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    元スレ男「よ、久しぶり」従妹「……」

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    151 = 1 :

    …………

    「よし、じゃあ行くか。ちと遠いけど、歩いて行くぞ」

    「うん」




    「そういえばさ」

    「ん」

    「海目指して歩いた時」

    「ラムネ?」

    「よくわかったな」

    「ボクも同じ事考えてたし」

    「そっか……」

    152 = 1 :

    「貯金箱ひっくり返して、ありったけの小銭持って出掛けたんだよな」

    「一円と五円ばっかしだったね」

    「ギリギリ80円のラムネを一本買って、二人で飲んだっけなぁ」

    「あの味は今でも忘れられないよ」

    「ぬるかった!」

    「そう、ぬるかった!」



    「ククク……」

    「ふふ……」

    153 = 29 :

    「アビャビャ」

    154 = 1 :

    「……ここが、あの時の駄菓子屋だ」

    「いつごろ?」

    「もう5年くらいかな。婆さん、身体壊したらしくて店仕舞いしちまった」

    「そっか……」



    「覚えておこうな」

    「ん」

    155 :

    ……

    「うう……」

    「いっぱい食えとは言ったけど、食い過ぎだろ」

    「くるぢい」

    「こんにちわー!」

    156 :

    157 = 147 :

    いいふいんきだ

    158 = 1 :

    …………

    「なんというか……」

    「みなまで言うな。これでも最近頑張ってるんだぞ」

    「一番酷い時なんか、焼き鳥屋と飲み物屋、かき氷の屋台しかなかったんだ」

    「どうしてそんな事に」

    「単純に人がいないからさ。住人がいないから実行委員会に金が集まらないし、有志がいないから屋台が回らない」

    「でも最近、街に出てた人達が戻ってきててさ、ここまで盛り返してきたんだ」

    159 = 1 :

    「兄ちゃんは、ずっと地元で生きていくつもり? 地元、好きなんでしょ?」

    「そうだなぁ……」


    「最後は戻ってきたい、かな」

    「じゃあ一旦は出るの?」

    「わがんね。ってか、どうした急に」

    「……」


    「兄ちゃんが、どっか遠くに行ったら嫌だな……って」

    160 = 29 :

    >>1さんが完結する前に眠ったら嫌だなって」

    161 = 156 :

    >>1ちゃん寝落ちはゆるさないよ?」

    162 = 1 :

    「今でも十分遠くに住んでる気がするけど」

    「そうだけど……」



    「嫌なんだ。兄ちゃんが『ボクの知らない世界』に行っちゃうのが……」

    「……」



    「んっ」クシャ

    「何言ってんだ。棗の方が、人生観ガラッと変わる出来事に出会う可能性高いんだぞ。若いんだから」ワシャワシャ

    「ボクは変わらない!」

    「じゃあ俺も変わんねーよ。俺達が忘れない限り、俺達は同じ世界にいる」

    164 = 1 :

    「おーい、啓太ー!」

    「ん?」

    子A「よう、久しぶり」

    「おう、一学期以来だな。今日は?」

    子A「クラスの余り者達で花火を見に来たの」


    (これだ、この感じ。時々、兄ちゃんがとてつもなく遠く感じる……)


    子B「お前用事があるって言ってたのに……まさか彼女か!?」

    子B「えー、啓太君の彼女?」

    「彼女じゃなく、親戚」

    167 = 1 :

    (親戚……)

    子C「なぁ、ちゃんと紹介してくれよ」



    「ああ。母さんの姉……伯母さんの『娘』の棗だ」



    「……え」

    168 :

    雲行きぐ怪しくなってまいりました

    169 = 1 :

    「じゃーな、棗ちゃん」

    「またねー」


    「さて、俺達も何か買って見晴らしのいい所に」

    「兄ちゃん……」

    「ん?」

    「知ってたの?」

    「……何を」

    「ボクが……女って事」

    「何言ってんだ。棗は女だろ」

    170 :

    なんか切なくなるな

    172 :

    盛り上がってまいりました

    174 = 27 :

    あーこれは寝たな

    175 = 79 :

    >>174
    だな

    176 = 1 :

    「だ、だって兄ちゃん、一度もボクの事、女扱いしてくれた事なかったじゃん!」

    「違う、棗。俺はお前が女扱いすると嫌がるから、実の弟のように接してきたんだ」

    「ボクが嫌がるから?」

    「ああ。俺がママゴトでも提案しようものなら、『馬鹿にするな』と怒鳴り散らしたのはお前だろ」

    「だから俺は今日までそうやって接してきた。それは、間違いだったのか? 棗」


    「兄ちゃん……ボクの事、全然分かってないよ。ボクがこんな風になったのは……全部、兄ちゃんに嫌われたくなかったからなのに」


    「俺に……?」

    177 :

    おきてた

    178 = 156 :

    キマシタワー建設はよ

    179 = 1 :

    「ボクの中の一番古い記憶……ボクがまだ『女の子』だった頃、兄ちゃんちに遊びに来てた時の話」

    「ボクは近所の子供達にからかわれて泣いていた。見知らぬ男みたいな女がいる、って」

    「『女の子』だったボクはただ泣いていた。女の子なのに、男みたいだから坊主にしろとか、チンチンあるんじゃないかとか言われて……悔しくて泣いた」

    「その時、兄ちゃんが助けてくれた。意地悪な奴らを追い払ってくれて……格好良かった」


    「でも、兄ちゃんはボクに言ったんだ。『やられっぱなしで泣いている奴は嫌いだ』って」

    181 :

    主人公は従妹を男の子だと思ってる(という認識)からVIPSS風に「従妹」って呼ぶとなんか変な感じがする
    かといって「従弟」と呼ぶと誰を指してるのか少し判りにくくなる
    だから適当に名前をつけてお茶を濁した

    と思ったんだけど違うのか

    182 = 14 :

    VIPSS風ってなんなんですかねぇ

    184 = 1 :

    「傷付いた。全てを否定された気分だった。天国から地獄に落ちたら、きっとあんな気持ちなんだろうと思う」

    「兄ちゃんがそんなつもりで言ったんじゃないってのは……今ではわかってる」

    「でも……あの日、あの瞬間から『泣き虫な女の子の私』は…………表に出て来れなくなったんだ」



    ヒュー…  ドーン ドーン ドーン


    「棗……」

    「……」

    187 = 1 :

    「怖かったんだ。兄ちゃんに、また『嫌いだ』って言われるかと思うと、女である事をさらけ出せなかった」

    「そうしている内に、兄ちゃんから女扱いされなくなって、本当に兄妹みたいで……心底楽しかった」

    「でも、もう辛いんだ。兄ちゃんと触れ合う度、胸が締め付けられるんだ。兄ちゃんの笑顔を見てると、身体が熱くて苦しいんだ」



    「ボクは……兄ちゃんが好きで好きでしょうがないんだ!」


    188 :

    エンダァァァァァァ!!

    189 = 1 :

    「棗…………!?」

    「……っく」ギュッ

    「棗、おい、大丈夫か?」

    「大丈夫……ちょっと頑張りすぎただけだから」

    「……ごめんな、棗。こんなにも、お前を苦しめていたなんて」

    「……ほとんどは勝手に傷付いたボクが悪いんだし」

    「いや、年下の女の子を傷付けて……俺はとんでもない馬鹿餓鬼だった」

    190 = 1 :

    ドーンドーン ドーン ドーン


    「落ち着いたか?」

    「うん」

    「おぶるから今日は帰ろう」

    「でも、ここから結構距離あるし……」

    「お前の兄ちゃんは、女の子一人背負えない軟弱者なのか?」

    「……女の子」

    192 = 1 :

    ……

    「重くない?」

    「軽い軽い。ちゃんと食ってるか?」

    「……む」


    「食べてるよっ」ムニッ

    「うお!? 棗!」

    「へへ」


    ドーン ドーン…パラパラ……

    193 :

    あててんのよ

    194 = 1 :

    「兄ちゃん」

    「ん」

    「好き」

    「さっきも聞いた」

    「大好き」

    「俺もだ」

    「……え?」

    「なんだよ、そんな驚いて」

    「だって、ボク全然女の子っぽくないよ?」

    「……ふふ」

    「な、なんで笑うの」

    195 = 1 :

    「いや、こんなに近くにいたのに、俺達何一つ分かってなかったなぁって」

    「どういう事?」

    「最初に好きって言えたら、こんなに遠回りして歪まなくて良かったのに、って思ったんだ」

    「ん」



    「でも、遠回りしたり歪んだ分も、ボクはその分も兄ちゃんを好きになれた」

    「傷はまだ癒えてないけど、いつか全部、兄ちゃんに真っ直ぐ向き合う力になると思うから」

    196 = 1 :

    眠い
    書き足りないけど寝ます

    197 = 91 :

    なんと

    198 :


    199 :

    起きてくれ

    200 = 29 :

    おい


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