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元スレ転校生「私のこと、覚えてますか?」
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転校生「男くん、今、何時ですか?」
男「え、あ…、もうすぐ3時…」
転校生「…そう、ですか…」スッ
男「お、おい!まだ質問に…っ!」
チュ
男「……!」
転校生「…もう、なにも聞かないで」
男「あ……」
転校生「お願い……」
男「……っ」
転校生「…ありがとうございます」
男「え、あ…、もうすぐ3時…」
転校生「…そう、ですか…」スッ
男「お、おい!まだ質問に…っ!」
チュ
男「……!」
転校生「…もう、なにも聞かないで」
男「あ……」
転校生「お願い……」
男「……っ」
転校生「…ありがとうございます」
転校生「私、男くんに逢えて本当によかったです」
転校生「男くんは、『あなたにもう一度会う』っていう、私の生きる意味をくれた」
転校生「会えたら、それでもういいって思ってました」
転校生「でも…、やっぱりだめですね、一緒にいたい、ずっといたいって、どんどん欲張りになっちゃいました」
男「…い、いいだろ、これからも一緒にいれば…」
転校生「…本当なら、叶う夢は1つだけなんです」
転校生「なのに私は2つも叶えてしまいました」
転校生「これ以上欲張ったら、神様がきっと怒っちゃいます」
転校生「男くんは、『あなたにもう一度会う』っていう、私の生きる意味をくれた」
転校生「会えたら、それでもういいって思ってました」
転校生「でも…、やっぱりだめですね、一緒にいたい、ずっといたいって、どんどん欲張りになっちゃいました」
男「…い、いいだろ、これからも一緒にいれば…」
転校生「…本当なら、叶う夢は1つだけなんです」
転校生「なのに私は2つも叶えてしまいました」
転校生「これ以上欲張ったら、神様がきっと怒っちゃいます」
男「けど…、だからって…」
転校生「…もう、時間、です」スッ
男「…っ」ギュ
転校生「わっ、…っ離してください…」
男「いやだ」
転校生「お願いします」
男「…」ギュー
転校生「…お願い…、これ以上はダメです…」
男「なんでだよ…俺、お前のこと…」
転校生「っ…だめです…」ポロポロ
男「…くそ、…なんで…」
転校生「…もう、時間、です」スッ
男「…っ」ギュ
転校生「わっ、…っ離してください…」
男「いやだ」
転校生「お願いします」
男「…」ギュー
転校生「…お願い…、これ以上はダメです…」
男「なんでだよ…俺、お前のこと…」
転校生「っ…だめです…」ポロポロ
男「…くそ、…なんで…」
転校生「…ごめ、んなさい」ポロポロ
男「…言うのもだめなのかよ」
転校生「はい…」
男「…っ」
パパーッ
転校生「…お迎え、来ちゃいました…」
男「……」
転校生「ありがとう、男くん」
男「……」
転校生「私、あなたのこと大好きです、ずーっと、ずーっと」
男「……」
転校生「…ばいばい、男くん…」
男「…言うのもだめなのかよ」
転校生「はい…」
男「…っ」
パパーッ
転校生「…お迎え、来ちゃいました…」
男「……」
転校生「ありがとう、男くん」
男「……」
転校生「私、あなたのこと大好きです、ずーっと、ずーっと」
男「……」
転校生「…ばいばい、男くん…」
――次の日から始まった学校は、ただただ平穏で、けれどなにかが抜け落ちていた。
担任は、夏前にやってきた転校生のことを「家庭の事情で」また転校した、と説明した。クラスの奴等は少し怪しがりながらも、1週間くらいで忘れてしまったようだった。
友は、なんだか前より大人しくなっていた。多分、俺が本当の事情を知っていることをわかっているのだろう。けれど、なにも聞いてこなかった。ただ一言、「海、いきたかったな」と呟いていた。
二週間後、担任を介してあいつの母親から手紙をもらった。住所は書かれていなかった。
『娘のわがままを聞いてくださったこと、本当に感謝いたします。
娘はずっと、あなたのことばかり口にしていました。
余程あなたのことが好きだったようです。
残酷なことかもしれませんが、娘のことを忘れないでいてあげてください。
夏になったら、海を見て思い出してやってください。
私たちからの願いです。』
あのあとあいつがどうなったかは書かれていなかったが、文字の裏に真実が見えていた。
秋がすぎ、冬がすぎ、春を越えて、夏はやってきた。
友は海のことを口にしなくなった。俺もなにも言わなかった。
俺は夜に自転車で1時間かけて海へ来た。ペダルは軽かった。
海は静かだった。ここだけ切り離されているような静寂だった。
ぼんやり海を観ていると、去年の夏のことが鮮明に思い出された。
秋がすぎ、冬がすぎ、春を越えて、俺はあの町を出た。
都会は常に騒めいていて、目まぐるしく動く世間に戸惑いつつも、少しずつ慣れていた。
夏がくる。
夏になると、思い出す。
いつまでも覚えている、一夏の転校生のことを。
end
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