリな発言ですけど……まあ、一応行ってきます」
P「ああ。さて、俺も行ってくるか……待ち合わせは、ここでいいか?」
律子「ええ。それでは!」
【女子トイレ】
律子「……」
律子「うわ……私ったら、すごい顔してるわね……」
律子「……ほんと、わけわかんないわ」
律子「いつもなら、あんなこと言わないのに……」
律子「……」
律子「ごめんね、千早……。私は……」
P「……」ソワソワ
P(こう、ひとりになってみると……なんか、落ち着かないな)
律子「……お待たせしました」
P「! お、おお、律子」
律子「すみません、遅くなって……」
P「いや、いいさいいさ」
P(……こういう俺達の姿は……まわりからは、カップルに見えているのだろうか)
P「でも、たしかに時間かかったな……もしかして大」
律子「フンッ!」
ドガッ
P「あ痛っ!? ま、まだなんにも言ってないだろ!?」
律子「言わんとしてることは顔見ればわかります! まったく……」
律子「女性は男性と違って、色々とあるんですよ。そういうところ無神経なんだから」
P「……ご、ごめんなさい」
【映画館】
P「……」
律子「……」
ヴ――……
フッ……
律子「あ、暗く……」
『お待たせしました。間も無く、劇場版アイドルマスターを上映します――』
P「……――って、好きなんだよ」
律子「……え? な、なに?」
P「こういうさ、映画が始まる前の暗くなる瞬間。ワクワクしないか?」
律子「そ、そうですね! たしかに……」
単純なサイズでは一歩及ばぬものの、トータルバランスで見ればりっちゃんが765で一番エロい体つきしてると思う。
>>91
それでいて眼鏡のおかげでエロさにワンクッションあってちょうどいい感じ
それでいて眼鏡のおかげでエロさにワンクッションあってちょうどいい感じ
『チャオ☆ ジュピターの伊集院北斗です。エンジェルちゃん達も紳士達も、猿の木星をヨロシクね』
―――
『……ああっそんなっ……そこは汚ねぇ穴だろうが……!』
『冬馬の体に、汚いところなんてないさ……もう君の黒ちゃんも、立派な大猿に――』
―――
P(ひどいCMだ……しかし映画館のCMって、なんでこう大音量なんだろうな)
律子「……あの……プロデューサー」クイクイ
P「ん? どうした?」
律子「……他の人の迷惑になっちゃうから……耳、貸してください」
P「あ、ああ……」
律子「あのですね……」ヒソヒソ
P(本日二回目の耳打ちきた! ひゃっほうゾクゾクするぜ!)
律子「……さっきは、ごめんなさい」
P「ごめん、って何が?」
律子「……私のわがまま……わがままって言うのか、わからないけど」
律子「私の言うとおりに、千早じゃなくて、私を……」
P「……律子の言うとおりだと思ったから、そうしただけだよ。気にすることない」
律子「……そうです、か。そうですよね……」
P「……」
P(律子の性格的に考えて、今みたいに言っておくのが正解なんだろう……たぶん)
律子「あ、あと、あのことも……」
P「あのことって?」
律子「……蹴っちゃったこと。痛かったでしょう?」
P「……あんなの、それこそいつものことじゃないか。大丈夫、なんともないさ」
律子「……それでも、ごめんなさい。私、いつもいつも……」
P「……」
P「随分、素直なんだな。いつもの律子らしくない」
律子「……暗いから。普段言えないことでも……言えちゃうんですよ」
P「そっか……」
律子「そ、それだけ! ……あぁほら、もう始まりますよ!」
P「……ああ」
P(すでに照明を落とされて、会場は真っ暗だった)
P(スクリーンから溢れる光と、大音量で流れる騒がしい音だけが、この場所におけるすべてだった)
P(やがてCMも終わり、ホールはつかの間の静けさに包まれる。映画が始まろうとしているんだ)
P(誰もかれもが、画面だけに注目していく。俺と律子も例外じゃない)
P(でも……)
P(上映が開始されるその瞬間に、ふと眺めた、隣に座っている彼女の横顔は)
P(心なしか、赤く染まっているような気がした)
P(……暗闇だったから、きっと、気のせいだろうけど)
―――
――
―
律子「……」
P「……うぅ、グスッ……」
律子「な、なんですかもう……、男なのに情けないなぁ……」グスグス
P「律子こそ……ほら、クライマックスシーンの、雪歩の表情がさ」
律子「……たしかに、あれは凄かったわ……穴を掘りながら」
『私は生きています! 生きて、歌っていますぅ!』
『だから春香ちゃんも……一緒に掘りましょう!』
律子「って……」
P「思い出すだけで涙が……!」ブワッ
P(登場人物の名前が、どこかで聞いたことあるような気もするが……それはたまたまだ)
P(なんといっても今の映画はアニメ映画。俺達とは、全く関係のないものなのである)
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