元スレほむら「こんな、こんなはずじゃ……!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
51 :
マミマミ…
52 = 1 :
マミ「助けて! 痛い、いたいの! し、死んじゃう! ごほっ! 死んじゃうわ!」
ほむら「ッ……!」
そばに着地したほむらは、声を失った。
瓦礫の隙間からぐちゃぐちゃになったマミの内臓が見えた。
マミ「ああああああっいたいっいたいいいいいいい! たすけてええええええ!」
ほむらはどうしたらいいかわからなくなった。
もう死なせたほうが、楽にさせてあげたほうが良いのではないか。
それともなにか助かる方法があるのか。半身以上を喪ってなお。
マミ「あけみさあああああああああああああああんッ!」
爪の剥がれた手がほむらの足を掴んだ。
53 = 1 :
ほむら「ひっ!」
とっさにほむらは身を引いた。
マミ「たす、たすけて、あけみさん、いたいの、ねえ、ねえ! あけみさん!」
血の絡んだ声で請うマミの声に、ほむらは耳をふさいだ。
早くこの地獄のような状況が変わればいいと思いながら、目も瞑った。
マミ「あぁっさむい、さむいの、ねえ、どうして? さむい、さむい、さむ」
震えるほむらの足を掴むマミの手の力がぎゅうっと強くなったかと思うと、
マミ「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!」
搾り出されるような絶叫が響いて、それで終わった。
54 = 42 :
興奮した
55 = 1 :
ほむら「ごめんなさい、マミさん、ごめんなさい……っ」
泣きながら、硬く握り締められたままのマミの指を一本ずつ、ほむらは外した。
マミの顔を正視できなかった。
ぱたりと垂れた腕は制服である。
ほむら「そんな……!」
逃げるように向けたほむらの視線の先で、まどかがぼろぼろになって落ちていく。
そこへとさらに炎の追い討ちがかかった。
ほむらは目を背けて、盾に手を掛けるほかなかった。
―――時間遡行。
56 :
青い子の出番がないなんて
57 :
黄金の飛脚にクスっときた
58 = 1 :
―――
――
―
ほむら「っ!」
病室でほむらは目を覚ました。
突然、吐き気がこみあげてきて、ほむらは急いで洗面台へ走った。
ほむら「げえッ! けほっ、うぇぇ……」
胃の中身がなくなるまで、しばらくかかった。
ほむら「はぁ、はぁっ、ぺっ。はぁ、はぁ……」
鏡を見ると、顔面蒼白で涙目の嫌いな顔が移っていた。
ほむらは水で口をゆすいだ。
59 = 42 :
寒いから読み飛ばしてたが今気づいた
60 = 1 :
ほむら「………」
ベッドでふとんにくるまって、ほむらはがたがたと震えていた。
戦うのが怖くてしかたがなかった。
腹のしたのほうが冷えて、体の震えが止まらなかった。
ほむら「……鹿目さん……!」
その夜、ほむらは眠れなかった。
それでもまた、ほむらが登校したのは惰性以外の何者でもなかった。
病室にひとりでいるのが怖かったからでもある。
マミ「時間停止ね……確かにすごい魔法だけれど、使い方が問題よね」
また繰り返している。
ほむらはそう思った。
しかしその数日後、ほむらは知らない事態に遭遇する。
61 = 42 :
さやさやか
62 = 57 :
63 = 1 :
さやか「あたしも魔法少女になっちゃいましたー!」
マミ「叶えたい願い、決めたのね。美樹さん」
まどか「一緒にがんばろっさやかちゃん!」
ほむら「よろしく、おねがいします……」
さやか「えいえいおーっ!」
四人になった魔法少女らも、そのあとも何度も繰り返したように、魔女と戦った。
ワルプルギスの夜が現れる約二週間前。
魔女の結界のなかでさやかの片腕が飛んだ。
さやか「うああああッ!?」
まどか「さやかちゃん!」
さやかの肩から血が噴き出す。
64 :
さやかちゃんなら大丈夫だろ
65 = 1 :
魔女【ゴロゲログルルガル】
八本足の機械製の虎のような姿をした魔女。
そのうちの二本に握られた日本刀が、さやかの片腕を切り落としたのである。
マミ「ティロ・フィナーレ!」
必殺の砲撃を、滑るような動きで魔女が回避する。
四本の足にはタイヤがついているのだ。
マミ「速い……っ!」
さやか「うおおおおおっ!」
肩に治癒魔法を施しながらさやかが魔女に飛び掛る。
魔女【グロガログゲロゴロ】
魔女の刀がさやかの剣を受け止めた。
66 = 1 :
まどか「やぁっ!」
振り上げられたもう一本の刀ごと、まどかの矢が魔女の腕を吹き飛ばす。
魔女【ガルゲルグロロッ!】
飛びのきざまに魔女はさやかを振り払った。
ほむら「わひゃあっ」
さやかはほむらにぶつかって、二人で転がった。
まどかの矢がさらに魔女の足を撃ち抜く。
ほむら「ご、ごめんなさい美樹さん……」
さやか「いいから立って! もっかい行くよ!」
再び魔女に向かって疾駆するさやか。
67 = 1 :
マミ「美樹さん、ダメよ!」
飛び掛っていたさやかに向けて、魔女の背中から鉄製の杭が射出された。
ほむら「美樹さんッ!」
さやか「あ゛ッ!」
杭は見事にさやかの腹を貫き、背骨を折って後ろへと突き抜けた。
まどか「さやかちゃあああああん!」
制服に戻ったさやかがどさりと地面に落ちる。
腹に刺さった杭が地面に突き立ち、まさに串刺しだった。
マミ「暁美さん、今よ!」
リボンで魔女を縛り上げたマミの声にほむらは反射的に時間を止めた。
68 :
さやか「あ゛ッ!」
ふぅ…
69 = 1 :
結局、その後のワルプルギスの夜には勝てず、ほむらは時間を巻き戻した。
またさやかは魔法少女になったが、今度は絶望して魔女化するに至った。
手を組んでいた杏子と、錯乱したマミも失ってしまった。
まどか「いやだぁ……」
膝をつくまどか。
まどか「もういやだよ、こんなの……!」
泣き崩れるまどかに、ほむらが歩み寄る。
ほむら「大丈夫だよ、二人でがんばろう?」
しゃがみながら、ほむらが声を掛けた。
ほむら「一緒にワルプルギスの夜を倒そう?」
涙を流しながら頷くまどかに、ほむらは微笑んだ。
70 = 57 :
ふむ
71 :
吗
72 :
バッドエンドの予感
73 :
そろそろ壊れてきてるな
74 :
失禁描写が無いぞ
75 :
そろそろほむらが別な趣味に目覚める…
76 :
だが、まどかは次の魔女との戦いで、動けなくなっていた。
ほむら「鹿目さん!」
まどか「だって、だって……! この魔女も魔法少女だったんだよ!? できないよ!」
蛸の足が絡まったような魔女が蠢く。
その吸盤のすべてに少女の顔がついている。
ほむら「でも……」
まどか「わたし、撃てない……!」
力無く手を下げるまどか。
ほむらは意を決して振り返り、盾の中から自動小銃を引きずり出した。
まどか「ほむらちゃん!?」
安全装置を弾くように解除。
ほむら「やああああああああっ!」
77 = 76 :
魔女【イヤアアアアアアタスケテエエエエエエエエ】
血を撒き散らし、暴れる魔女。
すべての顔面が叫び出す。
まどか「いや、いやだよ! こんなのってないよ!」
耳をふさいで目を瞑り、しゃがみこんでまどかは首を振った。
ほむら「わあああああああああ!」
銃声が鳴り響く。
熱された空薬莢が散らばる。
魔女【イタイイタイイタイイタイイタイイタイ】
魔女【タスケテタスケテタスケテタスケテタスケテ】
慟哭する魔女を睨みつけながら、ほむらは必死に引き金を引き続けた。
そして、銃口からは煙しか出てこなくなった。
79 = 76 :
ほむら「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ」
荒い息をするほむらの前で、最後までのたくっていた触手がぱたりと落ちて、そして消えていった。
ほむらは銃を仕舞って、変身を解いた。
ほむら「鹿目さん……」
まどか「ごめん、ごめんね、ほむらちゃん」
立ち上がれずに、まどかは謝った。
まどか「わたし、ほむらちゃんに辛いこと押し付けて、逃げてただけだよね」
ほむら「そ、そんなこと、ないよ!」
まどか「ごめんね。……わたし、やるよ。魔女は、倒すしかないんだよね」
ほむら「うん……」
80 :
ほ
81 = 76 :
その夜。
ひとりきりの部屋でほむらは眠れずにいた。
目の前でマミを見殺しにしてからずっと睡眠導入剤を利用していたが、
今夜はそれを飲んではいけないという思いに駆られていた。
ほむら(私は、ずっと、人を殺してたんだよね……)
ほむら(今日、鹿目さんに言われるまで、知らないフリをしてた)
ほむら(でも、私は、……人殺しなんだ……)
吐き気がした。
眠気は無く、目は冴えるばかりだ。
そして涙はすこしも出なかった。
ほむら(私、どうすればいいのかな……)
ほむら(ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……)
そのまま、ほむらは夜を明かした。
83 = 76 :
翌週、まどかとほむらはワルプルギスの夜と対峙した。
しかしやはり、勝つことはできなかった。
瓦礫の山と化した見滝原で、二人は横たわり雨に打たれていた。
まどか「あたしにはできなくて、ほむらちゃんにできること――お願いしたいから」
人魚の魔女のグリーフシードをほむらのソウルジェムに押し当てるまどか。
まどか「ほむらちゃん、過去に戻れるんだよね。こんな結末にならないように、過去を変えられるって、言ってたよね」
ほむら「うん……!」
まどか「キュゥべえに騙される前の、ばかなわたしを、助けてあげてくれないかな……?」
まどかの瞳から、涙がこぼれる。
85 = 76 :
ほむら「約束するわ……! 絶対に貴女を救ってみせる。何度繰り返すことになっても、必ずあなたを守ってみせる!」
まどか「よかった……」
蚊の鳴くような声で、まどかは笑った。
―――時間遡行。
病室で目覚めて、再びほむらは嘔吐した。
手が震えている。
ほむら(まどかを殺した。私が。まどかを殺した。殺した。殺した。私が殺した)
引き金の感覚を思い出して、ほむらは洗面台を殴りつけた。
86 :
本編なぞってるだけじゃん
SSの意味なくね?
ご苦労なこって
87 = 73 :
ほむほむの心情が描かれたことはほぼないじゃん
88 :
>>86
文章の巧みさを鑑賞する事もできないなんて
可哀想な奴だな。
90 = 76 :
ほむら(私が殺した。私がまどかを殺した!)
目を瞑るとまぶたの裏にまどかの最期の表情が浮かんできた。
もう一度吐き気がして、ほむらは目を開く。
鏡に映った自分の顔は、ひどくやつれていて、目許のしわに想像を絶する苦難がべっとりと塗りこまれていた。
ほむら(今までは、殺さなくては殺されていた。でも今回は違う)
ほむら(もちろん、頼んだのはまどかだ。でも、どちらにしろ手を掛けたのは私じゃないか!)
ほむら「……ぺっ」
慣れた様子でつばを吐き捨て、ほむらは額にソウルジェムをかざした。
ほむら(もう、誰にも頼らない。誰に判ってもらう必要もない)
そのとき、ほむらに残っていた人間らしい感情がこそげ落とされた。
彼女は不安や同情といった感覚を失い、絞り込まれた目標のためだけに動くようになった。
92 = 76 :
ほむら(もうまどかには戦わせない。すべての魔女は私ひとりで片付ける!)
ほむらの戦い方は研ぎ澄まされていった。
どんなときでも冷静であり、倫理や道徳を歯牙にもかけず、精確に火器を操って魔女を殺す。
いくつもの戦闘の経験が攻撃と防御、潜伏などの感覚を磨き上げた。
ほむら(そして今度こそ、ワルプルギスの夜を、この手で……!)
何度も繰り返す中で楽に殺せるようになった魔女へ弾丸をぶち込む際に、心の中でひややかに笑ったことすらあった。
まどかとの約束のためならば、先輩だったマミも、仲間になったさやかや杏子を切り捨てることも厭わなかった。
それでも、
ワルプルギスの夜を倒すことはできなかった。
まどかが契約し、夜を倒して、魔女化した。
93 = 73 :
ほむほむ……
94 = 76 :
―――時間遡行。
ほむら(繰り返す。私は何度でも繰り返す)
ほむら(同じ時間を何度もめぐり、たったひとつの出口を探る)
ほむら(貴女を、絶望の運命から救い出す道を――)
ほむら(――まどか……!)
ほむら(たった一人の、私の友達……!)
ほむら(貴女の、貴女のためなら、私は永遠の迷路に閉じ込められても、)
ほむら(構わない!)
そして、運命の時が来る。
95 = 89 :
ほ
96 = 75 :
マミパイがマミマミされる時が来たか
97 = 76 :
マミ「いくわよ!」
さやか「はいマミさん!」
杏子「負けねーかんなッ!」
ほむら「………」
槍を担いで跳んだ杏子を追い抜いて、対戦車弾がワルプルギスの夜へと飛んでいく。
全弾命中に続いて、杏子の投擲した槍が夜に突き立った。
さやか「うおりゃあああああっ!」
多数の剣を召喚し、投げつけるさやか。
それらすべてが夜に突き刺さり、爆発を起こす。
ぐらついた夜へと、今度は迫撃砲が叩き込まれた。
99 = 76 :
マミ「戦場の風花と散りなさい!」
夜の背後へと回りこんだマミが巨砲を撃ち込む。
魔女【アハハハハハハハハ!】
しかし傷一つないワルプルギスの夜。
高笑いしながら、街の中心部へと、ゆっくりと迫る。
ほむら「行かせない……!」
タンクローリーを運転して、夜へとぶつけるほむら。
杏子「あいつなんでもアリかよ!」
さやか「杏子、下がって!」
大爆発がワルプルギスの夜を飲み込んだ。
100 = 89 :
ほ
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