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    元スレP「偶像の仮面」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - へペルソナ3 + - アイドルマスター + - 亜美真美 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    51 :

    「私」ってすげー違和感あるな

    52 = 1 :

    「お前達はたまたま自分のそっくりさんが居たから、それが感じづらいかもしれないけどな」

    嬉しい言葉。だけどもっと確かな答えが欲しくて、つい続きをせがんでしまう

    「…例えば?」

    「そうだな…。真美は優しくなった。
    俺にはたまに愚痴を言うけど、亜美の前では聞いたことがないからな。
    それって周りに気を使えてるってことだろ」

    「あ……。そっか、そうなんだ」

    「ああ…」

    くしゃっとした、泣いているのか笑っているのか分からない顔で、そう肯定してくれる
    私はこの笑顔が好きだった

    …好き。そう、好きだ

    これが恋、なのかな?
    いつかはあずさお姉ちゃんのドラマみたいに、大人の恋愛が出来るんだろうか…

    今は…これでいい
    兄ちゃんが私のことを知っていてくれるなら、
    このままゆっくり大人になるのも、悪くはないって思えた

    53 = 1 :

    「ああ…」

    近頃彼女を見るたびに俺は言い様のない苛立ちを覚えていた
    いや、もっとちがう何か…
    多分これは……焦りだ


    彼女を知らないうちはよかった

    それが目の前にあっても耐えられた

    だが、
    刻一刻と、
    その宝石のような若さが目の前で失われていくことが、耐えようもなく苦痛なのだ

    ああ、あの果実をはやくもぎとらなければ、熟してしまう。腐ってしまう

    ああ

    ああ


    ああ――

    54 = 1 :

    ~~~~~~~~~

    「あれ、ミキミキどうしたの?」

    私が一人、閑散とした事務所でゲームに熱中していると、
    険しい顔をしたミキミキがバッグを片手に入ってきた

    「律子…と小鳥は?」

    「えっと…、どっか行っちゃったかも?」

    「ふーん、そう……」

    辺りを見回しながら気のない返事をすると、彼女は突然兄ちゃんのデスクを弄りだす

    「ちょ、ちょっと何やってるのさ!」

    「亜美も手伝って、ハニーの手帳を探すの」

    「…手帳?」

    「最近ハニーは新しい手帳を買って…一人になると何か書いてるの」

    55 :

    ロリコンってかわいそうな性癖だなとつくづく
    一生添い遂げられる相手できねーじゃん

    56 = 1 :

    「へぇ~。よく見てるね…」

    「だってハニーのことだもん」

    「言うねぇ…。でもなんでわざわざ見る必要があるのさ?」

    「そこに好きな人のことが色々書いてあるかもしれないの」

    「ええっ!? 好きな人?」

    「そう。だから一緒に探して?」

    好きな人というフレーズに、心が動く

    …これって、真美のためにもなるよね?

    真美が兄ちゃんを気にしてるのは知っていた
    双子だから、すぐに分かった

    …だったら、妹として応援しなくちゃっしょ?

    「ねぇ、その表紙ってどんな感じ?」

    58 = 1 :

    イタズラ好きな自分にとってみれば、隠し場所を当てるくらいはなんてことはなかった
    ほどなくして手帳が見つかる

    「あ、もしかしてこれじゃん!?」

    「それなの! これでハニーの秘密が分かる……」

    「で、でもやっぱり兄ちゃんに悪くないかな?」

    今さらながら芽生え始めた私の罪悪感などお構い無しに、彼女はぺらぺらとページを進めていく
    が、すぐにその手が止まった

    「何、これ……亜美たちの名前がある……」

    「え? どれどれ…」

    様子のおかしい彼女に気付かず、手帳を受け取ろうとする
    それは彼女の手から離れているかのように、するっと抜けた

    第一印象は日記、だった
    いや、詩だろうか? 漢字が多く書き込まれている……
    文章を読もうとすると、ピントがあったように内容が理解出来てくる

    「……嘘」


    ――鳥肌がたった

    59 = 36 :

    私怨

    60 = 1 :

    ~~~~~~~~~

    真美を無事に送り届けて、俺は事務所へと戻ってきた

    風通しをよくする為に開け放たれたままの玄関を通ると、奇妙な光景に出くわす

    …椅子に座った亜美と美希を囲んで、社員や真、雪歩が立っている

    俺が入ってきたことには、一人も気付いていない

    何故美希がいるんだ? あいつは休みじゃなかったか?
    いや、それ以前に様子が変だ

    「ただいま戻りました」

    いくつもの疑問を感じながら声をかけると、皆は跳ねるようにしてこちらを見た

    62 = 1 :

    「…………」

    「…ハ、…プロデューサー…」

    その輪の中央、机に広げられているものを見て俺は全てを理解した
    ……俺の手記だ

    「…そうか。見たのか」

    「勝手に内容を見たのは謝ります。ですが…」

    「いや、いいさ」

    「これ…本当なんですか?」

    真の視線がこちらを貫く。嘘は許さないとでも言いたげな目だ
    俺は正直に答える

    「ああ、全部俺の実感だよ」

    63 :

    >>40
    なんてスレタイ?

    64 = 1 :

    「亜美たちのこと、厭らしい目で見て……普通じゃないよ」

    「……」

    しゃがれた声で、亜美が絞り出すように言う

    そうか、彼女を泣かせてしまったのか
    けどな、そんなことは、言われなくても充分わかってるよ

    成り行きを静かに見ていた社長が口を開く

    「君、向こうで少し話そうか……」

    「ええ、分かりました」

    俺は思いの外冷静だった
    静まり返っている皆に背を向けて社長室へと足を進めると、美希に背後から罵られる

    65 = 7 :

    悪いことはしてないのにな…

    66 = 1 :

    「プロデューサーの変態…!! 信じてたのに……!」

    信じてた? 何をだよ? 俺が普通だってことをか?

    けれども、俺は彼女に反論する術を持たない

    「……そうだな。俺は変態だ」

    「犯罪です…」

    侮蔑のこもった雪歩の言葉に、足が止まる

    犯罪……? これは犯罪なのか…?

    なにかが、俺の心を逆撫でる

    「違うっ!!!」

    「ひっ…!」

    67 = 1 :

    声を荒げて、涙目になった雪歩を睨みつける

    あれ? 俺はなにを怒っているんだ?

    「俺は、犯罪者じゃない……」

    あんな蔑みの眼差しを受けて、プライドを失って、まだこんな情動が残っていたのかと驚く

    だが、一度溢れ出した激情は、自分でも制御出来なかった

    「ぷ、プロデューサーさん……」

    「お、落ち着きなさい…」

    「黙れ!!!」

    社長を殴りつけて、俺は、事務所を飛び出した
    この時の俺が何を考えていたかは分からない
    ただそれは、動物が本能で生存を選択するのと同じだったんだと思う

    俺は、終わりたくなかったのだ

    69 = 35 :

    完全に犯罪者じゃないか

    70 = 1 :

    ~~~~~~~~~

    「ここまで来れば…」

    乱れた息を整えながら、路地裏の汚いゴミ箱の隣に腰を下ろす

    「何やってるんだ俺は……」

    あの場から逃げただけで、何が変わる訳でもない
    また全てを失うのだ……
    このまま消えてしまうのも悪くはない
    とさえ思えた

    「いや、待てよ…」

    そもそも俺は何の為にこんなことになってるんだ


    俺が悪いのか?

    71 :

    見たことある気がする

    72 = 1 :

    俺はあいつらのルールを守ってきたし、常識だって尊重してきた
    誰よりも模範的に生きてきたんだ

    それを知ろうともせずに、あいつらは人の中にずかずかと入ってきて、
    俺の心まで縛りつけようとする…

    そこまでされる謂れがあるのか?

    俺が、あいつらに何で義理立てする必要がある?

    「そうだ……」

    そう考えた途端、思考が明瞭になっていく、身体が軽くなっていく

    しっくりくる……
    まるでずっと前から、解答が用意されていたみたいだ
    身体を巡る興奮に、血が沸き立つ

    「そうだ。俺は……」

    俺は、生まれて初めて自由を知った気がした

    73 = 1 :

    ~~~~~~~~~

    「痛つつ……」

    「大丈夫ですか? 社長…」

    「まさか彼がこんなことをするとはね、未だに信じられん…」

    社長は、小鳥さんが持ってきたアイスパックを頬に当てながら、そう漏らした

    「これからどうするべきなんでしょう…?」

    「少なくとも、彼には辞めてもらわなければならない。
    ただ心配なのは、彼が自棄を起こさないかどうかだ。事は慎重に運ばなければ…」

    社長の言葉に後ろめたさを感じたのか、雪歩が顔を伏せる
    けれど、その悠長な言い回しに、僕は違和感を覚えた

    74 = 25 :

    吉良じゃないけど性癖以外まともなのに性癖がアレだからって理由でこの扱いはなあ?
    犯罪犯したわけでもないのにクズすぎだろコイツら

    75 = 35 :

    いきなり社長殴られてますやん

    76 :

    まぁ日記にしちゃうのはまずかったな

    77 = 1 :

    「ねぇ…プロデューサーがヤケになるっていうのは、
    自分だけに限ったことじゃないでしょ?」

    僕の発言に律子達は顔を見合わせる

    「どういうこと? 真」

    「その…、誰かを巻き込む可能性もあるんじゃないかってことです」

    「それは……」

    嫌な想像に表情を曇らせていく律子達とは逆に、
    美希と一緒に泣いていた亜美が、顔を上げた

    「ねぇ…、真美は…?」

    78 = 7 :

    仕方ない気もする

    79 = 25 :

    というか前に見たかすみちゃんのやつと展開が全く同じだな

    81 = 1 :

    ~~~~~~~~~

    「朝は来れないって言ってたのに、
    急に迎えに来てくれるなんて、気前がいいじゃん!」

    「ああ、ドライブに行こうと思ってな」

    出来るだけ不自然でない表情を作って、真美に話しかける

    「ドライブ?」

    「海辺にな。いいだろう?」

    「うーん、いいけど…」

    「さぁ、乗った乗った。俺が荷物を持つから」

    「あっ、亜美にメールしようと思ってたのに…」

    「後でも大丈夫だよ」

    真美が車に乗りこんでいる隙に、素早く携帯を探る
    ああ、丁度着信が入ったようだ。間に合ってよかった
    せっつくようなバイブレーションを無視して電源を切ると、後部座席に荷物ごと放る

    「少しは周りのことは忘れろ。せっかくの遊べる機会なんだ」

    「う、うん。……へへ」

    彼女の笑顔を目に焼きつけて、俺は座席のドアを閉めた

    82 = 29 :

    あれこれあのSSと展開ががが

    83 = 25 :

    20歳なんですけど!ふくしの大学?に通ってるんですけど!
    のオチと似たような嫌悪感

    84 = 29 :

    あんなに年下だらけだからロリコンなってもおかしくはない

    85 = 1 :

    ~~~~~~~~~

    「き、切れた……」

    青ざめた顔で、律子が呟く

    「切れたって…律子さん」

    「途中までは、繋がってたんです…」

    「ということは…」

    「誰かが、電源を切った……」

    「…………」

    痛いほどの沈黙が場を支配する
    最悪の展開に、皆が色を失っていく

    「いやあぁっ!!!」

    亜美が叫びをあげるのを聞いて、僕達はようやく我に返った

    「け、警察……警察を呼んで下さい社長!」

    「あ、ああ…」

    何故だか、そこで受話器を上げた社長の手が止まった

    86 = 1 :

    「何してるんですか!? 早くしてください!!」

    「……」

    亜美をなだめていた小鳥さんが気付いたように話しだす

    「もし…もし警察沙汰になったら…」

    「なっ……! そんなこと気にしてるんですか!? いいからかけて下さい!!」

    「信じられません!! 真美の一大事ですよ!?」

    「しかしだね……」

    「もういいですっ!!」

    そう言い放つと、律子は支度をし始めた

    「律子、どこへ行く気なの?」

    「分からないわよ! けどここにいるよりずっとマシでしょ!?」

    駄目だ……
    律子も律子で冷静さを失っているように見える

    87 = 25 :

    Pが追い詰められて自暴自棄になったのこいつらのせいだろって思えてくる

    88 = 1 :

    「亜美……亜美は何か分からない?」

    「…そう言えば…」

    僕の問いかけに、亜美がぼそぼそと口を開いた

    「パパが……ケータイとは別に…位置が分かるの…持っとけって」

    「それ、亜美からも分かるの?」

    「うん…遊んでる時に、使ったことあるから……」

    「なら、それで真美の場所を突きとめよう!」

    僅かでも手がかりを掴めたことに、僕の鼓動ははやくなる
    そんな僕を制するように、誰かが袖を引っ張った

    89 = 29 :

    >>87
    かすみの時もそうだけど勝手に人の見るなとは思う
    ただそのタゲが自分達だから引いてるから仕方ないちゃあ仕方ない

    90 = 51 :

    キャラが再生されない

    91 = 1 :

    「亜美?」

    「…待って、亜美も行く」

    「駄目よ! 危険があるかもしれないのに!」

    「…律子さん、行かせてあげて下さい。私も付き添いますから」

    亜美の言動に感じるところがあったのか、小鳥さんがそう頼んだ

    「……分かりました。車を回して来ますから、準備しといて下さい」

    「美希は…どうする?」

    「嫌っ! 行かない! ……あんなの、ミキのハニーじゃない…」

    「……そう」

    耳を塞ぎながら叫ぶ彼女の姿はまるで、駄々をこねる子供のようだった…

    92 = 25 :

    >>90
    散々世話になったPを信じないで自分の保身に走ったりあんだけ好きって言ったのに掌返したり
    何かされたわけでもないのに軽蔑するような名前だけ同じ別人だから再生もされんだろ

    93 = 31 :

    ペド野郎のことなんて信用するわけないだろ、どんだけ好意を持たれてようが

    94 = 1 :

    ~~~~~~~~~

    夕暮れの浜辺に立ち寄った私と兄ちゃんは、
    砂浜を二人、散歩している最中だった

    「ははっ、見てよ兄ちゃん!」

    「……」

    波を蹴りあげて振り向くと、彼は何も言わずに佇んでいた

    自分がひどく子供染みた真似をしていると気づいて、恥ずかしくなる

    ふと、彼の瞳がこちら…の奥に向けられる

    「真美、あそこの灯台へ行こうか?」

    「ん…あの崖の上にあるやつ?」

    兄ちゃんの視線の先には、緑に覆われた岬に建つ、白い灯台があった

    「ああ、あの灯台だ」

    95 :

    うわああアアアアアアアアアああああ

    96 = 1 :

    ~~~~~~~~~

    僕達の車は、高速道路を飛ばしていた

    防音壁が続く代わり映えのしない景色は、いやが上にも僕達の焦りを募らせる

    「はい……はい、了解しました」

    社長からの電話を受けている小鳥さんの声だけが、車内に響く

    「律子さん、社長が水瀬財閥のお力を借りれるように、手配してくれたそうです」

    「そうですか…」

    多分、律子も今更と言いたかっただろうけど、
    この状況では、多少なりとも救いを感じられたのは確かだった

    僕の隣では、亜美が祈るように真美の名を呼んでいた

    「真美……」

    97 = 7 :

    数週間もニュースで騒ぐような事件があった後なんだろ?

    98 :

    ~~~~~~~~~

    足場の悪い道をしばらく歩いて、灯台の下にたどり着いた
    じめじめとした空気、汗を吸ったシャツが身体にへばり付く

    「わぁ、近くにくるとおっきいね!」

    「……そうだな」

    中に入ると、窓は少なく、薄暗い
    螺旋階段が上まで続いていた

    …思った通り、誰もいない

    「なぁ……」

    遠い天井を眺めている真美を、抱きよせる

    「に、兄ちゃん……?」

    99 :

    「ここに10万人の宮崎勤がいます!」か

    100 :

    「動かないで……」

    感触を求めて、腕に力を込める

    「ねぇ、からかってるの?」

    「……」

    ああ、目を瞑れば感じられる。
    俺の好きな匂い。俺の好きな肌触りが

    なんだ、全然いけるじゃないか

    「ちょ、ちょっとこういうのって…」

    「――美」

    「ん、なに…」



    「亜美……」

    「……え?」


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