元スレ男「よ、久しぶり」従妹「……」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
151 = 1 :
…………
男「よし、じゃあ行くか。ちと遠いけど、歩いて行くぞ」
従妹「うん」
男「そういえばさ」
従妹「ん」
男「海目指して歩いた時」
従妹「ラムネ?」
男「よくわかったな」
従妹「ボクも同じ事考えてたし」
男「そっか……」
152 = 1 :
男「貯金箱ひっくり返して、ありったけの小銭持って出掛けたんだよな」
従妹「一円と五円ばっかしだったね」
男「ギリギリ80円のラムネを一本買って、二人で飲んだっけなぁ」
従妹「あの味は今でも忘れられないよ」
男「ぬるかった!」
従妹「そう、ぬるかった!」
男「ククク……」
従妹「ふふ……」
153 = 29 :
俺「アビャビャ」
154 = 1 :
男「……ここが、あの時の駄菓子屋だ」
従妹「いつごろ?」
男「もう5年くらいかな。婆さん、身体壊したらしくて店仕舞いしちまった」
従妹「そっか……」
男「覚えておこうな」
従妹「ん」
155 :
……
従妹「うう……」
男「いっぱい食えとは言ったけど、食い過ぎだろ」
従妹「くるぢい」
俺「こんにちわー!」
156 :
ほ
157 = 147 :
いいふいんきだ
158 = 1 :
…………
従妹「なんというか……」
男「みなまで言うな。これでも最近頑張ってるんだぞ」
男「一番酷い時なんか、焼き鳥屋と飲み物屋、かき氷の屋台しかなかったんだ」
従妹「どうしてそんな事に」
男「単純に人がいないからさ。住人がいないから実行委員会に金が集まらないし、有志がいないから屋台が回らない」
男「でも最近、街に出てた人達が戻ってきててさ、ここまで盛り返してきたんだ」
159 = 1 :
従妹「兄ちゃんは、ずっと地元で生きていくつもり? 地元、好きなんでしょ?」
男「そうだなぁ……」
男「最後は戻ってきたい、かな」
従妹「じゃあ一旦は出るの?」
男「わがんね。ってか、どうした急に」
従妹「……」
従妹「兄ちゃんが、どっか遠くに行ったら嫌だな……って」
160 = 29 :
俺「>>1さんが完結する前に眠ったら嫌だなって」
161 = 156 :
従妹「>>1ちゃん寝落ちはゆるさないよ?」
162 = 1 :
男「今でも十分遠くに住んでる気がするけど」
従妹「そうだけど……」
従妹「嫌なんだ。兄ちゃんが『ボクの知らない世界』に行っちゃうのが……」
男「……」
従妹「んっ」クシャ
男「何言ってんだ。棗の方が、人生観ガラッと変わる出来事に出会う可能性高いんだぞ。若いんだから」ワシャワシャ
従妹「ボクは変わらない!」
男「じゃあ俺も変わんねーよ。俺達が忘れない限り、俺達は同じ世界にいる」
164 = 1 :
「おーい、啓太ー!」
男「ん?」
男子A「よう、久しぶり」
男「おう、一学期以来だな。今日は?」
女子A「クラスの余り者達で花火を見に来たの」
従妹(これだ、この感じ。時々、兄ちゃんがとてつもなく遠く感じる……)
男子B「お前用事があるって言ってたのに……まさか彼女か!?」
女子B「えー、啓太君の彼女?」
男「彼女じゃなく、親戚」
167 = 1 :
従妹(親戚……)
男子C「なぁ、ちゃんと紹介してくれよ」
男「ああ。母さんの姉……伯母さんの『娘』の棗だ」
従妹「……え」
168 :
雲行きぐ怪しくなってまいりました
169 = 1 :
「じゃーな、棗ちゃん」
「またねー」
男「さて、俺達も何か買って見晴らしのいい所に」
従妹「兄ちゃん……」
男「ん?」
従妹「知ってたの?」
男「……何を」
従妹「ボクが……女って事」
男「何言ってんだ。棗は女だろ」
170 :
なんか切なくなるな
172 :
盛り上がってまいりました
174 = 27 :
あーこれは寝たな
175 = 79 :
>>174
だな
176 = 1 :
従妹「だ、だって兄ちゃん、一度もボクの事、女扱いしてくれた事なかったじゃん!」
男「違う、棗。俺はお前が女扱いすると嫌がるから、実の弟のように接してきたんだ」
従妹「ボクが嫌がるから?」
男「ああ。俺がママゴトでも提案しようものなら、『馬鹿にするな』と怒鳴り散らしたのはお前だろ」
男「だから俺は今日までそうやって接してきた。それは、間違いだったのか? 棗」
従妹「兄ちゃん……ボクの事、全然分かってないよ。ボクがこんな風になったのは……全部、兄ちゃんに嫌われたくなかったからなのに」
男「俺に……?」
177 :
おきてた
178 = 156 :
キマシタワー建設はよ
179 = 1 :
従妹「ボクの中の一番古い記憶……ボクがまだ『女の子』だった頃、兄ちゃんちに遊びに来てた時の話」
従妹「ボクは近所の子供達にからかわれて泣いていた。見知らぬ男みたいな女がいる、って」
従妹「『女の子』だったボクはただ泣いていた。女の子なのに、男みたいだから坊主にしろとか、チンチンあるんじゃないかとか言われて……悔しくて泣いた」
従妹「その時、兄ちゃんが助けてくれた。意地悪な奴らを追い払ってくれて……格好良かった」
従妹「でも、兄ちゃんはボクに言ったんだ。『やられっぱなしで泣いている奴は嫌いだ』って」
181 :
主人公は従妹を男の子だと思ってる(という認識)からVIPSS風に「従妹」って呼ぶとなんか変な感じがする
かといって「従弟」と呼ぶと誰を指してるのか少し判りにくくなる
だから適当に名前をつけてお茶を濁した
と思ったんだけど違うのか
182 = 14 :
VIPSS風ってなんなんですかねぇ
184 = 1 :
従妹「傷付いた。全てを否定された気分だった。天国から地獄に落ちたら、きっとあんな気持ちなんだろうと思う」
従妹「兄ちゃんがそんなつもりで言ったんじゃないってのは……今ではわかってる」
従妹「でも……あの日、あの瞬間から『泣き虫な女の子の私』は…………表に出て来れなくなったんだ」
ヒュー… ドーン ドーン ドーン
男「棗……」
従妹「……」
187 = 1 :
従妹「怖かったんだ。兄ちゃんに、また『嫌いだ』って言われるかと思うと、女である事をさらけ出せなかった」
従妹「そうしている内に、兄ちゃんから女扱いされなくなって、本当に兄妹みたいで……心底楽しかった」
従妹「でも、もう辛いんだ。兄ちゃんと触れ合う度、胸が締め付けられるんだ。兄ちゃんの笑顔を見てると、身体が熱くて苦しいんだ」
従妹「ボクは……兄ちゃんが好きで好きでしょうがないんだ!」
188 :
エンダァァァァァァ!!
189 = 1 :
男「棗…………!?」
従妹「……っく」ギュッ
男「棗、おい、大丈夫か?」
従妹「大丈夫……ちょっと頑張りすぎただけだから」
男「……ごめんな、棗。こんなにも、お前を苦しめていたなんて」
従妹「……ほとんどは勝手に傷付いたボクが悪いんだし」
男「いや、年下の女の子を傷付けて……俺はとんでもない馬鹿餓鬼だった」
190 = 1 :
ドーンドーン ドーン ドーン
男「落ち着いたか?」
従妹「うん」
男「おぶるから今日は帰ろう」
従妹「でも、ここから結構距離あるし……」
男「お前の兄ちゃんは、女の子一人背負えない軟弱者なのか?」
従妹「……女の子」
192 = 1 :
……
従妹「重くない?」
男「軽い軽い。ちゃんと食ってるか?」
従妹「……む」
従妹「食べてるよっ」ムニッ
男「うお!? 棗!」
従妹「へへ」
ドーン ドーン…パラパラ……
193 :
あててんのよ
194 = 1 :
従妹「兄ちゃん」
男「ん」
従妹「好き」
男「さっきも聞いた」
従妹「大好き」
男「俺もだ」
従妹「……え?」
男「なんだよ、そんな驚いて」
従妹「だって、ボク全然女の子っぽくないよ?」
男「……ふふ」
従妹「な、なんで笑うの」
195 = 1 :
男「いや、こんなに近くにいたのに、俺達何一つ分かってなかったなぁって」
従妹「どういう事?」
男「最初に好きって言えたら、こんなに遠回りして歪まなくて良かったのに、って思ったんだ」
従妹「ん」
従妹「でも、遠回りしたり歪んだ分も、ボクはその分も兄ちゃんを好きになれた」
従妹「傷はまだ癒えてないけど、いつか全部、兄ちゃんに真っ直ぐ向き合う力になると思うから」
196 = 1 :
眠い
書き足りないけど寝ます
197 = 91 :
なんと
198 :
199 :
起きてくれ
200 = 29 :
おい
みんなの評価 : ★
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