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元スレ男「よ、久しぶり」従妹「……」
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…………
男「よし、じゃあ行くか。ちと遠いけど、歩いて行くぞ」
従妹「うん」
男「そういえばさ」
従妹「ん」
男「海目指して歩いた時」
従妹「ラムネ?」
男「よくわかったな」
従妹「ボクも同じ事考えてたし」
男「そっか……」
男「よし、じゃあ行くか。ちと遠いけど、歩いて行くぞ」
従妹「うん」
男「そういえばさ」
従妹「ん」
男「海目指して歩いた時」
従妹「ラムネ?」
男「よくわかったな」
従妹「ボクも同じ事考えてたし」
男「そっか……」
男「貯金箱ひっくり返して、ありったけの小銭持って出掛けたんだよな」
従妹「一円と五円ばっかしだったね」
男「ギリギリ80円のラムネを一本買って、二人で飲んだっけなぁ」
従妹「あの味は今でも忘れられないよ」
男「ぬるかった!」
従妹「そう、ぬるかった!」
男「ククク……」
従妹「ふふ……」
従妹「一円と五円ばっかしだったね」
男「ギリギリ80円のラムネを一本買って、二人で飲んだっけなぁ」
従妹「あの味は今でも忘れられないよ」
男「ぬるかった!」
従妹「そう、ぬるかった!」
男「ククク……」
従妹「ふふ……」
男「……ここが、あの時の駄菓子屋だ」
従妹「いつごろ?」
男「もう5年くらいかな。婆さん、身体壊したらしくて店仕舞いしちまった」
従妹「そっか……」
男「覚えておこうな」
従妹「ん」
従妹「いつごろ?」
男「もう5年くらいかな。婆さん、身体壊したらしくて店仕舞いしちまった」
従妹「そっか……」
男「覚えておこうな」
従妹「ん」
……
従妹「うう……」
男「いっぱい食えとは言ったけど、食い過ぎだろ」
従妹「くるぢい」
俺「こんにちわー!」
従妹「うう……」
男「いっぱい食えとは言ったけど、食い過ぎだろ」
従妹「くるぢい」
俺「こんにちわー!」
…………
従妹「なんというか……」
男「みなまで言うな。これでも最近頑張ってるんだぞ」
男「一番酷い時なんか、焼き鳥屋と飲み物屋、かき氷の屋台しかなかったんだ」
従妹「どうしてそんな事に」
男「単純に人がいないからさ。住人がいないから実行委員会に金が集まらないし、有志がいないから屋台が回らない」
男「でも最近、街に出てた人達が戻ってきててさ、ここまで盛り返してきたんだ」
従妹「なんというか……」
男「みなまで言うな。これでも最近頑張ってるんだぞ」
男「一番酷い時なんか、焼き鳥屋と飲み物屋、かき氷の屋台しかなかったんだ」
従妹「どうしてそんな事に」
男「単純に人がいないからさ。住人がいないから実行委員会に金が集まらないし、有志がいないから屋台が回らない」
男「でも最近、街に出てた人達が戻ってきててさ、ここまで盛り返してきたんだ」
従妹「兄ちゃんは、ずっと地元で生きていくつもり? 地元、好きなんでしょ?」
男「そうだなぁ……」
男「最後は戻ってきたい、かな」
従妹「じゃあ一旦は出るの?」
男「わがんね。ってか、どうした急に」
従妹「……」
従妹「兄ちゃんが、どっか遠くに行ったら嫌だな……って」
男「そうだなぁ……」
男「最後は戻ってきたい、かな」
従妹「じゃあ一旦は出るの?」
男「わがんね。ってか、どうした急に」
従妹「……」
従妹「兄ちゃんが、どっか遠くに行ったら嫌だな……って」
俺「>>1さんが完結する前に眠ったら嫌だなって」
従妹「>>1ちゃん寝落ちはゆるさないよ?」
男「今でも十分遠くに住んでる気がするけど」
従妹「そうだけど……」
従妹「嫌なんだ。兄ちゃんが『ボクの知らない世界』に行っちゃうのが……」
男「……」
従妹「んっ」クシャ
男「何言ってんだ。棗の方が、人生観ガラッと変わる出来事に出会う可能性高いんだぞ。若いんだから」ワシャワシャ
従妹「ボクは変わらない!」
男「じゃあ俺も変わんねーよ。俺達が忘れない限り、俺達は同じ世界にいる」
従妹「そうだけど……」
従妹「嫌なんだ。兄ちゃんが『ボクの知らない世界』に行っちゃうのが……」
男「……」
従妹「んっ」クシャ
男「何言ってんだ。棗の方が、人生観ガラッと変わる出来事に出会う可能性高いんだぞ。若いんだから」ワシャワシャ
従妹「ボクは変わらない!」
男「じゃあ俺も変わんねーよ。俺達が忘れない限り、俺達は同じ世界にいる」
「おーい、啓太ー!」
男「ん?」
男子A「よう、久しぶり」
男「おう、一学期以来だな。今日は?」
女子A「クラスの余り者達で花火を見に来たの」
従妹(これだ、この感じ。時々、兄ちゃんがとてつもなく遠く感じる……)
男子B「お前用事があるって言ってたのに……まさか彼女か!?」
女子B「えー、啓太君の彼女?」
男「彼女じゃなく、親戚」
男「ん?」
男子A「よう、久しぶり」
男「おう、一学期以来だな。今日は?」
女子A「クラスの余り者達で花火を見に来たの」
従妹(これだ、この感じ。時々、兄ちゃんがとてつもなく遠く感じる……)
男子B「お前用事があるって言ってたのに……まさか彼女か!?」
女子B「えー、啓太君の彼女?」
男「彼女じゃなく、親戚」
従妹(親戚……)
男子C「なぁ、ちゃんと紹介してくれよ」
男「ああ。母さんの姉……伯母さんの『娘』の棗だ」
従妹「……え」
男子C「なぁ、ちゃんと紹介してくれよ」
男「ああ。母さんの姉……伯母さんの『娘』の棗だ」
従妹「……え」
「じゃーな、棗ちゃん」
「またねー」
男「さて、俺達も何か買って見晴らしのいい所に」
従妹「兄ちゃん……」
男「ん?」
従妹「知ってたの?」
男「……何を」
従妹「ボクが……女って事」
男「何言ってんだ。棗は女だろ」
「またねー」
男「さて、俺達も何か買って見晴らしのいい所に」
従妹「兄ちゃん……」
男「ん?」
従妹「知ってたの?」
男「……何を」
従妹「ボクが……女って事」
男「何言ってんだ。棗は女だろ」
>>174
だな
だな
従妹「だ、だって兄ちゃん、一度もボクの事、女扱いしてくれた事なかったじゃん!」
男「違う、棗。俺はお前が女扱いすると嫌がるから、実の弟のように接してきたんだ」
従妹「ボクが嫌がるから?」
男「ああ。俺がママゴトでも提案しようものなら、『馬鹿にするな』と怒鳴り散らしたのはお前だろ」
男「だから俺は今日までそうやって接してきた。それは、間違いだったのか? 棗」
従妹「兄ちゃん……ボクの事、全然分かってないよ。ボクがこんな風になったのは……全部、兄ちゃんに嫌われたくなかったからなのに」
男「俺に……?」
男「違う、棗。俺はお前が女扱いすると嫌がるから、実の弟のように接してきたんだ」
従妹「ボクが嫌がるから?」
男「ああ。俺がママゴトでも提案しようものなら、『馬鹿にするな』と怒鳴り散らしたのはお前だろ」
男「だから俺は今日までそうやって接してきた。それは、間違いだったのか? 棗」
従妹「兄ちゃん……ボクの事、全然分かってないよ。ボクがこんな風になったのは……全部、兄ちゃんに嫌われたくなかったからなのに」
男「俺に……?」
従妹「ボクの中の一番古い記憶……ボクがまだ『女の子』だった頃、兄ちゃんちに遊びに来てた時の話」
従妹「ボクは近所の子供達にからかわれて泣いていた。見知らぬ男みたいな女がいる、って」
従妹「『女の子』だったボクはただ泣いていた。女の子なのに、男みたいだから坊主にしろとか、チンチンあるんじゃないかとか言われて……悔しくて泣いた」
従妹「その時、兄ちゃんが助けてくれた。意地悪な奴らを追い払ってくれて……格好良かった」
従妹「でも、兄ちゃんはボクに言ったんだ。『やられっぱなしで泣いている奴は嫌いだ』って」
従妹「ボクは近所の子供達にからかわれて泣いていた。見知らぬ男みたいな女がいる、って」
従妹「『女の子』だったボクはただ泣いていた。女の子なのに、男みたいだから坊主にしろとか、チンチンあるんじゃないかとか言われて……悔しくて泣いた」
従妹「その時、兄ちゃんが助けてくれた。意地悪な奴らを追い払ってくれて……格好良かった」
従妹「でも、兄ちゃんはボクに言ったんだ。『やられっぱなしで泣いている奴は嫌いだ』って」
主人公は従妹を男の子だと思ってる(という認識)からVIPSS風に「従妹」って呼ぶとなんか変な感じがする
かといって「従弟」と呼ぶと誰を指してるのか少し判りにくくなる
だから適当に名前をつけてお茶を濁した
と思ったんだけど違うのか
かといって「従弟」と呼ぶと誰を指してるのか少し判りにくくなる
だから適当に名前をつけてお茶を濁した
と思ったんだけど違うのか
従妹「傷付いた。全てを否定された気分だった。天国から地獄に落ちたら、きっとあんな気持ちなんだろうと思う」
従妹「兄ちゃんがそんなつもりで言ったんじゃないってのは……今ではわかってる」
従妹「でも……あの日、あの瞬間から『泣き虫な女の子の私』は…………表に出て来れなくなったんだ」
ヒュー… ドーン ドーン ドーン
男「棗……」
従妹「……」
従妹「兄ちゃんがそんなつもりで言ったんじゃないってのは……今ではわかってる」
従妹「でも……あの日、あの瞬間から『泣き虫な女の子の私』は…………表に出て来れなくなったんだ」
ヒュー… ドーン ドーン ドーン
男「棗……」
従妹「……」
従妹「怖かったんだ。兄ちゃんに、また『嫌いだ』って言われるかと思うと、女である事をさらけ出せなかった」
従妹「そうしている内に、兄ちゃんから女扱いされなくなって、本当に兄妹みたいで……心底楽しかった」
従妹「でも、もう辛いんだ。兄ちゃんと触れ合う度、胸が締め付けられるんだ。兄ちゃんの笑顔を見てると、身体が熱くて苦しいんだ」
従妹「ボクは……兄ちゃんが好きで好きでしょうがないんだ!」
従妹「そうしている内に、兄ちゃんから女扱いされなくなって、本当に兄妹みたいで……心底楽しかった」
従妹「でも、もう辛いんだ。兄ちゃんと触れ合う度、胸が締め付けられるんだ。兄ちゃんの笑顔を見てると、身体が熱くて苦しいんだ」
従妹「ボクは……兄ちゃんが好きで好きでしょうがないんだ!」
男「棗…………!?」
従妹「……っく」ギュッ
男「棗、おい、大丈夫か?」
従妹「大丈夫……ちょっと頑張りすぎただけだから」
男「……ごめんな、棗。こんなにも、お前を苦しめていたなんて」
従妹「……ほとんどは勝手に傷付いたボクが悪いんだし」
男「いや、年下の女の子を傷付けて……俺はとんでもない馬鹿餓鬼だった」
従妹「……っく」ギュッ
男「棗、おい、大丈夫か?」
従妹「大丈夫……ちょっと頑張りすぎただけだから」
男「……ごめんな、棗。こんなにも、お前を苦しめていたなんて」
従妹「……ほとんどは勝手に傷付いたボクが悪いんだし」
男「いや、年下の女の子を傷付けて……俺はとんでもない馬鹿餓鬼だった」
ドーンドーン ドーン ドーン
男「落ち着いたか?」
従妹「うん」
男「おぶるから今日は帰ろう」
従妹「でも、ここから結構距離あるし……」
男「お前の兄ちゃんは、女の子一人背負えない軟弱者なのか?」
従妹「……女の子」
男「落ち着いたか?」
従妹「うん」
男「おぶるから今日は帰ろう」
従妹「でも、ここから結構距離あるし……」
男「お前の兄ちゃんは、女の子一人背負えない軟弱者なのか?」
従妹「……女の子」
……
従妹「重くない?」
男「軽い軽い。ちゃんと食ってるか?」
従妹「……む」
従妹「食べてるよっ」ムニッ
男「うお!? 棗!」
従妹「へへ」
ドーン ドーン…パラパラ……
従妹「重くない?」
男「軽い軽い。ちゃんと食ってるか?」
従妹「……む」
従妹「食べてるよっ」ムニッ
男「うお!? 棗!」
従妹「へへ」
ドーン ドーン…パラパラ……
従妹「兄ちゃん」
男「ん」
従妹「好き」
男「さっきも聞いた」
従妹「大好き」
男「俺もだ」
従妹「……え?」
男「なんだよ、そんな驚いて」
従妹「だって、ボク全然女の子っぽくないよ?」
男「……ふふ」
従妹「な、なんで笑うの」
男「ん」
従妹「好き」
男「さっきも聞いた」
従妹「大好き」
男「俺もだ」
従妹「……え?」
男「なんだよ、そんな驚いて」
従妹「だって、ボク全然女の子っぽくないよ?」
男「……ふふ」
従妹「な、なんで笑うの」
男「いや、こんなに近くにいたのに、俺達何一つ分かってなかったなぁって」
従妹「どういう事?」
男「最初に好きって言えたら、こんなに遠回りして歪まなくて良かったのに、って思ったんだ」
従妹「ん」
従妹「でも、遠回りしたり歪んだ分も、ボクはその分も兄ちゃんを好きになれた」
従妹「傷はまだ癒えてないけど、いつか全部、兄ちゃんに真っ直ぐ向き合う力になると思うから」
従妹「どういう事?」
男「最初に好きって言えたら、こんなに遠回りして歪まなくて良かったのに、って思ったんだ」
従妹「ん」
従妹「でも、遠回りしたり歪んだ分も、ボクはその分も兄ちゃんを好きになれた」
従妹「傷はまだ癒えてないけど、いつか全部、兄ちゃんに真っ直ぐ向き合う力になると思うから」
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