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    元スレ照「清…原…?」

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    53 = 1 :

    ~帰り道~

    「待て菫!」

    「ん?何か用か?」

    「しらばっくれるな!おまえどういうつもりだ!
      この前と同じだ!途中まで完璧な麻雀を打ってるのに後半で不自然に失速する!」

    「ああ、どうやら私は勝負弱いらしい」

    「そんな嘘が私に通用すると思っているのか!
      今回の選抜戦、私はおまえのことを特に注意して観察していた」

    「何をぐるぐる考えてるのか知らんが、それでも焦りやプレッシャーなんてものは微塵も感じていなかった!」

    「まあ落ち着けよ照。そうだ、久しぶりにあそこの喫茶店に寄っていかないか?」

    54 :

    美穂子愛してる

    55 = 1 :

    ~喫茶店~

    「……」ズズ

    「3年生が抜けて迎える春季大会、メンバーにおまえが選ばれないのはあまりに不自然だ
      そんなこと私じゃなくても分かる」

    「……」

    「つまりおまえは自分がメンバーに選ばれないようにわざと手を抜いて打った
      どういう理由があってかは知らんが、そんな行為私は絶対に許さない」

    「麻雀に対する侮辱ってやつか?さすがチャンピオンは言うことが立派だな」

    「違う!」

    「手を抜いて打たれることがどれほど屈辱的かおまえに分かるか?
      譲られた勝利がどれほど惨めで虚しいものかおまえは知ってるか?」

    「……」

    「…私は嫌というほどそれを知っている…
      だからどんな相手でも全力で叩き潰すと私は心に誓っている」

    「……」

    56 :

    咲さん

    57 = 20 :

    照姉になら菫さんをとられてもいい

    58 = 1 :

    「おまえは理由もなくそんなことする奴だとは思ってない
      教えてくれないか、そのワケを?友達として、私に」

    「……」

    「できれば私はおまえと一緒に全国優勝したいと思ってるよ」

    「……」

    「…前に話したことあったよな…私のあだ名…」

    「え?」

    「私が清原と呼ばれていたことだ」

    「おい、こんなときに何の話を…?」

    59 = 1 :

    「実はあれ嘘なんだ…といっても由来の方がだがな
      清原が現役時代何て呼ばれてたか知ってるか?」

    「…いや」

    「『無冠の帝王』。彼は甲子園で大活躍しプロに入ったその年に強烈な成績で新人王に輝いた
      その後も球界を代表する4番打者として存在感を示してきたが、
      彼はその生涯で一度も打撃三冠のタイトルを獲得することはできなかった」

    「……」

    「私は小4のときに初めて麻雀の全国大会に出場してから、団体戦と個人戦を合わせてこれまで9度全国の舞台に立っている
      そのうち決勝の卓まで勝ち上がったのは5回、一度も優勝することはできなかった…」

    「女の割にでかい図体、中学が東京ドームの近くにあったこと、
      そして名門帝央中学を率いる優勝経験のない主将…」

    「『無冠の帝王』…。自分でも呆れるほどぴったりなネーミングだよ…」

    60 = 20 :

    清原菫 綺麗な名前じゃないですか

    61 = 1 :

    「でも、中2の春季大会で全国優勝したって誰かが言ってたぞ?」

    「そいつはすこし勘違いしているようだな。
      その大会のメンバー登録の日の直前に私は体調を崩し2週間ほど入院してたんだ。
      春季大会ということもあり大事を取って私はメンバーを外れ、その結果チームは全国優勝」

    「それが皮肉にも無冠の帝王の名が定着するきっかけになってしまったわけだが…」

    「だが、おまえがそんなあだ名を気に病むような奴とは思えないが…」

    「もちろん私も最初はそんなこと気にも留めていなかった。名付けた奴もほんの冗談でただの笑い話だったんだ
      だが、中3の夏最後のインターハイの団体戦であれは起こった……」

    「先鋒だった私は大量リードを奪ってバトンを渡し、後続の仲間もすばらしい麻雀を打ってそのまま大将まで繋いだ
      優勝は確実だと思われた後半戦南3局、うちの大将が2位の親に国士無双を振り込みまさかの大逆転負け…」

    「……」

    62 = 1 :

    「5巡目だった。流れもへったくれもない完全な事故だった…」

    「もちろんそいつを責める奴なんて誰一人いなかった。
      だがそいつが二度と牌を握ることはなく、高校も麻雀部のないところへ進学したよ…」

    「……」

    「ずっと一緒に努力してきた一番気のおけない仲間だった
      忘れられないんだ…残りの2局、泣きながら麻雀を打っていたあいつの姿が、どうしても…」

    「私のせいじゃないかと思った…私の呪縛が、あいつをあんな目に遭わせたんじゃないかと…」

    「それ以来、私を清原と呼ぶ者はいなくなった。冗談だったはずなのに誰も笑い話にできなくなっていた…」

    「それで、メンバーに選ばれるのを拒んだのか?自分がいたらチームが優勝できなくなると」

    「そうだ…笑えるだろ?
      威厳あるように振舞い男勝りだなんて呼ばれてその実は、こんなに女々しく情けないのが本当の私なんだ」

    63 = 1 :

    「白糸台を選んだのだって逃げだったんだ。東東京が臨海女子の1強なのに対し西東京は激戦区
      全国優勝への憧れは抱いたままなのに、より頂点に近い高校で麻雀を打つのが怖くなっていた」

    「ここ数年全国を逃してる白糸台なら、全国優勝を夢みたまま自分が真剣に打ってもし届かなくても苦しむことはないと考えた…
      だが、いざ入部してみると白糸台には照、おまえがいた…」

    「……」

    「おまえの麻雀を知るほど、全国優勝が手の届く距離にあることを感じた…
      そして、その分あのときのことを思い出さずにはいられなかった…」

    「希望と不安が私の中でぐちゃぐちゃに混ざり合っていた
      こいつなら、私のジンクスなんてものともせずずっと目指してきたあの場所まで私を連れてってくれるかもしれない」

    「でも、照みたいなすごい奴が仲間にいてそれでもだめだったらどうしよう…
      そのとき私は永遠に仲間を背負って卓に着くことができなくなるんじゃないかと思った…」

    「そうなることがどうしようもなく怖かったんだ……」

    64 = 20 :

    菫さんの胸に飛び込んでバックドロップを決められたい

    65 = 1 :

    「……話は分かった」

    「おまえが抱えてきたものに対して私はとやかく言うことはできない…でも…一つだけ言わせてくれ、菫」

    「…?」

    「私を信じてくれ」

    「……」

    「私の側で麻雀を打つ限りおまえにもうそんな思いはさせない」

    「……」

    「だから、菫の夢を私に託してほしい」

    「……」

    「…ああ」

    「頼む」

    66 = 1 :



    ……

    「ツモ」

    実況「試合終了ー!!白糸台高校、次鋒の弘世菫が稼いだリードを一度も奪われることなく圧巻の勝利!!
       2年連続のインターハイ団体戦優勝を達成しました!!!」

    実況「永水の神代小蒔に龍門渕の天江衣!今年も新たな選手が大会を湧かせましたがこの選手はやはり別格か!!
       白糸台高校宮永照!付け入る隙を一瞬も与えずその強さは今年も健在だぁ!!!」」
     

    部員A「よくやったぞ宮永!」

    部員B「おめでとうございます、宮永先輩!」

    「ああ、ありがと」

    「…ところで菫は?」

    部員B「弘世先輩ならさっき廊下の奥の方へ歩いていきましたが…」

    67 :

    咲世界は西に行けば行くほど麻雀魔境という風潮
    一理ある

    68 :

    お前清原馬鹿にすんなよ!通算500本塁打なんだぞ!!

    69 = 1 :

    ~会場トイレ~


    一番奥の個室「……ッグ……ヒッグ」

    「すぐ泣く女は嫌いじゃなかったのか?」

    「……」

    「…すぐ何かじゃない…私はこの日を…」

    「知ってるさ…少しからかっただけだ」

    「ここには私しかいない…好きなだけ泣けばいいさ」

    「…こんなところで私なんかに構ってていいのか…主役がいなきゃ締まらんだろ…」

    「私がああいう場は苦手なの知ってるだろ…それに…」

    「あっちで歓喜の輪の中にいるよりも、こうしてここでおまえの泣く声を聞いてるほうが優勝したんだという喜びを実感できる」

    「…そのセリフ…何か変態みたいだぞ…」

    70 = 1 :

    「全国優勝の気分はどうだ?」

    「……嬉しい……本当に……」

    「……照」

    「ん?」

    「ありがとう」

    「私は自分の麻雀を打っただけだよ」

    「清原の呪縛なんて微塵も感じなかった、それより…
      おまえが稼いだ点棒がどれだけチームの皆の気持ちを楽にしたか…」

    71 = 1 :

    「…照」

    「何だ?」

    「…私が泣いたことは誰にも言うなよ」

    「私の威厳というか…イメージが…」

    「ふふ」

    「分かってるさ」

    「おまえがここで泣いたことも、私がちょっぴり泣き虫だってことも二人だけの秘密だ」

    72 :

    すばら

    73 = 1 :

    「……来年も優勝しような」

    「当たり前だ。言っただろう?私の側にいる限りもうあんな思いはさせないと」

    「…そうだったな」

    「それに」

    「もしこの先離れていつか戦うときが来たとしても」


    「私たちはずっと友達だ」




    ~END~

    74 :

    おつ

    75 = 20 :


    完璧に俺得スレだった

    76 :

    おつつ
    よかったよかった
    これで菫の最初の大会が咲さんだったらどうなるのかと考えてたよ

    78 :

    すばらです

    79 :

    乙乙

    80 :

    咲さんに優勝を奪われてトラウマ再発ですねわかります

    81 = 1 :

    照と菫の馴れ初めが書きたかっただけです
    後半はストーリー作るために偉大な清原選手に力をお借りしました
    ありがとう、清原和博

    読んで下さった方はありがとうございました

    82 = 20 :

    清原の呪縛で吹いたけど 良かった

    83 :

    おつおつ

    84 :


    百合じゃなく普通に青春してたのがすばら

    85 :

    すばらっ!

    86 :

    読みふけって電車乗り過ごすとこだった

    87 :

    こんなに短いレス数でgdgdせずキレイに終わったSSスレには滅多に出会えないわ乙

    88 :

    今さら言うのもなんだけど
    清原は個人としては無冠だけど甲子園優勝2回日本一8回という輝かしい経歴の持ち主だということを忘れないで欲しい

    89 :

    >>88
    そいつのいるチームは優勝できない、ってのは辛いさんの専売特許だなw

    90 = 1 :

    >>88
    親がKKコンビの大ファンだったこともあり私も清原選手は本当にすごい人だと思ってます
    その辺は確かに引っかかりましたが「無冠の帝王」で思いつくのは私の知識では清原とレバンナぐらいだったこと
    私が野球好きでできるだけ他の人にも馴染みある方をということで清原選手を題材にさせてもらいました

    清原選手をネタにしようなんて気持ちはこれっぽっちもありませんので悪しからず

    91 :

    来年は清澄に負けてトラウマ再発しそうだね

    92 :

    かっとばせスミレ君


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