元スレP「偶像の仮面」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
102 :
きつすぎる
103 :
やっぱり最低なやつだ
104 :
これはアカン……
106 :
うわぁ・・・・
うわぁ・・・・・
107 :
いや待て
108 = 100 :
「な…なに言ってるの? ここにいるのは真美だよ?」
「亜美、亜美…。ずっとこうしたかった」
「嘘でしょ…? い、嫌だよ…。ねぇ?」
震えながら尋ねる真美。ああ、もっと俺に失望してくれ……
「亜美…! 亜美……!」
「亜美じゃない!! 亜美じゃないもん!!」
「はぁ……はぁ……」
「いやっ! 止めてよ!! ふざけないでっ!! ねえったら!」
真美の抵抗を無視して、その二次性徴特有の、
丸みを帯びた柔らかい身体をまさぐっていく
…お前の成長を見てると彼女も色気づくんじゃないか心配だったが、杞憂だったみたいだ
真美でさえ、こんなにも子供の反応じゃないか
容姿の酷似した真美を彼女に見立てて、汚らわしい大人の欲望をぶつけていく……
「はなしてよっ! 嘘…こんなの、嫌…」
「いやあぁぁぁぁっ!!!」
109 :
1じゃないわ
110 :
それ違う
111 = 101 :
残酷すぎる
112 :
ロリコンの風上にもおけん野郎だ
114 = 100 :
~~~~~~~~~
律子と浜辺に降り立った僕は、途方にくれていた
「この辺で間違いないはずなんだけど……」
「でも、この辺に隠れられる場所なんてないよ?」
その時、停めていた車の方から声がした
「亜美ちゃん!!」
僕と律子は、急いで引き返す
「どうしたの!? 小鳥さん!」
「目を離した隙に、亜美ちゃんが…」
見れば、亜美が岬の方に駆けているのが小さく確認出来た
「あそこに真美がいるの…?」
115 = 100 :
~~~~~~~~~
……助けて……
「真美……?」
共感能力というやつなのか……私は真美の声を聴いた気がした
気付けば、私は駆けだしていた
「亜美ちゃん!!!」
呼び止めにも応じることなく、走る
近づけば近づくほど、確信する
…あそこに真美がいる
117 = 100 :
暗い屋内に、二人の影を見つける
横たわる小さな影と、その傍らに立つ大人の影……
震える足をかろうじて踏みだすと、
生臭さと血の匂いが、鼻をついた
性の知識に疎い私でも、何が起きたのかは一目瞭然だった
走り寄って、真美の身体を起こす
彼女は、人形のように脱力していた
「真美、しっかりして!! 来たよ…来たから……」
「ぁ……」
真美はこちらを見ると、虚ろに笑った
「真美、犯されちゃった……亜美の代わりに…」
118 = 100 :
「あ…、あぁ……」
彼女の短く切られたサイドポニーが、涙で滲んだ視界に入る
自分達双子の間で、それがどんな残酷な意味を持つのか…私はすぐに理解した
「真美ぃぃ!!!」
私の絶叫が、暗い塔の中を反響する
「許さない!!! この変態!! クズ野郎っっ!!!」
「……」
沈む夕日を背にした彼の表情を読みとることは出来ない
だが、茫然と佇むその姿は、憎しみをぶつけるには充分だった
119 = 100 :
~~~~~~~~~
「許さない!!! この変態!! クズ野郎っっ!!!」
灯台の入り口をかけ上がると、亜美の怒号が聞こえてきた
亜美を追いかけて飛び込んだ僕は、
その凄惨な光景に、思わず目を背けた
「あぁ、なんてことなの……」
「ひ、酷い…真美ちゃん…」
遅れて来た律子と小鳥さんが、呻きを漏らす
プロデューサーは、つっ立っているという表現が適切とすら思えるほど無防備だった
けれども、人がこの僅かな間にここまで豹変出来るのだ
という事実を前にして、僕は動けないでいる
121 :
こうキレられてもイマイチ納得できない
122 :
>>121
え?
123 = 99 :
>>121
真美の現状わかってるか?
124 = 100 :
「貴方は、自分が何をしたのか分かってるんですか!?」
肩を震わせて、律子が怒鳴る
彼はそれを聞いて、口の端をつり上げたように見えた
「何って、何も悪いことはしちゃいないさ」
「なっ、立派な犯罪ですよこれは!!」
「俺は人間として当然の欲求を満たしたに過ぎない…」
「一生満たされることのない飢えがお前達に分かるか?」
「それを抱えて俺がどんな風に生きてきたか……」
「それを制御するのが人間というものでしょう!!」
「俺から人間性を奪ったのは、お前らじゃないか」
「なにを…」
「お前らが俺の居場所を奪うから、俺は未練なく畜生になれた」
淡々と弁舌をふるう彼は、もはや恐怖だった
125 = 101 :
真美には非が無いというのにこの仕打ちですよ・・・
126 = 100 :
「犯罪者の烙印を押してくれたお陰で、法に縛られる必要もなくなった」
「お前らが、俺を自由にしたんだ」
「責任転嫁も、甚だしいですよ…」
口ではそう言いつつも、律子の気勢は明らかに削がれていた
僕にもその理由が分かる
彼だけでない、もっと得体の知れないなにかを、相手にしている気がする
「あっ……」
プロデューサーが、おもむろに階段を駆け出した
恐怖心が身体に、ブレーキをかける
だというのに、次の瞬間、僕の足は動きだしていた
「律子はそこで待ってて!」
僕には何故か、見届けなければという強い思いがあった
127 = 100 :
長い階段を抜けると、展望デッキに出た
辺りは夕闇に包まれて、灯台の白い壁は、青く染まっている
プロデューサーは、柵の向こうに広がる海を眺めていた
「真か……」
「プロデューサー…」
自分でも驚くほど無機質な声だった
いや、あまりの怒りに感情を忘れてしまったのかもしれない
「お前なら、俺の気持ちが分かると思っていたけどな」
「…ふざけないで下さい。誰があんなっ……!」
「そうかな? お前も自分の願望と他人の押しつけとの間に、
軋みを感じていたはずだ」
寡黙な印象だった彼が、饒舌に喋る
これが本来の彼なのか
128 = 121 :
あーここまでくればもうアレだけど、至る過程を見ると何で?って思ったんだ
129 = 100 :
「見てみろ。これがそういう人間の末路だ」
「不適格な願望を持った人間っていうのは、淘汰される運命なんだよ」
「永遠に仮面を被らされ続けるか、自ら破滅を選ぶか、どっちかしかないんだ」
「お前はどうだ? 死ぬまで偶像を演じていられるか?」
…僕は――
「…僕は、貴方みたいにはならい。なるわけがない」
「……そうか。まぁ、そんなことはどうでもいい。
大事なのは俺がこの道を選んだということだ」
「…だから貴方は破滅したんだ」
「だが、とても楽しかった。生きている実感を持てたよ。
長い人生の中で唯一、自分を取り戻せた瞬間だった」
「もういいです!! …もう、どこにも逃げられませんよ。大人しくして下さい」
「逃げる? 俺は逃げているつもりはない」
「これは生存競争だよ。お前らが俺を殺すか、俺が生き延びるか、それだけだ」
「あくまでもそう言うなら……」
彼は自分の存在を懸けてまで、敵対する意思を示した
僕は説得を諦めて、拳を握る
130 = 100 :
…この距離なら、行動を起こされる前に対処できるはずだ
そう頭の中で算段をつけていると、後ろから複数の足音が近づいてきた
「ここか!?」
黒服の男達が踏み込んでくる
突然の乱入者に、気をとられた
――そうか。伊織の……
「しまった!!」
気づいた時には、彼は既に跳躍していた
目の前で人が飛び降りるというショッキングな映像に、
僕はしばし立ち竦んだ
彼が踏み切った柵に手を掛けて、恐る恐る下を覗く
そこには黒々とうねる、海があるだけだった
「プロデュー…サー…」
……プロデューサーの遺体は、ついに上がらなかった
131 :
おい…
プロデューサー…
132 :
やりきった男だ
134 = 122 :
逃げた
135 = 112 :
自殺する人間ってひっそり消えるパターンと、
周りに出来るだけ迷惑かけて死ぬパターンと2種類あるんだよなあ
136 = 110 :
これは生きてる
137 = 100 :
~~~~~~~~~
「ん……」
カーテンを閉めきった部屋は、午後を回ろうというのに、ぼんやりとした明るさしかない
起きぬけの気だるさを紛らわせるために、
隣に寝ている雪歩の髪を撫でる
あれから一年……
雪歩の男嫌いは以前にも増して酷くなった。…仕方のないことだろうとは思う
その不安定な心の隙間を埋めるためだろうか、
彼女は中性的な存在としての僕にすがるようになっていた
彼女は、僕なしでは生きられない
138 = 100 :
あの事件が与えた影響は大きい
水瀬の力と真美達の両親の希望もあって、
事件自体は、事故として内密に処理された
けれども、何もかもが元通りという訳にはいかない
双海姉妹はアイドル業を辞めた
真美の心の傷は深く、今でも療養をしているらしいが、詳しくは分からない
亜美が何も話してくれなかったから
ただ、亜美が一度だけ真美の様子について漏らしたことがある
『私や鏡を見ると怯える』
それは、亜美の幻影を恐れているのだろうか?
それとも、亜美に見える自分を……
141 = 100 :
美希は、事件からしばらくたった後、他の事務所へ移籍してしまった
時々テレビに出演しているのを見かけるけれど、
冷たい目をしたその顔に、あの頃の人懐っこい面影はもうない
全ての処理が終わった後…二人っきりの時に、小鳥さんはこう言った
『プロデューサーさんは……私達に理解者になって欲しかったのかもしれないわね…』
己の嗜好を誰かに理解して欲しい…
だから人の目に触れるような手記なんてものを残しておいたのだ、と
だけど多分、それは違うのだ
あの人が、そんな微かな希望にすがっていたとは、僕には到底思えない
プロデューサーは…きっと、蔑んで欲しかったんじゃないだろうか
143 = 100 :
プロデューサーは捨てきれなかったのだ。自分の仮面を
僕が、ファンや雪歩の望む『菊地真』を、嫌いになりきれないように
美希や事務所の皆に慕われる自分の偶像を、壊せなかった
だから、賭けた
それは賭けとすら言えないものだったはずだけど、それでも良かったのだ
偶像の仮面を捨てる理由さえくれるならば
「真ちゃん……どこ…?」
「起きたの? 雪歩」
「ん……昨日の続き、しよ?」
144 = 110 :
ぴよ
145 = 100 :
そうだ。彼は、ずっと仮面を捨てたかったんだろう
重くのしかかった偶像を振り落として、裸になりたかった
「はぁ…んんっ…」
その世界に対する裏切りは、いつだって痺れる快楽をもたらしてくれるから
「真ちゃん、好き…」
僕が、雪歩に真実をぶち撒ける下卑た想像で、酷く興奮するように……
「ああ…」
「ボクもだよ」
146 = 112 :
同好の士が一人でもいれば
147 :
もう少し早く真が気付いていればな
148 = 100 :
「いらっしゃい」
「酒を…あと、串をいくつか…」
「はいよ」
「……」
「…お客さんも好きだねぇ。まだ日も沈んでない時間なのによ」
「……」
「若けえのに疲れた顔してるぜ? …当ててやろうか、女だろう?」
「女……はは、半分当たっているかな」
「半分?」
「…女は女でも、少女だ。中々会えなくてね…」
149 :
生きてたか・・・
150 = 100 :
「なんだい…娘か。すると女房に逃げられたクチか」
「……まぁ、そんなところだよ」
「ウチにもこれくらいの娘がいるんだが、女房の味方をしやがって敵わねぇ」
「娘…娘がいるのか?」
「ああ、今年中学に上がったばかりの、生意気な盛りのがな」
「へぇ……そうか…」
「そりゃあいい」
終
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