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元スレクリス「私とまゆりのどっちかが死ぬはずだった?」 岡部「そうだ」
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そうしてさらに一週間が経った。
俺とクリスはもはや議論もせず、ただただまゆりの死の原因について考えていた。
飯もろくに食べず、風呂にも入らない。
睡眠すら満足に取れていなかった。
俺はそんな助手を見ながら、
俺とスタンスこそ違えど、必死にまゆりを助けようとしているのだと、ようやく気づいた。
そうして十分すぎるほど思考した結果、俺とクリスが行き着く先は、
同じだった。
岡部「クリス……」
クリス「なによ……」
岡部「タイムマシン…………作らないか……?」
クリス「……………………」
岡部「もう…………駄目なんだ…………」
クリス「……………………」
岡部「考えても考えても、わからないんだ……何故まゆりが死ぬのか…………」
クリス「……………………」
岡部「だから、タイムマシンを作って……まゆりを助けに行かないか……?」
クリス「私も……それしかないと……思っていた……」
岡部「……く、クリス……」
クリス「勘違いしないで。……私はこの世界がシュタインズゲートだと信じてる。だから、まゆりを助けた後直ぐにタイムマシンは破壊するわ」
岡部「あぁ、……その点については俺も同感だ…………あんなもの、あるべきじゃない」
クリス「ふふ……」
岡部「…………どうした?」
クリス「そんなものを作ろうとしてるくせに、どの口が……って話よ」
岡部「……そ、それは!まゆりを救うために仕方なくでだな!」
クリス「わかってるわよ。」
岡部「……クリス……」
クリス「岡部、それじゃ始めるわよ……。準備はいい?」
岡部「もちろんだ……」
クリス「もしかしたら……、岡部が回避してくれた戦争をまた引き起こすかもしれない……」
岡部「……あぁ」
クリス「あるいは、SERNにタイムマシンがバレて、二人とも捕らえられるかもしれない……」
岡部「…………」
クリス「タイムマシーンを即破棄したからと言って、タイムマシーンが完成した事実に変わりはない。……危険度は一気に跳ね上がる」
岡部「…………」
クリス「それでも、……まゆりを助けるのね……?」
岡部「……当然だ」
クリス「………………わかった」
クリスはそう言いながら、手を俺の方に出してきた。
どうやら握手のつもりらしい。
二度とクリスと共にタイムトラベル研究はしないだろうなと、考えていた俺だが、
手を握り合った瞬間、不覚にも
『あぁ、やはり俺とお前はこういう運命にあるのだな。』
そう、強く感じた。
クリス「……で、どうするの?」
岡部「あぁ、タイムマシンを開発する、と言ったものも……実際のところ、俺が作った事があるのはタイムリープマシーンだけだ」
クリス「まぁそれも私が作ったんですけど……」
岡部「こ、細かいことはどうでもいいのだ」
クリス「じゃあとりあえず、岡部の言うβ世界線で、私たちが作ったタイムリープマシンの概要と、経過をできるだけ詳しく教えて」
岡部「…………あぁわかった。少し長くなるぞ」
クリス「……もう時間の長さなんて忘れたわ。アインシュタインの言ったことが今なら理解できそうよ」
まさか、こんなところで
そのセリフをまた聞けると思っていなかった俺は、
またもや、運命とやらを信じそうになる。
β世界線の説明は、時間がかかった。
クリスは事あるごとに詳しく突っ込んでくるので、話が全く進まず、
質問をしてきては「だからレポートを取れって言っとろーが」
と捨てゼリフをはいていく。
今のお前はそのセリフを言ってないはずだろうが。
そう心の中で何度も反論した。
そうして3時間ほど経った所で、ようやく今後のめどがついた。
【ひとまずタイムリープマシーンを作ろう】
だが、要点をまとめて見ると、ひとまず……などという言葉では括れないほどめんどくさい事がわかった。
①、電話レンジを放電現象が起きるように改造すること(メールは送ってはいけない)。
②、SERNにハッキングを仕掛けること。
③、IBN5100を手に入れること。
④、Dメールを送ってみること。
⑤、エシュロンに捕らえられたDメールを削除すること。
⑥、クリスが脳の記憶をデータ化することに成功すること。
⑦、SERNのLHCにアクセスしてデータを圧縮させること。
⑧、タイムリープすること。
クリスが言うには、まず初めに今までの軌跡をたどらないといけないらしく、
限りなく、正確にたどっていけば行くほど、俺が観測した未来に結果は収束していくと言う物だった。
つまり、シュタインズゲートに行き着く際に、鈴羽が2010年にやってきた世界。
俺が観測し得る限り、もっとも高性能だったあのタイムマシンが開発される未来。
その未来をできるだけ再現しなければいけなかった。
だが、ここで新たな問題点が浮上してくる。
あの世界線上の未来では、確かに俺とダルはタイムマシンを作ったらしいが、それは各国が開発合戦を繰り広げた恩恵による所が大きかった。
各国が独自に理論を構築していき、俺とダルがハッキングでその技術を盗用していく。
その結果生まれたのが、あのタイムマシンなのだ。
だが、そのためには中鉢博士がクリスの論文を携えて、ロシアに亡命しなければならない。
そのためには、過去にタイムリープしてメタルうーぱを……と、
結局今までのイタチごっこになってしまうのだった。
これに対するクリスの答えは明瞭としたもので、
「とりあえずタイムリープマシンを作ること。そうすることで、また何か見えてくるはず」
という、要は『そん時はそん時』という精神で、
先ほどまで、無考がどうのこうの言っていたお前はどこに言ったのだと、小一時間たずねたくなった。
こうして、先は見えないながらも、
着実に。そして確かに、
まゆり救出作戦は、開始された。
【不可避のエピローグ】 13章 完
あぁケツが痛いでおじゃる。
書くの疲れたから休憩する。
落ちたらごめんね。
書くの疲れたから休憩する。
落ちたらごめんね。
二週間が経過して、
俺たちは早速、積んでいた。
電話レンジを改造すること。
ハッキングを仕掛けること。
その二つは、比較的容易だった。
事情を聞いたダルが快く協力してくれたからである。
任せろ!と、
ダルが言った瞬間。
正直、少しほっとした。
ダルという人間を考えた時、協力してくれるだろうとは思ってはいた。
だが、万が一拒まれていたら、その時点で俺と紅莉栖は【積み】なのだ。
バレないでSERNにハッキングする、なんて人間はダル以外にしらない。
そう考えると、ダルという人間は、これ以上無いくらいにキーパーソンなのである
『順調にこなしていけそうだ』
ハッキングまでを完了した俺の、安い算段は
『辛酸を嘗めさせられた』という言葉ではとうてい収まり切らない機械、
IBN5100によってまたもぶち壊された。
まったく、見つからないのだ。
柳林神社を探しても見つからない。
フェイリスの家に聞きに言っても、
コインロッカー、FBもといミスターブラウンの家、
どこを探しても全く、皆目姿が見えないのだ。
だが、こればかりは当たり前のことなのだ。
岡部「一体どこにあると言うのだ……」
紅莉栖「こっちが聞きたいわよ……」
岡部「確かに、前の世界線では、柳林神社に奉納されていたのだ……」
紅莉栖「それって、あれでしょ?鈴羽さんが未来から過去にタイムトラベルして、IBN5100を奉納しておいたんでしょ?」
岡部「あぁ、鈴羽が1975年にタイムトラベルして手に入れててくれたんだ」
紅莉栖「でも、シュタインズゲートの未来じゃ……」
岡部「………………」
そうなのだ。
このシュタインズゲート(仮)は、2025年まで、少なくとも俺たち以外がタイムマシンを作ることは無い世界なのだ。
当然、世界大戦勃発やディストピアが形成される事もなく、
鈴羽が災害回避のために、1975年へIBN5100を求めてタイムトラベルする理由もなければ、手段もない。
結論として、この世界でIBN5100が見つからないのは『当然』なんだ。
ならば、どうすればいい?
IBN5100をあきらめるか。
そもそもIBN5100は、実質的にタイムトラベルにはなんら関係はない。
無くても、マシンそのものは完成する。
だが、そうして作ったリープマシーンは必ずSERNに察知されてしまう。
何故なら、Dメール送った瞬間、SERNのエシュロンによって絶対に傍受されてしまうからだ。
その結果、俺と紅莉栖とダルは間違いなく、SERNに拉致監禁され、ディストピアが形成されてしまうだろう。
そうならないため、エシュロンにハッキングするためのIBN5100が絶対に必要なのだ。
なら
Dメールを送らなければ良いのではないか?
リープマシンを完成させないで、タイムマシンを作ればよいのではないか?
これもNOだ。
仮に、リープマシーンを一回も使わずに、奇跡と言ってもいい確率でタイムマシンを作れたとする。
問題は、そのマシンの完成度だ。
鈴羽によると、あのタイムマシンの大半の技術は、リープマシーンの援用で出来ていると言う。
リープマシンを作った際でも、何百回とDメール実験を繰り返し、その度に改良を重ねてきたのだ。
そのリープマシーンによる実験が一度も行わないまま、作ったタイムマシンが正しく作動するのはどんな天文学的確率になるのだろうか。
それにそもそもの問題として、タイムマシン開発そのものがSERNに暴かれる心配もある。
メールだけでなく電波関連全般を傍受できるSERNだ。可能性は決して低いものではないはずである。
常にその動向を監視してないと駄目なのだ。
過去の俺はそれを怠って、アトラクターフィールドの収束という、手痛い【制約】を受けた。
つまり、結論として、
タイムマシンを作るためには、やはりIBN5100は必須ということだ。
だが、見つからない。
いくら歩き回っても見つからない。
思いつく場所は、全て行って見た。
どう考えてもあるわけがない場所にも行った。
探した。探した。探し回った。
でも、見つからない。
……見つからない。
…………見つからないんだ。
さらに2週間が経った。
依然として見つからない。
紅莉栖とダルは、ネットを駆使して情報を収集していた。
俺は、自らの脚で、少しでも怪しそうな場所を探した。
と言っても、怪しそうな場所なんてもはや存在しないのだが。
もしかしたら、誰か持っていて売ってくれるんじゃないか?
そんな淡い希望もあったが、その程度で見つかるのならとっくにラウンダーによって回収されているはずだし、
事実そうだった。
ネットには噂程度のものしかなく、やっと見つけた有益そうな情報も、IBN5100の隠された機能、などという的外れな物だった。
心が折れそうだった。
それからさらに数週間。
もはや秋葉原には探す場所がないと思った俺は、捜索範囲を伸ばしていた。
過去の経験から言って、あるとしたら必ず秋葉原に存在するはず。
と、決めてかかっていたが、もしかしたら別の地域にあるのかもしれない。
だとしたらどこにある?
千代田区にないのなら、中央区だろうか
あるいは新宿区。怪しいところを言えば港区か?
いや、そもそも東京、むしろ日本にあるのだろうか。
秋葉原だけでも、探しきれる範囲でないのに。
考えれば考えるほど絶望感に浸れる。
こうなったら最後の手段として、フランスのSERN本拠地まで取りにいってやろうか。
……それも良いかもしれない。
マッドサイエンティストにふさわしいし、なによりこんな無為な時間を過ごさなくてよくなる。
ダルにハッキングを任せて、IBN5100を保管してるところを調べてもらい、後はこっそり進入すればいい。
それで全てがうまくいく。
いや、それよりもSERNの工作員を脅した方が早いんじゃないか?
ミスターブラウンなら、今まで機関が回収したIBN5100のありかを知ってるかもしれないし、
もちろんプロが口を割るわけないが、脅せばなんとかなるかもしれない。
そういえば、奴の娘が居たな
あの娘を人質にIBN5100を要求して、
紅莉栖「岡部!」
岡部「…………あぁ、紅莉栖か……どうした……?情報はあったか?」
岡部「…………あぁ、紅莉栖か……どうした……?情報はあったか?」
紅莉栖「どうしたも何もないわよ……、岡部……根詰めすぎじゃない……?」
岡部「何を言ってるんだ……、今せっかくいいアイディアが浮かんだと言うのに」
紅莉栖「ねぇ、少し休んだ方がいいんじゃない……?……今の岡部の顔……ひどい表情よ、」
岡部「………………」
紅莉栖「私、その岡部の顔……見たことある気がするの……」
岡部「…………」
紅莉栖「夢みたいに曖昧なんだけど、岡部が今みたいにすごい思いつめてる光景を見たことがある……」
(……これはおそらく、リーディングシュタイナーが発動しているせいだ。)
紅莉栖「まゆりのために、すごく頑張ってて……、でも岡部も倒れそうで……」
(……そういえば、ルカ子、フェイリス、まゆりもリーディングシュタイナーを発動していたな
発動のタイミングは、皆バラバラだったが、何か規則でもあるのだろうか……)
紅莉栖「もう私、岡部のそんな姿見たくない……、お願い。少しでいいから休んで……」
(……フェイリスは確か倉庫の中だったな。追い詰められてる時に発動したんだ……)
紅莉栖「もし、岡部まで倒れたりしたら……わたし……」
(……まゆりが発動したのはいつだったか。………………確か、あれは墓地の前で)
一瞬の閃光のような。
水面に落ちた小石の、波のような。
形容しがたい何かが頭の中を駆け巡った。
その一瞬の思波は
木々の揺らめきのように、そよ風のように
頭の奥底から、吹いてきて
ふと、考えるのを止めてしまうような。そんな余韻を残して消えていく。
そして、違和感は
一瞬の静寂を置いて、
暴風のような、激しい何かになって押し寄せた。
岡部「……っ……あっ……!」
まるで警鐘のように、頭の中で声が響く。
頭を抑えて蹲ってしまいそうな痛みも同時に起こる。
自分の身に何が起こっているのかさっぱりわからない。
考えることもできない。
ただただ、頭の中で何かが響いている。
『……いだせ。』
遠くで誰かの声がする。
だが、それよりも遥かに大きな声でかき消されて全く聞こえない。
頭の中にスピーカーを入れた様に、内側から聞こえるその声は、
初めは小さかったのに、次第に大きく、強くなっていった。
そして、ついにその声は知覚できるほどになった。
『思い出せ。』
そして同時に、紅莉栖の声も聞こえた。
「まゆりが……」
その単語を聴いた瞬間、頭の中の声はいっそう激しくなった。
直後、自分が何か忘れていることに
そして思い出さなければいけない、何かがある事に気づいた。
そう知覚した瞬間。
今までの記憶がフラッシュバックしてきた。
まゆりに関する全てが駆け巡る。
そのほとんどがあの三週間の出来事だった。
まゆりの死。それが形を変えていろいろよみがえる。
何十、何百とあるそのシーンを全て片隅においやり、奥底に埋もれたその記憶を探ろうとする。
奥へ、一歩奥へ、そして行き止まりに近いような場所に、
ひとつ『異質』なそれがあった。
俺はそれに手を伸ばす。
あと少しで、届きそうな位置にある。
それに手を伸ばす。
何か、忘れてはいけないことを。忘れてしまった俺が、思い出すために。
手を伸ばす。その周りとは明らかに異質なそれを掴むため。
めいいっぱい伸ばす。
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